当記事以外のハミィについてはハミィを参照
解説
『スイートプリキュア』に登場する、通算18番目のプリキュア妖精キャラクター。
また配色とキャラクター的なポジションからキュゥべえとのコラボネタイラストも見受けられる。
特徴
幸せな音楽の国「メイジャーランド」の妖精。
「伝説の楽譜」に書かれた「幸福(しあわせ)のメロディ」を歌う役目を持つ歌姫を任されていたが、メフィストの襲撃に伴いアフロディテが音符を人間界に飛び散らせたため人間界へ向かい音符を集めることになった。
特別な嗅覚を持ち、音符への匂いは特に敏感。本作のプリキュア適合者に宿ると言われる「ハートのト音記号」も見つけることができる。語尾に「~ニャ」を付けて話す。
また、ネガトーンとの戦いにおいてはプリキュアがネガトーンを倒した後音符を浄化する役割を担当する。
性格
極めて楽天的で能天気。天然すぎて周囲からは心配されているようだが、同時に大切に思われているようだ。
重度の不注意でもあり、音符をケアレスミスで全紛失したこともしばしば。 予告で「音符が消えちゃったニャー!」と言われても視聴者に『どーせてめぇが居眠りしてたせいだろうがァ!』と思われてしまうほど。
ふたご版では天然ボケな描写はそこまで見られず、アニメよりややしっかり者な印象を受ける。
ハミィとセイレーン
ハミィを語るについて避けて通れないのは、敵側の幹部である悪の猫妖精セイレーンとの関係性である。
ハミィはセイレーンと昔はとても仲が良かったといつも言うのだが、当のセイレーンはハミィのことをとても嫌っておりハミィに対してかなり酷い仕打ちをしてくる。
しかし、当のハミィはそれでショックを受けることは全くない。自分がセイレーンに嫌われていることをちゃんと理解しつつも「今は何か誤解しているだけで、いつかちゃんとまた友達に戻れる」と信じきっている。そのため、セイレーンにどんなひどいことをされても笑顔でそれを受け入れる。
そんなわけでハミィはセイレーンと仲直りしたいといつも考えていて、セイレーンに対してとてつもなく甘い。敵としてみることができないだけでなく、セイレーンがちょっと甘言を弄するだけですぐに騙されプリキュアたちに危機を幾度ももたらす事となった。
ハミィのセイレーンに対する絶対的信頼はサイコ気味と言えるレベルのもので、セイレーン当人さえも困惑し畏れの表情を見せることがしばしばある。ぶっちゃけ、ハミィが天然ボケの天真爛漫な性格でなければヤンデレキャラと化していた可能性さえある。
ハミィは正直なところ、世界は自分とセイレーンの二人だけで回っていると考えているような面も存在しており、実際ハミィはプリキュアの響と奏よりも現在は敵方であるかつての親友・セイレーンの方に心を寄せている描写が時として見られる。
しかし、「天然ボケ」と周囲からみなされてるおかげでこのあたりの不道徳さがあまり目立たないよう工夫されていた。一見脳天気なハミィだが、実はとても演出がデリケートにされたキャラだったのだ。
ただ、やはり一部の大きいお友達の間では「セイレーンのことばかり気にしてるせいで自分がサポートすべきプリキュアたちのことはおざなり」だと批判されることもあり、賛否両論があるキャラクターであったことは否めない(第36話で大事なことを響達に言わなかったことを「ごめんニャ」の一言で済ませていたことも一部の視聴者の反感を買っている)。
これは玩具販促を主体とする変身ヒロインアニメのマスコットキャラとしてはかなり珍しいタイプである。
(もっともハミィが響や奏のことを全く考えていないのかと思えばそうではなく、第5話で二人にピアノの連弾を勧めたり第16話で再び仲違いした二人に交換ステイを提案してひびかないわく「結構あくどい」方法で了承させるなど、物語前半で頻繁に衝突していた二人の関係を良くしようという動きは見られている。)
だが、善悪の彼岸を超えてただセイレーンを信じるということを貫き続けたハミィのあり方は当のセイレーン、その他のキャラに変化を少しずつ与えていき、物語を動かしていった。実際のところハミィは賑やかしのマスコットキャラではなく作品のテーマ性を主導する役割となっており、 プリキュアに変身しなかった妖精キャラでそういう扱いがされているのはプリキュアシリーズ全体から見ても極めて稀である。
第21話はハミィのセイレーンへの思いの集大成であり、セイレーンがプリキュアになるきっかけとなっている(後述項目の各話ネタも参照)。
