概要
和名 | ヒラズゲンセイ |
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別名 | トサヒラズゲンセイ、ササキトビイロゲンセイ |
学名 | Synhoria maxillosa |
分類 | 鞘翅目 多食亜目 ゴミムシダマシ上科 ツチハンミョウ科 ゲンセイ亜科 ヒラズゲンセイ属 |
体長 | 1.8~3.1cm |
分布域 | 日本(近畿・東海・北陸地方以南)、東南アジア一帯 |
赤い体に黒い脚、クワガタムシのような顎が特徴的な甲虫の一種。
クワガタムシと同じく大きな顎を有するのはオスのみであり、メスは頭部や大顎が小さい。
大きな大顎はオス同士の闘争に使われる。
見た目は似ているが特にクワガタムシと近縁な訳ではなく、実際はカブトムシの親戚にあたるツチハンミョウの仲間。
※ツチハンミョウもハンミョウとは別のグループで、ゴミムシダマシに近く、そのゴミムシダマシもゴミムシとは近縁ではない。ハンミョウはゴミムシに近縁とすごくややこしい。
体液には毒成分のカンタリジンが含まれ、危険を感じると体や脚の関節から分泌する。
安易に触れると炎症を起こし、水ぶくれができるなどの健康被害が発生する為、見つけても触らずに優しく見守ろう。カンタリジンはツチハンミョウ科の虫が持つ毒であり、かつては媚薬などにも使われた。
東南アジアに広く分布する南方系の昆虫で、日本では元々高知県のみに分布する希少種だったが、近年急速に分布を広げ、現在は四国の全域と九州(鹿児島県、長崎県、熊本県)、南西諸島、本州(福井県、滋賀県、京都府、兵庫県、大阪府、奈良県、和歌山県、三重県、愛知県、岡山県、広島県、鳥取県、島根県、山口県)でも見られる。
幼虫はキムネクマバチ、オキナワクマバチ、アカアシセジロクマバチなどのクマバチの仲間に寄生し、巣内でクマバチが自らの幼虫の為に用意した花粉団子や蜜、クマバチの幼虫を食べて成長する。
孵化した幼虫の一部はクマバチの体表にしがみついて一旦巣の外に出て行き、クマバチが花に降りた際に花に移って他の巣のクマバチを待ち、その体表に移って他の巣に分散する。
外来種のタイワンタケクマバチに寄生するのかは不明
成虫は5~8月に出現し、立ち枯れた木や木造建築などのクマバチが巣を作る場所の周辺で見られる。
クマバチの巣の入口付近でオスが匂いを出してメスを呼び、やってきたメスはオスと交尾して産卵する。
別のオスがやってきた場合は大顎を使って激しく争い、勝ったオスがメスと結ばれる。
関連タグ
クワガタムシ:他人の空似。
クマバチ:獲物。
類似キャラクター
何れも赤いクワガタそのものだが、こちらはキチンと“クワガタ”なので誤解無きよう。