「ここから、始まる。」
ストーリー
新西暦と呼ばれる時代…後に一年戦争と呼ばれる人類史上最大規模の戦争は
突如として宇宙から飛来した謎の物体の地球への落下によって終結した。
後にその物体は地球外の技術によって作られた巨大戦艦であることが発覚。
宇宙のはるか彼方で大規模な戦争が起きている事が解った。
EOTI機関のビアン・ゾルダーク博士は『人類に逃げ場なし』と宣言。
秘密結社DCを結成し、地球を守るために着々と準備を進めるのだった…
これが、後にバルマー戦役と呼ばれる戦いの始まりである。
概要
「第2次」~「第4次」(及びリメイク版であるF/F完結編)までの「DC戦争シリーズ」に続く「αシリーズ」のスーパーロボット大戦第一作。
本作より、開発がそれまで同シリーズを手掛けてきたウィンキーソフトではなくバンプレスト直系の子会社(バンプレソフト)となった。
現・スパロボシリーズのプロデューサーである寺田氏が初めてシナリオを手掛けた作品でもある。
新規ユーザーの取り込みを目標に掲げ、難易度設定を全面的に見直したほか、スパロボ史上初めて本格的にアニメーションが導入された。
というのも、それまでのスパロボの戦闘シーンは、ハードの性能の関係上止め絵を用いた紙芝居的演出のものばかりであり、PSに移行してキャラに声が収録されるようになってからも、本作が出るまではその演出基本は変わらなかった。
そのため、当時この作品の発売は話題となり、ゲームショップのデモンストレーションには、人だかりが出来るほどだったという。
一方この豪華な戦闘アニメはOFFにすることも可能である。これも従来のスパロボには無い画期的な機能であった。
そのような新たな試みもあって、PlayStation版はスーパーロボット大戦シリーズ全作品中最高セールスの70万本を記録している。
「αシリーズ」はその後、ベースが共通であり「α」の後日談が描かれる「スーパーロボット大戦α外伝」、「外伝」の後に勃発した「封印戦争」が描かれる「第2次スーパーロボット大戦α」、そしてシリーズ完結編である「第3次スーパーロボット大戦α」と繋がっていく。
ちなみにある意外な作品が事実上の前日譚となっているが、そちらはプレイしていなくても大筋には影響しない。プレイしていれば隠し最終話でニヤリとするかもしれない。
また、スーパーロボット大戦OGの根幹となる世界観設定は概ね本作のものであり、ヒュッケバインやグルンガスト関連は「α」の設定がほぼそのまま「OGサーガ」でも採用されている。
ドリームキャスト版
ドリームキャスト版は、これまたスパロボ初の試みとして全戦闘アニメが3Dとなっている。
また、PlayStation版と異なり「機甲世紀Gブレイカー」が参戦しているほか、シナリオについても最終的に「α外伝」に繋がらない分岐が追加されている。
初の試みということで開発がかなり難航したらしく、発売されたのはドリームキャストが既に生産中止となった後であった。そういう訳で3Dモデルのスパロボは以後しばらく開発されなかったようだ。
参戦作品
★マークはシリーズ初参戦作品。
Rマークは王道(の)スパロボシリーズ(王道は英語で「ROYAL(ロイヤル)」と読む。)初参戦作品。
Vマークは音声付きのスパロボシリーズ初参戦作品。
PS版からの参戦
真ゲッターロボ(原作漫画版)
RVジャイアントロボ THE ANIMATION - 地球が静止する日
DC版のみの参戦
参戦作品には表記されていないが、、隠しユニットとして『機動戦士ガンダムF90』からガンダムF90Vが登場。
『魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL』と『超機大戦SRX』は、本作ではバンプレストオリジナルとしてまとめられず、個別の作品という扱い。
バンプレストオリジナル
キャラクター
主人公
8人の内、選んだ1人が主人公になり、同じく選択した異性がパートナーとなる。
その他
エアロゲイター(ゼ・バルマリィ帝国)
メカニック
システム
