プロフィール
真名 | ジャック・ド・モレー |
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クラス | フォーリナー |
性別 | 女性 |
身長 | 167cm |
体重 | 55kg |
出典 | テンプル騎士団の伝承、史実 |
地域 | 欧州、キプロス、シリア地域の十字軍国家 |
属性 | 中立・悪・地 |
好きなもの |
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嫌いなもの | フランス王家(第1、2再臨)、嘘と借りパク(第3再臨) |
設定担当 | 星空めてお |
ILLUST | 黒星紅白 |
CV | 青木志貴 |
お風呂でも眼鏡は外さない。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するフォーリナークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
2021年ハロウィンイベント『ハロウィン・ライジング!』開催に合わせて、実装された。
元々は『Fate/Requiem』で言及された後『Fate/Grand Order Arcade』にて参戦していたキャラクターであったが、そちらからアプリ版へ初の逆輸入……と思いきや女体化しての参戦となった。
容姿
銀髪ショートヘアーで眼鏡を掛けた聖堂騎士という要素はセイバー霊基と共通しているが、服の色が反転して黒主体となっており、かつボディラインの出ているドレスのようなデザインに変わっている。色白かつアンニュイな顔立ちも相まって、さながら本物の魔女のような印象を与えている。
再臨するとフードを脱いだりなど徐々に露出度が上がっていき、第三再臨になると灰色肌に角と翼と尻尾が生え、末端部分が透けて骨がピンク色に光っているという悪魔やサキュバスじみた異形になる。そこまで変わっても頑なに眼鏡を外そうとしないあたりは、非常に拘りがある模様である。
人物
一人称は「私(わたし)」。
生前に無実の罪と邪教の疑いで処刑された事に加えて外宇宙の邪神とリンクした事が原因となり、清廉な聖堂騎士から黒魔術に傾倒する邪教徒へと変質をしてしまった『無辜の怪物』たる存在。
生真面目で内向的だった男性版とは違い、いかにも悪そうな見かけによらず性格は明るく、ギャルめいた口調で気さくに接してくる。が、その快活さは節々に自棄や開き直りが滲み出ている。自身に「ねじ込まれた」悪性のままに万人を誘惑し、悪い方向へ誘導する事を好む油断ならない存在。
カルデアに召喚されたモレーは人理修復の使命を聖地エルサレム奪還に重ね合わせており、召喚されたからには真剣に協力すると宣言している。加えて契約したマスターが善性が服を着て歩いているかのような特殊極まる人物であったために、その影響で「カルデアに召喚されたモレー」はそこまでの悪事を働かないが、このどちらもが欠けた環境でもし召喚されていたならば、確実に大災厄をもたらしていたともプロフィールでも明言されている特級レベルで危険なサーヴァントである。
その一方で、肝心な悪巧みや謀略は苦手らしく、他のサーヴァントの配置が雑だったり偽名が2つ続けて被ってヤケクソ気味に真名を名乗るなど、どこかポンコツ属性の気がある。また、騎士としての精神は完全には失っておらず、金銭感覚など男性版と変わらない部分を垣間見せることもある。
それらは悪事を為す場合でも付いて回り、かなり綿密に策謀を巡らせあと一手まで陥れるまでは順調なのだが、最後の詰めに差し掛かると途端に想定外の事態に晒されポンコツと化す。間違いなく油断ならない危険人物なのだが、生前の星廻りの影響なのか、大抵は想定よりも早く企みがバレるか、何かしらのトラブルで自分の安全さえ危うくする程のバッドハプニングを呼び込んでしまう。悪巧みは好きなのに根本的に相性が良くない――という、変な哀しみを背負っている節がある。
デフォルメした黒い山羊のような謎の生命体「バッフィー」が常に側に随伴しており(邪神の分霊か?)攻撃にも参加しているが、モレー曰くいつも見張られているらしく、ふとした時に喧嘩したり聖杯への願いの候補に「クソ山羊を月まで蹴り飛ばしたい」が挙がる程に鬱陶しがっている。
