CV:楠大典
モチーフ
著名人:アルセーヌ・ルパン
『ガンダムシリーズ』の機動兵器:ガンダムX(出典:『機動新世紀ガンダムX』)
公式設定
人物紹介
トレジャーハンターを名乗っているが、ネオワールドでは怪盗として指名手配されている。
集めたお宝は大切に保管しており、コレクションを眺めながらのティータイムが日々の楽しみ。
ある日、趙雲が弟子入りに訪れたことから、この物語に関わることとなる。
(以上、『SDガンダムワールド ヒーローズ』公式サイトにおけるアルセーヌガンダムXのキャラクター紹介ページより)
トレジャーハンターを名乗り、ネオワールドでは怪盗として指名手配されていた。集めたコレクションを眺めながらのティータイムが日々の楽しみ。彼のトレジャーハントには深い理由があった。
(以上、『SDガンダムワールド』シリーズ公式Twitterアカウントによる「アルセーヌガンダムX」の紹介ツイートより引用)
概要
銀色の装飾が施された白いタキシードとシルクハット、モノクルを身に着けたネオワールドで活躍している大怪盗。
自身のアジトには、数々の宝物が展示・管理されている。最近、弟子が誕生したようで彼に宝物の手入れや部屋の掃除を行わせ修行させているようだ。
何度かサージェントヴェルデバスターガンダムとやりあってきたらしい。
モチーフとなった著名人は19世紀末~20世紀前半のフランスの小説家、モーリス・ルブランの代表作『アルセーヌ・ルパンシリーズ』の主人公である怪盗「アルセーヌ・ルパン」、『ガンダムシリーズ』の機動兵器は『機動新世紀ガンダムX』に登場するモビルスーツであり前半の主役機であった「ガンダムX」。
本人はロマンを求めるトレジャーハンターであることに誇りを持っているため、「怪盗」や「泥棒」扱いされると「トレジャーハンターだ!」と即座に否定する。
活躍
第5~11話
5話では姿と名前のみ登場。
“漆黒の星”による世界の滅びの危機を回避する手掛かりとなる5つのオーパーツ「ハロ」のうちネオワールドにて反応が見つかったハロを手に入れるべくキャプテンシティへと再訪し手掛かりを探す趙雲ダブルオーガンダムの「お宝に詳しい奴」への問いに対し、サージェントヴェルデバスターガンダムより「心当たりのある人物」として容姿と説明を示す映像データとともに紹介され、「名前はアルセーヌガンダムX」「私のデータによれば、ネオワールド1の怪盗だ」という説明がなされた。
そして9話にて本編にて本格的に登場した。
悟空インパルスガンダムをかつてキャプテンシティを襲った前科より危険視し、キャプテンシティを訪れた劉備一行を逮捕したサージェントヴェルデバスターガンダムによる劉備ユニコーンガンダム及び諸葛亮フリーダムガンダムの取り調べの際、連絡が絶えた趙雲の行方を探すべく訪ねてきたことを話す劉備に対し「趙雲ならば、アルセーヌガンダムXのところにいるはずだ」「アンティークに目がないキザな男だ。趙雲はハロというものを探すため、その男に会いに行った」と趙雲の行方とアルセーヌの説明がなされている。
その後、自宅において自身に惚れ込み弟子入りしたものの、完全にトレジャーハンタースタイルとなり本来の目的を忘れている趙雲に掃除を任せティータイムを楽しむ姿で初登場。
悟空を脱走させた罪により追われる身となった劉備一行がついに逃げ道を失った中、
「ッふはっはっはっはっは!月は出ているなあ!」
の口上と共に趙雲を連れ輝く満月を背に上空より現れ、
「ダンスに誘うのは美女と決めているんだがなあ。さあ、お手をどうぞ!」
の口上と共にGコントローラーから射出したワイヤーを巻き付けて劉備を拾い上げ、混乱に乗じ悟空を拾い上げ飛び立った諸葛亮やハロを含む劉備一行と共に月夜に飛び去っていった。
続く10話にて、ヴェルデバスター部隊の追跡を撒くために劉備たちと別行動を取っていたが前話で登場した自宅であるアンティークショップで合流、ハロの所在を知っているか問われその場所が街の博物館であると答える。
キャプテンシティに指名手配されている悟空を連れている自分たちに協力する理由が「弟子である趙雲の友人である」事が信用できない諸葛亮に「男が宝を探すのに理由はいらない」と語る。
博物館に地下から潜入し、倉庫で美術品に触れて諸葛亮に叱られた悟空に「好奇心や探求心は大切なモノだ」と諭す。直後、何かに反応したように光ったハロを発見するが趙雲のミスでハロはバラバラになってしまい、しかもヴェルデバスターによって劉備たちに仕掛けられた発信機の反応を感知したネオワールド警察により博物館を包囲される。
ヴェルデバスター部隊の通信を傍受し、博物館内にトラップを仕掛け、博物館内部へ突破口を見つけるべく進み、その奥でかつて湾岸地区の警備に使われていたサイコガンダムMk-Ⅱを発見、起動したMk-Ⅱをどうにか従えて包囲から脱出、劉備たちと共にアジトへ帰還する。
