Xライダー

えっくすらいだー

特撮番組『仮面ライダーX』に登場する神敬介が変身した姿の通称。

「セタップ!」

「大変身!」

変身者

神敬介

概要

主人公・神敬介が変身した姿の通称。ちなみに、『仮面ライダーX』の名は父・啓太郎教授より与えられたものである。

デザインは特定の昆虫をモチーフとしていないが、従来の仮面ライダーの姿を継承しているぱちんこ『仮面ライダーフルスロットル』では他7人のライダー達がモチーフとなった動物や虫をマスコットとしている中、Xは「メカバッタ」がマスコットとなっていた）。

1号 - V3までとは異なり、機械だけで改造されているため、先輩ライダー達より生体部分が少なく、体のほとんどがメカニックボディである。

ちなみに、『HEROSAGA』によれば啓太郎教授は仮面ライダー1号に関係するある人物と秘密裏に連絡を取合っていたために仮面ライダーを研究し熟知していた模様で、Xライダーの構造はダブルライダーと同じらしい。

手持ち武器を正式に装備した初のライダーである。

変身後はライドホイップでX字を描き、「Xライダー!」と名乗るのがお約束。

1号 - V3が「風」をエネルギーにするのに対し、「海」と深い関わりを持つライダーであるが、水をエネルギー源としている訳ではなく、水をエネルギーとするライダーは『仮面ライダーアクア』まで待たねばならない（一応、ベルトの風車で風圧・水圧も吸入しエネルギーに転換する機能は備わっている）

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変身

セタップ

「Set Up!!」と叫ぶことで首から下のライダースーツを召喚し、専用ベルトから「レッドアイザー」「パーフェクター」と呼ばれる部品を取出す。

続いてレッドアイザー（右のイラストに描かれた丸い部品）を右手、パーフェクター（左のイラスト）を左手に持って高々と掲げる。するとレッドアイザーが2つに分かれて仮面となり、敬介の顔を半分ずつ順番に覆って行く（ちなみに、Xマスク内部にはマイクロ人工頭脳があり、この人工頭脳が敬介の脳とジャックで接続されるため、セットアップの瞬間は大きな苦痛を伴うという）。

最後に口部分にパーフェクターを手ではめて無事に変身は完了する。ちなみに、パーフェクターは仮面が取込んだ風力と太陽エネルギーを融合するXライダーのエネルギー源であり、再改造後の寿命が迫った再生アポロガイストが延命のために奪って心臓部に取付けようとした。

しかし、作中で「1秒も掛かる!」といわれている程長ったらしい上に突っ込み所満載のため、後半では別の方法が取られた。

バリエーションとしてジャンプしながら変身を行うものもある。こちらの方はややテンポアップしている。

マーキュリー回路移植後の扱いは本編では不明であるが、漫画『仮面ライダーSPIRITS』では激戦に伴い、マーキュリー回路が機能不全に陥り、大変身が不可能となった際、空中から落下しながらセタップ変身している。

『仮面ライダー大戦』でもこちらが使用され、変身時の背景がリアルタイムで展開される等、CG技術進化で当時とは異なった表現も見られた。

TV本編では1号ライダーの様に右腕を斜め上に突き出し、両腕を交差させて腰のレッドアイザーとパーフェクターを取り外し、顔の前に掲げてセタップしている（話によっては飛び上がってからセタップというバージョンもある）。

5人ライダー対キングダークでの変身ポーズは異なり、まず1号ライダーを思わせるポーズで腕を大きく回し、両腕で交互にX字を描いて変身している。

大変身

マーキュリー回路を取付けられた後にこちらで変身する様になった。セタップをマニュアルとすれば、さしずめ大変身はオートマといった所だろう。

1度腰の位置で構えた両手を突き上げ「大変身!」と叫びながら身体全体で「X」の字（または「大」の字）を描くように両手を開き、ジャンプすることで変身する（『ザ・世界仰天ニュース』で速水亮氏がゲスト出演した時はこちらで変身していた）。

能力

身長	178cm
体重	70kg
キック力	厚さ5cmのステンレススチールを貫通する
ジャンプ力	85m（一跳び）

水中潜行能力

元々カイゾーグと呼ばれる深海改造型サイボーグ（そもそもサイボーグという言葉自体、生身の人間では耐えられない危険な環境で作業するための改造人間という意味で作られた言葉である）なので、人工肺で水中の酸素を取込み無制限に活動することが可能。

銀色に輝くそのボディはアサルトライフルの弾丸も弾き返し、深海1万mの水圧にも耐えられる。

漫画版では怪人を水面に引き摺り上げた際、その怪人が内臓破裂を起こす程急浮上してもX自身は何の影響もなかった。

当然のことながら、この能力のお陰で水落ちは生存フラグというお約束に一種の説得力を持たせている。つまり、Xライダーを水辺に沈めて勝ち誇った時点で怪人に死亡フラグが立つのである。

