「オレの名前はジュリオ。覚えてもいいよ」
CV:皆川純子
概要
『キラキラ☆プリキュアアラモード』にて登場するキラキラルをうばう存在の一人で、本作のプリキュア達と敵対するキャラクター。
初登場は第10話だが、オープニング映像では1話から登場していたため存在は早くから視聴者に知られていた。
性別は男性で、年齢はいちかと同じく中学2年生相当。普段は黒樹リオという名前でいちかのクラスメイトとしてごく普通の中学生男子を演じている。一人称は「オレ」、二人称は「キミ」・「おまえ」・「アンタ」。
彼はただ念じるだけでリオの姿とジュリオの姿を切り替えることができる。リオの姿の時はジュリオとは髪型などがだいぶん違うため、いちか達は黒樹リオとジュリオが同一人物だと気づくのには結構な時間がかかった。
ジュリオの姿の時は水色の長い髪を持ち、黒く染まったヒイラギの葉と紺色の実があしらわれた髪飾りをしている。
仮面で素顔を隠しているが、顔がアップになった際に瞳の中にキラキラマークが刻まれているのが確認できる。
仮面はただの装飾品。つけると特殊な力が使えるようになるわけではないし、正体を伏せるといった目的があるわけでもない(仮面の有無に関わらず、見た目だけではジュリオと黒樹リオが同一人物だととは誰にも気づかれない)。
ジュリオが仮面を被っている理由について、アニメージュ2017年7月号にてシリーズディレクターの貝澤幸男は「『本来の自分とは違う自分になる』という気持ちの表れ」、「『自分はプリキュアよりも強いんだ!』という、心意気」と説明している。
悪い妖精たちの黒幕
悪い妖精達を言葉巧みにたぶらかし、彼らにキラキラルを奪わせるようにけしかけた人物であり、いわば悪い妖精たちの「黒幕」であったが、第11話でその妖精たちが浄化されたため、第12話からは表舞台に出てくるようになる。
妖精たちが浄化される際に「食べた人の思いに反応してキラキラルが増える」という現象を目の当たりにしたジュリオは、そのことに強い興味を持つようになり、表舞台に出てからはスイーツを食べた人間の心からキラキラルを直接抜き出すということを繰り返している。
また、宇佐美いちかが製作に関わったアニマルスイーツはキラキラルの量が規格外に多いという点にも興味を持っており、特にキラパティ製のアニマルスイーツを食べたものを重点的に狙う。
そうして入手したキラキラルを闇に染め武具を造り出し、それを自ら手にしてプリキュアに戦いを仕掛けることを繰り返し、人間の心がキラキラルをどのように強化するのかを調べようとしている。
彼は自らの行為を「楽しい実験」と称している。
たった一人の心から抜き出したキラキラルでも、妖精たちが数十個のスイーツから奪った大量のキラキラルよりもはるかに強い力を持つことにジュリオは興奮を抑えきれないようで、プリキュアとの戦いの時はかなりのハイテンション。全体的にマッドサイエンティスト的なキャラづけになっている。
キラキラルを奪われた人間は生きる活力を失い意識不明になってしまうので、プリキュアたちとしてはジュリオからキラキラルを取り返すために戦わざるを得ない。
たとえジュリオの「楽しい実験」につきあわされるとしても、避けられない戦いなのである。
性格
いつも笑顔を絶やさない……というか、常にニヤついている。
戦闘の時も笑顔で攻撃してくることが多いのでちょっと狂気じみた雰囲気がある。(いやまあ過去には笑顔でフルボッコするプリキュアもいましたけど)
他人を上から目線でからかうことを好み、発する言葉の殆どが相手を見下す挑発的なもので、正義感の強いいちか、あおい、あきらの3人はもちろん、感情をあまり表に出さない、ひまりやゆかりさえも激怒している。
常に余裕ぶった態度を崩さず、プリキュアとの戦いで負けても「それはそれで良い実験結果が得られた」と満足そうな笑みさえ浮かべるが、自分のコンプレックスやトラウマに触れられると突如として激怒する情緒不安定なところもある。
全体的に見てサイコパス的な気質が強く、プリキュアシリーズの敵キャラでは今までになかったタイプである。
一方、いちかのクラスメイトである「黒樹リオ」の姿をしている時は、もっと常識的な好青年を演じている。
ただし、リオの姿の時もいちか達プリキュア変身者に対して「反論できない嫌がらせのような正論」を浴びせかけ、彼女たちの困った顔を見るのを好んでいる。
この時のリオは悪意なく言っているようなそぶりを見せているが、もちろん実際は悪意を持ってわざと言っている。その証拠にそういう嫌がらせをしたとき、視聴者だけにわかるようにものすごく悪そうな笑みを浮かべるのが定番。
上述した通りに彼は上から目線で他人を見下すのが大好きだが、実際に高い所からプリキュアたちの動向を見下ろして偉そうにニヤつくシーンがとても多い。
プリキュアたちの前に登場するときは、高確率で木の上や屋根の上や階段の上(いちご坂は坂や階段がとても多い)から不敵なセリフと共に降り立ってくる。
黒樹リオの姿に変身している時もその傾向は変わらず、学校では屋上を好むし、校外ではだいたいは木の上や屋根の上や階段の上からいちかたちの動向を探っていて何かあればいきなりそこから降り立ってくる。
15話ではいちかはなんで上からやってくるのとびっくりしていたが、リオ本人は何がおかしいのかわかってない様子なのでこれはどうも「高いところが好き」というのが素の性格なのかもしれない。
また、17話の言動から、ジュリオは気質的にストレスや負の感情を強く感じやすいことがわかる。