各話ネタ
■第1話
■第4話
- セイレーンに「メイジャーランドへ帰れ」といわれるも「セイレーンも一緒に帰るニャ」とボケで返す。
■第5話
■第8話
- 響が助っ人で参加していた柔道の試合にフェアリートーンとともに正座で観戦。北条サクラが彼女を見つけその名前を口走ったことから響にサクラの正体がセイレーンと気付かせた。
- 事件解決後、響と奏の友情が高まったと響の椅子の下で安心していたが、奏の「私の友達はスイーツです」の一言に二人が言い合いになってしまい思わず頭を抱えてしまう。
■第12話
- ドドリーがいたことに気が付かなかったことで他のフェアリートーンから責められることに。
■第16話
- 仲良くなりかけた響と奏が仲違いしてしまい、フェアリートーンとともに交換ステイを勧める。渋る2人に響にはケーキ食べ放題を、奏には自分の肉球を餌に了承させる。
■第20話
- セイレーンが改心したふりをしてハミィに近づき、自然な流れでフェアリートーンを渡してもらおうとする。
- フェアリートーンたちはあからさまに怪しがっていて嫌がっていたが、ついにセイレーンと復縁できたとハイテンションなハミィはフェアリートーンたちと音符すべてをホイホイ渡してしまい……
■第21話
- 前回の痛恨のミス……というよりほとんど裏切りに近い行為に、さすがのアフロディテ様も怒りを通り越して落胆。しかしハミィはそれでも「セイレーンを信じている」といつもの無邪気な笑顔を崩さない。そのあまりにも無垢な姿にアフロディテ様も文句を言えなくなってしまった。
- ハミィは責任をとる形で、音符とフェアリートーンを返してもらうようにセイレーンを説得すべく、ただ一人で敵地に赴く。
- しかしあっけなく捕まってしまう。メフィストはハミィを「プリキュアたちが邪魔しないようにするための人質」として貼り付けにした挙句、もしもセイレーンが不幸のメロディを歌うのに失敗した場合にハミィを代役にしたてあげるため、ハミィに洗脳装置をとりつけていた。
- セイレーンはもはやハミィは助からないとして、もう自分を説得しようとしたって無駄だと煽るが、それでもハミィはセイレーンを信じているから大丈夫と何の迷いもなく言い切る。
「もしも世界が悲しみのズンドコにつきおとされても大丈夫ニャ。だってそうなったら、きっとセイレーンはハミィと一緒に泣いてくれるニャ。なにがあってもハミィとセイレーンは友達ニャ、ずっとずっと友達ニャ!」
- だから、セイレーンのやることを邪魔しないといい、セイレーンが不幸のメロディを歌おうとするのをそのまま優しく見守り、あろうことか希望のメロディでそれを祝福するハミィ。ハミィのいつも言う「セイレーンを信じてる」とは、セイレーンが本当は良い子だから悪いことはしないとかそういう甘い期待ではなかった。ハミィはセイレーンが本当は良い子だから悪いことをしてしまえば自分の罪に気づいて苦しんでしまうという悲劇を確信していたのである。そして世界が滅んだ悲しみと苦しみをセイレーンとともに共有できるなら、何よりの至福であるとハミィは心の底から表明しているのだ。これでようやく二人の心は一つになれるのだから。
- こんなことは世界を守るプリキュアの妖精としては到底許されないこと。「ただセイレーンと仲良くしたいだけ」というハミィの思いは善意や倫理観から来た思いではなく単なるエゴイズムだったのである。それはセイレーンが持っていたハミィへの憎悪よりも大きな悪徳かも知れない。しかし単なるエゴイズムだからこそ、セイレーンがいかに悪に堕ちようが彼女への好意は揺るぐことがなかったのだ。
- ハミィのことを「世間を知らないお人好し」のように思っていたセイレーンはそれが間違いだったことに気づき大きなショックを受ける。そしてハミィが「セイレーンは世界を滅ぼした罪悪感に耐えることができず苦しみ続ける」と予言したことをセイレーン自身も本心では否定することができず、不幸のメロディを歌おうにも声が出なくなってしまった。
- メフィストはセイレーンはもう使い物にならないとみなし、ハミィを洗脳して新たな歌姫に仕立て上げようとする。あのハミィが自分のような立場になることに対してセイレーンの心はざわめき、これ以上ハミィを悲しませたくないと心から願ったとき、セイレーンにこの現状を打破する奇跡が降臨する!
