概要
略称は「ソルサク」。
キャッチコピーは「超魔法バトルアクション、誕生。」「魔法で狩ろうぜ!」。
「真実のファンタジー」「犠牲と代償」をコンセプトに、巨大な魔物を倒すために自身や仲間を犠牲にして戦うアクションゲームである。プレイヤーが所持できる魔法には限度があるため、役割を分担して共闘することが重要な要素となっている。
2012年5月10日に開発が発表された。東京ゲームショウ2012でプレイアブル出展され、日本ゲーム大賞2012フューチャー部門を受賞した。
発売1週目にPS Vitaカード版が92,396本、"共闘"ダブルパックが22,050本、合計で実質13.6万本を売り上げた(ダウンロード版は集計外)。2014年3月6日に2作目「ソウルサクリファイスデルタ(SOUL SACRIFICE DELTA )」が2014年3月6日に発売された。
ストーリー
主人公
強大な魔法使いマーリンにとらわれた主人公は生贄にされるのを待っていた。目の前でまた一人男が生贄にされ、次は我が身と思っていたところに、その男が持っていた本が喋りかけてきた。
その本の名はリブロム『喋る魔道書』である。
リブロムには『ある魔法使い』の日記がかかれており、その記録を追体験することで、同じ能力を得ることができるという。主人公は自らの運命を変えるためにリブロムに記された魔物と戦う。
ある魔法使い
物語は『ある魔法使い』が魔法使いとなる試験を受けているところから始まる。
秘密結社アヴァロンによる魔法使いの管理のため、魔法使いは試験を受けていた。
試験中の相棒はニミュエ。
当初はお互いいがみ合っていたが徐々に二人はその絆を深めていく。
しかし二人の間には悲しい試練が待っていた。
魔法使いの試験、最後の課題は『お互いの相棒を殺すこと』
そして、『ある魔法使い』はニミュエに勝利した。彼女を生贄にし右腕に取り込む。
このとき彼は知る由もなかった『右腕の彼女』に永遠に悩まされ続けるとは。
登場人物
マーリンによって檻に閉じ込められている。彼自身は魔法の力を持っていないがリブロムを読み進めることによりその力を得て、マーリンに戦いを挑む。性別は不明だが最期の戦いの際の「我が肖像」の記述による。
ある魔法使い
リブロムを作った人間、リブロム曰く「かつて実際に存在した魔法使い」名前は忘れられている。
かつてはマーリンの相棒であったが何らかの理由でマーリンは異形の姿に、そして『ある魔法使い』は死んだらしい。右腕にニミュエを宿してから途方もない殺戮衝動に駆られるようになり、それを解決するためにマーリンと供に『聖杯』を捜していた。
喋る魔道書、主人公に『ある魔法使い』の記録を追体験させる。
我がままで皮肉屋だがその一方で主人公に対して適切なアドバイスをくれる。
その正体は……。
劇中では世界を支配する不老不死の魔法使い。
リブロムの記述中では割と温厚な性格の様だが時折、右手に宿した生贄の魂に揺らがされることもある。彼は未来を予知することが出来るがその代償として常人の何倍もの速さで老いていく。
魔物を生贄にすることで若さを保つことができる。『ある魔法使い』と供に聖杯を捜していた。
ニミュエ
『ある魔法使い』の元相棒。「アヴァロン」の試験の際に相棒だった。
最期は『ある魔法使い』に生贄にされるが、彼女の宿す殺戮衝動はその後、一生『ある魔法使い』を悩ませ続けることになる。その殺戮衝動は彼女の生い立ちに秘密があった……。
ちなみにファンからの愛称は『ニミュエたん』。
マーリンを追いかける女魔法使い。
その容姿はマーリンは「醜い老婆」と、『ある魔法使い』は「ニミュエに似た美女」としている。
マーリンを執拗に追いかけては心中を迫ってくる。
ストーリーシナリオ「魔法使いの仲間」の「悪徳魔法使い」に登場。