吸着マグネット

ベルト両サイドに取付けられた巨大磁石。これを足裏に取付けることであの世界一有名な配管工の様に壁を垂直に歩いて登る。

ユリシーズのアジトの落とし穴から舞い戻った。

武器

ライドル

普段は「ライドルホイップ」の状態でベルトのライドルに収納されている。

ライドルグリップのスイッチでセル配列が変わり、「ライドルスティック」「ライドロープ」「ロングポール」にチェンジする。

詳しくは当該項目を参照。

また、グリップを引き抜くことで、ベルトの風車が回転・スーパーチャージが起動し、Xライダーのパワーが倍増する。

必殺技

Xキック

空中のライドルスティックで鉄棒の大車輪の如く回転し、余波を付けて飛び出して空中で全身を使ってX字のポーズを決める時同様X字に光り輝き、体内のエネルギーを蹴り足に集中し放つライダーキック。前期メイン必殺技。使用時は金色のXマークが黒バックでカットインし、キックに合わせてプロペラの様にグルグル回転する。

初期はライドルを用いないシンプルなライダーキックで、第5話からライドルでの鉄棒大車輪を行う演出が追加された。

技前段階であるライドル空中設置は地上から放り投げる他、両手で鉄棒大車輪の握りのままジャンプ、片手で持ったままジャンプし空中で組み直す等、複数パターンがある。

カブト虫ルパンとの戦闘ではライドルを上に放り投げるも、大車輪をせず普通にキックするフェイントで意表を突いている。

スカイライダーでゲスト出演した際はライドルを使わず、赤いX字ポーズを描いてからのキックとなっていた。

Xライダーは一蹴りで厚さ5cmのステンレススチールを貫通する程のキック力を有するため、加速とエネルギーを集中させて威力を高めたXキックであればそれ以上の破壊力であるであろう。

映画『仮面ライダー×仮面ライダーフォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX』では放り投げたライドルから瞬間反発磁場を形成し、短時間空中に浮かばせる、鉄棒運動を行って放ち、コピーウヴァを倒した。

平成作品では合成の都合なのか、Xの字が赤のロゴマークの形となっており（当時の本編は黄色ないし金色でロゴとは異なる文字）脚の先にXの文字のエネルギーを纏わせてスクリューの様に回転させている。

X必殺キック

アポロガイストとの直接対決を迎えた第14話で使用。見た目は通常の大車輪Xキック同様であるが、こちらは通常のXキックの2倍の威力があるとされる。

劇中ではライドルスティックを放り投げた後に特殊空拳による連続攻撃からの繋ぎ技からX必殺キックを繰出し、アポロガイストに致命傷を与えた。

X2段キック

通常の大車輪によるXキックにきりもみ回転を加えた1撃を空中で当て、その勢いで反転。敵の急所に2段目のキックを叩き込む強化必殺技。

Xキックを打ち破ったマッハアキレスを倒すために立花藤兵衛（おやっさん）との特訓で体得。

地上では足のジェットローラーによる超スピードで撹乱しXキックも回避するアキレスに対し勝ち目がなく、空中戦に活路を見出す。マッハアキレスとの熾烈な空中戦を制し、アキレウスの故事に倣ったウィークポイント、即ちアキレス腱にダメージを与えた。

体得のための特訓のパートナーを務めたおやっさんがかなり体を張っていることで有名な技。Xライダーはおやっさんを空中に放り上げ、Xキックを繰出してしまう所まで行った。

直撃に耐えたおやっさんの耐久力を凄いとするか、いわゆる寸止めでキックを当てていないとするかで解釈が割れる（どっちにしろおやっさんは凄い）。

真空地獄車

マーキュリー回路新設後に生み出した終盤の代表的な必殺技。相手に飛び掛かって組付き、大地を車輪の様に高速回転して相手の頭部を地面に何度も叩き付けてから放り投げ、最後にXキックで勝負を決する必殺技である。最後のXキックは「地獄車キック」と呼ばれることもある。無防備な相手の背中にキックが突き刺さる。アリカポネ戦からナレーションによる説明・キック呼称がなくなってしまい、最後のキックがXキックかどうか曖昧となった。発動の際は複眼が赤く発光し、Xライダーの背後で大爆発が起きる。初使用時は地上で相手と転がる様子を長々と映す等、えらくモッサリした様子になってしまったが、以降は組合った状態の静止画イラストを回転させたり、空中で組合う短いカットを素早くり返したり等撮影に工夫が見られ、少しずつ表現技術が向上した。

