あなたはそこにいますか…?
概要
2114年に突如宇宙から飛来してきた地球外知的生命体。
構成成分の大半がシリコン(珪素)であることから、「シリコン型生命体」とも称される。
その目的はミョルニアによると、「宇宙を無に帰すことで、より高い次元へ移行させる」ことにある。
結晶核(コアまたはペルソナとも)を破壊しない限り倒せず、読心能力や高次元の防壁であらゆる攻撃を無効化し、レーダーも効かないため有視界戦闘用の兵器として人類はファフナーを建造することになった。
下記の様に様々な種類があるが、フェストゥムという存在は全体で一つである。
各々のコアを通し、ミール(後述)から送られてくる情報と意思を全体で共有するため、基本的に固有の意思を持たず、個体という概念自体がない。
前日談『RIGHT OF LEFT(以下RoL)』以前は海水が天敵であり、触れると異常結晶化し自壊してしまっていた。しかしRoL終盤で「新陳代謝」の概念を手にいれ海水を克服、L計画最大の悲劇へと繋がる。
但し海中では同化能力が半減するために、水中活動専門の種が生まれてはいるが海を主要に活動することは滅多にない。この欠点はTVシリーズ二期『EXODUS』でも一部例外を除き変わらない。
その後、人間を理解していく内にマスター型の様に固有の意思を持つ個体も現れ、2146年の第一次蒼穹作戦では北極海ミールが自身の死と引き換えにフェストゥムに個体になることを与えた結果、フェストゥム内にも派閥が発生。
しかしその直前に「憎しみ」「痛み」を理解し、作戦後も人類軍上層部が敵の殲滅を目指したことで大半のフェストゥムは人類に対する強烈な憎悪に染まり、殺害の手段として同化を使う、民間人を優先して狙う、挙句に敢えて同化やワームを使わずに対象を文字通り叩き潰し、敵の苦しみを嘲笑うなどそれ以前のフェストゥムから完全に変わり果ててしまった。
更には「派閥」と「個」が発生したことでフェストゥム内部でも敵対や騙し合いが起き、仇敵である竜宮島と穏健派同士手を組んで(といっても同意を得たうえでの同化という方法だが)人類・フェストゥム双方の主戦派を殲滅しようとしたかつての空母ボレアリオスの群れ、人類相手に共闘しつつも隙あらば他の個体を同化・排除しようと狙っている各アザゼル型の群れなどが作中に登場している。
群れに属さない個体、戦いを望まない個体を強引に支配下に組み込んだり、敵対するアザゼル型が人類側の攻撃で瀕死になったところを奇襲してトドメを刺してしまうなど人間を同化したことで、人間の暗黒面に逆に同化されたと言っても過言ではない状況に陥っている。
また、人類に対して憎悪する個体は醜く禍々しい姿をしている。
一方で敵意のない群れも存在しており、そんな群れの一つはさながら珪素で出来たどうぶつの森とでも言うべき領域を形成していた。
フェストゥムからの「祝福」。対象と文字通り同一になることで、その能力や情報を獲得できる。同化された人間は、基本的に「いなくなる」が、中途半端に同化された場合を「半同化」といい、人の姿を保っているものの、自我が失われ脳死に近い状態に陥る。
外部作品かつファフナーが微妙な扱いを受けた作品であるが、スーパーロボット大戦Kでは同化について「プールいっぱいの水に一滴のジュースを垂らすようなもの」と表現している。ジュース(=同化された人間)は限りなく拡散し、抽出することは不可能である。
だが、特殊な条件が重なることで同化される前の自我を残したり、逆にフェストゥムに祝福を与える(フェストゥム側曰く「共鳴」)ことがあり、「共鳴」をしたミールやフェストゥムは大きな影響と変化を受ける。しかしながらこれらは例外中の例外であり、やはり普通は同化=人としての死である。