ただ、外宇宙と関わりを持った故かの不安定さを持ち合わせているクトゥルフ系フォーリナーの中では(怪しげな普段の行いを除けば)至って正気。前述の「万人を悪へと誘惑すること」も自発的に行っており、外宇宙からの干渉も見られない。騎士道精神のお陰だったりするのだろうか……
能力
セイバー版と比べると敏捷が低下した代わりに、耐久と魔力が大幅に向上している。
モーション中では、持ち前の剣術とダガーを媒介とした発火能力を主として扱っている。他にも首に巻いた黒い布を叩きつける、盾を回転させて蹴りつける、魔法陣で拘束して追撃する、炎を纏わせたシールドバッシュを食らわせる、聖骸布を硬質化させて赤黒いエネルギーの斬撃を放つなどをする。エクストラアタックでは、巨大化したバッフィーに騎乗して、そこから光線を放っている。
第3再臨では、大剣を用いた攻撃を主体に(尻尾で謎生物と繋がっている)、背中から炎のダガーを射出する、ウミユリのような謎の生物を腐汁から出現させる、その生物から汁弾を発射する、バッフィーの顔を模した汁玉を破裂させる、炎を纏わせた両手で触れて炎上させるなど、邪神由来の能力に偏ったスタイルに変化。エクストラアタックでは、大剣を掲げて刀身から紫色の閃光を放つ。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | B+ | A+ | D | EX | C | A |
保有スキル
領域外の生命(A) | フォーリナーのクラススキル。外なる宇宙、虚空からの降臨者。邪神に魅入られ、その権能の一房を肌懐に匿び、惑わすもの。宿るのは黒山羊の邪神。 |
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神性(B) | フォーリナーのクラススキル。神霊適正を持つかどうか。外宇宙に潜む高次生命の先駆となり、強い『神性』を帯びた。命令を聞かない反抗的な使い魔を通して、モレー自身も監視されている模様である。命令無視はお互い様。 |
陣地作成(A) | 本来はキャスターのクラススキル。自身に有利な陣地を作り上げる。魔術師では無いが秘密結社を統べる長となり、広域に存在する支部からタンプル塔へ魔力と信徒を駆り集める。とは云えカルデアでは様々な制約からその本領が発揮されている様子は無い。邪神降臨の際の要となるスキルと思われる。 |
無辜の怪物(A→A+) | 生前の意思や姿とは関係無く、後の世の風評によって真相を捻じ曲げられたものの深度を指すスキル。曰く、山羊頭の悪魔を崇め、淫靡なる儀式に耽った。曰く、騎士団の財宝とその活動は今も受け継がれる。騎士団を貶めた濡れ衣と、後世の膨大な伝承群は、快楽を貪るに適した魅惑的な肉体にモレーを堕落させた末に、聖地奪還を志す修道士とは別個の存在へと変質させた。 |
聖骸布(偽)(B) | 通称『トリノの聖骸布』は救世主その人では無くジャック・ド・モレーの遺骸を包んだ遺物だ……とするひどく怪しい説がある。聖骸布が発見されたフランスのシャルニー家は確かにテンプル騎士団とも深い関係を持ち、更にはモレーと共に火刑に処された騎士団幹部・ジョフロア・ド・シャルニーに通じるというのだが、さて。モーション中においては、攻撃に用いている。 |
堕落の叙任(A) | 強力な誘惑術。テンプル騎士の霊前で深淵なる聖母への忠誠を誓わせ、その従順な騎士と成る様に叙任の秘儀を執り行う、解放と堕落のイニシエーション。これも『無辜の怪物』スキルの影響で習得したスキルであると思しい。 |
宝具
13日の金曜日(ヴァンドルディ・トレイズ)
- ランク:A
- 種別:対人宝具
- レンジ:1~13
- 最大捕捉:23人
「奇跡を、此処に!」
「アメノ、アメノ。我らが呪いの聖堂は欲する……ルラプスの炎の疼き、その対価を。富める者、最たる者、等しく掛乞え。タンプルを汝らの血飛沫で染め上げよ!『13日の金曜日(ヴァンドルディ・トレイズ)』!!」
「出廷せよ、神の法廷へ。」
「イア、イア。森の王、豊穣の担い手よ……夜の虚ろに現れ、星海(ほしうみ)の淵ぞ至りて讃えん。イア、千の子を孕みし森の黒山羊よ!我が生贄を受け取り給え!『13日の金曜日(ヴァンドルディ・トレイズ)』!!」
凄惨な拷問と処刑の幕開けの地である「タンプル塔」を具現化する。
おどろおどろしい異界と化した塔内で行われる、悪魔崇拝の黒ミサを執り行う。
高濃度の呪いは実体となり、降臨する冒涜的な生物が敵を蹂躙し、その胎内へと飲み込む。
