英語表記:National Hockey League
仏語表記:Ligue Nationale de Hockey
概要
北米4大プロスポーツリーグの1つで、アメリカ合衆国とカナダで行われるアイスホッケーリーグ。
元々はカナダにて設立されたリーグだが、現在はアメリカに25チーム、カナダには7チームが本拠地を置いている。
リーグは東西2つのカンファレンスで構成されており、それぞれがさらに2つのディヴィジョンに分かれている。
シーズンタイトルは2つあり、レギュラーシーズンで最多勝ち点を挙げたチームにはプレジデンツトロフィーが、ポストシーズンを勝ち抜いた年間総合優勝チームにはスタンレーカップが贈られる。
加盟チーム
下記の地区割りおよびタイトル獲得数は2023-24のレギュラーシーズン終了時点のものである。
(SC=スタンレーカップ、PT=プレジデンツトロフィー)
イースタン・カンファレンス
アトランティック・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
ボストン・ブルーインズ | マサチューセッツ州ボストン | 6 | 4 |
バッファロー・セイバーズ | ニューヨーク州バッファロー | 0 | 1 |
デトロイト・レッドウィングス | ミシガン州デトロイト | 11 | 6 |
フロリダ・パンサーズ | フロリダ州サンライズ | 0 | 1 |
モントリオール・カナディアンズ | ケベック州モントリオール | 24 | 0 |
オタワ・セネターズ | オンタリオ州オタワ | 0※ | 1 |
タンパベイ・ライトニング | フロリダ州タンパ | 3 | 1 |
トロント・メイプルリーフス | オンタリオ州トロント | 13 | 0 |
※初代セネターズの優勝回数は含まない。
メトロポリタン・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
カロライナ・ハリケーンズ | ノースカロライナ州ローリー | 1 | 0 |
コロンバス・ブルージャケッツ | オハイオ州コロンバス | 0 | 0 |
ニュージャージー・デビルズ | ニュージャージー州ニューアーク | 3 | 0 |
ニューヨーク・アイランダーズ | ニューヨーク州エルモント | 4 | 0 |
ニューヨーク・レンジャーズ | ニューヨーク州ニューヨークシティ | 4 | 4 |
フィラデルフィア・フライヤーズ | ペンシルベニア州フィラデルフィア | 2 | 0 |
ピッツバーグ・ペンギンズ | ペンシルベニア州ピッツバーグ | 5 | 1 |
ワシントン・キャピタルズ | ワシントンD.C. | 1 | 3 |
ウェスタン・カンファレンス
セントラル・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
アリゾナ・コヨーテズ※ | アリゾナ州テンピ | 0 | 0 |
シカゴ・ブラックホークス | イリノイ州シカゴ | 6 | 2 |
コロラド・アバランチ | コロラド州デンバー | 3 | 3 |
ダラス・スターズ | テキサス州ダラス | 1 | 2 |
ミネソタ・ワイルド | ミネソタ州セントポール | 0 | 0 |
ナッシュビル・プレデターズ | テネシー州ナッシュビル | 0 | 1 |
セントルイス・ブルース | ミズーリ州セントルイス | 1 | 1 |
ウィニペグ・ジェッツ | マニトバ州ウィニペグ | 0 | 0 |
※アリゾナ・コヨーテズは2023-24シーズンを以て活動休止。
パシフィック・ディヴィジョン
球団名 | 本拠地 | SC優勝 | PT獲得 |
---|---|---|---|
アナハイム・ダックス | カリフォルニア州アナハイム | 1 | 0 |
カルガリー・フレームス | アルバータ州カルガリー | 1 | 2 |
エドモントン・オイラーズ | アルバータ州エドモントン | 5 | 2 |
ロサンゼルス・キングス | カリフォルニア州ロサンゼルス | 2 | 0 |
サンノゼ・シャークス | カリフォルニア州サンノゼ | 0 | 1 |
シアトル・クラーケン | ワシントン州シアトル | 0 | 0 |
バンクーバー・カナックス | ブリティッシュコロンビア州バンクーバー | 0 | 2 |
ベガス・ゴールデンナイツ | ネバダ州パラダイス | 1 | 0 |
シーズンの動き
レギュラーシーズンは10月から翌年4月まで。1チーム82試合(ホーム・アウェイ各41試合)を戦う。
