概要
2018年1月16日に突如として製作が発表された、ルパン三世のTVアニメ第5シリーズ。
1月19日に金曜ロードSHOW!内で放送されたカリオストロの城で本編映像が初披露された。
監督は矢野雄一郎、音楽は大野雄二、シリーズ構成は大河内一楼、キャラクターデザインは横堀久雄が担当。前作に続いてトムス・エンタテインメントとテレコム・アニメーションフィルムによる共同製作だが、テレビシリーズ初の製作委員会方式を採用(トムスは「制作」名義で委員会の幹事を担当)。
2018年4月から日テレプラスおよび日本テレビ系列のごく一部にて順次放送開始(日本テレビでは2018年4月3日深夜)。
ルパンのジャケットの色は前作同様の青基調ではあるが、やや明るい色合いに変更となり、ネクタイの色は濃いめのピンクになった。この他、次元大介のネクタイの色が白から黒に、石川五ェ門は着物の色がピンクから黄色に、そして銭形警部のネクタイの色も濃い緑から青に変更されている。
本作では、SNSやインターネットなどの最新機器を駆使する「現代のルパン」が描かれているのが特徴。劇中でも初代たる祖父を彷彿とさせるモノクル(型のデバイス)を着ける事があり、今作のルパンのイメージとして挙げられている。また、その設定故にスマートフォンもしばしば登場する。
ルパンの祖国であるフランスが主な舞台となっているが、(小話を除いても)これまでのシリーズ同様、世界全土を飛び回る事も多い。
シリーズ構成の大河内一楼と副監督の酒向大輔をはじめ、雑破業、野島一成、大倉崇裕、綾奈ゆにこ、時雨沢恵一、西田シャトナーの合計8名が脚本を担当している。
一本のメインテーマを幾つかに分断し、その間に一話完結の小話を挟むスタイルを取っているが、今作では「EPISODE~」とより明確な章仕立てとなっているのが特徴。
小話の方も、箸休めとして本編とは作風や時系列が全く異なる話になる(第19話はほぼ例外)事があり、ギャグテイスト満載でジャケットの色もピンクとなった「昭和のルパン」や、女にだらしなくジャケットの色も赤である「平成前半のルパン」などが描かれている。そしてそのほとんどは、それぞれの脚本担当者が理想とするルパン像によるものである。
放送終了から半年後の2019年4月11日に原作者のモンキー・パンチは死去し、同年5月1日には元号が令和に改元。そのため、作者存命中かつ平成に放送された最後のテレビシリーズになった。
登場キャラクター
レギュラーキャラクター
CV:栗田貫一
アルセーヌ・ルパンの家系に生を受け、世界中をまたにかける大怪盗。どんなターゲットも奇想天外なアイデアと大胆不敵なテクニックで手に入れる。
今作ではエピソード2以降、アルベールからすり替えた筈の拳銃で腹部を撃たれる(第8話)、背後から放たれた弓矢が腹部を貫通する(第14話)、エンゾの戦略によって五ェ門に斬られる(第22話)のが理由で、3度も生死の危機に直面している。
CV:小林清志
早撃ち0.3秒の天才ガンマン。その卓越した銃さばきはルパンも一目置く。窮地に陥っても常に冷静に状況を把握して、難局を打破する男。酒と煙草をこよなく愛するロマンチスト。
CV:浪川大輔
約400年前に大怪盗を輩出した石川家の末裔。斬鉄剣を自在に操る居合の達人であり、剣の道を極めるためにひたすら修行の道を歩む誇り高き剣豪。今作では自らを棚に上げて、ガソリン車を愛用するルパンを「時代遅れ」と言い切っている。
CV:沢城みゆき
様々な顔を持つ謎の美女。類まれなる美貌と抜群のプロポーションを持ちながら、ルパンさえも手玉にとる天才的頭脳をあわせ持つ。行動原理は単純で、己の欲望に従っているだけ。
今作では金次第で一味に協力はするものの、ルパンとは「終わった相手」「昔の男」と距離をおいている。
CV:山寺宏一
ICPO(インターポール)のルパン三世専属捜査官であり、江戸時代の有名な岡っ引きの子孫。ルパン逮捕に執念を燃やし、ルパンの事なら誰よりも熟知している。
今作では今まで以上に切れ者である面が強調されており、後輩の八咫烏を部下として従えている。
新規登場キャラクター
CV:水瀬いのり
エピソード1から登場。
天才的なプログラミングとハッキングの技術を持つ少女(いわゆる「ハッカー」である)。ある気まぐれからルパンと行動を共にする。理屈家で人付き合いが苦手。