『EXODUS』時点では、人類に敵対する群れが祝福ではなく殺戮の手段として同化を使用している。
- ワームスフィア現象
フェストゥムの主な攻撃手段。任意の空間を内部ごとゼロ次元へ向かって捩じり切る。
「フェストゥムが黒く光ると、何も無い空間に突如黒い球体が発生、内部の物質が消滅する」という形で描写されており、読心能力もあって回避は困難、対策がなければ一撃必殺という恐るべき攻撃。更には倒された際にも爆風代わりに発生し、これに巻き込まれたマークエルフは主人公機でありながら第2話にして原型を留めないまでに大破している(余談だが、ファフナーの脱出装置がまともに仕事した数少ない例)。
上記は基本形であり、フェストゥムの進化とファフナーのワーム耐性の向上によって砲撃、光線状に照射、雑巾絞り、円盤状にして投げつけるなど派生形が増えている。
『EXODUS』では高密度に圧縮して楔状にしたワームウェッジが主力となっているようである。ファフナーの装甲のワーム耐性が上昇したことを受け、装甲を貫通して内部で直接起爆することで有効打を与えるというものである。
種類
スフィンクス型
「あなたはそこにいますか?」(CV:ゆかな)という問いかけに肯定すれば同化、否定すれば攻撃という反応を示す。問いかける者という意味でスフィンクス型(小説版では質問者型)と名づけられたが、別にこのタイプだけが問いかけてくるわけではない。
A~Eの種が確認されており、後の方になるほど砲撃特化の影響で大型で前のめりになってくる。
- スフィンクスA型種
劇中でも最も多く遭遇するタイプのフェストゥム。この種を見て「綺麗」と言うのが劇場版『HEAVEN AND EARTH(以下HAE)』までのお約束だった。
また、『HAE』に登場した来主操もスフィンクスA型種である。
- スフィンクスB型種
『EXODUS』で登場した。他のスフィンクス型と比べると全体的に筋肉質で完全な人型をしている。人類を学んだ結果による物なのか頭部などは非常に禍々しい(目一つ口一つの顔が二つ並んでいる)。ワームウェッジを連射したり、プレアデス型(親)の光学迷彩、コアを持たずに本体と同等の戦闘力を持つ分身を生み出す等の多彩な能力を持つ。
ウォーカーによる三回目の侵攻時にはファフナーの能力を反映した特化型(便宜として格闘型、四刀流型、射撃型、防御型と呼称する)が投入され、相性によるものとは言えファフナーを圧倒するほどの戦闘力を見せている。
- スフィンクスC型種
A型種の進化型。巡航形態に変化することもでき、主に宇宙空間での活動が報告されている。
- スフィンクスD型種
スフィンクス型の中では最も長距離攻撃を得意とする種。
ワームスフィアやワームショットによる直線的攻撃を基本戦法とするが、近距離攻撃に弱い。
- スフィンクスE型種
『HAE』に登場。C型種とよく似たフェストゥムであり、背中に無軌道爆弾のようなものを搭載している。
アルヘノテルス型
体からグレンデル型という小型フェストゥムを生産し、仮に自身が撃破されてもコアが無事ならグレンデル型と再同化を行うことで自己再生を行い再起動する。
『EXODUS』19話ではウォーカーの群れに属する24体が陣形を組む事で同化能力・個体防壁を強化している。この戦法は第四次蒼穹作戦でも使われたが、マークザインによってあっさり攻略された。
グレンデル型
アルヘノテルス型が生産する小型フェストゥムで手の化け物みたいな形状をしている。
その気になれば人間が扱う小火器でも撃退可能である。
『EXODUS』では体長数ミリの個体が竜宮島のシールドを覆い尽くすほど大量に生み出され、親玉のアルヘノテルス型が全滅すると共に消滅した。
コアギュラ型