金目の物に目がない太った男で『ある魔法使い』を詐欺にかけ無理矢理働かせる。いつ死ぬかもわからず人に嫌われる魔法使いにしては珍しいほど強欲である。しかしそれにはある信念があった。
妹(実のではなく自称)がいる。
ストーリーシナリオ「魔法使いの仲間」の「魔物の子供」に登場。
捨て子だった彼は魔物に拾われ育てられたが、その育ての母親に殺されかけ、逆に母を殺して魔法使いになった。戦いの後に胸をかきむしる。言葉を覚えたてのようなたどたどしいしゃべり方が特徴。
本人は「びょーきなんだ」と屈託のない様子だが、その感情の欠落ぶりは常軌を逸した印象を受ける。
ストーリーシナリオ「魔法使いの仲間」の「狼男の苦悩」に登場。
隻眼の魔法使い。「ワーウルフ」という魔物を十年以上追いかけているが、一度もその姿を見たことはないという。なぜか彼の周りの人間が殺されるが、その正体は……。
ストーリーシナリオ「魔法使いの仲間」の「復讐の騎士」に登場。
大の魔法使い嫌いであるレデオ王の忠実な部下。『ある魔法使い』の力に惹かれ、勧誘する。
劇中用語
魔法使い
認められた殺人者。世界を守るために魔物と戦っているがそれ故に民からは嫌われる。彼らが殺している魔物は元は人間だったからだ。
魔法使いは少数民族のセルト人の末裔に現れる。
生贄か救済か
ゲームの中で何度も強いられる判断。
生贄にして自分の力にするか。救済してその命を救うのか。
ちなみにアヴァロンは救済を認めていないが事実上、黙認している。
元は人だったが、欲望により代償を払った人間のなれの果てである。
魔法使いが魔物になることも多い。
そのほとんどが聖杯に願いを聞き入れてもらったもの。
魔法使い以外の人間が魔法を得るための存在。強い願いを持つ人間の前にのみ現れ、その人間の大事なものを生贄に捧げる事で願いを叶えるための魔法を与えるが、あくまで"願い"を叶えるための魔法を乱用し、結果として魔物に成り果てることは聖杯にとっては無関係なものである。
基本的に願いには制限を設けてはおらず、生贄の規模や質によって決まる。
秘密結社アヴァロン
魔物を必ず生贄にすることを掟として公布しているが、救済は事実上黙認している。
しかし、あまりにもその行為が目立つと結社より使いが送られてきて。始末される。
モンスター*
モンスター(魔物)とは、己の欲望の赴くままに魔法を使い、その力に溺れて異形化した生物である。魔物には、人間が魔法を使い続けた結果異形化した「人型魔物」と人間以外の生物が間接的に魔法の力を浴びて異形化した「下級魔物」が存在する。魔物は人間社会の脅威となるため、これを排除するのが魔法使いの宿命となっている。元となった生物よりも高い知能を得る場合もあれば、欲望のままに暴れるだけの低級な存在と成り果てることもある。また、ごく一部ではあるが争いを好まない魔物の中には人間を育て、人としての条理を教えようとする者もいる。
聖杯の願いによって魔物となった者を取り込み、自身も魔物へと堕ちたパターンは「ドッペルゲンガー」、複数の魔物の魂が同時に発現し二体の魔物へと変化したパターンは「ジェミニ」と呼ばれる。
『デルタ』からは特定の攻撃時には一部の供物を無効化もしくは反射するようになり、特定の部位を破壊すればこの効果を無効化できる。
人型魔物
- 傲慢
クラーケンと同型の魔物。口から剣が生えた九匹の大蛇の集合体。
元々は貧しい地域に生まれた剣士。家族を養うために剣士となった。男は剣に対して類いまれな才能を持っており、いくつもの剣を同時に手足のように扱った。いつしかその武勲は戦場に知れ渡り、敵軍にとって恐怖の対象となった。敵軍は男の同僚を買収し、彼の飯に蛇毒を混ぜた。男は死の淵を彷徨った末に生還したが、かつての様に体は動かなくなった。彼の嘆きを聞き入れた聖杯によって男は九本の腕と剣を持つ化け物として生まれ変わった。
ワイバーンと同型の魔物。兜から翼が生えた女戦士。
