手裏剣鬼
しゅりけんき
データ
身長/188cm
体重/237kg
スキン/忍ばないニンジャ
概要
忍者道を究めたい男・大野稔の「自分の忍法を見せつける」という欲望を叶える為に誕生した、手裏剣モデルのヒトツ鬼。
ベニツ鬼が手裏剣を寄せ集めて、忍び装束の形にまとめ上げた様なスキン・“忍ばないニンジャ”を纏った姿で、胸部の手裏剣や頭頂部の陣笠状になった「カサニンジャーシュリケン」は取り外して投擲する事が可能で、傘の下の頭部は忍び頭巾風の形状となっている。また、身体全体にあしらったベニツ鬼のオレンジの模様が、まるで市松模様の様な和風のアクセントへとなっている。
全体的に纏まったシルエットの割に重厚で刺々しい外見だが、モチーフの通り身のこなしは軽い。
変貌の際に「謇玖」丞殴謌ヲ髫」(手裏剣戦隊)の文字化けと、手裏剣戦隊ニンニンジャーのクレストが浮かび上がる。
宿主の究めた忍法を駆使し、行け行けどんどんの派手な立ち回りで縦横無尽に暴れ回る。そして独特な武器を扱う忍法も広義には武術の一種な為、ヒトツ鬼にしては珍しく戦闘技量も高め。
更には切り札として分身の術で5人に増える事が可能。しかも分身後は特に弱体化も無く分身同士が実体を持ち、個々の意思で動けるので、相手を多方向から翻弄し袋叩きにするのも造作無く出来る。
これらを駆使する事で、単騎でも強いドンモモタロウとのタイマンで互角以上にやり合える実力者である。しかし宿主の欲望による影響か、手早く相手を仕留めるよりも自身の技を見せ付けようとする傾向があるらしく、優位を取っても決め手は刺さず、相手を長々と戦闘に付き合わせる悪癖もある様子。
活躍
日課である修行を林中の修行場で積んでいた大野だが、そこへ注文していた鎖鎌を配達に来たタロウが現れ何か困っている事は無いかと告げたので、早速入手した鎖鎌を手に忍者道を究めないかとタロウを勧誘。
手始めに実力を見ようと鎖鎌の分銅を投げたが、タロウは射線を見切ってギリギリでかわした所で地面に落ちた分銅を踏み、そのまま鎖を引っ張り鎖鎌を取り上げてしまう。その上で「忍者ごっこもいいが、度を超さない方があんたの為だ」と辛辣ながら正論を返してそのまま立ち去ってしまった事で大野のプライドは傷付き、タロウに対する怒りと敵意に心が支配された。
それからしばし、恨みの感情を滾らせながら修行場に留まっていた所、それへ引き寄せられた手裏剣鬼に憑依されてタロウのリベンジを決意する。
配達業務中のタロウの元へ赴いて挨拶代わりの手裏剣を放ち、続けざまにヒトツ鬼の姿に変貌。人を超えたプライドの鬼と化し、負けじとチェンジしたタロウ/ドンモモタロウとの交戦に突入する。
召喚されたアノーニ達と多勢に無勢で襲い掛かるも、相手は怯む気配が無いのでまきびしを撒いての足止めを試みるが、戦場に召喚されて来たキジブラザーがまきびしを踏んだので失敗。足を怪我したキジ=つよしは勿論、一緒に現れたサルブラザー=真一とオニシスター=はるかも獣人の折り紙を飲まされ寝込んだ翼の容体を確認するべく、直ぐにチェンジを解いて戦場から離脱したので再び1対多でドンモモを追い立てる。
「ドウシタ、貴様ノ力ハソノ程度カ?」
ドンモモ「ハッハッハ~ッ!正々堂々勝負しろ~!」
暫くして、アノーニへの対処でドンモモの背中に隙が出来た所へ頭のカサニンジャーシュリケンを投げつけ不意打ちするも、その直後でサルとシスターが再登場。更に遅れて現れたキジをサルが思い切りぶん投げ繰り出した「キジ手裏剣」でアノーニ達が一網打尽にされるも、ここで予め仕掛けていた出汁汁が出るタイミングが来たのでサルとオニは再び離脱する。しかし戻るとそこには出汁汁を盛大にぶちまけて卍の体勢で気絶しているつよしの姿が。
それからまた暫くして、ドンモモとのタイマンに持ち込んだ手裏剣鬼は切り札の分身の術を発動。五人でドンモモを包囲し、胸の手裏剣とカサニンジャーシュリケンを一斉に投げての弾幕は流石のドンモモも避け切れず、空中で攻撃が掠って体勢を崩し徐々に不利へ追い込まれ始める。