接触による高速同化をメインとする特殊なフェストゥム。攻撃意識を持たないため、フェストゥムを探知するソロモンでも判別が難しい難敵。
同化能力が桁外れに高く、耐性がなければほんの数秒で完全に同化されてしまうが、攻撃行動自体は一切してこない。
砂と同化して人型の土人形を作り上げることもある。
- コア型
コアギュラ型から分化した存在で、皆城乙姫が該当する。『EXODUS』に登場する来主操は、ミールのコアだが前の操と同じスフィンクス型である。
プレアデス型(親)
魚の様な体に手と羽を付けた姿のフェストゥム。フェストゥムとしては珍しく顔がある。
頭部(目)から強力なプラズマを発射する能力があるほか、目視さえ不可能な完全なステルス能力、後述するプレアデス型(子)を生産し自爆特効させるといった厄介な攻撃をする。竜宮島で交戦したファフナーをことごとく退けコアに迫ったが、新生マークザイン(リミッター搭載前)の初陣の獲物となった。
ゲーム版ではアヌビス型と命名された。
- プレアデス型(子)
プレアデス型が生産する自律飛翔型追跡爆弾。取り付いたあと少し間をおいて自爆する。
大量に集まって自爆した際は、竜宮島の山部分の装甲を吹き飛ばすほどの破壊力を発揮した。
なお、倒しても親となるプレアデス型が健在ならいくらでも再生産される。
ゲーム版ではアルキオネ型と命名された。
フェストゥムマークニヒト
ゲーム版でのみ登場した金色のマークニヒト。
ホーミングレーザー、広域ワームスフィア、アームブレード、ワームショットといった多彩な攻撃を得意とし、さらに被弾することでフラグメント型を分離する。
ちなみに設定上では、これとは別に『HAE』以降の時間軸でマークニヒトの形状を模したフェストゥムが出現しているらしい。
- フラグメント型
フェストゥムマークニヒトの欠片。
特性はアルキオネ型と全く同じだが形状が若干異なる。
マスター型
人の姿を取れるフェストゥムの中でも、かなりの意思決定権を与えられた高等フェストゥムで個体数が非常に少ない。(確認されているのはミョルニアとイドゥンの二人のみ)
人としての姿かたちは同化した人物そのもので元となった人物の記憶も持っているらしく、人間社会に溶け込むことも可能だが、ミョルニアは同化した相手ではないと自称していた。
スレイブ型
同化能力を持たず、他のフェストゥムに捕食される存在。
自らの意思で同化能力を捨てたフェストゥムもこのスレイブ型に分類される。劇中では春日井甲洋が該当。
スカラベ型
周囲にあるものを同化して、ひたすらに巨大化し、やがて根を張る植物タイプのフェストゥム。
『HAE』で来主操のミールが根城にしていた空母に、飽和した状態のこの種が張り付いている。
- スカラベR型種
スカラベ型の完熟形態。一期の時点では(人類軍が把握している限り)3体のみの希少なフェストゥムだが、『EXODUS』では個体数も増加し、ウォーカーの群れだけで7体も存在している。
相手の射撃エネルギーを捻転エネルギーに変換して撃ち返し、武器や腕を捻じり上げて破壊する「ワームカッター」を放つことができる。
この捻じり上げは、システム上は破壊されていないと扱われるためにペインブロックシステムが発動しない。
後にボレアリオスミールに属していたスフィンクスA型種もこの攻撃を体得した。
- スカラベJ型種
『HAE』で登場した。「島殺し」の異名を持ち、根を張る以外にも枯葉剤に似た毒を散布して島そのものを攻撃した。
また、この個体のワームスフィアは緑色をした非常に強力なもので、普通のワームスフィアなら耐えられるノートゥング・モデルファフナーの装甲を跡形もなく消して見せた。
R型とは異なり動きも非常に素早く、先端が尖った体による突撃や触手による刺突も非常に強力。
