概要
ライダーマンこと結城丈二の右腕に装着された万能武器。仮面ライダーシリーズ史上初の常時携帯型武器であり、仮面ライダーXの「ライドル」や仮面ライダースーパー1の「ファイブハンド」、平成ライダー達の使用する各種必殺武器のハシリでもある。
元々は極秘裏に開発していたアタッチメントで、デストロン時代にヨロイ元帥に溶かされた右腕(通常は人間と寸分違わぬ形状・質感)に特殊なカセットを装填することで次々に切り替えることが可能で、脆弱な身体のライダーマンでも凶悪怪人相手に立ちまわることができる(まあ、「素」の体力が改造人間より劣るのは仕方ないが)。結局『仮面ライダーV3』本編での撃破は無かったものの、後述する通り派生作品ではかなりの戦果を挙げている。ライダーマンの成長あってのことだろう(素手に限った話では『スカイライダー』でライダーキック一発で大砲を叩き折ったり、『仮面ライダースーパー1』の劇場版では「回転キック」という技でドグマ復讐兵団を撃破している。)。
ライダーマンの登場が遅かったのもあって、裏設定によるボツが多い武器でもある。
ちなみにデストロン時代の結城は一部の機械合成怪人の開発にも携わっていた事があり、彼らの中には腕の一部に武器を取り付けるカセットアームと近い形式の怪人も存在する。恐らく彼らのノウハウがカセットアームに使われているものと言える。
アタッチメント
本編(特撮版)で使用したもの。
付け替えにかかる時間は約3秒ほど。
最も多く使用されたアタッチメント。鉤爪の付いたロープで相手を絡め取る。怪人の動きを止めV3の決め技のアシストやターザン状の移動、鉤爪や瓢箪の部分で敵を殴打する、鉤爪を相手のベルトに引っ掛けて投げるなど、多くの用途を誇る。
客演時には投げ技を併用し、崖の上などから地球の重力と地面という世界最大の武器に叩きつけて倒す。『10号誕生!仮面ライダー全員集合!!』ではこの利用方法でトカゲロイドを撃破し、カセットアームによる初の怪人撃破となった。
パチンコ作品では鉤爪の部分を伸ばして拘束ではなく直接攻撃に用いる、映画『MOVIE大戦MEGAMAX』はロープをムチのようにしならせ殴打したり、再生メズールをあっという間に簀巻きにするなど、更に用途と能力が拡張した。『仮面ライダー大戦』でも密かにキルスコアを挙げている。
- スイングアーム
ロープアームの鉤爪部分が棘の生えた鉄球になっているもの。V3では風見と敵対した頃に一度だけ使われ、紐の部分を振り回して(スイング)牽制していた。『スカイライダー』客演時に多用され、ロープアームのように敵の拘束に用いる他、ロケットパンチのように鉄球を発射し相手の顔面に直撃させるという殺意の高い使用方法に開眼した。山口氏が本人客演したドブネズコン戦では拘束した相手を上空に放り投げスカイライダーをアシストするなどV3の頃より活躍している。しかし劇中ではどうやら他のアームを作る予算がなかったようで敵や障害物を拘束する場面ではロープアーム、打撃攻撃をする際にはパワーアームと呼ばれており、一度も正しい名称で呼ばれなかった(『8人ライダーvs銀河王』では鉤爪のロープアームも出たが、どうやら長期使用に耐える物ではなかったようである)。
『テレビマガジン』掲載のすがやみつるによる漫画版では単なる分銅になっている他、『CR仮面ライダーV3』ではロープではなく鎖状となっている。
- パワーアーム
ライダーマンが常備する万力型の基本アタッチメント。直接的を殴りつけたり、障害物の破壊に用いる。万力型という形状を生かし、初登場時は牢の扉を引っ掛けて開けていた。大抵の事がロープアームでどうにかなってしまうカセットアームにおいて近接の打撃格闘に特化している面からロープアームに次いで出番が多い。PS版のV3のゲームでは渾身の右パンチを叩き込む決め技として採用された。
漫画『決死戦7人ライダー(仮面ライダーストロンガーのコミカライズ)』では、海上自衛隊の攻撃も通じなかったトロイの木馬を破壊してしまうほどの威力を見せた。
強力なドリルで分厚いコンクリートや鋼鉄の壁でもぶち破ってしまう。バッテリーで駆動し、使用するには5000Vの電流が必要だった。
劇中では壁を粉砕しようとしたがバッテリーが切れており動かせなかったが、立花藤兵衛が2500Vの外部電源を見つけてやっと使用できた。それ以降は使用されなかった。後年のゲームや漫画では電力の問題もなく普通に使用したり敵への直接攻撃を解禁している。
- ネットアーム
頑丈な投網で相手を拘束する。ロープアームに比べると1度に多くの敵を拘束できるが、ネット射出後のライダーマンが別のカセットアームで攻撃を加えるなどは出来ないようで、足止め目的などでない限りはパートナーのアシストが必要となってくる。V3本編ではオニヒトデの分裂能力を網による広範囲の捕獲で封じ、V3が3段キックでトドメを刺す阿吽の連携を見せた。
