概要
「謙虚、堅実をモットーに生きております!」の劇中作「君は僕のdolce」の登場人物の一人。
鏑木や麗華と同じく大金持ちの子息であり、吉祥院麗華の同級生でピヴォワーヌメンバー。現会長の父とその妻である母、十つ離れた体の弱い弟・円城雪野の四人家族。
作中の主な舞台である瑞鸞学院のアイドル兼最高権力者・「ピヴォワーヌの三強」の一人。名実共に瑞鸞に君臨する「皇帝」鏑木雅哉のフォローをこなし、幼稚園から同じの幼馴染で親友である。
クールな鏑木とは対照的に、穏やかな笑顔が特徴的なキャラクター。人当たりが良く、選民思想もない。親友・鏑木が起こす種々のトラブルの後始末に奔走する、実質的なベビーシッター。実際、円城の行動は個人的理由よりも鏑木を中心に置くものが多い。
「君は僕のdolce」でも鏑木の絶対的な仲間として登場。高道若葉とすれ違う鏑木を諌めたり、若葉を攻撃する吉祥院麗華に釘を刺していたりした。
本編では麗華との間に敵対関係はなく、むしろ能力的にも人柄的にも麗華を信頼している。ただし、鏑木に関する問題解決に半強制的に麗華を巻き込むこともある。
円城本人の謎の言動の数々、何やら不穏な円城家、不気味な雰囲気を漂わせる婚約者候補・瓜生唯衣子、ことあるごとに麗華に「円城さんに近づくな」と噛み付く唯衣子の取り巻き・桂木春希の存在など、本作に横たわる大きな謎の中心人物である。
人物
「君は僕のdolce」でも現実でも基本的には鏑木のアンチテーゼに近い。資産家の息子であり、イケメンという設定をベースに、基本的に冷たく無表情という鏑木とは正反対に、蜂蜜色の髪で近づきやすく人当たりが良いという設定になっている。大抵はライバルキャラがヒーローと逆の属性を持つものだが、ライバルキャラ・水崎有馬ではなく円城にこの属性が割り当てられたのは、「ほぼ確実に作者の好みが強引系」が理由と思われる。
原作では笑顔で主人公カップルを応援する癒し系のフォロー役で髪も蜂蜜色だったが、本編では黒髪に変わり、腹黒的な言動が目立つ。「腹黒キャラ」がそうであるように、常時笑顔に偽装したポーカーフェイスを浮かべ、本心は悟らせない。
ただ、友人思い・弟思いであることは確か。日頃から鏑木のフォローに奔走していることに加え、鏑木が涼野優理絵に失恋して旅に出た時は電話で説得したり、場所がわかれば迎えに行ったり、失恋旅行で行ったスポットに遠足で再訪した時に傷が開いて滝壺を凝視した鏑木の腕を掴み、最後は引きずるようにその場を去るなど、かなりの友人思い。また、体が弱い弟に対して騒ぎ立てる同級生に対し、いつになく厳しい態度で抗議したり、ピヴォワーヌ会長も味方につけて弟の安全を確保したりもしている。
麗華に対しても、ダイエットを馬鹿にする舞浜恵麻にカウンター攻撃を仕掛けたり、「俺はシェフが腕によりをかけて作った料理を、ダイエットをしているからと平気で残したり、一口も食べない人間は嫌いだ」との鏑木の言葉に「吉祥院さんはそんな子じゃないでしょう。いつもランチをしっかり完食しているし、ピヴォワーヌでもよくお菓子を食べているんだから」と擁護したり、麗華を攻撃する蔓花真希達に対し、「これ以上吉祥院さんへの誹謗中傷を続けるなら、僕が吉祥院さんに付くけど、どうする?」と警告するなど、かなりフォローしている。
また修学旅行のお土産選びでは、兄・吉祥院貴輝からは「消え物一択」だったとの麗華の発言に対し、「さすが」と答えたり、貴輝のことを「貴輝さん」と呼ぶなど、彼との繋がりが示唆されている。
経歴
初等科
初等科では鏑木同様、登場頻度が少ない。会話があるシーンは二回のみ。一度目は鏑木ストーカー事件、二度目は運動会の実行委員の時である。
鏑木ストーカー事件
涼野優理絵が他校の男子に告白されたことにより、鏑木がすっかり優理絵のストーカーとなり、遂に優理絵に怒られ、接触禁止令まで出されてしまった事件。
これにより鏑木は大いに落ち込むが、麗華が優理絵の親友・水無月愛羅と親しいことを知り、どうしたら優理絵が許してくれるか愛羅にスパイしてくることを命じる。
円城はこの時、麗華に「成功したら憧れの雅哉に感謝されるよ」と発言するが、「別に憧れてない」と否定される。
運動会での実行委員
この時、女子達により大奥状態となるが、「あー、あれね。僕も困ってるんだけど」と言っており、喜んではいない様子。
麗華の指示に従わない下級生・桂木に対し、「桂木、あまり吉祥院さんを困らせないでくれるかな。いいからさっさと重複競技を訂正しろ」と注意。
中等科編
