RESIDENT EVILについて(全シリーズ共通)
レジデントの意味は「内在する」(ここでは形容詞なので居住者と訳すのは間違い)、イービルは「悪」。
そのため「RESIDENT EVIL」原文を直接翻訳すると「バイオハザード」ではなく「内に潜む悪」になる。クリーチャーの体を蝕むウイルスや、それを作り出した人々の狂気を指していると考えられる。
インターネット上では「邪悪なる居住者」という間違った訳が氾濫しているので注意。
(実はファミ通から出されていた「バイオハザード2」の公式ガイドブックで、海外版がこの誤訳で紹介されてしまっていたりする)
なぜ、海外の多くの国でこのタイトルに変更して販売する事になってしまったのかの経緯については、海外に実在するアメリカのハードコアジャンルのロックバンドの同一同名の名前であった為、海外版での作品名としては商標登録の関係で使えなかったようである。ちなみに本問題の発覚後にはカプコン社内にて行ったタイトル名の社内コンテストではとあるカプコンのスタッフが提案していたものが採用されたことにより、本タイトルを海外版におけるグローバルタイトルとして使用する運びとなった。
ちなみに海外の中国圏でのタイトルはゲーム版、実写版、CGアニメーション版も共に『生化危机』と表記されている。
2002年に『バイオハザード』がこのタイトルで実写にて洋画化された。日本上映版では『BIO HAZARD』になっている。
2020年にはゲーム原作に近づけた形でリブート版となるウェルカム・トゥ・ラクーンシティの制作開始が発表された。その翌年2021年11月24日に全米で公開されたその後、2022年1月28日には日本にて公開された。※ストーリーやメインテーマのBGM等は本シリーズとは全く異なっている。詳細は関連記事へ。
この記事はハリウッド映画版バイオハザードに関するものを扱うとする。
概要
※作品の詳しい詳細はウィキペディア側の個別ページにて参照。
ここでは作中の小ネタや作品について簡単に解説する。
バイオハザード
2002年8月31日公開。アンブレラ社の特殊研究施設「ハイヴ」内で起きたバイオハザードの処理に駆け付けた特殊部隊に連れられたアリス・アバーナシーは、ハイヴ内の歩く死者が蔓延る地獄のような空間を駆け抜けることになる。
原作同様、バイオハザードに巻き込まれ、仲間が次々と死んでいくのだが、映画版では21世紀初頭(原作は20世紀後半)のハイテクノロジーな施設が舞台となっており、アンブレラ社のマザーコンピュータ「レッドクイーン」による施設のセキュリティを利用した罠や、あの有名な処刑兵器「レーザートラップ」が登場する。
サウンドトラックはマリリン・マンソン等が担当している。特典映像のビデオ出演にて解説映像に登場する。なお、メインテーマのBGMについては本作からザ・ファイナルまで使われた。
岡本吉起による裏話
バイオハザードⅡ アポカリプス
日本語で沈黙と言う意味のサブタイトル
原作のナンバリングと同じ様にラクーンシティがゾンビだらけの死の街と化している。更に原作に登場するジル・バレンタインやカルロス・オリヴェイラが登場する。しかし、二人が実際ゲームで登場する作品や、敵が追跡者「ネメシス」になっていることから、原作の2というよりはむしろ3を基にしている。
バイオハザードⅢ
T-ウイルスが原作以上に恐ろしい超兵器になっており、天候すら荒らし、世界を崩壊させてしまっている。また、1ででてきた兵器「レーザートラップ」が登場する。あのアルバート・ウェスカー、クレア・レッドフィールドの他、Ⅱに出てきたカルロス・オリヴェイラも登場する。この作品で、アリスが完全に人間をやめた。
バイオハザードⅣ アフターライフ
2010年9月10日全世界同時公開。日本では、9月4日,5日に世界最速先行公開となる。
今作はTではなく原作の「4」のようなプラーガの脅威にさらされることになる。名称は「マジニ」のため、どちらかというと発売日が丁度近かった「5」に準じているとされる。そして、ついにクリス・レッドフィールドが登場した。また、Ⅲででてきたアルバート・ウェスカーや、クリスの妹クレア・レッドフィールドも登場する。
ちなみに、「クレア・レッドフィールド」は洗脳薬品のP30に操られるシーンが「Ⅴ」に先行して描かれた。
バイオハザードⅤ リトリビューション