竜宮島に襲来した際には、たった2体でマークノイン、マークツェン、マークドライツェンを戦闘不能に追い込んだ。
『EXODUS』でもシュリーナガルエリアにアザゼルB型種の派閥構成員として攻め入っていたが、マークニヒトの同化ケーブルによって支配され、根(通称:パスタ)を利用されてしまう。(通称:皆城パスタ)
リヴァイアサン型
巨大な魚状のフェストゥム。直接口で飲み込んで同化する。『HAE』では電撃能力を体得した個体も現れている。
『EXODUS』では口から高出力のワームショットを吐き出す能力も得た。第18話で要塞艦アルヴィスの全長に比肩する体長60キロの個体が登場している。立上芹を触手で捕食しようとしたが、飲み込んだ後で逆に美味しくいただかれてしまった。第四次蒼穹作戦でも特大の個体が登場するが、マークニヒトの特大ワームリングと凍結同化付き特大虚無玉で撃破された。
ウーシア型
『RoL』で登場した大型フェストゥム。この時代ではフェストゥムは海中に入れないこともあってか種類も少なく、質問も大体はこのタイプが行っていたのでスフィンクス型と認識されていた。
このタイプの情報を元に海中に適応したフェストゥム(この時はスフィンクスA型種)が現れるが、『EXODUS』でも水に入れないのかは不明(海中に没した鏑木彗を追撃しなかった所を見ると恐らく入れない)。
フェストゥム内では指揮官機に当たる存在で、シーモータル型を生み出す能力を持つ。
シーモータル型
航空機を模倣した小型フェストゥム。グレンデル型と同じ数で勝負するタイプ。
- シーモータルA型種
『RoL』に登場したタイプ。触手を刺すことで相手を同化する。
- シーモータルB型種
『EXODUS』で登場した航空機に手足が生えた形状のフェストゥム。同化の他、ワームウェッジを弾丸の様に放つ。
通常は小型だが、アビエイター群に属する個体はノートゥング・モデル並みの大型で、非常に高い同化能力と前面のみだがファフナーの火器を無効化できるほど強固なシールドを形成できる。
エウロス型
『HAE』で登場した、人の武器などを理解して攻撃手段を組んでいる高位の戦闘フェストゥム。身体の一部を武器に変化させることが出来る。
代わりに人類側の戦術も通じるようになっている。赤い身体が特徴的(ミョルニアから人類の武器を理解しているため)。
『EXODUS』ではアザゼルE型種の群れに属しており、今度は人間との戦い方も学習したことでアルゴス小隊をも圧倒し、アザゼル型とも戦えるほどに強くなった。
デルフィネ型
『EXODUS』で登場した蛇もしくはミミズのような姿のフェストゥム。
地中を潜航し、飲み込むか鋭い尾で突き刺した相手を同化する。
ディアブロA型種
『EXODUS』で登場したエウロス型と同じ人型フェストゥム。右腕は巨大な槍に変化している。
ワームスフィアを円盤状にして投擲する能力も持ち単体でも非常に強力だが、コクピットを同化したファフナーを操る事で同士討ちをさせたり、手足を狙わずにコクピットを優先して攻撃してくるなど、その戦法は非常に狡猾。
エウロス型同様に非常に好戦的で、凶悪なまでに特化した対ファフナー能力や、コクピットを串刺しにして並べるなどの残虐性から人類軍に『悪魔』と呼ばれ、この型を倒したことは英雄二人が起こした奇跡の1つに数えられた。皆城総士にもパイロットを殺して機体を奪う姿から『憎しみと虚無の塊(=マークニヒト)』のような存在と判断され、アザゼル型と対話を試みた操にさえ「君は嫌いだな」と眉をひそめられた。
第1話のハワイ戦では単独で人類軍のファフナー部隊の殆どを屠り、第9話のシュリーナガルへの侵攻でも数匹確認されている。
ちなみにファフナーと同化した際に生まれたタイプらしく、操るファフナーが完全に同化された時はこのタイプに変化する。