中等科での絡みも多いわけでなく、細かい会話を除けば「璃々奈つきまとい事件」「蔓花、春の乱(中等科編)」の二回のみ。また、中二の時は同じクラスになっている。また、麗華が中三の時に一緒にクラス委員を務めた坊田視点では「吉祥院さんは楽しい人だ」と言っていたことが判明。
璃々奈つきまとい事件
中等科に進学して来た従妹の古東璃々奈が鏑木につきまとい、多くの上級生女子を敵に回し、優理絵といる時にまでつきまとってついには鏑木を怒らせた事件。
この件で麗華はすぐに鏑木に謝罪し事なきを得たが、その後璃々奈がピヴォワーヌのサロンの前までやって来る。早く去れと言ってもグズグズ言って聞きやしない璃々奈に、円城は冷たく忠告した。
麗華いわく「普段優しい顔の人が静かに怒ると、本当に怖い」。璃々奈は顔を真っ赤にすると逃げるように走っていった(後にこれが貸しになるわけだが)。
蔓花、春の乱(中等科編)
璃々奈の件の貸しを盾に、麗華にクラス委員をやらせた。このことで麗華は蔓花一派との対立に頭を悩ませ、白髪ができる事態にまでなる。最終的に麗華はピヴォワーヌと吉祥院家の名前を出して蔓花を黙らせるが、事態の元凶である鏑木に軽蔑したような目で見られたことで怒りが頂点に達し文句を言う。睨み合う鏑木と麗華を止めるため口を挟むが睨みつけられ、怒りをぶつけられる。その後二人でこのことを話し合い反省したらしく、翌日麗華のもとに謝罪に来る。この時、「胃への負担と白髪の代償」として腹パンをお見舞いされる。
高一編
鏑木家お茶会
鏑木により麗華が断食したことが判明。「へえ、吉祥院さん断食したんだ…」と笑いを堪える。断食体験について開き直ってしっかり答え、座禅にも行ったことがあると話す麗華に、背中を向け声に出さずに大笑い。麗華からは「その背中に警策するぞ」と思われている。
サマーパーティー
麗華のもとに来て断食の話題を出す。麗華が小一のサマーパーティーで兄・貴輝と鐘を鳴らしたことを知っていたことが判明。鏑木母が麗華を晩餐会に招待したがっていることを教え、「嬉しくないんだ」と麗華の真意を見抜く。
体育祭後
ねずみの仮装をした麗華を「間抜けネズミ」と評した鏑木を窘める。
学園祭
麗華のクラスのカフェ「カフェ・羊のドーリー」に来店。麗華をライバル視し、断食をバカにした舞浜恵麻に対し「それって企画した雅哉のお母さんへの批判かなー。僕からおば様に伝えておこうか?」とカウンター攻撃。
鏑木失恋事件
鏑木が旅に出たことを麗華に伝え、「これ秘密ね。誰かにしゃべったらあとが怖いよ」と口止め。
実は優理絵に失恋した故の傷心旅行であり、風邪を引いて旅が続けられずに戻ってきた鏑木は、満身創痍状態であった。
麗華に「東尋坊クッキー」、「華厳の滝サブレ」、「樹海まんじゅう」を口止め料として贈る。
愛羅に鏑木を慰めるよう頼まれ、出家を勧めた麗華を「吉祥院さん、もういいです」と止める。
高二編
雪野君初登場
弟・雪野が初等科に入学し、プティに仲のいい早蕨麻央がいる麗華と親しくなり、円城と麗華の仲も少しづつ深まる。麗華は円城の兄属性(麗華は歳上好き)を知り、円城は麗華の子供への優しさを知っていく。
教室まで一緒に歩く
「吉祥院さんは歳上の男の人が好きなのかな?」と探りを入れる。円城は麗華の好みについて聞いた唯一の人物。また、この時に麗華を「ブラコン」だと発言。
鏑木ピアノ
麗華が雪野にニードルフェルトを教えたお礼に、鏑木に麗華のリクエスト曲を弾かせる。
蛍狩り
後日、麗華に蛍をプレゼントする。蛍は古今集の和歌「明けたてば蝉のをりはへ鳴きくらし夜は蛍の燃えこそわたれ」のように、恋に身を焦がすという意味で詠まれることが多い。
雪野倒れる
タオルお揃い事件
雪野が麗華に贈ったタオルが円城とお揃いのものだった。後日、他者視点より円城が「これは僕のお気に入りだから」と言っていたことが判明。
学園祭
麗華にうさぎのラテアート。また、婚約者候補・瓜生唯衣子が初登場。
年明け
雪野の誕生会
雪野の誕生会。麗華に初めて「うさぎさんみたい」と言う。
バレンタイン
麗華に雪野へのバレンタインチョコをお願いする。
「絶対にもらえるはずって期待して待ってて、結局もらえないでバレンタインデーが終わるのって、期待値が大きかったぶん、ショックも大きいからね。男側のダメージは相当なものだよ」との言葉に「いつもたくさんのチョコをもらっている円城様達は、そんな目に合ったことはないのでしょうね?」と返した麗華に、「さぁ、どうかな?」と返事。これはどういう意味なのか……?
