死から目を背けるな、前を見ろ、貴方が殺す人々の姿を正面から見ろ
そして忘れるな、奴らも貴方の事を忘れない
CV.
※タグの利用は「キンブリー」が多い
人物
「いい音だアアアアアアア」などと叫びながら爆発音に興奮してぷるぷる震えたりする変態。
基本的には誰に対しても敬語で、一見すると真面目で礼儀正しく紳士然としている。変態という名の紳士。
そして本人も、自分が異常者であることを肯定しているサイコパスであり。敬語口調や紳士然とした態度も、自身の異常性を包み隠すための処世術だと公言して憚らない。
長い髪をポニーテールにしており、真っ白なスーツ、真っ白なコート、真っ白な帽子という格好を好んでいる。内乱で活躍した時には、上はタンクトップで下は軍服という活動的な服装を、囚人時代には髪は下ろした状態で無精髭を生やした姿をしていた。爆発を起こすための錬成陣の刺青を、両方の掌に彫っている。
自分の思想と同じか異なるかに関わらず、「己の信念を貫く人」が大好き。この点についてのウィンリィ・ロックベルへの発言からロリコン疑惑が浮上したが、本人は即座に否定している。
仕事に生きがいを覚える「仕事人間」であり、自分に課せられた仕事はいかなる事態に遭遇しようとも全うしようとする。その熱心ぶりももはや狂気の域であり、味方を巻き込もうが、どでっ腹を貫かれようがお構いなし。仕留め損ねた標的を見つければ、周囲の制止を押しのけるほどの執着心を見せることもあった。
また異常者である自分が世間で生きてきた経験から、「弱肉強食」にも通じる『純粋な生存競争』に独自に美学を見い出しており、イシュヴァールでホムンクルスの勧誘に応じたのも、人とホムンクルスの生存競争に強い関心を示したため。
同時に明確な敗北を示されても、その現実から逃れようとする人間には嫌悪感を示す。
独自の哲学と思想、爆発物に関する深い造詣、殺した人物の顔をすべて記憶するという特異な習慣、処世術を生かした柔軟な立ち振る舞い、腕時計を爆弾に錬成したと見せかけておもちゃに変えて脅かすというお茶目な悪戯を仕掛けたり、相手の理論に一理あればあっさり納得する理解力など……。単なる異常者というだけではなく、頭脳面や人間性においても、ある意味で非常にバランスのとれた味のある性質を持つ人物であり、悪役・敵役としては魅力的な要素を数多く持つ。
錬金術
左右の手に、それぞれ月と太陽の錬成陣を刻んでおり、二つを合わせて物質に触れることで、その物質を爆弾性の物質に変換させる。エドワードの推察では、月と太陽は『陰陽』を表し、その力の循環を用いているとしている。
また劇中では賢者の石を用いて、自身の能力を制限なしにフルスペックで使ってくるため、その破壊力や汎用性は通常の錬金術の比ではない。
劇中での活躍
初出は単行本4巻。
第五研究所に隣接する刑務所で、とある一件から逮捕され、服役中の姿がぼんやりと紹介された。
この時はまだ顔は描かれておらず、無精ひげを生やし髪もボサボサ。
イシュヴァール殲滅戦では少佐⇒中佐。
上層部から賢者の石を与えられ、その実験として傷の男の暮らしていた地区を殲滅。
またそれ以前に、マスタング大佐(当時少佐)や士官学校から上がりたてだったリザ・ホークアイと談話の席を持った際に、独自の戦争論を展開し、マスタングやホークアイの精神に少なからず影響を及ぼしている。
賢者の石を使った殲滅作戦後、その威力を気に入って石の返却を渋り、おまけにそこにいた将校たちを錬金術で爆殺。しかしその中に紛れていたエンヴィーにその精神性を気に入れられ、ホムンクルス側の協力者となり、中央刑務所で彼らからの仕事の使命を待ち続けていた。
なお、そのときの賢者の石は人間ポンプの要領で服役中も胃に隠しており(賢者の石は「完全なる物質」のためいかなる化学変化も起こさない)、その気になれば脱獄などたやすかったと思われる。
「FULLMETAL ALCHEMIST」オープニングではイシュヴァール殲滅戦時のキンブリーの姿が描かれており、自身の能力により焦土と化した街に一人佇みながらも、「賢者の石」の力を実感し充実感に満ちた不敵な笑みを浮かべているシーンが描かれている。
その直後のカットでは復讐を決意した険しい表情の「傷の男」が一人荒野を行くシーンが登場している。
それからしばらくして、ラストがマスタングに斃された穴を埋めるために、ホムンクルスたちの思惑によって出所を果たし、スカーとティム・マルコーを抹殺する仕事人として派遣される。ついでにエンヴィーから、第五研究所の研究員から生成した二個目の賢者の石も得る。
そしてノースシティからさらに北部へと向かう列車でスカーと対峙。イシュヴァールでの因縁を思い返し、逃げられてなお喜々としてスカーの抹殺を果たさんと誓う。しかしその際に、右脇腹を負傷してノースシティの病院に搬送される。
搬送先でレイヴン中将&金歯の国家錬金術師と面会し、金歯の錬金術師の生態錬金術でスピード復帰を果たすと、キング・ブラッドレイ大総統の命に従ってブリッグズ要塞に向かい、エルリック兄弟のもとに機械鎧技士を読んだと称してウィンリィを連れ出し、彼らの行動を牽制する。
しかしレイヴン中将がアームストロング少将によって殺害されると、今度はエルリック兄弟組とスカー組の即席共同戦線と炭鉱跡地で対立。部下を巻き込むことも気にせずエドワードと戦い、エドワードが賢者の石の内の一つを取り上げたことに気を緩めた隙に、二個目の石で術を発動させてエドワードに勝利する。だがその直後にプライドの指示に従い、北方の隣国ドラグマに裏切り者を装って近づき、彼らとブリッグス要塞の面々を戦わせて国土錬成陣の総仕上げに関与した。
その後は音沙汰がなかったものの、「約束の日」にスカーに協力していたイシュヴァール人数名を殺害後、窮地に陥ったプライドの救助に向かい、そこでアルフォンスたちと交戦。ハインケルが隠し持っていた賢者の石を使って接戦に持ち込こまれ、最期は合成獣化したハインケルに喉笛を噛み切られて戦闘不能となり、プライドに消耗した魂の補給にと食われた。
暴風雨?笑わせないで頂きたい、怨嗟の声など私にとっては子守歌に等しい!!!