しかし、すんでの所で三度現れたサルとオニがドンモモを援護。更にまた遅れて現れたキジが(真一の提案で)頭に大量の塩を盛ったタライを乗せてブツブツ祈りながら現れた為、そこで漸くお供3人はお互いの素上を知る事に。
一方、雉野宅で苦しんでいた翼は帰宅したみほに、様子の可笑しい狭山刑事に口の中に入れられた折り紙を取り除いて貰い復調。遅ればせながらイヌブラザーとなって戦闘に参入、目の前の手裏剣鬼の一人に飛び蹴りを喰らわそうとするも、先程キジの頭上から零れた大量の塩が目に入って痛がっていた相手はその瞬間屈んでしまい、イヌの飛び蹴りはキジに直撃する。
しかし、この勢いでキジが頭に載せていたタライの塩が盛大にぶちまけられ、それが手裏剣鬼全員の目に入った結果、相手は痛がって動きが止まってしまう。そしてこの隙を見逃さなかったドンブラザーズは全員ロボタロウにアバターチェンジ、各々の攻撃で手裏剣鬼達を撃破・掃討したのだった(ヒトツ鬼ングにはならなかった)。
また、劇中でその描写はなかったが、撃破時にニンニンジャーギアがドロップされた様子。
大野稔
忍者道を長らく究め続けて来た、長く伸ばした顎髭が印象的な中年男性。
忍耐強いメンタリティを支えに昔から修行を続けて来た自分を誇りに思っており、それ故に忍者道を貶されるのへは我慢ならない性分。
その為、忍者道を持ち前の万能ぶりと悪意無き辛辣さ(及び正論)ですげなく一蹴してしまったタロウへの怒りから急激に欲望を募らせ、手裏剣鬼を引き寄せる事になった。
ヒトツ鬼になってからは、諸事情でほぼ単騎状態だったタロウ/ドンモモを自分の忍法で翻弄、思わぬ格好でリベンジを果たす事に。そのためか倒された後は、転送された自分の修行場で目覚めた時に呆けた顔をしていた。
余談
- モデルとして使われた戦隊は手裏剣戦隊ニンニンジャー。巨大手裏剣にもなる傘を被っている事からシュリケンジンを始めとしたカラクリ巨大ロボと牙鬼軍団の戦闘員ヒトカラゲも意識していると思われる上、顔の方は最初期に登場してアカニンジャーとの決闘に拘った敵幹部・蛾眉雷蔵に酷似している。
- また手裏剣鬼の全体的な容姿が、人の姿を保ちながら身体の一部が化け物になった等間隔のデザインをした、牙鬼軍団の幹部達の姿を思い起こさせる。
- ちなみに牙鬼軍団にも、陰ながら補佐する悪の忍者で構成された御庭番衆が存在している。
- 尚、アカニンジャーの変身者である伊賀崎天晴はタロウ/ドンモモと同じく戦いでは皆を引っ張る切り込み役な上、前述のシュリケンジン内では神輿型のコクピット席に1人だけ乗っている類似点がある。しかし一方では、他人に対する面倒見の良さと長所を見抜くのが得意で、故に頭を使うのが苦手な自分の短所を仲間に補って貰える人脈=縁作りの天才と評せる人物でもあって、万能だが他人の短所を無自覚に逆撫でして反発され、結果誰も付いてこない状態に陥る事が殆どなタロウへの皮肉となる面も有している。
- また、タロウを「我が宿敵」と称して襲撃する事から登場初期のキンジ・タキガワもイメージしている模様。
- 東映公式では色々と紹介でぶっこまれており、同じ忍者モチーフ戦隊の忍風戦隊ハリケンジャーや忍者戦隊カクレンジャー、更には忍者ライダー、まさかのコラボ番外作に出てきた某宇宙忍者や外国の忍者漫画ネタにまで話題があがっている。
- pixivでは手裏剣鬼ングがオリジナル怪人として投稿されている。
関連タグ
烈車鬼、超力鬼:タロウの悪意無き辛辣さに傷付けられて暴走したヒトツ鬼の前例。
ニンポーラー、タヌキモズー、シノビドグラー、バツラギン、ヌラリヒョン、宇宙忍群ジャカンジャ、ドーラニンジャ、闇丸/鬼丸、ドロドロ、冥獣人ニンジャのキリカゲ、ジシャクロイド、十六夜流忍者軍団、デーボ・シノビンバ、ナイーヨ・カパジャー:歴代忍者モチーフの戦隊怪人。
ダラダラ:元祖忍者スーパー戦隊の戦士達を怪人化させた大先輩。
アナザーシノビ:忍者となり戦ったヒーローを歪めて怪人化した存在の為、似たポジションとも言える。また、アナザーシノビの変身者は前述のキンジの演者である。
カブト虫ルパン:頭頂部の陣笠状になった「カサニンジャーシュリケン」を投擲する攻撃が、この怪人の必殺技である『ギロチンハット』を彷彿させる。