元々は高名な騎士の一人娘。父が後を継ぐ男子を望んでいたことを知った彼女は騎士としての道を歩むが、やがて体力的に成人男性との戦いに限界を覚える。美しい姿を代償に人外の力を手に入れたものの、直後に父は戦死。天国の父に愛されたい一心で、武名を高め最強の戦士となることを誓う。
DLCで追加。ベヒモスと同型の魔物。
騎士の背中に人面疽の様な腫瘍を持ち、それが巨人のように膨れ上がる。
元々はほら吹きの騎士。誠実で勇敢、確かな武勇を持った騎士であったが次第に傲慢な性格になってゆき、退役してからは誰も彼を慕わなくなっていた。それでも彼はかつての栄光が忘れられず、自分の武勇伝を語ることで周囲の気を惹こうと試みる。最初の内は人々もその武勇伝に魅了され彼を支持していたが、やがて飽きられ、焦った彼はほらを語るようになる。ある時「巨人と戦った」とほらを吹いていると周囲からそれを疑われ、武勇伝を実証すべく聖杯に願い巨人を出現させた。皮肉にも、それは自分の背中から生えており、自分自身が武勇伝に登場する醜い巨人と化してしまう結果となった。
DLCで追加。エルフの女王と同型の魔物。蝿のような頭を持ち、周囲に凶暴な蠅を使役している。
元々は貴族。高慢で、何もかもを臣下に任せる彼は生活すら部下がいなければ何もできない有り様であった。ある時没落し、周囲に誰もいなくなった後も貴族であり続けた彼は、当然のように死の淵に立つこととなる。そんな時現れた聖杯に願うと、新たな臣下である蝿が現れていることに気が付き、自らが蝿の王となったことを知るのであった。
『デルタ』から追加。ロバの口から犬、犬の口から猫、猫の口から鶏が飛び出し、体には幾つもの音楽器が突き出た姿をしている。
元々は元音楽隊の老人と彼を慕った動物たち。愚直なまでに音楽隊に従事した男だが、加齢と共に歌えなくなって除隊される。生きがいを無くした事で男はみるみると老け込み、ロバを息子と思い込むほどに耄碌し、彼の介護に辟易した家族は男を捨てた。仕事を忘れられない男はロバと共に民衆の前で歌い続けたが、それも飽きられていく。そんな彼の前に聖杯が現れたが、彼はすでに耳が聞こえていなかった。しかし、彼を慕っていたロバがその声を聞き、恩返しの為に自分を生贄にして「歌声」を彼に与えた。歌声を得た彼は新たな息子である犬を連れて歌う。それも飽きられて絶望する中、またしても聖杯が現れて息子である犬がその身を捧げる。聖杯の声を聴くのは息子の役目。次に猫、鶏が彼の恩返しの為にその身を捧げる。いつしかその姿は珍妙な音楽を奏でる魔物と化していた。
嫉妬
無数の眼球がついた三叉の槍に縋るようにして歩く単眼巨人。
元々は腕のいい鍛冶屋だった男。常にライバルの二番手に甘んじていることが我慢ならず、自己顕示欲のために片目を犠牲にして最強の槍を作り出すが、誰にも認められず、殺戮で武器の性能を証明しようとするモンスターへと成り果てた。
背中に廃墟を背負った巨大な人面首長竜。
この魔物との戦闘は、背中の廃墟から頭部を狙って進めることになる。
元々はある国の双子の王子の弟。全ての面で兄王子は優れ、弟王子は次第に兄への嫉妬を深めていき、やがて殺意衝動に変わっていく。
『飼っていた鰐を兄に仕向けたらどうなるだろうか?』、その願いを聞き入れた聖杯によって体が鰐と一体化し、城を背負うことが出来るほどの大きさに膨れ上がる。
その化け物は、兄王子が出かけている隣国へと向かっていった。
『デルタ』から追加。美女の下半身が百足のように伸び、幾つものガラスの足をしている。
元々はある城下町の三姉妹の三女。姉妹の美脚は舞踏会に招待されるほどに有名だったが、
三女はいつも置いてけぼりだった。憤慨した三女は報復としてムカデの猛毒を次女の食事に混ぜ込む。寝込んだ次女の代わりにドレスを着こみ、仮面をつけて仮面舞踏会に出る。
舞踏会に慣れてきた彼女はいつしか男を弄ぶようになる。今度は長女にも同じ毒を仕込み、