いちか達にとって大したことではないことでも、ジュリオにとっては重い負荷のように感じられ、辛い、ひどいことをされた、反撃しなくては…という認識になってしまいがちなのである。
実際、ジュリオの悲しみ、苦しみ、怒り、憎しみ、恐怖、傷つきなどの表情はちょっとしたシーンであっても意図的にクローズアップされている。
これは、ジュリオが挫折した(後述)要因の一つであることは間違いなく、逆に負の感情を好むノワールには贔屓されるという皮肉な状況を生み出した。
また、素の性格として、何かをしたい、何かしてほしいと伝えるのが苦手な模様。
清々しいほどにゲスい言動を貫きながらも、どこか抜けた茶目っ気も感じさせる独特なキャラ付けは声優陣にもウケているようで、アニメージュ2017年7月号のキャスト座談会では収録現場でジュリ男(『リ男』にアクセント)と呼ばれていることが明かされた。
いちかとの関係
上述の通り、ジュリオはキラキラルの力を調べる実験としてプリキュアとの戦いを繰り返しているが、そのこととは別に宇佐美いちか/キュアホイップに個人的な興味も持っている。
悪い妖精たちが浄化され次に何をすべきか考えていたとき、街で噂のキラキラパティスリーの中学生パティシエ・宇佐美いちかの評判を耳にし、少し興味を持ったジュリオは黒樹リオと名乗って彼女の通う学校に転校生として潜入してみた。
その結果、いちかがプリキュアであることと、いちかがスイーツ作りの腕前はまだまだ未熟なのに規格外のキラキラルを生み出すことができる逸材だと知り、彼女に固執するようになる。
リオがジュリオであることは基本的に秘密にしているが、正体に気づかないいちか達をからかうようにこれみよがしに思わせぶりな言動をすることも。
(リオいちも参照)
能力
「キラキラルよ、闇に染まれ! ノワール・デコレーション!」
キラキラルを操ることができる黒いロッドを持っており、プリキュアのキャンディロッドと同様クリームエネルギーを錬成して戦うことが可能。
このロッドには赤地に黒い星の模様がつけられているが、この意匠は悪い妖精に闇の力を与えていたオーブの意匠と全く同じである。
このロッドの最大の特徴は、人間の心からキラキラルを抜き出し、そのキラキラルを闇に染めることができること。
闇のキラキラルをロッドに付与することで、ロッドは闇の力を持つ武具に変化する。
ジュリオ本人の戦闘能力はかなり高く、初戦闘では接近戦、遠距離戦いずれにおいてもプリキュア5人を圧倒した。
デコレーションとは物品に文化的・宗教的な装飾を施すことで、対象のスイーツに込められた想いをそのまま武器にしてしまう特性が反映されている。
なお、プリキュアはあくまでジュリオに奪われたキラキラルを取り返すために戦っている。闇に染められたキラキラルはジュリオが作り出す武具に収束されるため、キメ技の浄化対象はその武具となる。
ジュリオ自身もそれを理解しており、キメ技が放たれた瞬間に武具を囮として手放して自分は浄化に巻き込まれないように戦線離脱している。
現状の浄化技「スイー・ツー・ワンダフル・アラモード」では武具は浄化されるとロッドの形に戻り奪われたキラキラルも取り返せるが、ロッド自身は闇の力を秘めたままである。そのロッドはすぐさまジュリオの元に転移するため、プリキュア側からすれば勝ってもその場しのぎに過ぎない。
決着をつけるにはより強力な力を手に入れてロッド自体を浄化させるか、使い手であるジュリオをどうにかするくらいしか手段がなさそうだったが、17話でキュアホイップが見せた予想外の力にたじろぎ、その隙を突いて放たれた「スイー・ツー・ワンダフル・アラモード」がジュリオ本人へ直撃。手にしていたロッドは真ん中からポッキリと折れて力を失った。(本人の末路は後述)
ジュリオが作成したキラキラル武具
話数 | 種別 | 能力 | キラキラルを奪われた人物 | 狙われたスイーツ※1 |
---|---|---|---|---|
12話 | 片手剣 | 漆黒のクリームエネルギーの刃を持ち、自在に形状を変更できる | 神楽坂りさ | ヒツジカップケーキ |
13話 | 弓矢 | 発射される矢は誘導ミサイルの性能を持ち相手を追尾した上に着弾すると爆発 | フラミンゴチュロスを買った親子 | フラミンゴチュロス |
14話 | 槍(ランス) | 穂先から闇のキラキラルを噴出させて上空にばら撒き、それらも槍に変えて広範囲に槍の雨を降らせる | 立神家のパーティーに集まった人々 | イルカゼリー |
15話 | 矛(トライデント) | 穂先から水流状のクリームエネルギーを噴射してダメージを与えたり、水泡状のクリームエネルギーをぶつけて相手を隔離及び拘束できる | 剣城みく | プードルチョコケーキ |
16話 | フレイル | 長いチェーンに繋げられた2個の球をぶつけて攻撃し、チェーン自体で相手を拘束できる。どことなくアメリカンクラッカーのように見えるが、これはクリームエネルギーをヨーヨー状にして戦うキュアマカロンの戦法をあえて真似たため。マカロンの攻撃パターンはほぼ完璧に模倣できる。 | ゆかりファン | シロイルカいちごだいふく |
17話 | キャンディロッド | プリキュア5人すべてのキャンディロッドの個別技を使用可能。 | 宇佐美いちか | 宇佐美さとみが作ったマドレーヌ※2 |
22話 | 巨大な人間の手※3 | 莫大な闇のエネルギーで物理攻撃する。 | 自分自身※4 | なし |
※1:ジュリオはアニマルスイーツを食べた人間からキラキラルを奪うが、生まれる武具の形状にはそのアニマルスイーツの動物のモチーフが施されている。