初代ライダーまで遡るライダーキックを真似した子供の死亡事故に端を発した「真似できるならやってご覧なさい」の極北であり、「真似出来ない」「実際にやったら死にそうな技」として有名であり、ライダーごっこをやる子供達が「真空地獄車」習得後は減ったとの噂もある。

大野剣友会が仮面ライダー以前に殺陣に携わったドラマ『柔道一直線』の地獄車に着想を受けた技と思われる。「真空」はキックの鬼の「真空跳び膝蹴り」辺りにあやかっているのであろう（技の掛け手が地に足を着かず空中に飛び上がっている=真空という解釈）。

以後のTVシリーズではXキックは決め技に戻ったために使用はないが、素材は1級品で後発ゲームや漫画作品では積極的に取入らられ、リメイクが試みられる技でもある。

これは真空地獄車が各怪人ごとに映像シーンを作られなければならないという資金面の事情があり、本編では毎話のシーンを見る限り試行錯誤が見て取れる。

漫画『仮面ライダーSPIRITS』では一転、掴んだ相手もろとも天高く飛び上がり、地面に何度も叩き付けるというド派手な技となっている。

ジンギスカンコンドルを掴んで空中高く跳び上がり、水中から攻撃を仕掛ける4体の怪人の頭頂部を土台に叩き付けまくり、5体纏めて倒すという離れ業を見せ付けた。また、この後水中に逃げ込んだキングダークの指を掴んで真空地獄車を掛け、40mの巨体を洗濯機の中に放り込んだ紙細工の様にバラバラに引き千切るという大活躍を見せた。

カードゲーム『ガンバライド』では地面が削れる程の勢いで相手と高速回転し、回転のまま飛び上がってからブレーメンサンセットの様に頭を地面に叩き付け、止めのXキックは背中からくの字に折れ曲がる程の勢いで叩き込むド派手で痛そうな技となった。

携帯ゲーム『ライダージェネテーション』ではドッド絵のため、回転するエフェクトに変化して体当たりし、相手を上空に打上げてからXキックをする表現がされている。

空中地獄車

「真空地獄車」の派生技。

悪人軍団トカゲバイキングの片腕を戦闘中に切断し、掴み掛かれなくなったためか、真空地獄車の代わりに使用した必殺技。ジャンプから後方宙返りを繰返し、加速を付けてライダーキックを叩き込む。

ライダーハンマーシュート

背負い投げで敵を空中に放り投げ、地面に激突させる。第21話で再生クロノスを投げ飛ばした。

ライドルの陰に隠れて忘れられがちであるが、敬介は柔道の達人である。

必殺キック

何だか凄そうな技に見えるが、屋内で普通にジャンプする軽めの飛び蹴り。

第21話で再生ケルベロスを倒す。

ライダーショック

太陽エネルギーによって、全身を発光させる。

身体の表面には数千ボルトの電流が流れており、纏わりつく敵をショックで跳ね飛ばす。

ヒュドラーの使役する蛇を吹飛ばす。

Xパンチ

戦闘員や怪人を軽々吹き飛ばすパンチ。ライダーチョップに相当する「Xチョップ」もある。

パンチ・チョップ・キックはこの時期の徒手空拳ライダーのお約束として設定されているが、本作ではカタログ設定に留まっており、本編で必殺技として使用されることはない。

仲間と協力する技

ダブルキック（新1号）

第27話総集編の5人ライダー共闘パートで使用。新1号と同時にキック。

ダブルキック（V3）

第27話で日本に帰国したV3と連携。左右からそれぞれ別の怪人にキックを仕掛け、空中で怪人同士を激突させる。

Xライダースーパーファイブキック

劇場版『5人ライダーVSキングダーク』より。5人ライダーが縦1列に陣形を組み、最後尾新1号がXライダーを空中高く放り投げ、2号・ライダーマン・V3の順番でジャンプしたXライダーを次々と投げ加速を付けて行き、5人のパワーで強化された前宙を繰返したXキックをお見舞いする。コウモリフランケンを倒した。後のゴレンジャーっぽいフォーメーションプレイ。

ダブルキック（ライダーマン）

『スカイライダー』第26話でゲスト出演した際に使用。ネオショッカーの大砲を破壊する。『仮面ライダーX』時代には叶わなかったライダーマンとの共闘が実現した。

愛機

「白い弾丸」の異名を持つクルーザーを駆る。Xライダー同様水中潜行も可能であり、空を翔けるコウモリフランケンに追い付く等の跳躍力を持つ。最高時速は700km/h。クルーザー大回転で空を駆け上がって旋回。必殺技は体当たりのクルーザーアタック。