彼女のドレスを着て王子に近づくが、極度の脚好きの王子はその脚をなめた時に別人だと気付き、
急いで彼女は逃げ出したが片方の靴が脱げてしまう。
その靴の犯人を捜して町に役人が溢れ、自分が捕まるのではと考えた彼女は自分の脚を砕く。
激痛の涙を流す彼女の前に聖杯が現れ、彼女に長女の脚を与える。
今度こそ王子を魅了できると思って近づいたが、同じく見抜かれる。
その後も美脚の女性の脚を狙って襲い、その脚を付け替えるも見抜かれる。実のところ、
王子は「脚好き」ではなく「脚の匂い」が好きなのである。
それに気づかない彼女は脚を用意するために自分の下半身をムカデに取り換える。
より美しく見せるためにガラス細工の脚を付けたが、王子はそれに怯えて逃げ出した。
『デルタ』から登場。白雪姫と同型の魔物。
元々は男運の無い女。交際している男は女を財布代わりにしか考えていない絵に書いたような屑だった。しかし、彼女はそんな屑な人間を愛おしく感じる人間だった。彼の為に蝋燭を売り続け、いつしか帰る場所がある人間を妬ましく思い、恋人と幸せに暮らす幻覚を求めて放火し始める。放火の現場を抑えられた彼女は牢屋に入れられ、取り調べを受けるが、彼女の証言にあった男性は町には存在しない人物であり、彼女の家には男性を象った蝋燭だけが残っており、男は女の妄想が生み出した産物だった。その事実を受け入れられ無い彼女の前に聖杯が現れ、男の存在を証明するために自分の頭を蝋燭にした。燃え上がる炎の中に、脳内の恋人の姿が現れる。女は見せて回る。炎が生み出す幻覚を。周囲に妄想の火の粉をまき散らしながら。
- 強欲
前足に金塊を抱えており、戦闘中に落とすと何よりも優先して拾おうとする。
元々は領民に重い税を課していた貴族。
像を隠そうとした妻を厳しく罰して死なせるほどの偏愛ぶりだった。欲に憑りつかれ、
寵愛した金の像と一体化した魔物となってしまった。
金銭欲・食欲などの様々な欲望に負けた人間の典型例。ドロドロした欲望の対象の塊であり、財宝が形作る「金欲型」と食物が形作る「食欲型」がある。
肉体そのもの以外に代償として捧げられるものを持たない人間が変異するため、頻繁に見られる。さらなる欲望を叶えるために、より多くの人間を取り込もうとする。
フェニックスと同型の魔物。頭部は馬だが、
複眼や横開きの顎などには昆虫的な要素が含まれている。
元々は国王の側近。強い野心を秘めており、領主になるためにあらゆる障害を排除してきたが、
イカロス牧場に多くの兵を投入して死なせてしまったために責任を取らされそうになり、逃げた末にイカロス牧場にたどり着いた。その場所で聖杯に逃げるための翼を欲し、代償として生物としての形を捨てて化け物になった。以来、その化け物は領主になる願いを糧に領土を我が物顔で飛び続けている。
皮膜でできた巨大な翼のような耳が生えた蝙蝠人間。
元々は暗殺者。男は聴覚が異常に優れており、彼も自身を「蝙蝠」と重ねていた。
主人の依頼をこなし続けてきたが、ある時同業者の奇襲によって瀕死に陥り、
聖杯によって窮地を脱した。男はこれが主人の差し金であることを知った上で舞い戻り、
主人の命令を聞き続けた。やがて主人が病で死ぬと男は屋敷を飛び去った。
その姿は人とも蝙蝠ともつかない化け物だった。
DLCで追加。捩れて輪になった鎧の中に、輪入道のように人面が浮かび上がった魔物。
元々は科学者。今で言うモーターを発案し、それを応用すれば馬の無い馬車ができると思い立つも人々からは一笑に付され、そんな人々を見返すために実験を重ねた。
しかし成果は上がらず、やがて彼の実験は狂気に落ち、ついには自分に雷を打たせた。
当然男は重傷を負ったが、その際に現れた聖杯に願うことで雷を自在に操る魂だけの姿を得た。
その後は強度の高い車輪を得るべく自身の身体を車輪とし、車輪の魔物と化した。