※2:今回ジュリオはいちかのキラキラルを全て奪い取ったが、いちかが直前に摂ったスイーツはいちかの母であるさとみが送った手作りマドレーヌだったため、アニマルスイーツのケースには該当しない。今回生成した闇のキャンディロッドには、動物ではなくマドレーヌの意匠が施されている。
※3:これまでと違いロッドは変化せず、近くに召還されているような状態。
※4:自分自身の心にある闇に染まったキラキラルを抜き取った。自我は保っているが髪の色が濃くなり瞳が赤く染まってる。
ジュリオとスイーツ
キラキラルに興味を持っているが、スイーツに対しては憎悪に近い感情を抱いている。
甘いものが苦手とかそういうレベルの話でなく、スイーツに何かしらのトラウマを抱いているようだが、その理由は不明。
しかしスイーツに関する知識やスイーツ作りの技術は実はかなりあり、12話ではカップケーキ作りに悪戦苦闘するいちかに対して黒樹リオとしてアドバイスを行ったり、カップケーキが無事に出来るといちかと共に喜び合った後驚くなど、お菓子作りへの熱意自体は心の奥底で燻っている模様。
実際、戦闘ではプリキュアと同様にロッドを使い、スイーツをモチーフとした攻撃を行っている。
また15話ではスイーツ作りの提案まで行い、その結果プリキュアを含めて上質なキラキラルを誘発させる事に成功している。
黒樹リオの姿の時は怪しまれないようにスイーツに対する憎悪の感情は隠しているが、スイーツを食べざるを得ない状況になる事は巧妙に避け続けている。
第16話のお茶会で茶菓子を出された時はさすがに避けようがなかったので、茶菓子を食べたという扱いにはなっている。(あえて微妙な表現で書いたのは、その茶菓子を実際に画面上で食べている様子は描かれていないため)
17話での様子を鑑みるに、ジュリオがこのような感情を抱くようになった背景には彼女が関係している模様。15話で剣城姉妹に取り乱した描写も併せて、スイーツだけでなく「家族」にもトラウマがあるようだが…?
目的
悪い妖精たちにキラキラルを奪うようにけしかけたり、人の心からキラキラルを抜き出す「実験」を行ったりとキラキラルに関わる悪事を重ねてきたジュリオだが、何が目的でそんなことをしているのかという理由や動機については本作の大きな謎の一つとされており、彼がプリキュアの前に姿を表して直接戦うようになってからもはっきりはしなかった。
18話ではジュリオの仲間であるゴスロリ少女ビブリーが登場。彼女のセリフによって、ジュリオのいくつかの背景が判明する。
彼はノワールと呼ばれる何者かの指令によって動いており、その本来の目的は「キラキラルを奪って闇に染め、それを持ち帰ること」であった。彼のロッドもノワールからもらったもの。
しかしジュリオは、「闇に染まったキラキラルを使って、誰にも負けない力を得たい」という願いを持っており、その感情は使命よりも優先されていた。
悪い妖精たちをたぶらかしたのも、キラキラルを回収するのに利用するためであった。
彼に与えられた本来の使命としては、妖精たちにキラキラルを奪わせた後、その妖精たちからごっそりキラキラルをいただくことだったのであろう。
しかし、ジュリオは妖精たちがキラキラルを集めて暴れるのをただ放置して眺めていた。ジュリオにとってはキラキラルを大量に集積するとどれくらいのパワーが生み出されるのかを見極めることの方が使命よりも重要だったようだ。
そして、妖精たちがプリキュアに浄化された11話の一連の流れで、ジュリオは「人の心がキラキラルを増幅させる」ということを知る。
そこでジュリオはスイーツからキラキラルを奪うよりも、スイーツを食べた人間の心からキラキラルを奪う方がより強力で大量のキラキラルを得られると考えたが、スイーツを食べた人間が誰でも同じだけキラキラルを増幅させるわけではない。
どんな人間がどんな感情でどんなスイーツを食べた時にキラキラルの増幅が起こるのかをジュリオは調べる必要があったため、彼は「実験」を繰り返していたのである。
これらの「実験」はノワールに許可を取らずに独断でやっていたため、その「実験」の結果でプリキュアに敗北したことは失態であった。
19話ではこの失態をビブリーから辛辣な言葉で侮蔑されているが、ジュリオが「実験」のために自分からプリキュアに喧嘩を売り続けて結局負けたのだから確かに言い訳のしようがないだろう。
もっとも、そのビブリー自身もジュリオが「人の心がキラキラルを増幅させる」ことを証明したことには一定の評価をしている。
第21話では彼が「実験」を繰り返していた動機の一端が明かされいる。
どうやら何者かを見返してやるために、キラキラルを誰よりも使いこなせることを証明したがっているようだ。そして、キラキラルは光輝いている状態よりも闇に染めた方がより力が増すという信念をジュリオは持っており、「実験」はそれを証明したいがゆえのものであった。
そして同話では、ノワールがジュリオの私怨については前々から理解しており、敢えて黙認していたことも判明している(ノワール自身は闇のキラキラル、すなわち負の感情を肯定しきっているため行動としては何らおかしくない)
正体
第22話で判明したジュリオの正体は、キラ星シエルことキラリンの双子の弟、ピカリオその人であった。
その過去と、ノワールの元に走った経緯は記事「ピカリオ」を参照。
なお、23話の描写から見るにジュリオへの変身能力はノワールに授けられた闇のロッドの力を使っているようで、姉のキラリンのような”修行の成果の一つとして得られたもの”ではない模様。