本編未登場だがスチール写真のみ
- カマアーム
ロープアームの先端が鎌になっている。本編には出ていないがスチールは存在するため、ゲームや玩具では上記の本編使用の5つと同列の扱いを受ける場合がある。『仮面ライダーEVE』でも使用された。
『後年の他媒体』で使用したもの
- マシンガンアーム
1秒間に1000発もの弾丸を放つ機関銃。当時の児童誌のイラストなどは描かれているが特撮版には未登場だった。
『仮面ライダーSPIRITS』では決め技的に用いられ、実在の機関銃のような黒く無骨でミリタリーなデザインである。
2代目ヨロイ元帥との戦いではドリルアームで傷ついた甲殻の割れ目に銃身を突き刺して発砲、決め手となった。第三部ではオニビセイウチを撃破したほか、ヨロイ一族対策に開発した特殊硬化ムース弾を使用、ヨロイ一族の長所である防御力を封殺し、瞬く間に無力化・全滅へ追いやる活躍を見せた。
また、風見がカセットアームを託された際には、マシンガンアームを使ってクワガタ奇械人をはじめ、多数のブラックサタン再生奇械人を退けている。
映像作品である『仮面ライダー大戦』ではなんとこのマシンガンアームで、同じく多彩なアタッチメントを操る仮面ライダーフォーゼと撃ち合いを行っていた。(デザインはロープアームの瓢箪の先端に銃口がちょこんと伸びているだけ)
前述した『テレビマガジン』すがやみつる版ではこれでデストロン基地の電源施設を破壊していたが、ヨロイ元帥には通用しなかった。
『CR仮面ライダーV3』でもこのアームが使用され、怪人殺人ドクガーラに使用され、こちらでは3銃身のガトリング砲のようになっている。
特撮本編では専らアシストがメインで決め技にかけていたライダーマンにとって浪漫の塊のような設定と武器であるため後年の他媒体展開では上記のように多用されるが、本編未登場という出自からデザインが定まっていないため登場作品ごとに全く異なった形状になる。(一応、本編の時点で機関銃を使うデストロン怪人は存在する)
- 電磁アーム
『ネット版 仮面ライダーウィザード イン マジか!?ランド』で使用。
爆弾のコードを切断するために取り出したアーム…なのだが、どう見ても刃先がカッターナイフのそれである。
晴人からはハサミで切った方が早いとツッコまれていた。
『仮面ライダーSPIRITS』で使用したもの
- オペレーションアーム
精密作業用のアタッチメント。幾多に分かれるロボットアームで相手を修理する。
- コントロールアーム
結城が暗黒神話に終止符を打つために、全ての元凶であるバダン総統・JUDOを倒すための下準備時空破断システム制御装置である生体コンピューターを制御する目的開発した新型カセットアーム。
これを使って“幻影の竜”の制御を成功させるが、その為に生体コンピューターの三割が脳死状態に陥るという事態を引き起こした。
- ドラゴンアーム
コントロールアームの発展型である新型カセットアーム。JUDOたちが地球へとやって来る際に使っていたバダンの竜と自身を一体化する事で"虚空の牢獄"へと突入する効果を持つほか、バダンの竜を光の速度で自在に操る事ができる。ただし、竜へのダメージはそのまま自身へとフィードバックする為、まさに命がけの戦法ともいえる。
『S.I.C』で使用したもの
- チェーンアーム
- オクトパスアーム(『仮面ライダーEVE』でも)
その名の通りタコ脚のような吸盤で壁や天井に貼り付く。これも元ネタはTV版の没案。
2011年にショッカー侵入時に使用していたカセットアーム。従来のカセットアームの能力をほぼフル活用できる。
設定のみ存在するもの
- カッターアーム(『スーパーヒーロー作戦ダイダルの野望』で使用されている)
刀剣型アタッチメント。上記ゲームではディスクカッターを射出する装備として描かれている。
- スモークアーム(『ダイダルの野望』で使用されている)
煙幕や催眠・催涙ガスを放出するアタッチメント。
石ノ森のラフデザイン画のみ確認されたもの
- ファイアーアーム
火炎放射機型アタッチメント。
- フリーザーショットアーム
冷気を噴出するアタッチメント。
- キャッチアーム
投網を撃ち出すアタッチメント。上記ネットアームの原案と推測される。
『オールライダー対大ショッカー』でリ・イマジネーション結城が使用したもの
- ブラスターアーム
光線銃型アタッチメント。大ショッカー再生怪人を一掃する威力を誇る。
関連項目
仮面ライダーバース:武器の設定がカセットアームのオマージュ。
メタルヒーロー:『機動刑事ジバン』以降は『ブルースワット』を除き武装がアタッチメント式である。
ジンドグマ怪人:一部の怪人はアタッチメント式で片腕を換装できる。
機械合成怪人:ライダーマンの古巣であるデストロンの怪人達。