「いっぱい成長して、大きくなーれー♪」
「さぁ、お前たちの時代の幕開けだ……ハハハハハハ……!」
「世界は我々のものだ……。デザイアグランプリを破壊しておいで!!」
演:春海四方
概要
『仮面ライダーギーツ』第11話「謀略Ⅱ:ジャマトの迷宮」より登場。
デザイアグランプリ運営に所属するジャマト開発担当者で、ジャマーガーデンでジャマトを育成している不気味な老人。
眼鏡と麦わら帽子を付けた、一見すると農家のような装いをした、温厚な一般人の風貌だが、自らの育て上げたジャマトを我が子のように愛おしむなど、外見と不釣り合いな狂気を秘めている。
丹精を込めて育てたジャマトをゲームの駒として使い潰す運営に不満を募らせた末に、デザイアグランプリを破壊し「ジャマト達が幸せになれる世界」を目指す目的に目覚める。ゲームマスターと通信が可能な立場にはあるが、彼等にも人を食ったような態度で接するなど厳格な上下関係はなく(あっても無視している)、スポンサーであるベロバにしか従わない。
運営からはジャマト側と認知されており、ジャマトらは彼に危害を加えることはなく実の親(「ポズポズ=パパ)と認知されている模様。
ジャマトの研究者なだけあって彼らの生態や特性を熟知しており、充分な栄養と学習する時間さえあれば人間と寸分変わらぬ個体を育成することも可能。また、チェス駒を模した植物系とは違う古代生物系のジャマトも発掘・復元するだけの技術がある模様。
なおジャマトグランプリ開催後の慟哭編では、29話まで冒頭での導入ナレーションを務めた。
人物像
育成したジャマトへ愛情を注ぎ、彼らの進化に歓喜する姿から分かる通り、その本質はジャマトを愛でることしか興味のない(ベロバからも「あの人ピュアだから」と半ば呆れられている模様)典型的なマッドサイエンティスト。
ジャマトが起こす惨劇で多くの犠牲者や退場者が出ようと意にも介していないどころか、学習し成長を遂げ続けるジャマトの様子に笑顔を見せるなど、周囲の被害に関心もない。
また、退場した参加者も「貴重な栄養源となる『肥料』」としか認識していないなど、倫理観の欠如が見られる。
ジャマトの育成に陶酔する余り、ゲームマスターからの着信を無視するなど運営とは反りが合わない様子。第13話にてようやく連絡が取れた際には、飄々とした態度で彼の抗議を適当に流しており、「ジャマトが強い方が仮面ライダーも戦い甲斐があるってもんだろう」と宣っていた。
動向
第14話では宝探しゲームで頭領ジャマトの原型になったルークジャマトを再度育成。自身の右腕となるその存在に「ルーク」と名付けた。
デザイアグランプリの全容が明かされた第16話では、偶然手に入った新たな実験サンプルに目を輝かせていた。利用価値がある為、そのサンプルが脱走するまで運営に彼の生存は報告していなかったと思われる。
とはいえDGP運営と完全に敵対しているかというとそうでもなく、第22話では次のゲームマスターから、最終ゲーム用のジャマトを送るよう催促されていた。
第23話では、「今あるジャマーガーデンはもう使い捨て」と判断したベロバが仮面ライダーベロバに変身してジャマーガーデンを破壊しようとするのを見て「おやめくださーい!せっかく育てたのに!」と悲鳴を上げる羽目になった。
その後の慟哭編では、殆ど全滅したジャマトへの哀悼と育て上げた精鋭たちの晴れ舞台に涙を流していた。
後にギーツ攻略を課題としたことで、とある地層で休眠していた秘蔵っ子の古代種ジャマト、ダンクルオステウスジャマトを発掘・復元、ジャマトグランプリの第3回戦「闘牛ゲーム」に投入する。
そのオステウスがナーゴとキューンとの戦いで満身創痍になった際は大慌てで回復を試みたが、その最中に自身の腕を見た彼は、自分の指を切って血液を肥料にすることで、オステウスの傷を回復させる事に成功する。
末路
ジャマトグランプリ最終ゲームが始まる中、ジャマトを使い捨てにするどころか、道長へのあからさまな贔屓を見せるベロバに不満を抱き始めたのか、物陰から訝し気な視線を二人に向けていた。