その夜、アルセーヌが蒐集した古文書から劉備が汚してしまったために読めなくなったハロの特性の箇所を覚えているか問われる。しかし、自身がそれを閲覧したのは随分前だったため忘れてしまったと謝罪する。直後、諸葛亮の方に仕掛けられていた発信機の反応を感知したヴェルデバスター部隊の襲撃を受け、劉備たちが迎撃に当たっている間に何かを待っているそぶりを見せる。
劉備たちが拘束され、自身がアジトに保管していた品々を押収され、ヴェルデバスターに銃口を突き付けられながらも冷静な態度を崩さず、ヴェルデバスターに「夜空をゆっくり眺めたのはどのくらい前だい?」と問いかけ、雲が晴れて見えた満月を見上げる。
「見なよ…月はそこにある。」
するとアルセーヌは満月から力を得た様にサイコガンダムMk-Ⅱをサイコロガンダムへと変形させ、それの力によって今まで蒐集した骨とう品を様々な場所へと送り出した。
なんと、彼が今まで盗んだもとい、集めた品々は世界各地から不法行為などで盗まれたり売られてきて博物館に飾られていた物で、今までアルセーヌはそれを元の場所に返すために機会をうかがっていたのである。
今までの経緯からそれを信用に値しないと断じるヴェルデバスターに手錠を掛けられるが、それでも構わないと語る。だが、悟空から「アルセーヌは噓をついていない」という信頼の言葉には感謝していた。
直後、警察によってアルセーヌの盗んだ骨とう品などが世界各地から違法に集められた者だと確認され、更にアルセーヌの信念に応えるように「正しき心」を特性とするネオワールドのハロが本来の姿を取り戻し、さらにキャプテンシティ警察署署長が指名手配を取り下げた事で、ヴェルデバスターと和解する。
21話にて趙雲に留守を任せてレジーナワールドへ向かい、その途中で月の異常を察する。
そして23話の決戦において、フル装備のヴェルデバスターと共に参戦、他のメンバーと共にダークマスク軍団を迎撃した。
最終話にて、青ハロを「マイハニー」と扱っている事が明かされる。
道具
ルナ・リフレクターユニット
アルセーヌガンダムXが背部に背負っている道具。
普段はL字状に畳まれて背負われているが、展開するとヘリコプターの回転翼のような形のフライトユニットとなり翼を水平になるよう掲げ持つことで空を飛ぶことができる(使用時の光景は『機動戦士Vガンダム』のザンスカール帝国のMSがビームローターで空を飛ぶ際に近い「左手で掴んだプロペラから吊り下がるような姿勢で空を飛ぶ姿」となる)。
第9話の描写では少なくともアルセーヌ本人とアルセーヌの左肩に掴まった趙雲、Gコントローラーのワイヤーにより吊り下げられた劉備の三人分の重量を載せたまま問題なく飛行させられるだけの飛行能力がある模様。
モチーフはガンダムXのリフレクターユニット。モチーフ機体でも同様の形状と展開ギミックで背部に背負われているが、こちらは「サテライトシステム」によりエネルギー供給を受けるための受信装置であった。
Gコン(ゲイン・コンシェルジュ)
(イラストにおいて右腕に携えた銃のような形状の道具)
アルセーヌガンダムXが携える銃のような形状のマルチツール。
第9話においては上空高くから劉備に巻き付き拾い上げ、そのまま吊り下げ続けられるほどの長さと頑丈さを併せ持つワイヤーを射出している。
モチーフはガンダムXの操縦桿型起動キー兼サテライトシステムの管制システムである“Gコン”ことGコントローラー。モチーフ機体の出典『機動新世紀ガンダムX』においては主人公、ガロード・ランが偶然フリーデンから盗み出し手に入れたことが物語が始まるきっかけの一つとなったキーアイテムでもあった。
この他にも戦闘ではムチを使用している。
語録
- 「掃除はどうだい?坊や」(ティータイム中、自宅のモップがけを行う趙雲ダブルオーガンダムに対して)
- 「全て私の大事な恋人達だ。大切に扱ってくれたまえ」(ティータイム中、自身のコレクションに感嘆の声を漏らした趙雲ダブルオーガンダムに対して)
- 「ッふはっはっはっはっは!月は出ているなあ!」(上述の通り、劉備一行の危機に輝く満月を背に大空に姿を表した際の口上)
- 「ダンスに誘うのは美女と決めているんだがなあ」「さあ、お手をどうぞ!」(上述の通り、劉備を拾い上げるべく地上の劉備に向かってワイヤーを射出した際の口上)
- 「ッははははは!月夜のダンスと洒落込もうかあ」(劉備ユニコーンガンダムを吊り上げた直後の口上)
モチーフについて
上述の通り、モチーフとなった著名人は19世紀末~20世紀前半のフランスの小説家、モーリス・ルブランの代表作『アルセーヌ・ルパンシリーズ』の主人公である怪盗「アルセーヌ・ルパン」、『ガンダムシリーズ』の機動兵器は『機動新世紀ガンダムX』に登場するモビルスーツである「ガンダムX」である。