- ディアブロJ型種
同化された人間(主にファフナーパイロット)を元に生み出される小型フェストゥム。このタイプが成長すると上記のA型になる。
弾丸の雨あられを余裕で回避する機動性と、エインヘリアル・モデルをも乗っ取る小型のコアギュラ型とも呼べる高い同化能力を持ち、引き剥がそうとしてもダメージを受けた部分が即座に回復するので、実質的に助ける手段は無い(精々介錯が限度)。
…はずだったが、マークザインの力があればそこから助け出すことも可能という衝撃の事実が。
アザゼル型
『EXODUS』で登場した巨大なフェストゥム。詳細は該当記事を参照。
- アザゼルA型種 ウォーカー
- アザゼルB型種 ロードランナー
- アザゼルC型種 アビエイター
- アザゼルD型種 ベイグラント
- アザゼルE型種 フローター
- アザゼルF型種 クロウラー
グレゴリ型
CV:石川静
人の姿を取ったフェストゥムの一種。だが、目玉が異様にでかいため初見でなくてもビビる。
その反応を見て楽しむような悪ガキのような雰囲気だが、その代わり積極的に人を襲うようなことはしない。
フェストゥムに同化された人間の意思が断片的に残ってしまったフェストゥムらしい。
シュリーナガルミールに寄生していた個体がミールを移す一行の旅に随伴しているが、どうやらそれだけではないらしく不気味な一面もある。
どことなくかつてイドゥンに同化された別のアーカディアン・プロジェクトのコアの少年に似ている。
正体は新国連に滅ぼされた第三アルヴィスのコアだった少年。ダーウィン基地の「プロメテウスの岩戸」に、ベイグラントのコアにされた本体(こちらは常人の目をしている)が囚われている。島民を皆殺しにした新国連に利用され続けた挙句、自らの分身であるパペットの人格を繰り返し消されてきたが、犠牲を糧に「ゴルディアス結晶」を育み、パペットの一人ジョナサン・ミツヒロ・バートランドを「憎しみの器」として目覚めさせ、自身も覚醒。マークレゾンを奪うと、新国連から離反した元人類軍司令官を懐柔し、彼の艦隊を敵にぶつけている間にアルタイル(後述)との接触を図る。
第四次蒼穹作戦では竜宮島ミールから真壁一騎を奪おうとするも、島のミールとその協力者である操の妨害により失敗。しかも、アルタイルに自らの憎しみを同化させようとしていたが、なんとアルタイルにそっぽを向かれ同化を拒否されるという屈辱を味わった。
今度は竜宮島のコアを同化しようとした矢先に、マークニヒトの手でベイグラントの結晶核を砕かれて消滅。しかし、ゴルディアス結晶は宇宙に残り、死を願うジョナサンの前に再び姿を現した。
「みんないなくなればいいのに」
ミール
フェストゥムの思考中枢である、情報を高密度に集積した光子結晶体。要するに、意思や知性を持ったすごいエネルギー。基本的には結晶体の形を取っているが、条件や経緯により様々な形を取る。互いに同化し合うため、異なるミールが1ヶ所に根付くことはできない。総士曰く、ミールとフェストゥムは「未知の物理法則で(事象の)地平線のエントロピーを得る〈無の申し子〉」である。
『EXODUS』ではアルタイルの到来に伴い、全世界のミールの欠片が「滅びではない未来」を模索している。
『HAE』の時点でミールとの交信ができる日野美羽が生まれており、『EXODUS』では彼女と同じ力を持つ「エスペラント」と呼ばれる人々が登場した。
- 超古代ミール
遥か昔に地球に来訪し、類人猿からホモサピエンスへの進化の要因となったミール。
人類の大発展により極小化したが、現代でも人類の染色体と一体化して遺伝され、フェストゥムが現人類の思考を読めるのはその名残りとされている。
詰まる所、人類とフェストゥムは同じ起源を持つ同族である。
