サイコガンダムMk-Ⅱ
さいこがんだむまーくつー
機体データ
型式番号 | MRX-010 |
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所属 | ティターンズ→ネオ・ジオン |
開発 | ムラサメ研究所 |
生産形態 | 試作機 |
頭頂高 | 39.98m |
全高(MS形態) | 40.74m |
全高(MA形態) | 33.53m |
本体重量 | 187.8t |
全備重量 | 283.9t |
ジェネレーター出力 | 19,760kW |
スラスター総推力 | 244,240kg |
センサー有効半径 | 16,230m |
装甲材質 | ガンダリウム合金 |
固定武装 | 頭部2連装小型メガ・ビーム砲、腹部3連装メガ拡散ビーム砲、腕部5連装ビーム砲2基10門、腕部サイコミュ式ビーム・ソード2振、リフレクター・ビット複数基 |
携行武装 | ミノフスキー・クラフト内蔵シールド1枚 |
概要
サイコガンダムの後継機としてグリプス戦役末期に投入された巨大モビルアーマー。
マスクのへの字が四角い窪みになっている点を除けばガンダム然とした頭部をしていたサイコガンダムと比べ、ツリ目気味な他ガンダム試作2号機のようにマスクの深い部分までアゴが食い込むなど攻撃的な顔つきになっている。
実験機的な色の強かったサイコガンダムの問題点を見直した上で再設計し、サイコガンダム同様ムラサメ研究所で開発が行われた。
カタログスペック上サイコガンダムと比較してみると、ジェネレーター出力は60%弱にまで抑えられているが、スラスター推力は大幅に向上しており、ある程度の軽量化もなされている。
コクピットはサイコガンダム同様頭部にあり、ボディが破壊されても脱出ポッドとして単独で飛行・離脱できる。
アニメに登場したサイコガンダムとしては3体目であるためか、設定画では「サイコガンダムMk-Ⅲ」とされている(ガンダム・ザ・バトルマスターとは無関係)。
1999年発行のサンライズ公式のΖガンダムフィルムブックではサイコガンダムを回収して組み立て直した改修機とされている。
オーガスタ研究所出身のロザミアがパイロットを務めているのは、ムラサメ研究所にすでに強化人間のストックがなく、またサイコガンダムでホンコンの街を襲撃したことによりムラサメ研自体が世間よりその責を問われたために連邦内での権限が弱体化していたため、ティターンズ主導の元でオーガスタ研スタッフに機体を貸与したとされている。
圧倒的な火力を誇りサイコガンダムと比べても強力な機体であったが、強化人間をシステムの一部とする思想はそのまま受け継がれており、機体が強化された分パイロットへの負担は増加していたようである。
その為かアクシズでの出撃時にはパイロットであるロザミアが精神に異常をきたし、随伴機からの命令を受けつけなくなり、制御できずに暴走していた。
劇中での活躍
Ζ
初登場は48話。
ロザミア・バダムの「お兄ちゃん」をゲーツ・キャパに再設定した上で出撃させるが、上述通り機体に飲まれるまま暴走しアーガマを襲撃。
奇妙な悲鳴を聞き取り、そのパイロットを確かめようと出撃してきたカミーユのZガンダムと交戦するも、アクシズ内部のシャッターを作動させられたことで機体の左脚を挟まれ動きを封じられてしまう。
その後両者ともにコックピットから降りるが、最早限界状態に陥っていた精神の破綻や記憶の書き換えなどによりかつての性格ではなくなっていたロザミアはカミーユやファの説得すらも振り切り、挟まった脚を無理やり腕部ビーム砲で焼き払うことで脱出し再びアーガマへの攻撃を再開。
カミーユは苦渋の選択でロザミアのいる頭部をビームライフルで撃ち抜き、機体を静止させた。
本機と交戦したΖガンダムのパイロット・カミーユ・ビダンは、搭乗者のロザミアに先代のサイコガンダムのパイロット・フォウ・ムラサメのイメージが重なって見えたことに対し、小説版では本機に搭載されたサイコミュが前のサイコガンダムのコピーと仮定しており、随伴しているバウンド・ドック内のローレンとゲーツの会話から、本機のサイコミュ・システムはフォウを含めた今までの被験者のデータが累積されたものであることが判明している。
こうしたサイコミュ・システムに累積された被験者のデータが残留思念のような形でロザミアの潜在意識に影響を及ぼしていたらしく、それがもともと薬物投与や刷り込みなどによる記憶操作などで情緒不安定だった彼女を更に不安定にしていたようである。