■第22話
- 第21話でセイレーンがプリキュアになったことを誰よりも一番喜ぶが、不審に思う響と奏に「自分がセイレーンを呼んでくるニャ!」と息巻く。
■第23話
■第25話
- エレン(セイレーン)がお化け嫌いなことを響と奏にばらす。自分はお化けなんか怖くないとうそぶいていたが、トリオが扮したお化けの登場に明らかにビビっていた。
■第28話
- 冒頭でカブトムシを捕まえた響に「探しているのは音符ニャ!」と怒りカブトムシを逃がす。
- エレンの自己紹介の練習に乱入してハチャメチャな紹介の仕方をしてしまう(その結果、エレンは翌日の自己紹介はめちゃくちゃなものになってしまった)。
■第36話
- マイナーランドの君主として君臨していたメフィストの正体を知っていながら言い忘れていたことが発覚。これに関してはメイジャーランド側も特段隠す気もなかったようで、エレンから響達に伝えていなかったのかと尋ねられると「ごめんニャ」の一言で済ませた。伝えた相手が響達だったからよかったものの、これが2代後だったらそこの青キュア辺りから「ごめんで済んだらプリキュアはいらないわ!」と怒られていたかもしれない。そう考えるとハミィも命拾いしたものである。
■第46話
■第47話
- 響達とノイズの会話を聞いていた彼女がノイズの内部に飛び込んで歌を歌うことによって音楽のすばらしさを教えた。このことがノイズの生い立ちを聞いてショックを受けていた響たちに戦う気力を取り戻すきっかけになった。
■第48話(最終回)
- 浄化されたノイズとともに行方不明になっていたが、実は伝説の楽譜に守られており、残された力で幸福のメロディを完成させた。
- その後眠りにつくが響達の歌声で目を覚まし、幸福のメロディを歌い上げた。
- エピローグでは、加音町に戻った後は音楽活動を行うエレンのそばにいる様子が描かれている。故郷であるメイジャーランドに帰還することはなく、妖精の姿を失い人間の世界で生きることを余儀なくされたエレンを支えることを選んだのである。
中の人について
演者である三石琴乃女史はこのハミィ役でプリキュアシリーズ初参加となる。
三石氏はプリキュアシリーズの先輩格とも言える『美少女戦士セーラームーン』シリーズにおいて、主人公・月野うさぎ/セーラームーン役で有名な声優であり、pixivでもコラボイラストが散見される。 スイートプリキュア第1話で主人公の2人がこのキャラに向かって「猫がしゃべったー!?」と驚くシーンがあるため、セーラームーンのオマージュ性があるといえる(三石氏にとっては立場が逆転したわけだが)。
ちなみに前作では水星の戦士の中の人がプリキュア役で出演しており、2作連続でセーラー戦士の声優がプリキュアにレギュラー出演を果たした事になった。
それから数年後、17年ぶりの新作で三石は再びセーラームーンを演じ、響役の小清水亜美女史も木星の戦士となったのだが、三石女史のファンであったという小清水女史は三石女史の演技を見て「私のハミィが…!セーラームーンに…!」と感嘆していたそうである。
余談だが、プリキュアシリーズのサブタイトルは基本主人公プリキュアが読み上げるが、本作のサブタイトルはどれも文体がハミィの口調になっているため、三石女史は歴代のプリキュア作品で唯一となる、全話を通して(主役キュア以外で)サブタイトルコールを担当した人物でもある。
また、2011年に公開された『プリキュアオールスターズDX3Dシアター』でも作品の性質上プリキュア達に台詞がない中で案内役として唯一出演している。
関連イラスト
関連タグ
スイートプリキュア メイジャーランド セイレーン(スイートプリキュア)
カップリング
コラボ
プリキュアシリーズ内
ダビィ・ニャトラン:猫型妖精の後輩。後者は語尾も同じだが、語尾をつける頻度が少ない。
他作品
ハミィ(キュウレンジャー):別世界のハミィ。ちなみに彼女は新年早々セーラームーンの真似(?)をした。