演出としてはモレーが邪神の一部に呑み込まれた後、悪魔崇拝の儀式と思われる空間で炎に焼かれ、背後にやたらファンシーな偶像らしき物が出現。最終的にモレーを含め全てが黒い水と化して触手と共に敵を飲み込む。儀式を行なっている騎士は全員女性で覆面の上から眼鏡をかけている。
宝具名の『13日の金曜日』と言うのは、フランス国王・フィリップ4世がモレー達テンプル騎士団員を一斉逮捕する指令をフランス全土に送った日(1307年10月13日)である。キリスト教では不吉な数字として知られており、一説では、かの救世主が没した日が13日の金曜日だったとされている。
関連人物
生前
テンプル騎士団がイスラエルの彼の神殿を管理していたために、非常に尊敬している相手。
カルデアにソロモンが所属していたことを知ったことで、人理修復に積極的になっている。
ジョフロワ・ド・シャルニー
生前の部下であった、テンプル騎士団の幹部。共に火刑に処された。
騎士団内部で新人に対して戦技を鍛える教育団長を務めていた模様。
フィリップ4世
当時のフランス国王にして、自分達テンプル騎士団を処刑した相手。
金を返さなかった上に処刑されたため、当然ながら恨み骨髄である。
Fate/Grand Order
同じ真名を持つ英霊で、こちらが生前の姿にして英霊としての本来のモレーである。
フォーリナーの彼女と違い、セイバーの彼はフランス王家を憎んではいないらしい。フォーリナーのモレーは自身が変質している事を自覚しているが、邪教に堕ちた自分が秩序・善である筈がないと考えているのか「セイバーの自分がいたら埋めていい」とまで言い切っている。フラグである。
AC版の水着イベントでセイバーのモレーが山羊を数えだす一幕があることから、あちらにも影響を及ぼしている模様。その後、アプリ版のイベントにセイバーのモレーが立ち絵有りで登場。本来は彼が召喚される予定だったが、特異点の異常によりフォーリナーのモレーが出てきてしまい、最終的に霊基を乗っ取り返して、女性の体に両方の意識が宿った二重人格のような状態になっていた。
何やら目的のために彼女を利用しようとしているが、突然いつもの歌声を聴かされたり、顔見せを台無しにされるなど振り回されている。過去の『Fate/EXTELLA』での学士殿の苦労を知っているマスター達からは人選ミスではとコメントされており、本人もミスをうっすら自覚しかけている。
契約したマスター。上記の通り、カルデアのモレーは彼/彼女の影響を多分に受けている。
イベント内では、彼/彼女に最悪レベルの被害をもたらした。マイルームにおいては自分を主人公の浮気相手と宣うなど、意図的にドロ沼大惨事を誘発する言動を繰り返す一方で、まともな内容のおでかけ(というかデート)に誘うなど、年下を翻弄する危ないお姉さん〜同年代のガールフレンドの距離感を行ったり来たりしている。一応、特異点修復の任務には共に真面目に取り組んでいる。
ナイスバディの女騎士同士。イベント『ハロウィン・ライジング!』のエピローグにて、マスターに対し「万が一、召喚された暁には、あなたを守護する盾となりて努めましょう」との発言を残している。これに対してマシュは「た、た、盾ですか!?」と可愛らしい反応をしている。これがマシュを揶揄うためなのか、シールダーの適性への伏線なのかは不明(状況的には前者であろうが)。
テンプル騎士団二代目総長・ロベール・ド・クランの事を騎士団の礎を築いた人物として尊敬している為か、その末裔であるジルに対しても敬意を持って接する。一方で黒魔術に傾倒した時期のジルに対しては「似たような惨めな末路を辿った者」同士として理解者になれないかと迫っている。
船乗りとしての実績に加えて、テンプル騎士団と遠い縁がある敬虔なクリスチャンだからか、フレンドリーを通り越して「品行方正・義理と人情に生きる真の海の男」と非常に褒めちぎっている。
フランス出身かつ、フランス王家にお金を貸した者繋がり。彼に同情しているのか未払いの給金を王家に払わせようとマリーの元に押しかけようとしたが、彼は何も言わずに立ち去ってしまった。
フランス出身の騎士繋がり。フランス王家へのツケで色々とお高い食事を注文しているのを見たデオンに詰め寄られたが、全く悪びれる様子は見せておらず、マリーに対しても喧嘩を売っていた。
フランス出身かつ、火刑に処された女騎士繋がり。良きマスターと巡り合ったことを神の奇跡と称しており、そんな彼女に対して「自分には薄汚れた呪いだけだ」とコンプレックスを抱いている。