活躍
■第10話
- 終盤で1カットだけ登場。時計塔の屋根の上で『スイーツフェスティバル』のチラシを見つめながら、多くのキラキラルが集まるイベントということで興味を示す。今回の出番はここまで。
■第11話
「スイーツ、スイーツってもう十分に楽しんだろう? こっからはオレたちの時間だよ!!」
- 多くの人々が楽しむ『スイーツフェスティバル』会場全体を黒いロッドの力で暗黒の空間に包み込み、10体の悪い妖精たちを呼び寄せる。ジュリオは暴れる妖精たちの様子を影から見守るだけでプリキュアたちの前に直接姿は表さなかったが、妖精たちに闇の力を注入して合体魔獣に変貌させた。
- プリキュア達の新たな力『キャンディロッド』により、合体した妖精達が浄化されるのを見届けた彼は、キラキラルが人々のスイーツを想う気持ちで生まれるという事を認識し、新たな策を思いついた様子で不敵な笑みを浮かべていた。
■第12話
- キラキラパティスリーの知名度が上がったことで、彼の耳にもその評判が入る。なんでもまだ中学生の宇佐美いちかという女の子が店長兼パティシエとして頑張っているらしい。少し興味を持った彼は、黒樹リオを名乗っていちご坂中学校に転入することに。もっとも、この時点ではただの気まぐれや暇つぶしに近い感じだったようだが…
※まあ転校届をどうしたかの問題を突っ込むと歴代プリキュアにも怪しい人たちがいっぱいいるので…
- 爽やかなイケメンぶりを見せつけ早速クラスの人気者に。あおいの発言から少なくとも学年全体で話題になってる様子。
- その一方街中ではキラキラルについての『実験』と称し、スイーツを食べた人間を襲う。
- いちか、りさと共にキラキラパティスリーで新作のカップケーキ作りをする。が、おかし作りは苦手と言って見学に回ったり、かと思えばクリーム作りで詳しいアドバイスをしたり。
- 無事完成したカップケーキを食べたりさの心からキラキラルを奪う。これに気づいたプリキュアと対峙、キラキラルをノワールデコレーションで黒く染め莫大な力を得た。その力でロッドを闇の剣に変化させる。
- 闘いの中スイーツを悪さに使うことを咎められスイーツなんか大嫌いという思いを叫びながら初めて感情を剥き出しにする。何かあったのだろうか?
- スイー・ツー・ワンダフル・アラモードでロッドが元の状態に戻され撤退。しかし、いちかに何らかの可能性を感じた彼は、今後もリオとして引き続き学校に潜入し、プリキュアもとい宇佐美いちかを観察することに。
■第13話
- 町のPR動画撮影にはりきるいちか達を、屋根上から視察。正体がバレないよう黒樹リオの姿で行動をしていたが、むしろ一般人の姿に変装して屋根の上に登ってる時点で、充分怪しいとは言ってはいけない。
- 河原で休むひまりの前に現れ、プリキュアを撮影すれば人気があがる。撮影を無理にやる必要はないと、彼女の努力は無駄と否定的な意味が混じったアドバイスを送る。
- しかし撮影の事で頭がいっぱいであったひまりは、すぐその場から離れた…。
- チュロスに関する正しい知識をひまりから教えられて美味しく食べる親子のキラキラルを強奪したジュリオは、弓矢の形に変形したロッドでその力を確かめようと、プリキュアに実験と称して戦いに挑む。
- 結果的に弓矢は浄化されたが、自分が食べたスイーツの知識を得て理解を深めることでその人の心のキラキラルはより強力な力となる事を確認したジュリオは、実験が成功した喜びを表し、プリキュアの前から姿を消した。
■第14話
- あおいがキラパティに来ない事に心配したいちか達の前に、立ち聞き(どう見てもスト(ry)して店に訪れたジュリオは、家の事情に口を挟むのは逆効果、自分の気持ちを人に解ってもらうなんて鼻から無理だと結果の悪い方向に向かわせようと助言を送る。
- しかしそれでも諦めず、今一度あおいの為に気持ちを届けようと奮闘するいちかに、「オレの話聞いてた?」と動揺。この時のリアクションが、(普段の彼では絶対に見せないであろう)いちかに引けを取らない顔芸だった。
- あおいの歌による音楽の喜びで、人々の心に増えたキラキラルを利用してプリキュアを相手にその力の実験を試すが、彼女の気持ちが最も届いていた為生まれて居た水嶌のキラキラルを奪いきる事が出来なかった事が発覚し、是がジェラートの新技に利用されたために反撃を許し、槍型のロッドが浄化される。
■第15話
- いちかと剣城みくが「あきらにプレゼントするスイーツを作ろう」という話をしているのを聞いて、急に現れて「俺も賛成」とスイーツづくりを促す。
- このとき、木の上から話しかけてきたのでいちかに驚かれ、しかも「(木の上で)昼寝していた」と告げたため、胡散臭さがかなり増していた。
- あきらとみくがアニマルスイーツを食べてキラキラルを増大させたので、二人のキラキラルを抜き取ろうとするが、あきらの抵抗にあってみくの分のキラキラルしか抜き取ることができなかった。しかしこれがあきらの逆鱗に触れることになった。
- 「姉妹の絆がキラキラルを強化した」ことが敗因だとジュリオは頭では理解していたが、それがどうしても受け入れられずに「そんなものにオレの闇の力が敗れるはずが…!」心底悔しそうな表情を見せながら撤退した。
- 今までは負けたとしてもキラキラルの強化につながる要因を見つけ出すことができたと満足そうに撤退していたので、今回は明らかにいつもとノリが違った。もしかして「スイーツ」と同様に「姉妹」にも何かトラウマがある……?