DLCで追加。ドワーフと同型の魔物。靴に入った3体の魔物の集合体。
元々は高名な靴職人の3人の息子。息子に技術を継承するつもりであった父に認められるべく、
3人は常に競い合っていた。中でも焦った末っ子が探求の果てに見出した物、
それが「知能の高い動物の皮で作る靴」であった。最も知能が高い動物は何か、それを考えた末、
彼は人間を材料にすることを思い付く。逡巡する彼の前に聖杯が現れると、
迷うことなく彼は2人の兄を生贄に捧げた。だが、それは兄達も同じだった。
結局、3人とも靴の魔物になってしまい、呆れた父に勘当されてしまう。
その後はただ父に認められたいがために、3人で手を取り合って人間を狩っている。
『デルタ』から登場。獅子の鎧に蛇の盾、山羊の槍を持った魔物。
自身の息子にその願いを託そうとしていた。ある理由から息子もその願いをかなえようとしていた。それは過去の事故にあった。馬車に轢かれそうになった息子を助けた時に父親は足に怪我を負ったのだ。自分のせいで夢を絶たれてしまったと、息子は罪悪感を感じ続けていたのだ。
しかし、父にも劣らない素質はあっても、虫すらも殺せない「優しさ」が息子にあった。
父親は息子を鍛え上げるために心を鬼にし、命を奪う覚悟を植え付けるために息子に試練を与えた。初めに山羊を殺させて死骸から槍を作り、次に蛇を殺させて死骸から盾を作った。
死に慣れ始めた息子を戦士として完成させるために今度はライオンを放った。
息子はライオンよりもそんな父の神経に恐怖した。
しかし、息子は覚悟を決めてライオンを殺し、その死骸は鎧となった。
父親は、仕上げに取り掛かる事にした。「人を殺す練習」として「自分を殺させよう」とした。
嫌がる息子に武具を括りつけ、感情を殺させようとした。
そして、その瞬間に聖杯が現れ、父の告白によって絶望した息子は「感情」を捧げた。
結果、感情を失った息子は父親の思う「理想の戦士」へと生まれ変わった。
『デルタ』から登場。シンデレラと同型の魔物。
元々はある女戦士。生まれつき体格がよく、力が強かった女は傭兵として名を挙げた。
積み上げた戦果と名誉の代償として失うものも多かった。彼女は女の幸せを求めていたが、
それを諦めていた。偶々遭遇した魔物に対し、周囲の制止も聞かずに彼女は立ち向かった。
強力な一撃を食らって谷底に落ちたが、同じく谷底に落ちていた魔法使いが彼女を助けたのだ。
周囲は魔物だらけ、不安を解消させるために会話が始まった。
日に日に衰弱していく彼女を勇気付けるため、彼女の願いを叶えようと男が言った。
助け出された後に女は男に手紙を送った、いつの日かまた会おうと。
しかし、手紙の内容はいつも同じ、会えない分だけ彼女の中に妄想が膨れ上がった。
そして、ある手紙を境に期待が裏切られたと知った彼女の前に聖杯が現れた。彼女は子供を望み、
自分を袖にした魔法使いに突き付けてやるつもりだった。
しかし、彼女が破り去った手紙にはある真相が掛かれていたのだ。
実は彼女を助けた魔法使いは既に死んでいるのだ。自分の傷を後回しにして彼女を治療し、
救援に来た仲間に「彼女を幸せに」と残していたのだった。
- 憤怒
体から帆船のマストや舳先、内臓が変異した触手が生えている怪物。
元々はある貿易商船の船長。何よりも愛する船を海賊に奪われた彼は、軍船の乗組員として戦果を挙げ、やがて因縁の海賊を追い詰めるも致命傷を負う。
戦闘のあおりを受けて船は沈没。
以降は愛船を再現し取り戻したい一心で、海を彷徨い犠牲者の肉塊を取り込んでいる。
胸に槍が刺さった三つ首の獣人。二足歩行と四足歩行を使い分けて攻撃してくる。
元々は男性の衛兵で、二匹の愛犬とともに故郷を守っていた。
伝染病から逃れるために住民が故郷を離れていったため、住民をその場にとどめようと暴力に走った。その結果、住民により槍で刺されるが、住民の命を代償にし、
愛犬を取り込んだ結果ケルベロスとなった。
