概要
その姿はギリシャ美術では渦潮そのもの、又は海水を飲み込む大口の怪物として描かれている。
英雄オデュッセウスの一行は彼女に襲われれば船ごと飲み込まれ全滅してしまう為、犠牲は出るがあえてスキュラに近いルートを選んでいる。英雄イアソンは神々の加護を受けていた事もあり、中間の位置を航海する事で難を逃れている。
なお、イギリス海軍の軽巡洋艦にカリブディスという名前の艦船が存在する。
伝承
波を日に三度吸い込んで吐き出す(擬アポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシャ神話)』「摘要(エピトメー)」7章21節)、とされる等、海岸地域の地形を怪物として捉えたものと思われる。
オデュッセウスの冒険を描いた『オデュッセイア』12章やその後日談にあたるローマ文学『アエネーイス』3章でも言及されるが、その本文では怪物や難所として以上の記載はない。
『オデュッセイア』のスコリア(古註)や4世紀後半の文法学者マウルス・セルウィウス・ホノラトゥスによる『アエネーイス』注釈において海神ポセイドンと女神ガイアの娘であるという情報が補われ、ニュンペーの一種ナーイアスとされた。
『アエネーイス』注釈によると、とても大食いであり、魔神ゲーリュオーンが神々からの委託されて飼育する牛を盗んで食べてしまった。
それを知ったゼウスは、罰として一日に3回も海水を飲み干し、吐き出す事を繰り返して大渦を作り出す怪物に変えたのである。
その後はスキュラと共に、メッシーナ海峡(シチリア島とイタリア半島の間)を行き来する船を襲う存在として恐れられる様になった。
創作における扱い
神話ではその姿が不明確なので知名度が低く、スキュラと比べると絵の投稿数は少ない。
現代ではスキュラが下半身が蛸の女性として描かれるの事が多いのに対し、巨大な蛸として描かれる事が多い。上記の神話から女妖怪化される場合、巨大娘で大食いとして描かれる事になる。
関連作品
カリュブディス
- ファイナルファンタジーシリーズ
『ファイナルファンタジー3』では大口があるサンゴ礁のような怪物、『ファイナルファンタジー11』ではエイの様なヒレがある大蛸として登場した。
船を飲み込もうとする蛸の怪物。
黄金の河アラクール最終マスのクエストとして、大口の怪魚の姿で登場。
- 乱世のケモノこれくしょん
ステージ3「タルタロス海淵」のボスで巨大チョウチンアンコウ。
多数の触手を持つイカの様なモンスター。
お魚剣の一種として登場。
水で形成された女性の様な姿である。
作中で1978年に「カリュブディス作戦」という作戦がおこなわれたという描写がある。
- ブレイブリーデフォルトフェアリーズエフェクト
海のドラゴン「幻獣カリュブディス」が登場。
「カリュブディスメギド」が登場。
- ゴッドオブウォーシリーズ
『アセンション』にて登場。『ゴッドオブウォー』では、復讐の三女神長女のもう一つの姿となっている。外見はダンクルオステウスに6本の触手を生やした様な姿。
アニメ版では第19話「暴風大妖渦(カリュブディス)」に登場。
正体は肉体を持たない精神体で、魔王カリオンの部下フォビオを憑代にして復活した。
2020年4月30日更新のレジェンドフェスで追加。SSRの星晶獣。
2021年7月21日開催の決戦!星の古戦場ではHELLボスとして登場。
セリフから察するに海中で不動産屋でも経営しているのだろうか?
「カリュブディス(魔物娘図鑑)」が登場。
- スキュラ&カリュブディス-死の口吻-
相沢沙呼作の伝奇ミステリー小説。
- 萌える!モンスター事典 海の巻
カリュブデス
- 神連鎖ジュエルヘヴン
蛸のような魔物として登場。
巨大なウツボとして描かれている。
『RONDE』に水流をまとった男の様な「”邪龍”カリュブデス」として登場。
カリブディス
青いタツノオトシゴのエレメンタル「カリブディス」。
召喚魔法で呼び出される巨大な船の様な「召喚獣カリブディス」が登場。
神姫「悪食海獣カリブディス」として登場。
「ウォーヒュドラ」と頭部以外がコンパチなキットが発売されている。
「カリブディスマイナソー」が登場。
「カリブディス(アズールレーン)」を参照の事。