CV:島﨑信長
エピソード1から登場。
ICPOに所属する刑事であり銭形の部下。通称やた。正義に燃える若き熱血漢で、先輩である銭形を心から尊敬している。
CV:津田健次郎
エピソード2から登場(第1話の終盤にも少しだけ登場している)。
ルパンの過去を知る謎の男にして、世界的な犯罪対策を担うフランスの司法警察中央局局長。冷静で合理的な性格の持ち主。
CV:上川隆也
エピソード3から本格的に登場。
とあるIT企業の創立者。パダール王国内の動乱では国王側である「改革派」につき、暗躍する。
第1話の冒頭にも登場しているが、この時点では顔が明かされていないために「謎の男」という扱いであり、その回のEDではノンクレジットだった。
CV:谷昌樹
エンゾと同様第1話の冒頭に登場し、エピソード3から本格的に登場。
とあるIT企業の共同経営者で、エンゾのビジネスパートナー。
その他の新規登場キャラクター
CV:行成とあ
エピソード1からの登場。名前は不明。
とあるアパートで営業しているカフェの経営者で、ルパン達はその4階をアジトとして借りている(ただし、顔を合わせる際ルパン達は常に老人に変装しているため、彼女はエピソード4までその事実を知らなかった)。
本編では「未亡人」ではあるが、前日談に当たる第18話の時点で夫は存命中だった。
- リュカ
CV:山本善寿
エピソード2から登場。
アルベールの部下でフランス司法警察中央局の捜査官。
各話リスト
()内に示すのは、ルパンのジャケットを基準としたストーリーの設定と脚本担当者(中編では各エピソードごとに1名のみなので、開始回以外はほぼ省略する)。
余談のある回は※で示す。
- 『地下塔(ツインタワー)の少女』(『EPISODE I』開始)(脚本:大河内一楼)
- 『ルパン・ゲーム』
- 『殺し屋は荒野に集う』
- 『銭形の誇りと砂漠の埃』
- 『悪党の覚悟』(『EPISODE I』終了)
- 『ルパン対天才金庫』(小話)(PART3)(脚本:酒向大輔)
- 『その名はアルベール』(『EPISODE II』開始)(脚本:雑破業)
- 『黒い手帳は誰の手に』
- 『”ルパン”を棄てた男』
- 『泥棒と泥棒』(『EPISODE II』終了)
- 『パブロ・コレクションを走れ』(小話)(2nd)(脚本:大河内一楼)※1
- 『十三代目石川五ェ門散財ス』(小話)(2nd)(脚本:野島一成)※2
- 『弓と王女とテロリスト』(『EPISODE III』開始)(脚本:大河内一楼)
- 『王国の盗み方』
- 『ルパンと彼女の関係』
- 『初恋の話をしよう』(『EPISODE III』終了)
- 『探偵ジム・バーネット三世の挨拶』(小話)(1st)(脚本:大倉崇裕)※3
- 『不二子の置きみやげ』(小話)(脚本:綾奈ゆにこ)※4
- 『7.62mmのミラージュ』(小話)(脚本:時雨沢恵一)※5
- 『怪盗銭形』(小話)(2nd)(脚本:西田シャトナー)
- 『時代遅れの大泥棒』(『EPISODE IV』開始)(脚本:大河内一楼)※6
- 『答えよ斬鉄剣』
- 『その時、古くからの相棒が言った』
- 『ルパン三世は永遠に』(最終回)
番外『ルパンは今も燃えているか?』
※1 物語のほとんどが回想談であり、冒頭と終盤での時系列は本編の設定となっている。
※2 第2シリーズが基準でありながら、現在では恒例のコスプレ大会(主にアニメ関係)が行われていたり、スマートフォンが登場したりしている。
※3 ミステリー物語であり、ルパン以外のレギュラーキャラが一切登場しないという、ルパンシリーズとしては珍しい回となっている。
※4 イタリア版の後日談にして、今作の前日談という物語。またこの回は、レギュラー以外のキャラには、一切台詞がない。
※5 時系列は今作の小話としては、唯一本編と同じ設定。
※6 『EPISODE IV』は、フィアット500(今作では第1話で離脱)と並ぶルパンの愛車の代表格であるベンツSSK(第23話)や、前作のヒロインであるレベッカ・ロッセリーニ(最終回)が登場するなど、往年のファンでさえ予想だにしなかった展開となっている。
関連動画
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