角のある真っ二つに割れた鉄仮面を装着した魔物。
元々はある領主が小間使いに手を出して生まれた娘。
その出生を隠すために醜い鉄仮面を被せられ、母と離ればなれとなる。
やがて母親は領主の正妻の虐待によって狂ってしまい、再会した娘は領主と正妻に復讐を誓うのであった。聖杯に代償を払い、娘は鉄仮面の化け物に、母親は捻じ曲がった巨大な斧へと変化した。娘はその斧を手に、領主と正妻に復讐を果たす。そして今は幸せな家族を狙って各地をさまよい続けている。
DLCで追加。ワイバーンと同型の魔物。両翼が目の様な器官に置き換わっている。
元々は盲目の青年。自分の容姿に自信が無い娘に介抱されており、
彼女の献身にいつしか愛情を抱くようになる。
その甲斐あってわずかに光を取り戻しそうになるも、
「自分の醜い姿を見られたくない」という理由で娘が毒を盛り、再び視力を失うこととなった。
その後は聖杯に願い、娘を犠牲として魔物化したが、バジリスクが流す毒はこの時に受けた物が影響している。
『デルタ』から追加。巨大な一つ目を持ち、七人の小人に支えられている。
元々はとある国の王女。王女はとても目が美しく、自己顕示欲の強い母親はそれを妬み、
彼女を子供と言うよりも鏡としか見なくなった。成長した娘の存在が母親の自尊心を傷つけ、
娘の目に映る姿が自尊心を満たした。そんな王妃の前に聖杯が現れ、
娘を鏡にすると言う母親としても人間としても最低な願いを叶えて貰う。
鏡になった事を知らずに育った娘は成人を境に疑問を抱き、再び現れた聖杯に片目を代償に鏡を作る魔法を得た。その魔法でその真実を知り、母親に本当の姿を見せつける事で殺害する。
『デルタ』から追加。ブレーメンの音楽隊と同型の魔物。
親戚の虐待を一身に受けて育った。友達を作る事ができず、自分を差別しないネズミと仲良くなった。いつしかネズミ達の意思が分かるようになり、男の意思を伝える事で芸もできるようになった。そんな彼の元に子供たちが集まるようになり、一層芸に力を注いだ。
だが、ある日村の子供の一人が姿を消し、大人たちは彼を犯人だと決めつけて彼が留守の間にネズミ達を惨殺した。それを嘆く男の前に聖杯が現れ、微かに息があったネズミと一つになり、
魔物と化した。彼はその力で村人へ復讐しようとはせず、いなくなった子供を探索した。
彼はその嗅覚で子供を見つけたが、その子供は死んでおり、匂いから犯人が誰なのかも分かった。
犯人はその子供にいじめられていた子で、いじめに耐えかねて反抗を試みた結果、
打ち所が悪く相手は死んだのが真相だった。男はその子を糾弾しようとは思わず、代わりに自分が罪を被る事でその子を救済する道を選んだ。その後、彼は人さらいの狂人を演じ続けた。虐げられた者への愛と救済を胸に秘めて。
- 色欲
エルフの女王
背中から翼が生えた四本腕の女。タンポポの綿毛を思わせるエルフを従えている。
元々はある崖から落ちた女性とそこにいたタンポポ。彼女は子宝に恵まれず、いつも子供をほしがっていた。その願いが、谷底で子孫を増やせずにいたタンポポと合わさり、エルフを生み出した。彼女はエルフを我が子のように可愛がり、母親として、女王として幸せな日々を送った。やがてエルフの力で翼が生え、崖の上の世界に戻る。やはり人間の子供がほしいと考え、人間の子供を見つけてはさらい続けている。
サイクロプスと同型の魔物である、女性の顔をした巨人。無数の口がついた杖を携えており、杖を強化させるときに口から音符が出てくる。
幼馴染の男性に裏切られた女性が自身の歌声をささげた結果、魔物化した。
DLCで追加。デュラハンと同型の魔物。
元々はとある騎士に恋をした女性。騎士の助けになるために聖杯に願い、
生命力の宿る血を手に入れた。騎士の傷を癒すために、自らを拷問して常に血を流している。
結局騎士は死んでしまい、女の首は胴体から離れた。