……と思いきや、プライドの核となる賢者の石の中で、その存在を維持していた。
そしてエドワードとプライドの対決で、エドワードを新しい肉体にと取り込もうとした際にプライドの精神内に顕現し、彼の度肝を抜いたうえ、プライドの執着心を「美しくない」と一蹴。プライドの本体が「入れ物」から引きずり出されると同時に、笑顔を浮かべながら消滅していった。
殺す?貴方はエドワードエルリックをわかっていない!!!
小ネタ
ミドルネーム
ゾルフ・J・キンブリーの「J」は「ジャジャジャジャーン」からきているらしい。
(あくまでオマケ漫画のインタビューでの解答なので、本気かどうかは不明)
人間ポンプ
呑みこんだ賢者の石を胃から吐き出す「人間ポンプ」芸は、実は読切としての段階(後の『鋼の錬金術師・プロトタイプ』)でエドワードが先にまったく同じことをやっている。
恐らくは元ネタはこっち。
アッー被害
『FA』のおまけ四コマではガーフィールさんの餌食になっている。しかも2度ほど。
あわれキンブリー……。
旧作(03年版)アニメの独自設定
CV:うえだゆうじ
まだ序盤の序盤でちょろっと出た段階のキャラだったため、名前や「爆弾狂である」といった設定以外は原作・新作アニメとは別人で、軍服を着崩し、ワイルドな印象を与える。また髪型も横髪を刈り上げにしている。
イシュヴァールで味方までも爆弾に変えた罪で中央刑務所に服役中だったところを、第五研究所の地下から復活したグリードに連れ出され、彼の一味になる。しかしダブリスでフランク・アーチャー中佐と出会った際に、彼の誘いに乗ってあっさりと一味を離脱。アーチャーの指揮下で働くようになり、リオールでのスカーによる反乱を鎮圧すべく参戦し手当たり次第に爆撃を繰り返す中、スカーと因縁の対決を演じた。その末にスカーの左腕を爆弾化して重傷を負わせるも、自身もスカーに「破壊の右手」で胸を貫かれて致命傷を負う。そして今際の際にエドの銀時計をスカーに壊させてアルフォンスを爆弾化し、アルフォンスが「生きた賢者の石」化するきっかけを生んで果てた。
鎧の身体を持つアルフォンスや、望まずキメラに合成されたマーテルを「化物」呼ばわりするなど、言動は極めて粗暴。また、終盤では「なぁこの仮面外していいだろ?」「いいじゃねえかよ外に行くくらい」「あの鎧絶対に爆発させてやる」など乱暴な口調でしゃべることも多くなり、どうやら敬語は単なるキャラ付けの可能性がある。
さらに作中では平気で味方を裏切る、通りすがりの兵士など無関係の人物を片っ端から爆弾の材料にする、イシュヴァール殲滅戦当時のスカーを身体の一部ずつ徐々に爆弾にして苦しませるなど、ひたすらに冷酷非道で残忍な人物として描かれた。
関連イラスト
劇中の絡みから、スカー・マイルズ・プライドとのセットも多い。
またアニメオリジナルのアイザック・マクドゥーガルともよく描かれている。
関連タグ
エルリック兄弟(エドワード・エルリック/アルフォンス・エルリック)
吉良吉影 「爆発に関する特殊能力を持つ敵」「一見すると普通の人物だが本性はサイコパス」という共通点を持つ人物
ゲンスルー「登場する作品が二回目のアニメ化で、その時の演者が同じ」「爆発に関する特殊能力を持つ敵」「一見すると普通の人物だが本性はサイコパス」という共通点を持つ人物