■第16話
- 前々からリオを訝しんでいたゆかりが急接近。何故キラパティの皆に詳しいのか問われ「キラパティのファンだから」とはぐらかす。
- 日曜日。ゆかりからの挑発もとい誘いに乗じる形でお茶会に参加する。最初に手本を見た後「覚えた」と言い、本当にアドバイスも無くお茶を上手く点ててみせたため一同を驚かせた。
- 休憩に入るなり庭でゆかりに話しかける。琴爪家は家業を継ぐ姉にかかりきりで、自分は自由気ままだがかえって苦しいと聞かされその気持ちに理解を示す。
- 後日。キラパティ帰りのゆかりファンを襲いキラキラルを抜き取る。忘れ物を届けるため追いかけていたゆかり(キュアマカロン)と対峙、彼女の抱える姉へのコンプレックスと内心の寂しさを抉り嘲笑うが……
- いきなりニヤリと笑うキュアマカロン。それもそのはず、琴爪家を継ぐゆかりの姉など最初からいないのだから。これによりリオとジュリオが同一人物と確証を得られてしまう。
- 更に後日。ゆかりとしのの話題がリオが点てたお茶に移るなり両者とも顔をしかめる。もてなしの心が重要視される茶道において、あのお茶はお点前こそ大したものだが、奥底の闇は誤魔化しきれなかったのだった。
- さて今回卓越した演技力で自分を手玉に取り翻弄させたゆかりに対する怒りはプリキュアに、ひいてはいちかに向くことになるが、果たして……。
■第17話
- ゆかりに正体がバレたため、もう黒樹リオとしてキラパティメンバーに干渉することは不可能になったと判断。「最後の実験」によってプリキュアたちと決着をつけることを決意する。
- 偶然を装い買い物中のいちかに接触。幸運なことにいちかはまだリオの正体をゆかりから聞かされてはいなかった(このタイミングでいちか以外のメンバーはすでにリオ=ジュリオだとゆかりから聞かされていた)。
- いちかは自宅でクッキーを作るのため大量の材料を手にしていたので、その荷物持ちという体裁で自宅内に進入。いちかを襲うタイミングを測りながら彼女と雑談し、いちかが母親と長いこと離れ離れになっていることを知る。今から作るクッキーも、海外で活動している母親が今日スイーツを送ってきれくれるからそのお返しのため、ということ。
- そのとき、ちょうどその母親からマドレーヌが宅配で送られてきて、それを美味しくいただきながら母親の手紙を見て喜ぶいちか。母親の思いを込めたスイーツを食べたことでいちかの中のキラキラルも活性化している。いちかからマドレーヌをお裾分けされたリオだが、それには手をつけず険しい顔でいちかを問い詰め出す。
「なんで喜んでるの? お母さん、外で好きなことしてるだけだよね? 放っておかれてさみしくないの?」
- いきなり母親を侮辱しだしたリオに対し、いちかはお母さんが送ってくれたこのスイーツを食べたら、ちゃんと私のことを思ってくれていることはわかると反論。そんないちかの純真さはリオをさらにイラつかせ、彼の脳裏には一人の少女の姿がフラッシュバックする。そのイメージを振り払うかのように、リオはさらに感情的な暴言を重ねる。
「おかしいよ……。何でそんな風に思えるの? ひどいことされているのはキミの方だろ? なぜ怒らない?」
「スイーツなんかで何がわかる!? ひまりもあおいもあきらさんもゆかりさんも、キミたちはどうかしている!」
「いちか、俺はね……。スイーツが大っきらいなんだよ」
- いちかからもらったマドレーヌを灰に変えながらロッドを取り出す。ここでいちかも黒樹リオがジュリオであったことに気づくが……
- ゆかりから事の次第を聞かされたひまりたちが駆けつけた時には既に遅く、心の中のキラキラルを奪われたいちかから感情は失われ、プリキュアへの変身も出来なくなっていた。
- いちか以外の4人はプリキュアに変身し、いちかのキラキラルを取り返すべく奮闘するが、いちかから奪ったキラキラルを闇に染めたジュリオはキャンディロッドを模した武器を操り、たった一人からしか奪っていないはずの力で4人のプリキュアを圧倒。前回の屈辱を晴らせたのが楽しくてたまらないようで、ニヤつく笑顔を隠そうとせずに力に酔いしれる。
- 一方そのころ、いちかはペコリンの叱咤で母親へのクッキー作りを再開していた。最初はペコリンに言われた通りに無感情に手を動かすだけだったが、次第にスイーツが繋いだ親子の絆を少しずつ思い出していく。いちかがクッキーを作る手が動くたびにキラキラルが少しずつ生み出されていき、そして新たなアニマルスイーツをキラッとひらめいたと同時に、再びいちかの心に輝きが取り戻され、キュアホイップへと変身する。
- 5人揃ったプリキュアの前にはジュリオの闇の力も敵わない。ホイップ・デコレーションとスイー・ツー・ワンダフル・アラモードの連続攻撃を避けきれず、ジュリオはついにキメ技をまともに受けることになる。ロッドと仮面が砕かれ地面に倒れ伏したジュリオは、「お前の勝ちだな」と自ら敗北を認める。天を仰ぎながらそう呟くジュリオは、どこか吹っ切れたような笑みを浮かべていた。
- いちかは倒れたジュリオに歩み寄り、「私、怒ってるんだからね?」と言いつつも笑顔で手を差し伸べた。「それじゃ…クッキー 一緒に作りながら、話を聞かせてもらおっかな。なんでこんなことしたのか…とか」
- プリキュア定番の和解シーン……と思いきや、どうしても「一緒にスイーツ作り」だけは耐えることはできなかったらしく、「スイーツなんかで気持ちが通じ合うものか! オレはスイーツも(スイーツが大好きな)おまえも、大っきらいだーっ!」と子供のような捨て台詞を叫びながら、その場から走り去ってしまう。
- その夜、ジュリオがスイーツと絆をなぜそこまで嫌うのか考えるいちかだった。
- 12話でカップケーキの作り方を教えてくれたことから、彼はスイーツを本心では嫌ってはいないといちかは感じているのかもしれない。