第9話におけるアルセーヌの登場シーンの口上「月は出ているなあ!」は、モチーフ機体の出典『機動新世紀ガンダムXにおいてガンダムXの要となるサテライトシステムの使用条件である「空に月が出ていること」を巡り主要人物の一人が発した言葉にして第1話サブタイトルでもある作品を象徴する印象的な台詞「月は出ているか?」のオマージュである。
・貴族の城館や資本家の邸宅に忍び込み宝石や美術品、貴重な家具などを狙う「怪盗」の“夜のイメージ”を纏うルパンに対し、サテライトシステムによる月からのマイクロウェーブ受信のため月下に立つ“月夜のイメージ”の強いガンダムX。
と夜に深く象徴される共通点によってモチーフとなった人物であるアルセーヌ・ルパンとモチーフ機体であるガンダムXを重ね合わせ、月夜に映える白いシルクハットとマントに銀に輝くモノクルと各部の装飾の意匠をあしらい、
・盗みや脱獄を得意とするルパンと、大胆な潜入を得意とし盗みを働くこともあったガロード
・善良な者を助ける義賊としての性格も持つ“怪盗紳士”であり虐げられた婦人や子供に対しては心強い保護者となるルパンと、好きになった女の子には優しく一途で命を懸けて守り抜いてみせたガロード
・優れた観察眼を元に相手に合わせしぐさや歩き方、表情や話し方などを変え“変装相手を演ずる”ことにより変装術の達人たる機知に富むルパンと、様々な危機を潜り抜ける機転に富んだガロード
などモチーフとなった人物であるアルセーヌ・ルパンの人物像と原典における主なパイロットの一人にして主人公であるガロード・ランの人物像の共通点を重ね合わせる双方のモチーフに忠実な配役。
SDガンダムならでは複数モチーフからの共通点を巧みに重ね見立てるキャラクターデザインの妙が窺える。
また、ガロードとアルセーヌの登場シーンは
・廃墟の中から閃光手榴弾を掴み取り走り出していくガロードと、月夜の空に颯爽と現れるアルセーヌ
・街を襲う野盗のMSのコクピットにワイヤーガンを撃ち込み地面から飛び上がっていくガロードと、大空から劉備に向けてワイヤーを射出し巻きつけ拾い上げていくアルセーヌ
とどこか対になっているようにも取れ、ガロードとアルセーヌの人物像も
・荒れ果てた世界を荒々しく生き抜く姿と、洒落た自宅で古美術と共に過ごすティータイムを愛する姿
・ただ愛する人のため必死に我が道を走り続ける少年と、粋を愛する余裕ある大人の男性
と対照的であるのも興味深い。
余談
『SDガンダムワールド 三国創傑伝』及び『SDガンダムワールド ヒーローズ』作中に登場する架空文字は有志の考察によりそれぞれラテン文字に対応しており解読が可能であることが判明している。
第5話においてサージェントヴェルデバスターガンダムの投影したアルセーヌガンダムXの映像データに併記されていた文章は有志の解読により第5話終了後内容から英語で表記された公式プロフィール文らしきことが推測されていたが、第9話終了後公開された英語版公式人物紹介の文章とほぼ同一の文面であることが判明した。
小話
アルセーヌ・ルパンがモチーフ、名前にX、銀色のボディから
快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーのルパンエックスを想起した人も多く、その中の人も反応した。
演じる楠大典は、過去にSDガンダムフォースにて嵐の騎士トールギスを演じていた。他にも機動戦士ガンダムSEEDDESTINYにてシン・アスカの父親役で出演していたこともあり、そんな彼が悟空に道を示すキャラの声優になったことにこれを知るファンからは中々にニクイ配役だと評されている。
関連タグ
カブト虫ルパン:こちらは仮面ライダーXに登場したアルセーヌ・ルパンモチーフの怪人。
外部リンク
- 『SDガンダムワールド ヒーローズ』公式サイトにおけるアルセーヌガンダムXのキャラクター紹介ページ
- SDW HEROES アルセーヌガンダムX|バンダイ ホビーサイト
- 『SDガンダムワールド』シリーズ公式Twitterアカウントによる「アルセーヌガンダムX」の紹介ツイート
- 『SDガンダムワールド』シリーズ公式Twitterアカウントによる宮内利尚のキャラクター設定イラスト公開ツイート(アルセーヌガンダムX、サージェントヴェルデバスターガンダム、サージェントヴェルデバスターガンダムフルパッケージ、ヴェルデバスター隊員)
- 『SDガンダムワールド』シリーズ公式Twitterアカウントによる宮内利尚のキャラクター設定イラスト公開ツイート(アルセーヌガンダムXのマントなし背面部及びバックパックについて)
- 宮内利尚のTwitterアカウントにおけるアルセーヌガンダムXのデザイン設定ツイート
『SDガンダムワールド ヒーローズ』キャラクター紹介PV「キャプテンシティ」編