概要
『ウルトラマン列伝』内にて放送された『ウルトラゼロファイト』の第二部より登場した、悪の宇宙人チーム。
当初は『ゼロファイト』第一部のボスであるバット星人グラシエと同じく、「あのお方」と呼ばれる何者かに従う強敵宇宙人集団として描写されており、グラシエもダークネスファイブから見れば、ウルトラマンゼロの能力を探る為の触角に過ぎなかった。
それぞれが過去にウルトラ戦士を苦しめた宇宙人と同じ種族で構成されており、目が赤く輝いている事と、個体名と肩書きが付いているのがシリーズの他の宇宙人とは大きく違う点である。
ウルティメイトフォースゼロと激しい戦いを繰り広げた後、主人の正体であるウルトラマンベリアルが消滅して時間が逆行する事を感じて逃走を図るが、その影響によりウルトラマンベリアルが完全復活を果たした事で、再びベリアルと合流し、共に全宇宙制覇を目指して暗躍している。
後日談として放送された『列伝』特別総集編では、いわゆる「オフ時」のベリアルとダークネスファイブが描写され、ベリアルのご機嫌取りに四苦八苦したり番組ジャックをして楽しんだりとコミカルな一面を見せていた。また、悪役キャラクターにも関わらず妙に冴えたツッコミや本当は善人では無いかと疑ってしまうコメントを多数残す姿を披露していたばかりか、ベリアルにただならぬ覚悟で付き従う強い忠誠心も見せており、単なる悪役チームでは無い点を視聴者の目に焼き付けていた。
ショーやイベント等にも姿を見せるどころか、ゲームでも大怪獣ラッシュ第4弾にゲスト参戦しており、ウルティメイトフォースゼロのライバルチームとしての活躍にも期待が寄せられている。
ベリアルの息子が登場するウルトラシリーズでも姿を見せてくれるのでは…と期待する声もあったが、残念ながらそういった気配はなかった(ただし第11話で本人ではないがグローザ星系人の同族が登場した)。ベリアルが地球に襲来してきた時や、パワーアップして再び地球に襲来した時にも行動を共にしている描写はなかった。
その後、最終回で回想シーンではあるが、タイラントを除き、ようやく登場(ただし台詞はない)し、伏井出ケイと共にベリアルに付き従っている様子が確認できた(このため、ダークネスファイブとケイは互いに面識があったということになる)。
なお、彼らがどうなってしまったかは語られておらず不明。ベリアルの回想シーンの内容的には、もしかしたら闘いの中で……
所属メンバー
メフィラス星人・魔導のスライ
CV:安元洋貴
アーマードメフィラスの姿をしており、戦闘力もチームのリーダーだけにトップクラス。
常に余裕の表情と態度で戦況の変化を見据えている。
見た目は初代寄りだが、中身に関してはまさかの二代目寄りで、「卑怯もラッキョウもありませんよ」と言い放ったり、二代目のアレな作戦を「知略」や「メフィラス紳士の証」等と評した。
中間管理職的な立ち位置という事もあり、他のメンバーとベリアルの間に挟まれて苦労している。
ヒッポリト星人・地獄のジャタール
CV:岸哲生
ヒッポリト星人の同族であり、ゲスい笑い方が特徴であるタール使いの暗殺者。
ミラーナイトとグレンファイヤーをブロンズ像に変えてしまった強者で、その手で触れるだけで相手をブロンズ像に変えてしまう特殊能力を持っている。
更に変身能力も披露し、ウルトラの母に化けてウルトラマンゼロを騙そうとしたが、それがゼロの怒りに触れてしまい、「ガルネイトバスター」で宇宙の塵と化す(さらに「ブサイクな面」とまで言われてしまう始末)。ちなみに作中で倒されたメンバーはジャタールだけであり、しかも初登場した次の回に退場してしまったため、ポジションを後述のタイラントに奪われたり、他のメンバーもベリアルに指摘されるまですっかり彼の存在を忘れていたなど不憫な扱いが公式でもネタにされていた。
だが時間逆行の影響で蘇り、二人揃って話をしていたウルトラマンゼロとグレンファイヤーに襲いかかるが、今回も裏拳一発で宇宙の彼方へと吹っ飛ばされてしまった。
その後しばらくして無事仲間たちと合流、遅ればせながらも彼もまたべリアルに生涯付き従っていく覚悟を見せた。
テンペラー星人・極悪のヴィラニアス
CV:金子はりい
テンペラー星人の同族であり、相棒のタイラントと「極暴タッグ」を結成している武闘派宇宙人。
弱き者を仲間だとは認めないと豪語しているだけはあり、その実力は本物。
ウルトラ兄弟必殺光線や電磁ロッド等で敵を攻め立て、更にジャンボットやジャンナインの技を尽く弾き返し、無力化するという恐るべき実力を見せている。
美的センスがややズレているが、『ザ☆ウルトラマン』の映像を見て手書きアニメの作画の良さを熱く語るなど視聴者の腹筋をも破壊する実力を披露した。
戦いの中でやられかけたタイラントを一度「役立たず」扱いしているが、その後も彼(?)の事を極暴タッグの相棒として自慢する姿を見せるなど、内心では大切に思っている様子。
グローザ星系人・氷結のグロッケン
CV:外島孝一
グローザムの同族であるグローザ星系人であり、チャラい言動が目立つチンピラ氷使い。
ノリが良く、ある意味似た者同士とも言える炎の戦士であるグレンファイヤーを敵視している(その煽り合いや戦い方などは、完全に不良同士の喧嘩である)。