2012年9月14日公開。今作はウェスカーが生存しており、しかも「サングラスを外し、人間離れをした彼による華麗なる戦闘シーン」が完全に再現されていたり、ジル・バレンタインが副産物である薬品のP30によって操られていたりする等の「5」の設定のほんの一部だが時折そんなシーンがあったりする。また、今回も「レーザートラップ」がでてくる。登場人物に「レオン・S・ケネディ」や「エイダ・ウォン」が登場した。また、今までのシリーズにでてきたキャラクターも登場する(例えばカルロス・オリヴェイラ)。
バイオハザード:ザ・ファイナル
2016年12月23日公開(日本では世界最速での公開)。名称通りの最終作。海外での原題はファイナルチャプターとなっている。
モデルのローラが女戦士のコバルト役で出演することがちょっとした話題となっていた(実際にはチョイ役だったが)。
エンディングテーマは国内外でそれぞれ異なる日本吹き替えでは主題歌L'Arc~en~Cielが担当した事でも有名になった。
総評
各作品の項目を見てもわかるとおり、『バイオハザード』の世界観やストーリーを下敷きにしつつ、オリジナルの主人公や登場人物達で独自のストーリーを展開している。その上で原作の登場人物を登場させたり、原作シーンの再現やオマージュした場面を入れるなど、原作をある程度下敷きにしつつオリジナリティを出した実写化作品らしい作品に仕上がっている。
Ⅱまでは原作要素とオリジナル要素の絶妙なバランスとCG等の出来の良さ、ド派手なアクションシーン等から原作ファンからも、それ以外からも高い評価を得ていた。
しかし、Ⅲ以降はストーリー展開等に極端なオリジナル色が入り出し、主役であるオリジナル主人公のアリス、もとい演者であるミラ・ジョヴォビッチのプロモーション映画としての色が強くなっていった(Ⅱ以前も傾向自体はあったものの気になるほどではなかった)。
Ⅲ以降の露骨さたるや相当なもので、原作出典の登場人物は完全にアリスの引き立て役に甘んじており、登場はしても大抵はろくに活躍しない/出来ない。挙げ句の果てには登場した作品を生き延びても、ファイナルの冒頭でさらっと死亡していた事が明かされる始末(結局最後まで登場したのはクレアだけ)。
最終的に原作ファンからは「バイオハザードシリーズを私物化した」として、ミラをはじめ、彼女の夫で、シリーズ通して監督・制作・プロデューサーを務めたポール・W・S・アンダーソンへの批判もとい怨嗟の声が国内外問わず世界中から相次いだ。
特に最終作では「レッドクイーン」のアバター役を監督夫妻の娘が務めたため、「監督・役者一家のホームビデオ」のついでなんだろうとも言われてしまっている。
中には、上記したアクション演出などから『バイオハザードの実写作品』という定義を抜きにすれば観るに堪える作品であるとする意見も少なくはないが、そういった人達からも「アクション映画としては面白いけど、『バイオハザード』シリーズの実写映画としては認めない」という声も少なくない。
後年、監督やキャストを総入れ替えした上でストーリーも一からやり直した(いわゆるリブート)実写作品『ウェルカム・トゥ・ラクーンシティ』が公開されると、同作のミラ版以上に原作を忠実にリスペクトした内容や、配役、演出を観た原作ファンから、比較される形でミラ版六部作への手厳しい意見が寄せられる事となった。
とはいえ、シリーズを通して登場した「レーザートラップ」やマザーコンピューター「レッドクイーン」をはじめ、この実写版で初登場した要素や、この実写版におけるカルロスやタイラントといった改変点が後の原作リメイク作でそれぞれ逆輸入されるなど、良い意味で原作に影響を与えた点も存在するなど、決して無価値とは言えない。
上記の描写については評判は少しくらいはあったらしい。
関連タグ
実写化 ハリウッド版 海外版 リトリビューション アポカリプス
アリス・アバーナシー レイン・オカンポ ワン隊長 サミュエル・アイザックス アンジェラ・アシュフォード Kマート アリシア・マーカス コバルト(バイオハザード) カプコン CAPCOM
バイオハザードの登場人物(実写版シリーズの登場人物はこちらにまとめている)
L'Arc~en~Ciel(ザ・ファイナルの主題歌)
関連作品
モンスターハンター(実写版)こちらも(ミラ・ジョヴォヴィッチ主演作品、同じくコンスタンティン・フィルムが制作している。こちらはカプコン原作作品。
三銃士~王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船~:三銃士を基にした映画で、ミラ・ジョヴォビッチの主演作品。制作会社は同じくコンスタンティン・フィルム。