自身の死後にフランスを統治した皇帝。彼の治世で復活したテンプル騎士団を、王党派への対抗策に利用したことに皮肉を言っているが、タンプル塔を破壊してくれたことには感謝している模様。
前述の所業もあって危険人物と認定されてしまったらしく、特異点修正後にマスターの脳内へ介入した際も精神世界から彼に「早く用事を済ませて帰れ」とばかりに黒い炎で圧をかけられていた。
フォーリナー仲間かつ邪神関係としては夫にあたるメンバー。元となった英霊を、やり方は違えど性別の変更をしたのは(微々たる関係だが)後者の旦那の趣味を反映したからだという噂も……
フランス出身同士かつ「火刑に処された異端者」という風評から生まれた同類。第三再臨にて金色に変化する瞳や、悪に染まった別側面という点では、こちらのモレーも黒化英霊に近いと言える。
謂れなき醜聞に歪められた者にして、スキル「無辜の怪物」を持っている者繋がり。
ただしフランス王家に対するスタンスの違いにより鉢合わせると危険が予想される。
呪いと悪属性に関連するスキルや全体Quick宝具を持ち、邪神や悪神の力を使い洒落にならない悪事を働くなど、色々と共通点の多いヴィラン系サーヴァント。肝心な所での詰めの甘さが原因で大ポカをやらかすという点まで似ている。ただし性格の差もあって危険度は道満の方が数段上である。
邪教関連にて挙がった真名の候補者で、某神話にも関連がある者繋がり。
何の因果か、あちらも男性から女性に性転換している(あちらは生前に)。
余談
- CVの青木氏は『空の境界』が好きで、現芸名をその登場人物である両儀式からとるほどの型月ガチ勢であり(⇒Twitterによる青木氏本人の発言)、とうとう『FGO』に参戦となった。
- さらに何の因果か、セイバー版の男モレーの担当声優は中島ヨシキ氏であり、どちらも「シキ」を名前に含んでいる。
- また青木氏は後にアニメ版『藤丸立香はわからない』にて同じ眼鏡女子であるシオン・エルトナム・ソカリスを演じることとなった。
- フォーリナーとして召喚された彼女(彼?)もまた邪神と繋がっているものと思われ、実装発表時点では「シュブ=ニグラス」が最有力候補と目されている。
- というのも、モレーの死因(ひいてはテンプル騎士団壊滅の原因)は財産没収を目的とした冤罪による異端審問であり、その1つに悪魔崇拝、特にバフォメット崇拝の容疑があったとも言われており、山羊の姿を持つかの邪神と……と言う具合。史実でのバフォメットの像容についての証言は一定しておらず、明確に山羊のイメージが付加されたのは19世紀になってから。それを行ったのはモレーと同じフランス人である魔術師・エリファス・レヴィ。
- AC版の彼の胸元に垂れているベルトに山羊とも羊とも見える謎マスコットが描かれている点からも、伏線自体はあったものと思われる。
- なおシュブ=ニグラスに関連するサーヴァントにもう一騎、ナーサリー・ライムがいる。あくまでイベント時空でのトンチキ要素の一環なのだが、グラシャボラス召喚の呪文があからさまにシュブ=ニグラスの召喚呪文なのに加え、本来彼女が呼ぼうとしたのが「黒山羊さん」と呼ぶ存在であった。
- 生真面目で内気な眼鏡男子がスケベな悪魔系美少女になったという公式が最大手な事態にあって悪堕ちTSだのバ美肉お兄さんだのとセイバーのモレーに風評被害が発生している。
- 史実と性別が異なるキャラの多い『Fateシリーズ』に於いて、後天的に性別が変わった事が示唆されるサーヴァントのひとり。
- テンプル騎士団の崩壊を切っ掛けにするように本格化する異端者狩り、即ち「魔女狩り」は、魔女の文字通り女性に対して行われるものだった。これは様々な要因があることだが、その中には「悪魔崇拝は性欲の我慢できない女性がするものだ」と言う迷信が存在し、これを拡大解釈すると異端者≒淫猥を好む女、と言う図式が成り立つ。モレーのプロフィールにある「快楽を貪るに適した魅惑的な肉体」とは淫猥な儀式に耽る女性の事を指す。
- 勘違いされやすいが、アプリ版『FGO』の世界線においても「過去に実在したジャック・ド・モレーという人物」は男性であり、AC版と同じである。それを史実そのままに召喚するか、外部の介入を交えて歪んだ状態で召喚するかの違いである。ただ、アプリ版の世界線の主人公は「こっち」と縁を持っているので、召喚するとこちらになるというだけ。