DLCで追加。拷問具のような棘付き鎧に身を包み、鎖につないだ己の生首を振り回して戦う戦士。
元々は変質的な趣向を持つ騎士。痛みを求めて戦場に繰り出しており、気味悪がった敵からは恐れられていた。さらなる痛みを願った際に聖杯に出会い、不死の身体を得て自身の首を斬り落とした。永遠の快楽を得ているためか生首は歪んだ笑みを浮かべている。
元々は売れない画家。納得する絵しか描かず、家族にも愛想を尽かされた貧乏画家であったが、絵に対する拘りだけは捨てなかった。そんなある日、卑猥な夢を見た彼はそれを絵にすることを思い付く。しかし、自身の拘りが邪魔してなかなか完成が見えない。そこで画家は、現れた聖杯に願い自分のイメージを絵の具に絵を描く術を得た。だが、それもやがては飽きられると、今度は鑑賞者を取り込む絵画の魔物と化した。
『デルタ』から追加。ワイバーンと同型の魔物。
元々は変態的な趣味を持つ王様。公明正大な王様で、民衆からとても慕われていた。そんな王が統治する城下町で、「王冠と分厚いローブ」を身に纏った男が女性に対して裸体を見せつける事件が起きた。その人物は王に似ていたが民衆は彼の評判を下げるための工作に違いないと考え、事件後も威風堂々としていた王を支持した。その態度を崩さなかったのは当然、その犯人は王なのだから。王自身はその行為に罪悪感を覚えていたが、その行為が癖になってしまい、何度も変態行為を繰り返した。行為を繰り返すたびに民衆の支持が集まる。ある行為を境にこの衝動が「本当の自分を知ってほしい」と言うものに気づく、そんな彼の前に聖杯が現れて彼の願いを叶える。その後、「丸見え」の怪物になった王を直視できる人間、本当の自分を見てくれる肝の据わった人間を探している。
『デルタ』から追加。巨大なカエルに人間が座った姿をしている魔物。
カエルの舌が拘束された女性になっている。
元々は汗っかきな王様。その体質のせいで女性と縁がなかった王だが、自分と同じく大量の汗をかく女中に恋をする。女意を決した王が彼女に好意を伝えるも、片思いの人物がいると伝えられ、王は彼女を励まして告白するように促したが恋は実らなかった。汗っかきと言う理由で断られた事を知った王はその男を拷問に掛けて殺してしまう。その事を知った彼女は嘆き、本来の姿であるカエルに戻ってしまう。カエルは助けてもらった恩を返そうとして人間になったのだ。その姿に感銘を受けた王はより愛情を深めたが、カエルはそれを怖がり逃げてしまう。それ以降も王はカエルに付き纏う。そんな王の前に聖杯が現れ、カエルを人間にしてほしい、自分がカエルになればいいと彼の願いを叶え続けた。王は気づいていない。自身の愛情表現がどれだけ歪なのかを、それは魔物に成り果てた姿よりも恐ろしいものである事を。
『デルタ』から追加。カエルの王様と同型の魔物。巨大な亀の首が拘束された男性の姿で、甲羅の上にウサギの被り物をした女性が座っている。
元々はサディズムな女性とマゾヒズムな男性。女は男の泣き顔を見るのが好きだった。ウサギの被り物を被り、酒場で男を誘い、調教する事で金を貢がせていた。そんな彼女のうわさを聞いた貴族の男が現れ、これまでと同様にいたぶったが、貴族故に弱みを見せられない男はその行為を喜んだ。いつしか、そんな彼を癒してあげられるのは自分だと気付いた彼女は本気で彼を愛した。行為は更にエスカレートし、女は男に亀の甲羅を着せ、行動に難儀する男を見て「世界一のノロマ」とあざけるようになった。その後、行為が思いつかなくなった彼女の前に聖杯が現れる。願った彼女は自殺し、男性を放置すると言う究極の愛を見せた。男はその愛に答える為、亀のような姿に変貌した。
PS VITA【ソウル・サクリファイス デルタ】
https://www.youtube.com/watch?v=v6k9iSycO-o&t=0s&list=WL&index=3]