作中では具体的明示はなく、公式の裏設定としてのみ明かされている。
- 瀬戸内海ミール
瀬戸内海の海底で発見されて研究が進められていたが、ミールから放たれた毒素が原因で日本中の生物が受胎能力を失った。なお、皆城兄妹や近藤剣司の母など、当時国外にいた日本人は難を逃れている。
受胎能力を奪ったのは、ミールが「生まれて死ぬのなら、生まれなければ死ぬことはない」と「死の概念」を誤解し、日本中の生物を死から守ろうとした善意によるもの。
2118年の新国連の核攻撃によって日本列島が消滅してからは、研究のために三分割され、三つのアルヴィスに保管された。
第一アルヴィス・竜宮島(Dアイランド)のミールは、擬装鏡面内の島の大気に変異して被曝した世代の島民を守っており、現在の島のコアおよびファフナーにこのミールの欠片が使用されている。また、子供たちはミールの遺伝子汚染を防ぐフェストゥム因子を組み込まれている。
一期の後半ではミールが「死」を学ぶ過程で島に異常現象を起こし、コアである乙姫と共に滅びようとしたが、「ワルキューレの岩戸」に還った乙姫と完全に同化することで「生命の循環」を理解した。
『EXODUS』では「ウルドの泉」にて、命を終えた島民や島で倒した敵の数に比例して成長し、パイロットたちのSDP(超次元現象)の引き金となるゴルディアス結晶が十数年振りに発生した。更にミールは亡き島民の姿を取り、睡眠中または意識不明のパイロットと「存在と無の地平線」である結晶のもとで言葉を交わすようになった。
第二アルヴィス・蓬莱島(アヴァロン)と第三アルヴィス・海神島(アトランティス)はいずれも新国連に編入された後、前者は消滅し、後者は無人島になっていた。
- 北極海ミール(ポラリス)
人類が外宇宙探査機に人類の存在に関するメッセージを送ったことで来訪したミール。
地球の衛星軌道上に幾つもの分身(小ミール=コア)を配置し、全地球規模のネットワークを形成している。
一期で戦っているフェストゥムの中核であり、地球上の全人類を同化しようとしている。
第一次蒼穹作戦でマークザインに強化されたマークジーベンの狙撃によって砕かれたが、その直前にフェストゥムに個体であることを与えて全滅を免れている。砕かれた破片は小ミールとして活動を再開し、フェストゥム内に派閥を生んだ。
なお、「ポラリス」という通称は『EXODUS』で判明した。
- 新ミール(ボレアリオスミール)
第一次蒼穹作戦の後で生まれた小ミールの一つ。空母ボレアリオスに根付いている。人類への敵意を抱かずに新しく生まれようとしていたが、人類軍の核攻撃で痛みと憎悪を理解してしまう。
2148年、自身の派閥で体を構築していた総士と捕えていたミョルニアの情報から竜宮島の位置を割り出し、人型フェストゥム・来主操を遣わして、共に人類や他のフェストゥムと戦おうと勧誘した。しかし、竜宮島のミールがこれを拒絶したことで強硬策に出る。
最終的に美羽との対話で沈静化するが、人類軍の再度の核攻撃によって恐慌状態に陥り、美羽すらも取り込みかけた。しかし、操の制止と最期の導きで美羽を同化せず、地球生まれのミールとして新生した。
『EXODUS』では操の名前や姿、更に記憶を受け継いだコアと美羽の契約により、竜宮島と共闘する。
- シュリーナガルミール(アショーカ)
第一次蒼穹作戦の後で生まれた小ミールの一つ。元々はエメリー・アーモンドが保持していたミールの欠片で、今ではインドのシュリーナガルにて結晶の大樹の形態を取っていることから、世界樹や無憂樹とも呼ばれており、地球でも数少ない人類とミールが共生できる地域を形成している。
本人の意志とはいえ、アルタイルとの対話のために美羽の身体を急成長させようとした。