前述の通りフルアニメーションによる戦闘シーンが最大の特徴であるが、本作では戦闘アニメOFFにすることもできる。ロード時間の長さは「F」などで指摘されており、特に社会人ユーザー向けに配慮された機能であるが演出を手掛けたスタッフからは不評だったらしい。DC版ではこれに加え、戦闘アニメの途中でアニメ自体を中断できる機能がある。
ちなみに以後のスパロボにおいて戦闘アニメONOFF設定はほぼ標準機能となっている。
基本的なシステムは「F/F完結編」時から大きくは変わっていないが、MAPがクォータービューとなり広くなった事もあって、ほぼ全てのユニットに移動後攻撃可能武器が追加され、その射程も従来作に比べ長くなった。
また本作より「熟練度」システムが追加された。これは前述の通り、新規プレイヤー獲得のため難易度が従来シリーズよりかなり低くなっている事から、特定の条件を満たすと高難度になるというやり込み要素を兼ねたものとなっている。ただし、本作時点では熟練度獲得条件が明示されない隠し要素となっているほか、条件を満たすと熟練度が減ることすらある。
DC版では「64」などで採用されていた合体攻撃が追加されている。
余談
DC版もある意味そうだが、PS版スパロボの制作はそれまでにはなかった挑戦の数々から、手探り状態も平行していたため非常に難航しており、ことアニメーション初導入となった本作に至っては、制作会社であるバンプレストが倒産しかけるほどの事態にまで陥ったらしい。
その意味では、スパロボシリーズの大きな転換点となった作品の一つと言える。
主人公達には精神コマンドが強力なもので構成されている特殊誕生日を設定できるのだが、『α』ではその特殊誕生日の量が多く、主人公と恋人の誕生日の組み合わせ次第では反則的な強さを発揮できる事も可能。特にスーパー系では主人公と恋人が後半同一機体に乗る為、その猛威を発揮しやすい。また、本作では「第四次」や「F」同様、主人公の顔と声(性格)を入れ替えることが出来る。例えばクスハの顔で声や性格はレオナ、といった遊びが可能。
オリジナル主人公は前述の通り8名存在するが、「第2次α」以降の作品においては「スーパー系」シナリオにおけるクスハ・ミズハが主人公、ブルックリン・ラックフィールドがパートナーという設定で統一されている。ただし、これはあくまで「スーパー系女主人公」の話であり、リアル系主人公機のヒュッケバインMk-Ⅲが登場する第二次αにて「本来の持ち主が居る」という趣旨の発言がゲーム内で出ており、スーパー系男主人公、リアル系の主人公についても登場はしないが存在はしているものと思われる。
その後「OG」ではαの主人公8名が全員(ユウとカーラのみ「OG2」から参戦)登場しており、彼らはOG世界でも重要なファクターである「念動力」を持ち、OGシリーズでの登場の際はさらにキャラクター設定が掘り下げられ、それぞれ特徴的な存在となっている(詳細は各主人公達の項目を参照)。
更にOGS以降の設定においては「第2次α」以後の設定を継承したクスハとブリッド以外の6名にも実質的な専用機が用意されるようになった(「OG」「OG2」時点ではヒュッケバインMk-Ⅲとジガンスクードを除けば専用機のような機体は特段用意されず、ユニットの取り合いになる事もしばしばであった)。無論これらは「OG」世界での話であり、「αシリーズ」においてはあくまでヒュッケバインMk-Ⅲか龍虎王が最終的な乗機となるが。
やたら『量産型』が登場する事でも有名である。リアル系(主にガンダムシリーズ)の量産型や原作で登場する『エヴァンゲリオン量産機』(本作が初登場)はともかくとして、『量産型グレートマジンガー』に『量産型ゲッタードラゴン』まで出てくる始末。
量産型グレートも量産型ドラゴンも一応元ネタが存在はしているが、後者においてはまさか元ネタになった作品が後年参戦するとは当時のプレイヤーには予想が付かなかったであろう。
本作の参戦作品の多くは「α外伝」「第2次α」「第3次α」のいずれかには参戦しているが、ジャイアントロボとダンバインのみ以後のαシリーズでは一切登場しない。前者についてはαシリーズの根幹を担う役割が与えられていた事が示唆されているが、版権の問題などがあったためか以後の作品では登場しなかった。