■第18話
- 前回の翌日。いちかが学校に行くとリオが欠席していると知らされる。正体がバレた以上学校にいる意味はないが、転校届も出さず特に記憶操作などもしなかった模様。(単にできなかったのかもしれないが)
- ちなみに真相を知るキラパティのメンバーは敵意こそ変わらないが、あれだけ振り回されたにも関わらず一応心配していた。更に仲間内では黒樹リオとしての呼び方を使っている。が、本人に知る術は……
- 場面は変わってキラキラルをうばう存在のアジト。これまでの行動は黒幕ノワールの意思に背いて「実験」を行ったたうえ、さらにノワールからもらった大切なロッドを砕かれてしまったことで、ビブリーに「アンタ、サイテーね」「ダッサ!」と面と向かってバカにされる。
- このビブリーとの会話から、この時点での彼に与えられていた任務はあくまでキラキラルの回収であり、プリキュアと戦うことではなかったことが判明する。
- ロッドを失った彼の代わりに彼女がいちご坂へ出撃するが、何も言えず屈辱に震えるしかなかった。
- ビブリーはジュリオに「しばらくここで反省していろ」と語っているので、事実上の謹慎状態に置かれることに。
■第21話
- アジトのシーンにて3話ぶりに登場。プリキュアに敗北を続けてビブリーが焦っている中、ジュリオはやっぱり自分が出撃すると言い出したがビブリーがイエスと言う訳もなく「あんたの相手してるヒマはない」と吐き捨てられ、あげくにイルからは「生意気言うんじゃねぇ負け犬が」と侮辱される。
- いつものようにビブリーが出撃し、ジュリオは一人残される。「オレはこんなところで終われない…… 必ず超える。あいつを見返してやるために!」 屈辱に耐えつつ再起を強く願うジュリオだったが、その想いに応えるかのようにノワールが突然その場に姿を現す。
- ジュリオは再びのチャンスが与えられたのかと期待する表情を見せたが、そのノワールはいきなりジュリオの心からキラキラルを抜き取りだし、その感覚にジュリオは恐怖におののく。
- そして抜き取られたジュリオのキラキラルが折れたロッドに注がれることで、ロッドは修復され更なる強化が…。
- 終盤にビブリーが無様に敗れた後に、満を辞してプリキュアの前に登場。今までプリキュア達に見せていたようなニヤついた笑みはなく、ただプリキュアへの憎悪に満ちた表情と、禍々しいオーラを纏ってロッドを握りしめていた。
- この時キラリンはジュリオを見た瞬間、何かを感じ取った模様。
「みんな…倒してやる…プリキュア……勝負だ!」
■第22話
- 莫大な闇のキラキラルを操りプリキュアを退けるジュリオ。戦いの中、キラリンは髪飾りの形から彼が双子の弟・ピカリオだと気づき説得する。が、ジュリオはかつての名を捨てノワールの部下になってしまっていた。更に心配して声をかける実姉相手に「姉さんぶるな」「いなくなれ」とまで言い放ち攻撃。キラリンとプリキュアは攻撃で生じた地割れから、謎の地下洞穴に転がり落ちる。
- 地下洞穴にてキラリンはかつての優しい弟との思い出を語るが、ピカリオは全く別の思惑を抱えていた。
- 姉弟がパリでスイーツ作りの修行に励む中、やがて人間のパティシエの弟子入りし才能をめきめき伸ばしたキラリンは、人間に変身する能力を経て有頂天。そのころ才能の違いを感じていたピカリオは焦りから、かつて宝物の泡だて器が壊れてしまい泣いていた姉のため作ったワッフルを必死に焼いていたものの上手くいかない。そんなある日ワッフルに気付いたシエルは食べるなり、いちご山で作ってくれたワッフルの方がおいしいと悪気なくトドメを刺してしまう。
※辛い物好きにはなってません。
- スイーツ作りが上手くいかないやるせなさと隣で何もかも上手くいってるキラリンへの劣等感、更にそんな自分の心に気付かない姉への寂しい思いをつけこまれ、ノワールのしもべ・ジュリオが誕生したのだった……
- 自分の忌まわしい過去をプリキュア達にあえて告白したのは、姉弟仲良く幸せだった頃の思い出と決別するための自分なりのけじめでもあった。だがキュアホイップは戦いの中でジュリオのキラキラルを通してスイーツと姉への愛情がまだ残っていることを感じ取っていた。ジュリオが姉へのコンプレックスから抜け出せないのは、姉との思い出を忘れることができず、幸せだったあの時代に戻りたいという気持ちもどこかにあるからなのではないか? そう考えたホイップは、ジュリオの闇のキラキラルによる攻撃を自ら受けることでそこに込められた彼の心を知ろうとする。
- 攻撃を受け続け相当に痛い思いをしながら、あなたのスイーツや姉への「大嫌い」の思いは「大好き」の裏返しなんだと説得を続けるホイップ。自分の中にある姉へのドロドロしたコンプレックスを笑うことも嫌うこともせず、ちゃんと理解し向き合おうとする彼女の姿に、やがてジュリオは畏怖し出す。そして自分も見ようとしなかった心の奥底の感情がキラキラルを通じてついにホイップに伝わってしまう。自分という存在を知られてしまうことを恐れ、「やめてくれー!」と泣き叫ぶジュリオ。自分で自分の本心がわからなくなったジュリオだが、ホイップは涙に濡れる彼の頬にそっと手を差し伸べて囁く。「わたしには伝わったよ、あなたの気持ち」。そしてスイー・ツー・ワンダフル・アラモードの力もあって、ジュリオの闇を浄化しきった。
- だが、自分が弟を闇に落としたと知ったキラリンは深く落ち込むことに…。
- ちなみに今回の話はプリキュア視点に立つと感動的なエピソードなのだが、ジュリオ視点に立つと自分の中にある恥ずかしい気持ちを同年代の女の子に隅々まで暴かれた挙句、「ワルぶっているけど本当はお姉ちゃんのこと大好きなんでしょ?」と微笑ましく言われてしまったわけで、いたいけな厨二男子の心を殺しにかかってきたことになる。そりゃ泣くわ……。