試合は3ピリオド(1ピリオドは20分)形式で行なわれ、同点の場合は5分サドンデス方式の延長戦、それでもなお同点の場合はシュートアウト(サッカーで云うPK戦に相当)を行ない勝敗を決める。
勝ち点は勝利チームに「2」、延長戦およびシュートアウトでの敗戦チームには「1」が与えられ(規定時間で負けた場合は当然「0」である)、勝ち点が多い各ディヴィジョンで上位の3チーム、およびディヴィジョン4位以下で勝ち点が多い各カンファレンス上位に入った2チーム、計16チームがプレーオフに進出し、スタンレーカップを懸けたトーナメントを戦っていく。
歴史
カナダにあったNHA(ナショナル・ホッケー・アソシエーション)を前身として1917年に発足した。チームの新規加入と消滅が繰り返された中、世界恐慌や第二次世界大戦などを乗り越えた『オリジナルシックス』と呼ばれる下記の6球団による体制が1940年代中盤から1960年代中盤まで続いた。
※但し1917年のリーグ設立から現存しているチームはカナディアンズとメイプルリーフス(リーグ発足当時はトロント・ホッケークラブ)の2チームのみ。
1967年に『エクスパンションシックス』と呼ばれる6球団が加盟。
※なお、シールズは消滅している。またノーススターズは本拠地を移転し現在はダラス・スターズを名乗っている。
1970年代には以下のチームが創設された。
1970年
1972年
- ニューヨーク・アイランダーズ
- アトランタ・フレームス(現:カルガリー・フレームス)
1974年
- ワシントン・キャピタルズ
- カンザスシティ・スカウツ(現:ニュージャージー・デビルズ)
1979年には、この年限りで解散したWHAから4チームが加盟した。
- エドモントン・オイラーズ
- ハートフォード・ホエーラーズ(現:カロライナ・ハリケーンズ)
- ケベック・ノルディックス(現:コロラド・アバランチ)
- ウィニペグ・ジェッツ(後のアリゾナ・コヨーテズ。現在の同名チームとは別球団)
以降も徐々に加盟チームが増加。2018年にベガス・ゴールデンナイツ、2021年にシアトル・クラーケンが参入したことで32チーム体制となった。
2023-24のレギュラーシーズン終了を以てホームアリーナの問題が行き詰まったアリゾナ・コヨーテズが活動を休止したが、2024-25シーズンからはコヨーテズに替わってユタ州ソルトレイクシティを本拠地とする新たなチームの加入が予定されている。
各国での人気
カナダで設立されたリーグであること、またカナダではアイスホッケーが国技と言われることもあって最も人気があるプロスポーツとされるが、アメリカではNFL(アメリカンフットボール)、NBA(バスケットボール)、MLB(野球)は勿論NASCAR(自動車レース)やPGA(ゴルフ)、WWE(プロレス)などにも人気が劣るとされている。これはカナダ出身の選手が多く(かつては選手全体の殆どを占めていた。最近でも約45%の選手がカナダ出身)、アメリカ出身の選手比率が低い(約25%程度。さらに低い時代は10%をも割っていた)ことも影響していると言われる。アメリカでアイスホッケー人気の高い都市は、やはり北寄りの都市に多く、ツインシティーズ(ミネアポリスとセントポール)、デトロイト、ピッツバーグ、ボストン、サンノゼなどで人気が高い。
また、4大スポーツとMLSを含め、北米プロリーグで最もカナダのチーム数も多く、バンクーバー、カルガリー、エドモントン、ウィニペグ、トロント、モントリオール、オタワとめぼしい都市にフランチャイズがある(かつてはケベックシティにもあった)。
日本ではアイスホッケーの国際的なパワーランクが低いことに加え日本人選手の不在(日系人選手ならば多数存在するが、日本人となると過去を遡ってもロサンゼルス・キングスに所属していた福藤豊だけ。日本国籍を持つ選手を加えてもジョーダン・スペンスがいる程度)、元々アイスホッケー自体がメディアに取り上げられる機会が殆どないこともあって関心が薄く、また視聴率を見込めない割に放送権料が高騰しているためか、現在日本では関連番組も含めTV放送はされておらず、有料のネット配信やYouTubeでのダイジェストが視聴手段となっている。何れにしてもNHLが公式に制作する日本語話者向け動画コンテンツは存在しない。
pixivでのNHL
上記したように日本での知名度や人気が乏しいことを反映してか、北米4大プロスポーツリーグと呼ばれるNHL、NFL、NBA、MLBの中では投稿された作品が最も少ない。
2024年4月の時点で「NHL」のタグが付いた作品全てを合わせても「NBA」タグが付いた作品の約10分の1程度しか無い。