またこの時の戦いではモビルフォートレス形態には変形していない。1/300で発売された本機プラモデルの機体解説によれば、ミノフスキークラフト発生装置(MS形態時のシールド部分)の調整が間に合わなかったために変形できなかったと記述されている。
ΖΖ
グリプス戦役時に中破した機体をネオ・ジオンが密かに回収、修復し自軍の戦力とした。
実戦では36話で登場。この時ようやくモビルフォートレス形態での出撃となった。
グレミー・トトが呼び覚ましたプルツーを新たなパイロットとし、コロニー落としを成功させたダブリンへ投下。しかしエルピー・プルによりサイコミュで位置を補足され、ネェル・アーガマが発射したメガ粒子砲を寸前で回避するも右シールドを損壊してしまう。
想定外の攻撃にプライドを傷つけられたプルツーはネェル・アーガマを襲撃するが、母艦から出撃してきた解体中のキュベレイMk-Ⅱがファンネルで互角の戦いを挑んでくる事に不快感を覚える。それもそのはず、乗っていたのは自分のクローン元のプルそのものだった。
この時重力下にもかかわらず両者のファンネルとリフレクタービットが宙を舞っているが、これはプル同士のサイコパワーが共に強まっていたからだと解釈されている。
だが、紙一重の差でキュベレイの左腕を破壊し、さらには途中で駆けつけてきたジュドーのΖΖすら圧倒しエネルギー切れに持ち込むが、止めの一撃を庇ったプルの命をかけた自爆に巻き込まれサイコガンダムMk-Ⅱは大破。
それでもしぶとく生き残っていたが、プルの死に怒りを爆発させバイオセンサーを稼働させたジュドーのΖΖに機体を両断される。頭部ブロックを切り離し脱出してもなおビームサーベルで斬りかかられたが、乗っていたのがプルと瓜二つの少女だったことにジュドーが動揺したため、それ以上の攻撃を踏みとどまっている。
回収の際に得られた機体のデータは、兄弟機体であるガンダムMk-Vのデータと共にドーベン・ウルフやクィン・マンサなどネオ・ジオンのモビルスーツ開発に生かされた。
関連イラスト
関連動画
バリエーション
バケットホイールエクスカベーター型サイコガンダムMk-Ⅱ
型式番号不明。
漫画『A.O.ZRe-Bootガンダム・インレ-くろうさぎのみた夢-』に登場。
レジオン軍が再生産した機体でレジオン建国後は重機として使用していた。
宇宙世紀0091年に火星で起きたジオンマーズ・ティターンズ残党の反乱時にティターンズのクローン強化人間ミズノが搭乗し、労働者として働いていたジオンマーズらと共に反乱に加わった。
カラーリングは他の作業用同様に全身が重機のオレンジに塗装されていると思われる。
武装は一切なし。
ビーム砲やビームサーベルの発信部はすべて撤去、又は蓋がされている。
右肩に超大型のクレーン、バケットホイールが備えられており、ワイヤーで繋がれているので投射も可能。
ミズノは搭乗時に地球より持ち込まれた「疑似人格システムC.A」のデータを機体にアップし戦闘時の補佐として使用した。
これに対しレジオンはジオンマーズ軍から得たデータで再生産したPG(サイコガール)部隊4人にハイザック[飛行型]で出撃させる。
サイコガンダムに空中から攻撃を仕掛けるが「BUNNyS C.A.」の補佐によってシャア・アズナブルの戦闘が再現され通常の3倍の機動力を発揮。
サイコガンダムは全てビームを機動力で避けきった。
その後、高高度までジャンプしてハイザック[飛行型]をパンチとキックで叩き落としPG(サイコガール)部隊4人は死亡。
続いてレジオン副総裁のグロリアがガンダムTR-6[ウーンドウォート]アドバンスド・フライルーII形態で出るもののクレーンのフックなどを射出して遠距離戦に対応、同じくパンチとキックでガンダムTR-6を文字通り粉砕、グロリアは死亡した。
これに見かねた首領のアリシア・ザビがリハイゼで出撃し、さらに大量のTR-6[フライルーⅡ]を投入した。
この時ミズノは何回も高機動をサイコガンダムで連発したため体に負荷がかかっておりボロボロの状態だった。
最後は数に物を言わせたアリシアがTR-6[フライルーⅡ]で包囲して上空からビーム攻撃を行い、バケットホイールエクスカベーター型サイコガンダムMk-Ⅱは破壊されミズノは死亡した。
- *武装無し*
- *右肩部大型クレーン*
エクスペリメント
漫画『機動戦士ガンダムジオンの再興レムナント・ワン』に登場。
型式番号不明。
グリプス戦役時に開発されたサイコガンダムMK-Ⅱの派生機、巨大モビルアーマー。
モビルフォートレス形態への可変機能もある。
本機の開発は宇宙世紀0093年に地球連邦軍主導で行っており、ニュータイプ研究所のかかわりも一切不明。
パイロットは赤子の姿を模したAIの「ベイブ」。