■第23話
- 闇の力を失い妖精の姿に戻されたものの改心したわけではなく、今までのことを謝る気もなければプリキュア達と馴れ合うつもりもないと頑なな態度を取り続ける。あきらからの「あなたもガミーのように気持ちを利用されただけの被害者ではないのか」という疑問には、そうだとしてもそれは自分の本心だったと自嘲気味に笑いながら言い放つ。自分のやったことは自分の意思であり、操られていたとかではないと明確に語った。
- 従来の悪堕ちした妖精達は、浄化されて元の姿を取り戻した時には大抵改心してるケースが殆どだったが、以前のままの言動というのは異例だと言える。しかしピカリオは洗脳された等ではなく、あくまで自分の意思で闇の力を得たということは彼を語る上で重要な要素でもある。
※とはいえ↑この人の前でその態度とは、命知らずな奴である。
- ただし、闇の力を失った彼は非力な妖精にすぎず、プリキュアたちに押さえ込まれれば抵抗もできない捕虜状態であったので、偉そうに上から目線で邪笑するほどに情けない感じが強く出てたのだが……
- 次の日、シエルがスイーツショップを休業していると知ったいちかとペコリンがみんなをシエルの店に呼び、ピカリオもいやいやながら連れてこられる。
- この時あおいの胸に抱きかかえられていたのでうらやましいという視聴者も…。
- 落ち込んでやる気がないというシエルを慰めるどころか「オレのさびしい気持ちが分かったか!」とあおり、「一緒にスイーツ作り」をいまだに望んでいるいちかたちに現実を見せつけるため、ピカリオはあえて皆の目の前でワッフルを作ってみせる。それは完璧な手順で作っていたにもかかわらず、キラキラルのないものだった。これがノワールのしもべとして力を与えられたものの代償。もはや自分が望んでいても昔のようにパティシエを目指すことはできないのだ。その事実を突きつけられたキラリン=シエルはさらに激しくショックを受ける。
- この時のピカリオは、口では悪態をつきながらも表情は堪えているものであった。
- 罪悪感に沈むシエルの「心の闇」を感じ取ったノワールがいきなり現れ、シエルから闇のキラキラルを取り出そうとするが、シエルを助けるべくいちかとピカリオがシエルのキラキラルに手を伸ばすと同時に、二人はシエルの心の中に入り込む。そして「新たなしもべの誕生だ」と言いながらノワールは影の中に溶け込むように一時撤退した。
- シエルの心の中の世界でピカリオはロッドを拾ってジュリオに変身。そこで今にも闇に染まりつつある姉の変わり果てた姿に動揺を隠せなかった。シエルは自分の過ちを正そうと、これからはずっとピカリオと一緒にいてあげると言う。だが、もはや闇の者としてしか生きられないピカリオと共にいると言うのは、自分も同じ存在に成り果てると言うこと。シエルは自らパティシエとしての夢を捨て、ノワールのしもべに墜ちようとしているのだ。
- しかしジュリオは、愛する弟の為に闇に染まろうとするシエルの考えを真っ先に否定する。これは姉のことを思ってではない。ジュリオにとってシエルが自ら堕落することは逆に自分の存在意義を失うことでもあったのだ。キラリン=シエルはプリキュアを目指し、皆を笑顔にするスイーツを作り続ける存在であって欲しい。これは闇に落ちても変わらなかったジュリオの本当の願いだ。ジュリオはそんなキラリンを超えるためだけに闇に落ちたのだから。今更そこから一人だけ逃げるなんて許すわけにいかない。
- しかしジュリオの言葉はシエルをさらに追い詰める。ならば何をすれば許されるのかと自暴自棄になりさらに闇を深めて心の奥底へと逃げ去っていった。それを追うジュリオたちがたどり着いたのは、シエルの心で作られたキッチンと、その上にワッフル作りで使う調理器具も揃っていた。心を取り戻す手段として、いちかに今一度2人の思い出のスイーツを作る事を提案され、ジュリオは一度は拒否するもワッフルを作り始める。ただ、姉を闇からとどめさせたいと言う一心を込めて。
- 出来上がったジュリオのワッフルは、彼のトラウマを思い起こす物と同じ闇で真っ黒に染まった出来になってしまう。それを口にしたシエルの第一声は…
「美味しい…」
- ジュリオに足りなかったもの、そして一番大事な事、それは「大切な人の為に心を込めて作る」。その必要性を思い出したジュリオの前では、ワッフルにキラキラルが溢れ出し、同時にシエルの心にも光が再び宿った。それと同時に3人は現実世界に戻されるが、シエルの周囲にはキラキラルの光の結界が張られ、中にはキラキラルが変化した無数の食材が現れる。これは第1話のいちかの覚醒の時とおなじ状況だ。つまり……
- 光となしたシエルを始末しようと、ノワールが放った矢から彼女を庇ったジュリオ。しかしそれでも自分に構わずスイーツを完成させて、プリキュアになれと彼女を説得し、シエルをキュアパルフェの覚醒に導く。
- 変身したパルフェは真っ先に落ちていくジュリオの元へ。そこでジュリオからロッドを受け取り、それはレインボーリボンに変化した。
- キュアパルフェの活躍で敵を追い払ったものの、ノワールの一撃が致命傷となったジュリオはピカリオの姿に戻った上、もはやその姿は消えかかっていた。自分がもうここまでだと悟ったピカリオは、その罪悪感でまた姉が道を違えたりしないように、前回にいちかに暴かれた思いをちゃんと言葉で伝える。
「本当は分かっていた。キラリンのせいじゃない。オレの心が弱かったからだ。悪かった。」
- 最後の最後に皆の前で謝罪したと同時にピカリオは力尽き、その体はキラキラルの輝きへと変貌する。やがてその輝きはいちご山の山頂に。そして地下洞穴の祭壇の前に集まると、再びピカリオの姿を形作ったが、それは長老のごとく半透明。しかも祭壇上で横たわり微動だにしない状態で……?
