概要
国と地域によって指す競走は異なるが、3つのクラシックレースを制した競走馬のこと。
競馬の三冠はイギリスが元となっており、2000ギニー・ダービー・セントレジャーの3つのレース、あるいはそれに相当する、各国の3つのレースを勝利した馬が三冠となる。
日本の中央競馬(サラブレッド系)の場合はクラシックレースである「皐月賞」「東京優駿 (日本ダービー)」「菊花賞」の三冠を達成した馬を指す。
シンボリルドルフ、ディープインパクト、コントレイルの三頭は菊花賞を制するまで無敗のまま三冠を達成したため、「無敗の三冠馬」とも呼ばれる。
なおディープインパクトとコントレイルは親子関係にあり、親子での三冠達成はこれが唯一。
またディープインパクトの父サンデーサイレンスは三冠牝馬のスティルインラブを輩出し、ディープインパクト自身も三冠牝馬のジェンティルドンナを輩出しているため、2代に渡って牡牝両方で三冠馬を輩出している家系となる。
日本ではセントライトが三冠馬となって以降、三冠馬のいなかった時代は存在しない。
セントライトはシンザンが三冠を取ってバトンを渡したかのように間もなく死亡、シンザンは当時の最高馬齢記録を樹立するまで生存し、一時は日本に4頭の三冠馬が同じ時代を生きていた。
牝馬三冠は桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞(かつてはエリザベス女王杯)である。
古馬にも三冠に位置づけられる競走が存在し、
秋季は、「天皇賞(秋)」→「ジャパンカップ」→「有馬記念」となる。
国外の三冠
イギリスではセントレジャーの権威が失墜したため、1970年のニジンスキーを最後に三冠達成以前に、目指す馬もほとんどいなくなった。一方で古馬向けの長距離三冠も存在し、最近ではストラディバリウス(2019年)が達成した。
アメリカ合衆国の三冠レースはケンタッキーダービー・プリークネスステークス・ベルモントステークス、トリプルティアラはエイコーンステークス・コーチングクラブアメリカンオークス(CCAオークス)・アラバマステークスがある。
また、カナダや香港のように内国産・域内限定で行う三冠レースも存在する。これらのレースはローカルG1・リステッド競走(国際格付け)という扱いである。
三冠馬
カッコ内は達成年と鞍上。
クラシック三冠馬
- セントライト(1941年、小西喜蔵)
- シンザン(1964年、栗田勝)
- ミスターシービー(1983年、吉永正人)
- シンボリルドルフ(1984年、岡部幸雄)
- ナリタブライアン(1994年、南井克巳)
- ディープインパクト(2005年、武豊)
- オルフェーヴル(2011年、池添謙一)
- コントレイル(2020年、福永祐一)
変則三冠馬
- クリフジ(1943年、前田長吉)
1943年の日本ダービー、阪神優駿牝馬(現・オークス)、京都農林省賞典四歳呼馬(現・菊花賞)で優勝。また前田長吉騎手は、日本ダービー優勝騎手最年少記録を樹立(20歳3か月)。
牝馬三冠
- メジロラモーヌ(1986年、河内洋)
- スティルインラブ(2003年、幸英明)
- アパパネ(2010年、蛯名正義(オークスはサンテミリオン(横山典弘)と同着))
- ジェンティルドンナ(2012年、岩田康誠(オークスのみ川田将雅))
- アーモンドアイ(2018年、クリストフ・ルメール)
- デアリングタクト(2020年、松山弘平)
古馬三冠
春古馬三冠
該当馬はまだ出ていない。
秋古馬三冠
地方競馬の三冠競走
ばんえい競馬 - ばんえい大賞典、ばんえい菊花賞、ばんえいダービー
ホッカイドウ競馬 - 北斗盃、北海優駿、王冠賞
岩手競馬 - ダイヤモンドカップ、東北優駿、不来方賞
南関東競馬 - 羽田盃、東京ダービー、ジャパンダートダービー
金沢競馬 - 北日本新聞杯、MRO金賞、サラブレッド大賞典(2017年より石川ダービーが加わり四冠となる)
東海地区競馬 - 駿蹄賞、東海ダービー、岐阜金賞
兵庫県競馬 - 菊水賞、兵庫チャンピオンシップ、兵庫ダービー
高知競馬 - 黒潮皐月賞、高知優駿、黒潮菊花賞
佐賀競馬 - 佐賀皐月賞、九州ダービー栄城賞、ロータスクラウン賞