その翌日にロードランナーによって樹の部分を破壊されるが、コアにまで手が及ぶ前に戦闘が終結し、新たに根付くために海神島へと移送されることとなった。
ロードランナーの攻撃を受けたファフナー部隊に防壁を張ったり、余命幾許もない一騎に祝福を提案したりと、共存派の人類を庇護しようとする姿勢を見せる。
ベイグラントの干渉で瀕死の状態にまで追い詰められたが、第四次蒼穹作戦中、生き長らえさせていたエメリー、日野弓子、ナレイン・ワイズマン・ボース、更にエスペラントたちの命と引き換えに海神島に根付き、新たな人型のコアが誕生した。
『EXODUS』で2151年に外宇宙から接近しつつある純粋ミール。美羽曰く「おおきなおほしさま」。ナレインたちは人類とフェストゥムの共存派にとって有益な存在へと変えようと考えており、最も早く接触できるアショーカを通じて交信を試みているが、アザゼル型の妨害によって交信が阻まれている。そのために危険を冒してまで竜宮島と接触し、世界最高のエスペラントである美羽をアショーカのもとへ導いた。「バルカの水底」にて交信には成功したものの、幼い美羽では対話が成り立たなかった。
最終話で地球に到達し、アザゼル型の様にフェストゥムの姿を取って竜宮島を丸ごと同化しようとした。甲洋をして「みんな支配される」、操をして「あんなのどうしろっていうの?」と言わしめたほどであり個体防壁も相当強力で、ツヴォルフの攻撃を弾いたうえでカウンターで結晶槍を打ち出した。
未だに対話をなせる相手が世界に存在せず、その時に向けて竜宮島に眠らせて島を沈め、約2千人の住民は無人になっていた海神島に移住するという苦肉の策を取らざるを得なかった。未来を知る皆城織姫曰くこれが最も希望のある結末であり、世界は「滅びではない未来」を迎えた。
スーパーロボット大戦では
スーパーロボット大戦Kで初登場。
登場した全てのフェストゥムに命中・回避率が向上する「読心」が備わっているが、効果はほとんどないと言えるレベルで、パイロットとユニットの性能も低いのでそれほど脅威ではない。
気力が90以下になると即撃墜扱いになる「同化」に関してもイドゥンのみ。更に共通ルートでは一切出現せず、ファフナーの参加する分岐シナリオでしか出現しない事も弱いという印象を受ける一端になっている。
しかし、UXでは「読心」が超強化され、「同化」も全てのユニットに備わっている。
遠距離からの攻撃が非常に当たりにくいうえ、命中率も高く普通のスパロボであれば簡単に無双することが出来る参戦作品機体達を苦しめる(良い方に考えるならフェストゥムのおかげでゲームバランスが取れているとも言える)。特にプロローグで登場するフェストゥムは、このスキルが最高レベルであり、ファフナーなしでは戦うのが難しいと言うのを身をもって教えてくれる。
読心能力で特にスーパーロボット系統のユニットになると避けることができず攻撃を外しやすいため同化されやすい。
また、「人間」の考えを読むという性質上、見た目は完全にガンダムであるが、三璃紗(ミリシャ)の人間とされる三国伝勢にも適用される点は注意。
逆に命令を出すのは人間(ジョーイ)だが、人間ではない別の意思を有する存在であるヒーローマンには読心が通じず、また同化もされない。
ELSの同化を無効化できるデモンベインと対になっているのだろうか。
フェストゥム殺すマンことマークザインなら同化でHPやENを回復しつつ、殲滅させることが可能。
関連イラスト
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蒼穹のファフナー ファフナー 珪素生物 あなたはそこにいますか?
皆城乙姫 イドゥン ミョルニア 春日井甲洋 来主操 皆城織姫 アザゼル型