サイコミュシステムが搭載されている他、新機能として「バイオパーツ」と呼ばれるものが搭載されている。
機体各部にアナハイム・エレクトロニクスが行ったΖ計画からのフィードバックが見られ、SガンダムやZZガンダムと同形状のパーツが見受けられる。
頭部はバイザー化され、サイコガンダムMk-ⅡというよりもSガンダムに近いデザインラインとなった。
また膝部ニークラッシャーはZZガンダムタイプのものに変更、射出可能な上腕部も大幅な形状変更が行われ円筒状のパーツに変更されている。
さらに胸部や背部など機体各部にアンテナ状のパーツが追加されているがこれは「偏光シールド」と呼ばれるものでこの付近ではメガ粒子の軌道が曲がるようになる。
武装は原型機の物もあるが改良を受けて追加されたものもある。
胸部にあった3連装メガ拡散ビーム砲やスカート部、膝部正面のメガビーム砲は撤去された。
宇宙世紀0093年3月、ロンド・ベル隊とシャア率いるネオ・ジオン軍ケルベロス隊との5thルナを巡る戦いに投入された。
この戦闘でアリスのG-3シュツルムとブラウンのラチュバムを撃破した。
戦闘では破損しても自己再生を行うことが判明しており、時間がかかるものの装甲が完全に元通りとなる。
モビルフォートレス形態でピラミッド状の自己再生フィールドを形成し修復する姿も見られた。
これに対してネオ・ジオン側は繭(コクーン)のようだと語っている。
- *偏光シールド*×6
- *自己修復・再生コクーン*(仮名)
- *頭部小型メガビーム砲*×2
- *メガビーム砲*×16
- *胸部スリット部ビーム砲*×2
- *股間部スリット部ビーム砲*×4
- *ビーム砲(指)*×10
- *腕部ミサイルポッド*×4
サイコガンダムMk-Ⅱ(第2次ソロモン戦役:0088仕様)
漫画『ACTTION:6 第2次ソロモン戦役:0088』に登場。
型式番号不明。
エゥーゴ第6装甲機甲師団(パンツァーヴァッフェン)の前に現れたティターンズの機体。
『機動戦士ガンダムジオンの再興レムナント・ワン』と同じ頭部のデザインのサイコガンダムMk-Ⅱで武装もそのままとなっている。
さらに機体の上半身部に「偏光シールド」と呼ばれるブレードアンテナが6本追加してある。
味方の緊急事態にG-3のマイヤーとZグスタフのブラウンは持ち場を離れ駆けつける。
圧倒的火力に二人はビグザム(ハンプティ・ダンプティ)の出撃を要請。
サイコガンダムとハンプティ・ダンプティは近接近戦を行いながらビームを発射。
お互いの巨体を貫いて両者とも爆発した。
- *偏光シールド*×6
- *メガ粒子砲*×20
- *腹部拡散メガ粒子砲*×3
- *頭部メガ粒子砲*×2
- *リフレクタービット複数*
- *腕部内装型サイコミュ式ビームソード*×2
- *指部ビーム砲*×10
余談
- 改修前であるサイコガンダムはSDガンダムシリーズでは味方側にいる時が多いが、本機はプルツーが搭乗した時の暴れっぷりから悪役として登場することも多い。『SD戦国伝』や『SDコマンド戦記』では味方役になっている。基本的に味方時の人格はロザミィ、悪役時の人格はプルツーと考えた方が良い。
- 奇しくも、サイコガンダムMk-Ⅱが出てくるエピソードはどちらもCV:矢尾一樹のキャラが深く関わっているという共通点がある。Ζはロザミアとサイコミュで同調していたゲーツ・キャパ、ΖΖは言わずとしれた主人公のジュドー・アーシタである。
- ファミコン作品の『SDガンダムガチャポン戦士4 ニュータイプストーリー』ではサイコG・2名義で登場しているが、サイコガンダムをサイコガンダムMk-Ⅱのカラーリングへ変更したグラフィックになっていた(なお、続編である『SDガンダムガチャポン戦士5 バトル オブ ユニバーサルセンチュリー』では原作に忠実なグラフィックで描かれている)。
- スーパーファミコン作品の『SD機動戦士ガンダム2』での2人用モードでは最終ボスとして登場する。
- 成井紀郎の漫画作品『SDガンダム劇場』に収録されている「鶴の恩返し」のパロディでは、オチでプルツーではなくプルがサイコガンダムMk-Ⅱに変身していた(当時のSDガンダムにおける「プルツー=悪役」の風潮の為と思われるが何故ロザミィでないかは不明)。
- 『SDガンダムワールドヒーローズ』第10話にそのままの姿で登場。博物館の展示品だが動き出し、劉備ユニコーンガンダム達を助けた。元々はキャプテンシティがまだ出来た頃に湾岸警備に使用されたものであったらしい。
アルセーヌガンダムXにより、サイコロガンダムのような形態になると彼が集めた骨董品を元のあるべき場所へと戻していった。