概要
1944年1月1日生まれ。福岡県久留米市出身。本名・野口勝(まさる)。
漫画家としては石森章太郎のアシスタントを経て独立。(同期には永井豪もいたという。)
独立後はコミカライズを中心に活動をしていたが、宣弘社の『スーパーロボットレッドバロン』から特撮番組のキャラクターデザインに参加した。
特に東映のスーパー戦隊やメタルヒーローの恐ろしいだけではない、どことなくユーモラスな怪人デザインの基礎を築いた一人である。
80~90年代には質的にも量的にもその仕事の偉大さから、ファンからは日本のギーガーと呼ばれることもあった。
特撮番組ではキャラクターデザインだけではなくアイキャッチや劇中イラストも担当。『海賊戦隊ゴーカイジャー』まで現役を貫いた。
それと並行して1990年代後半からカプコンの『バイオハザード0』、『鬼武者』、『クロックタワー3』などの美術設定にも関わった。
2012年1月2日没。遺作は同年1月公開の『海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE』の魔空監獄。
作品
TV特撮
劇場版も含む
キャラクターデザイン
主役メカのレッドバロンも含めデザイン。世界各国から奪われたロボットが敵という設定のバリエーションを展開。鉄面党の戦闘員であるメカロボの洗練されたデザインは、出渕裕による新帝国ギアの戦闘員メカクローンのモチーフとなった。
- 恐竜大戦争アイゼンボーグ(メカデザイン)
- ザ・カゲスター(怪人・サタン帝国)
カゲスター・ベルスターもデザイン。企画当初はアニメになるか特撮になるかは決まっていなかったという。
久保宗雄・板橋しゅうほうとの連名。第24話登場のドラキュラ怪人以降参加。
左右非対称で半面は死のイメージ。初期数体はノンモチーフ。久保宗雄・増尾隆之・渡部昌彦との連名。
初期数体は古代生物の機械化というコンセプト。海外SF映画のメカやギーガーのバイオメカニズムの影響。久保宗雄・渡部昌彦・島野公・品田冬樹との連名。没後に制作された『非公認戦隊アキバレンジャーシーズン痛』では、野口にシルエットがしっかりしているとお墨付きをもらったさとうけいいちによってスマホモンガーがデザインされた。
2段変化する魔怪獣が多いのはオカルトブームを受けギーガーが映画美術を担当した『ポルターガイスト2』等の影響。バンダイ案、渡部昌彦との連名。
東南アジアの仮面や古代文明の彫像がモチーフ。基本的に野口デザインであるが、第8話のケロケロは漫画家の神田正宏、第11話のゲトゲトを含め数点は渡部昌彦による原案デザインが存在する。また第30話のブヨブヨのみ渡部が決定稿まで仕上げている。
- 巨獣特捜ジャスピオン(サタンゴース軍団・巨獣)
河野成浩、雨宮慶太(魔神ロボベロニカのみ)との連名。器物の生物化。この頃から鉛筆画に着色。
- 恐竜戦隊ジュウレンジャー(ドーラモンスター)篠原保(幹部デザイン)・河野成浩と連名。ファンタジーのモンスターの怪人化。人体からかけ離れたシルエットが試されている。
河野成浩との連名。
劇中イラストも担当。原田吉朗・マイケル原腸・大畑晃一・森木靖泰・岡本英郎との連名。
作品集
- 野口竜の世界―東映特撮TV映画・悪の系譜
デザイン画、インタビュー掲載
- 宇宙刑事大全―ギャバン・シャリバン・シャイダーの世界
- 東映スーパー戦隊大全―バトルフィーバーJ・デンジマン・サンバルカンの世界
- シルバー仮面・アイアンキング・レッドバロン大全―宣弘社ヒーローの世界
- 東映スーパー戦隊シリーズ35作品記念公式図録 百化繚乱 戦隊怪人デザイン大鑑[上之巻]・[下之巻]
- メタルヒーロー怪人デザイン大鑑 奇怪千蛮