これ以降の彼の出番は、ピカリオの項目を参考。
■第25話
- ゆかりが隠していた秘密の独白によって、16話のジュリオの精神攻撃はゆかりに直撃していたことが判明する。
- ゆかりに一方的に手玉に取られていたように見えた16話だが、実際は追い詰められたゆかりが自分を守るためにジュリオの心を先に傷つけたのである。自分の心にそれ以上踏み込む気を無くさせるために。
- ゆかりが敗北を作中で認めているのはただこの時だけ。ある意味では「敵だった時のジュリオ」に対する最大限な賛辞とも言えるだろう。
余談
性別詐称疑惑と追加戦士疑惑
長髪に髪飾りという外見と女子声優ということから、一部視聴者の間では実は女の子なのではないのかという声もちらほらあった。
もしも女の子の敵キャラというなら、シリーズ恒例の追加キュアの可能性まで疑う声も出た。
ジュリオに性別詐称疑惑が生まれたのは、プリキュアシリーズにおいてメイン主人公の変身前の日常生活にまで絡んでくるライバルキャラは基本的に同年齢の少女キャラというのも大きい。
過去作でも少年のライバルキャラ自体は存在しているがあくまでプリキュアとしての戦いにおけるライバルであり、変身前の日常生活に絡んでくるケースは1話限りだったりすることも多かった。また、少年ライバルキャラはメイン主人公以外のプリキュアと関わり合いになることが多い傾向にある。
ただ、ジュリオの名前が初めて明かされた10話時点で公式サイトでは「謎の少年」と明記している。プリキュアシリーズでは主人公が性別を勘違いしていたケースは明堂院いつきや剣城あきらの例があるが、今回はあくまで第三者視点での地の文で「少年」と言い切っていることが考察の材料とされた。
最終的には、21話でとある人物(後述)が「自分の弟」と明言した事により、歴とした男の子である事実が確定した。
追加キュア疑惑に関しても、2017年6月1日にキュアパルフェの存在と、演者が水瀬いのりである事が公式から正式発表されたため潰えている(この時点では変身者は明らかにされなかった)。
皆川純子は美少女戦士セーラームーンCrystalでは天王はるか/セーラーウラヌスの声を当てているので、もしプリキュアになったならば、間接的にはキュアショコラの先輩になったかもしれない。
しかしジュリオも実際はプリキュアを目指しており、この予想は全くの外れというわけでもなかった。…が、彼自身プリキュアになることは無理だと感じているようで、本人曰く「プリキュアを夢見る資格があったのは、才能があるお前(キラリン)だけ」とのこと(視聴者たちからは「才能ではなく性別なのでは?」と言われまくったが、本作の世界観では不自然なことではないのだろう)。
ちなみに、彼をプリキュア化させてみたタグが存在する。
妖精疑惑
妖精疑惑も当初から一部で存在していた。最初に上がったのは「op映像でペコリンと一緒に登場する謎の妖精は実はジュリオではないのか?」という説。この説が浮上した一番の原因は恐らく、両者の髪飾りがよく似ていることと、髪型がなんとなく似ているからだと思われる。
この妖精は19話において本編に登場したことでジュリオ=opの妖精説は完全否定されたが、その妖精が上述のとある人物=キラリンであった事から、彼の正体が妖精という可能性は強まった。
そしてキラリン以上にジュリオ似の妖精・ピカリオが登場。22話においてジュリオがピカリオであることが確定。「ジュリオ妖精説」は的中した。
なお、「ジュリオ妖精説」には別の根拠からも唱えられていた。
中の人について
担当声優の皆川純子は『スマイルプリキュア!』の豊島ひでかず以来のプリキュアシリーズ出演。少年役に定評があり、今回も少年役での登板となった。
名前の由来
名前の由来はおそらく、スペイン語で「七月」を表す「julio」であると思われる。彼の姉であるキラ星シエルの誕生月が七月に設定されており、双子であることを考慮すると彼も七月生まれである可能性が高く、姉に対するコンプレックスと愛憎が表れているネーミングともいえる。ちなみに、ジュリオが姉をかばい眠りについたのも七月である。
関連イラスト
関連タグ
プリキュアシリーズ関連
- キリヤ・イーラ・ロック・ビシン…少年の敵キャラ繋がり。特にキリヤはジュリオと同様、プリキュアたちが通う学校に転校生として潜入している。
- ジョーカー、トワイライト、五月雨…仮面で素顔を隠した敵キャラ繋がり。五月雨を除いた2人はジュリオと同様OPで先行登場し、特にトワイライトはプリキュアに近しい戦闘ギミックを持ち、正体が黒幕に付け入られて悪堕ちした存在であるのも共通している。
- ウルフルン・アカオーニ・マジョリーナ・セイレーン…とある様々な理由で邪悪な勢力に加勢してしまった元妖精の構成員繋がり。ちなみにこの中で、セイレーンは後にプリキュアへと覚醒している。
- ファントム/ファンファン…上記同様、元妖精の敵構成員繋がり。しかも、彼らの場合ある女子の存在が、闇堕ち、寝返りに大きく影響している。
その他
ユリスモール・バイハン…「ユーリ(juli)」という愛称を持つ。身内に対するコンプレックスに付け込まれ、罪の意識に苦悩するなど何かと共通点が多い。