口や全身から放つ冷気で相手を凍らせるのが得意技。
グローザムの様に再生能力を持っているかは現時点で不明である。
後述のデスローグの通訳をしたり、ダークネスファイブのツッコミ担当として存在感を表している。
先輩や上司を立てるのが得意で、グローザムの事を大先輩として尊敬している様だ。
また、このキャラクターからグローザムが「グローザ星系」出身である事が明らかになった。
デスレ星雲人・炎上のデスローグ
CV:岡崎聖
デスレムの同族であるデスレ星雲人であり、言葉を発さない無口な炎使い。
何故か唸り声を上げるだけで一言も喋らないのでそのキャラクターは謎に包まれているが、ミラーナイトからはその物静かな点は評価されている。
口や腕から強烈な炎攻撃を放ち、グロッケンと共にウルトラマンゼロに襲いかかる一幕も見せた。
喋れないのでグロッケンに通訳して貰ったり、大げさなジェスチャーをしてその感情を表現している。因みに、出身地であるデスレ星雲を「地元」と言っているらしい。
グロッケン同様、デスレムの事を尊敬している様だ。
また、このキャラクターからデスレムが「デスレ星雲」出身である事が明らかになった。
暴君怪獣タイラント
正確にはダークネスファイブの一員ではなくヴィラニアスの相棒で、目が赤く輝いているのが特徴。
上述の「役立たず」発言されても従う忠犬で、ジャタールにとってはある意味で最大の目の上のたんこぶ。
5人組にも関わらずジャタール不在で4人となり欠員が生じている状態なのだが、タイラントがいるために絵的にも違和感がなく、何も知らなければタイラントがメンバーと勘違いされてもおかしくない。そして、公式もそれをネタにしたのか、メンバーをジャタールではなくタイラントと記載されたことがある。事実上の補欠メンバーと解釈するべきか。
ただ大怪獣ラッシュの世界であるプラズマギャラクシーやウルトラマンジードの回想シーンでは登場していない。前者は大怪獣ラッシュの世界観的に連れてこなくて正解だが、後者ではタイラントがどうなっていたかは不明(『ジード』第9話に出てきたタイラントは別個体。ただしゼロはヴィラニアスの個体については言及していない)。
余談
秋田書店の隔週誌ヤングチャンピオンで連載中の『ウルトラ怪獣擬人化計画 feat. POP Comic code』にはメフィラス星人とテンペラ―星人率いる「ダークネスブラック」というアイドルグループ…もとい侵略部隊が登場するが、作者は、元ネタはこのダークネスファイブであり、構成メンバーにメフィラスとテンペラーがいたことから名前の一部を拝借したことを明かしている(なお、ネームの段階ではダークネスファイブの名が使われていたが、さすがに本編のものと紛らわしいので変更したらしい)。
ヒーローもので悪役の側もチームを組むというのは、日本ではあまり例がないが、アメコミでは盛んにおこなわれていることだったりする(DCコミックのスーサイド・スクワッドやMARVELのシニスター・シックス、ダークアベンジャーズなど)。
当初、ゼロの師匠であるウルトラマンレオと戦ったこととその分かりやすい特徴からリフレクト星人の同族もダークネスファイブの一員としての登場が検討されていた。
魔導のスライ、地獄のジャタール、氷結のグロッケンの中の人は後に『ウルトラマンオーブ』に登場する惑星侵略連合でも、別の宇宙人(魔導のスライの中の人のみ同じメフィラス星人一族)役として共演している(ただしこちらはダークネスファイブとは異なり、脱退した一人を除き全員倒された)。
ダークネスファイブが倒されなかったのは、スタッフによると「ゼロに挑んだだけで特に悪いことをしていないのに敵というだけで倒してしまうのはどうかと思ったから」らしい。
また上記の通り、『ウルトラマンジード』にはほとんど登場しておらず、この間の彼らについて視聴者が独自に考察する例も散見される。
この点について、『ジード』の物語開始時点で死亡しているという説があるが、同作においてベリアルがそれまで以上に冷酷非道に描かれていたのは、彼らを失ったからではないかという考察もある。
人気のあるキャラが作品と作品の間で死亡しているという説がまかり通るのもなかなか珍しいが、
- 彼らほどの忠義心のある面々がベリアルのこの事態に参戦していない理由が他にない。
- 列伝や大怪獣ラッシュと言った下手をすれば映像作品との関連性を切られかねない部分ともつじつまがあう。
- 上述したベリアルの変化。
などを踏まえれば、そうした説が支持されているのも納得と言えよう。
もっとも、死亡説を支持する視聴者でも「生きているならそれはそれで問題ない」と言っている例も多く、やはり人気がうかがえる。中にはスライ・グロッケン・デスローグの同族を例に挙げて「死んだ程度で大人しくなるタマじゃない」という恐ろしい意見も…
ちなみに坂本浩一監督は機会があったら彼らの顛末を描きたいと超全集で語っている。また自伝本ではクライシス・インパクト関連の話題の際に「ダークネスファイブが滅びるまで」と書かれており、やはり『ジード』前日譚にて戦死しているのは間違いないようだ。
関連タグ
ウルトラマンベリアル:主君
ウルトラマンジード:主君の息子