その後タイクーンとの戦いでルークまでもが倒され、自分が育てた上級ジャマトの全滅が迫ることに嘆くアルキメデルは、最後の希望となった「息子」たるオステウスに更なる栄養を与えるべく、なんと自分自身を捕食させてしまった。
「栄養が欲しいか?うん!?いくらでもくれてやるぞ!」
「そうだ……!ハッハッハッハッハ!う〜んと食べて、大きくな〜れ!」
自分を喰らわせてまでジャマトの幸せを望む開発者の狂気を、文字通り丸ごと喰らい取り込んだオステウスは、その外見と意思を忠実にコピー・再現。アルキメデルを模した人間態を手に入れ行動を開始する。
そして偶然その最期を目の当たりにした五十鈴大智は絶句しながらも、自分が理想として欲しがった「人間の記憶」をジャマトがいとも簡単に取り込める事実を認識、魅入られたかのような笑みを浮かべていた。
以後の行動はダンクルオステウスジャマトを参照。やがてオステウスも敗死したことにより、「アルキメデル」は未来人でありながらデザグラの中で消滅する、という末路に至った。後に彼の研究データはジャマトと共に放置され、ジャマトの可能性を傍で観察し続けていた大智によって独自の発展を遂げることとなった。
ギーツエクストラでは
ニラム着任後間もない「デザイアグランプリ」を描いた「仮面ライダーゲイザー」にて登場。
服装は本編と若干異なり、籠を背負い角笠を被っている。
元々ネメルの命令のもとジャマトの品種改良に勤しんでいたが、そのあまりにも強行的かつ自分以外の全てを軽視するネメルの言動に対して危機感を覚え、「いずれジャマトが手が付けられない存在になる」と忠告したがネメルは聞く耳を持たなかった。
その後、敗走した満身創痍のネメルを「言わんこっちゃない」と呟き一瞥するが、特に助けようとはしなかった。
余談
- キャラクター名の由来は『アルキメデス+メンデル』か。
- 或いは『アルキメデス+愛でる』、もしくは『ある木(の)芽(が)出る』、デザイアグランプリ運営の他のキャラに共通する目に関する言葉の由来から『ある木+目(が飛び)出る』という可能性もある。
- 登場してから31話時点で作中でアルキメデルと呼んでいる人物はおらず、そのまま31話でオステウスに喰われてしまい、生前(?)にアルキメデルと名前を呼ばれる事はなかった。ただし続く32話で道長とベロバにオステウスに喰われた後だが初めて作中で呼ばれた。
- ???の脈拍を測った際に何故か彼の左手を舐めるという奇行を見せたため、視聴者達には一部でネタにされている(pixivでは「農家の爺さんに手を舐められるぞ」という謎タグまでできた)。
- 演者の春海氏は『仮面ライダーOOO』第39・40話以来の仮面ライダーシリーズ出演となる。あちらは「欲望」から生まれる怪人の一種である。
- 最終話で作り替えられた世界で五十鈴大智が願った「人類とジャマトの共生」と言う願いは、アルキメデルが目指していた「ジャマト達が幸せになれる世界」にも通ずるものがある。彼が望んだ人類に復讐してジャマトが幸せになるという形ではないが、願った分だけ、人の幸せは存在する世界だからこそ、復讐ではなく共に幸せになれる道が開かれた...ということがいえるのではないだろうか。
関連タグ
ジャマト栽培おじさん…初見のインパクトと情報量の多さから彼の第一印象としてこう呼ばれた。
ジャマトグランプリ/ジャマ神…「ジャマト達が幸せになれる世界」を実現可能な手段
戦極凌馬/仮面ライダーデューク…こちらも仮面ライダーをサンプルとし、死んでいった者に対しても実験サンプルと称して何も感じないといったマッドサイエンティスト繋がり。
ヒラメキメデス…同じくアルキメデスが名前の由来の戦隊怪人。
アリキメデス…同じくアルキメデスが名前の由来のライダー怪人。
徳川清山…同じく一世風靡セピアのメンバーが演じた平成ライダー番外作品に登場する敵幹部。こちらは組織の首領。