都道府県
とどうふけん
概要
日本における地域行政区分の単位。明治維新後の廃藩置県によって3府302県が設置され、後の行政改革で再編されて「都道府県」となった。
行政の構造としては「日本>都道府県>基礎自治体(市町村)」という形である。町村と都道府県の間に「郡」があるが、大正時代の行政改革で郡役所が廃止されて以降、名ばかりの存在になっている。
都・道・府・県の違い
- 都
現在「都」は東京都のみ。もともと東京府であったが、戦争遂行のため1943年に東京都制が制定され、東京府と東京市が廃止。親任官の東京都長官を首長としその下に35区を設置。戦後も地方自治法により名称がそのまま継承し、区は23区に整理され地方公共団体としての特別区となった。
- 道
現在「道」は北海道のみ。律令体制下の日本では畿内以外の各律令国をまとめる行政区画の名称として使用していた(五畿七道)。明治維新後、旧松前地を含む蝦夷地をかつての七道の東海道、西海道、南海道に倣い「北海道」と命名。旧蝦夷地に北海道開拓使を置いた(後に開拓使が松前地も統括する)。1886年に北海道を管轄する官庁として内務省直属の北海道庁を設置し、1947年に地方自治体の北海道となる。他の都府県とは違い「北海道」全体が地名として扱われるため単に「北海」と略す例は少ない。
- 府
現在「府」は大阪府と京都府のみ。府という漢字は「重要な場所」という意味を含み漢字文化圏においても使われてきた。明治維新直後は旧幕府の江戸町奉行及び遠国奉行の区画を府として9府を置いた。1871年、廃藩置県で京都府、大阪府が発足し東京府と合わせて3府と呼ばれていた。
その後、東京府が東京都になり現在の2府に至る。
- 県
現在43県あり、日本の都道府県において最も多い。そのため、「県」と言えば、都道府県全体を指すこともある。古代日本でも「県(あがた)」として使われていた形跡がある。1871年の最初の廃藩置県の時点では302県だったがその後統廃合を繰返し43県までになった。また、県は他国の行政区画の和訳にも使われている。
上記のように、歴史的経緯が異なった結果都道府県が生まれたが、基本的には道府県は名称が違うだけで特に異なる点はなく英訳も「prefecture」である。しかし、東京都だけは違い特別区など地方自治において特殊な制度が適用され英訳も「Metropolis」が使われる。
現在の都道府県
日本地図も参照。