これだけ荒まじい性能ながら、太陽・風・水で動くという超エコ（ロジーとノミーの両方の意味で）設計でもある。

ゲーム作品

『ガンバライド』

002弾にLRで参戦。全体的に後期仕様の台詞・選出であり、必殺技は「真空地獄車」。

シャバドゥビ1弾では新技「ライドル脳天割り」が収録され、SRで登場。同技ではライドルロープから攻撃を始めて途中でスティックに変形・脳天割りで止めという構成であった。

『ガンバライジング』

1弾より参戦していたが、長らく低レア止まりでナイスドライブ5弾でようやくSRカードが収録された。

その後も何度かSRで収録されているが、CPを除くと演出あり必殺技は「ライドル脳天割り」のみで、ガンバライドであった真空地獄車は未だに収録されていない。

9年半の放置後、終了直前に50thレアという限定カードで実装されたXキックは第1話のプリレンダムービーという謎仕様で、ライドルで回転するお馴染みのXキックは終ぞ拝めなかった。番組前半の技しか実装されなかった状態で「見たか! マーキュリーパワー!」や「大変身!」等の後期変身関連台詞を枠を埋めるために何となくいわせていた節があり、しばしばネタとされた。

『ガンバレジェンズ』

第2弾にLRで参戦。事前告知段階でLR参戦・イラストが発表。必殺が「Xキック」であること、ライドルを構え、背後ではキングダークがいつもの頬杖を付いているポーズで立ちはだかるイラストから「悪人軍団編のマーキュリー回路となる前」と予想されていたが、ガンバライジングに引続きこちらでも第1話版を再現したXキックで相変わらずライドル大車輪のXキックは実装されなかった。ムービー技であった『ガンバライジング』と異なり、リアルタイム技となっており、レアリティを問わずに演出を見れるという点では進化している。

スキャン時の変身演出は「セタップ」の方を再現している。顔はアップとならず、レッドアイザーを眼前に翳すアングルのまま装着しているが、独特の背景やパーフェクター装填時の回転するエフェクトも再現されている。

イラストではライドルを装備しているが、ゲーム上ではパンチアイコン（徒手）であること、変身後ジャンプから振り返り構えるのは本編2話Aパート変身シーン再現であることから（ライドルホイップを引き抜く名乗り演出は再現されていない）前述のライドルを使用しないXキック仕様も合わせて2弾ではパンチアイコンにしつつセタップとするため、「本編初期のXライダー」として作られていると思われる。

『ライダージェネレーション』

1作目から参戦。

ライダーアビリティは「ロングポール」。

体力を少し消費し、ライドルロングポールを頭上で回転させ、敵を吹き飛ばす。

カプコン系ベルトスクロールのメガクラッシュの様な効果。

『バトライド・ウォー創生』

プレイアブルキャラとして参戦。ライドルを4形態（ホイップ・スティック・ロープ・ロングポール）に変形させることが出来、通常技・必殺技が変化するのが特徴。Xキックは平成映画仕様の足先で赤いXが回転するバージョンとなっている。

『仮面ライダー大戦』で使用したライドルスティックにより、X字型衝撃波を飛ばす必殺技も再現されている。

超必殺技で「マーキュリー回路」状態となり、必殺技も原作同様ライドルより格闘技を多用するスタイルとなる。

余談であるが、超必殺技は真空地獄車→地獄車キックという物であるが、地獄車の効果範囲が独特で当てにくく、当たらなければキックも発動しないため、作中で最も扱いにくい超必殺技であるといえる。

アニメ

『風都探偵』第4話のミニアニメ『ハードボイルド妄想日記』においてゲスト出演。（アクセルより登場が早かった）

主人公・左翔太郎とフィリップの人格が入替わった状態となっており、その時現れた敵と戦うために変身しようとするが、立ち位置が逆になったために手がぶつかってしまい、「これじゃあ（腕の形が）WじゃなくてXだ」となり、ヤケクソになって「セタップ!」と連呼する翔太郎の横を一瞬見得を切りつつ通り過ぎるオチを披露した。

CV

速水亮
桑原たけし（『仮面ライダーBLACKRX』）
麻生智久（『オール仮面ライダーライダージェネレーション2』等）
清水一希（『スーパーヒーロー大戦』）
千葉一伸（『MOVIE大戦MEGAMAX』）

スーツアクター

中屋敷鉄也（メイン）
岡田勝（代役）
新堀和男（『ストロンガー』でも担当）
佐藤巧（トランポリン）
荻前広信（バイクスタント）
岩泉芳武（『仮面ライダー（新）』）
伊藤慎（『オールライダー対大ショッカー』）
藤井祐伍（『仮面ライダー大戦』）

Xライダーの編集履歴