精神(せいしん)とは―
- 個に備え持つ知的な働き。意識、気構えとも。
- 人間を含む生命一般に在る活動根源の一つ。心、霊魂とも。
- 物事を成し遂げようとする内面の働き。意志、気力とも。
- 物事の基本的な意義・理念を表す単語。
- 歴史的過程や共同体などを特徴づける意思の形態。
概要
ジョジョの奇妙な冒険_第6部「ストーンオーシャン」に登場するリキエルが、彼の実体験から得た悟り。
理屈や技術はあっても、此れの使用者に精神的成長や高い精神力がなければ、満足に世界へ立ち向かえないと明言(名言)する。
才能
後に最高潮な成長を遂げる青年・リキエルは、それまで自己の障害により貧民時代みたいな荒んだ年月を過ごしていた。彼は知らずのうちに超能力者であったのだが、これの制御不足もあってか精神障害を患っていた。
初めて発症したのは16歳の学年末試験。ストレスが重なると瞼が急に閉じる・汗が止まらない・息が苦しくなるなどのパニック障害。診断では肉体のどこにも異常はなく、障害が発症している時に周囲の人間から「カワイソー」とか「知らんぷりしとこ」って冷ややかな態度がますます症状を悪化させた。満足に車の運転さえもできないといった生活に支障をきたす障がい者の生活。なお、後述する戦闘場面で克服したような自信を持っても、予想外な状況でパニック障害が再発している様子から、既に自己の能力は関係なく精神の深くに生理現象として刷り込められてるほど重症であると窺える。
物語の主要人物たちと出会うまでは、若年期の今でも続くパニック障害などの弊害ある生活から、生きる希望を見いだせず精神的に衰弱していく人生だった。遂には自暴自棄となって高速道路を逆走して-前述したようにまともな運転はできない精神状態から、相当な危険運転であったと予想されるから-事故を起こし、オーランド州立病院へ搬送される。
「 自分たちの「血統」の事を考えろ! 」
まるで引力で吸い寄せられたかのように集った面々。その中心人物、エンリコ・プッチという黒い神父からリキエルと他の2人が腹違いの兄弟、自分たちはDIOという高位置にいた実父の息子たち、知らなかった血統(ルーツ)を教えられる。この出会いは運命であり、プッチ神父を「天国の時」へ押し上げる存在価値があるとも告げられる。
「 その前にオレの目を開けてください神父様 」
黒い神父の説得力を感じる話中でも発症してしまったパニック障害。いつもこうだと、次第に自己否定感へ陥るリキエル。こんな舌をハアハア突き出した負け犬も同然な自分は何も出来ない、能力なんてないッ!
苦難に苛まれる男の傍らには、哀れな子羊を見放さない信徒のように寄り添い、親しみある聡明な親友みたいに助言を贈るエンリコ・プッチ。おまえには「能力」があると、自己の能力で覗き見た才能(能力)について話する。
そして信じられない事が起きる。
プッチ神父の助言を機会にリキエルは自己の才能(能力)を自覚し始め、グングンと立ち直っていく。徐々に制御できていく「能力」へ比例して、さっきまで跪くほどに悪化していたパニック障害は鎮静化して絶好調の様相となる。
これほどの成長ができたのはプッチ神父のおかげ。道を照らしてくれた者のためには命をかけれる情熱を胸に、神父の言う「天国の時」へ向かう障害の排除へ進むリキエル。
理解
神父が「天国の時」へ向かう障害たち。女2人と子ども1人の相手(スタンド使い)に始め優勢な戦闘が出来たリキエル。
制御できる自己の能力「スカイ・ハイ」は、未確認生物「ロッズ(別名・スカイフィッシュ)」を操る才能。戦闘前に-一般人とかを実験台にしてか-調べた(本作独自の)生態「生物の体温を奪って活動」によって、生物の特定部位に在る体温を奪い様々な身体障害を発生させる攻撃技へ昇華させていた。
だが焦る。
能力を制御できて経験値が浅い事、まだ予想外の事態に遭うとパニック障害で息苦しさなどを発症してしまう状態から、一時的に能力制御が不調となって窮地に陥るリキエル。しかし、すぐさま落ち着きを取り戻し再び能力制御も安定する。
そして二度とパニックにはならないと自己を鼓舞するように、彼の「思い出」へ取っ掛かりがあったのか、自己の能力が「空(スカイ)」へ関する連想事からか、ある有名な有人ロケットの話をアツく語りだす。
1969年7月 アポロ11号のアームストロングが人類初めて月面に立った歴史的事件…
オレは今までそれのどこが偉いのかさっぱりわからなかった
なぜならロケットってのは 科学者とか技術者が飛ばすものだろう?
サルだって行けるわけだからな
だが オレはあそこにいる「ロッズ」たちを初めて見れたとき……
その意味がわかったんだ……
月面に立ったのは人間の「精神」なんだってなッ!
人間は あの時地球を越えて成長したんだッ!
価値のあるものは「精神の成長」なんだッ!
これら「確かなもの」がそろっていても、この使い手や操縦者の「精神」が未熟者では何も出来ない。満足に動かすどころの話ではないッ…。
だが「精神の成長」を果たした超越者が扱えば高い地点まで到達できるッ!
リキエルは自身の実体験「もともと備わっていた能力(才能)の制御」から「精神的成長の重要性」を言葉でなく心で理解する。
価値のある「精神の成長」を証明するかのように、当初は最弱者で頼りなさげな男は、まるで10年も修羅場を潜り抜けてきたような凄みを感じる漢へ、短い間に急激な成長を遂げているリキエル。
実力も伴っている能力(才能)へ絶対の自信と誇りを制し、再び眼前の憎き相手へ立ち向かうが……。
関連項目
宿敵・空条徐倫と壮絶で、熱した鉄よりも加熱な死闘をするまで成長したリキエル。
そんなリキエルは、死闘の末負けてしまった。
だがそれは、今までの自分では到達できなかった成長、その機会を与えてくれたプッチ神父へ貢献できた満足のある敗北。そしてリキエルは戦いの結果から、世界を越えるには「精神とは別次元の高価値」も必須であると最期に悟る。