ロッカー事件
蔓花、冬の乱(高等科編)
麗華とバトル後の蔓花達に「普段は女子の諍いに口をはさむ気はないんだけど、今回は少しやりすぎだね。これ以上吉祥院さんへの誹謗中傷を続けるなら、僕が吉祥院さんに付くけど、どうする?」と警告。
鏑木家観桜会
VS唯衣子。男の取り巻き達の中に唯衣子を置いてくる。唯衣子の言うように「やきもち」なのか、それとも唯衣子が嫌だったのか? 麗華が二人のもとを去る時、円城は眉を顰めた。麗華は二人のもとを去った後、「人をお邪魔虫みたいに」と怒っているが、別にお邪魔虫扱いはしていない。無意識下の嫉妬?
高三編
カフェ
早蕨麻央の誕生会の後、雪野と麗華と三人でカフェ。三人で楽しく話すが、電話がかかってきた途端笑顔が消える。唯衣子関連の電話……?
修学旅行
女子グループに入ってきて麗華のお土産選びに付き合う(この間二人きり)。
「僕は生まれてこのかた、振られたことがないんだ」
上記の発言でも有名な回だが、円城の好きな映画が発覚した回でもある。
・カリガリ博士(1920年)
・ブリキの太鼓(1979年)
・コックと泥棒、その妻と愛人(1989年)
いずれも古い映画だが、「時代遅れの顔」の麗華は円城の好みの顔なのか……?
水族館
鏑木、麗華、雪野、麻央、悠理の五人と水族館に行く。「首が鶴のようにすらりと長い」「女性で首が長いのは美人の条件」と発言。
スパイ疑惑
麗華にスパイ疑惑をかける。これはピヴォワーヌメンバーなのに生徒会長と親しくしていることが気に食わないのか、それとも麗華が水崎有馬という「男」と親しくなったのに嫉妬しているのか?
雪野、吉祥院家訪問
弟を吉祥院家まで迎えに来る。唯衣子との食事から抜けてきたのか……?
お好み焼き
麗華がどちらにするか悩んでいると、円城が片方を頼むことを提案。
麗華高二時、麻央達と食事に行った時、悠理が麻央に対して同じことをしていた。これは悠理と麻央(彼氏彼女)の関係が円城と麗華の関係になるということか?
麗華に勉強を教える
鏑木からのプリントに四苦八苦する麗華に勉強を教える。麗華いわく「お兄様並に上手い」。
七夕の会
VS唯衣子。表情の読めない笑みを浮かべる。
サロンで2人きり
鏑木に関する苦労話で盛り上がる。
カフェ
偶然会う。麗華に対し「運命かな」「あ、僕が食べさせてあげようか? はい、吉祥院さん、あ〜ん」「僕達は幼馴染じゃないか」「一蓮托生」と言う。鏑木の「豚足」発言にショックを受ける麗華に「充分痩せているよ」とフォロー。
鏑木式ブートキャンプ
「吉祥院さんはうさぎさんみたいに白くて可愛いから」と言う。トレーニングにフラフラする麗華を支えて更衣室まで送る。
花火大会のお誘い
麗華を花火大会に誘う(雪野の希望)。次回が更新されないため、二人の関係も停止中である……。
人間関係
吉祥院麗華 同級生。思わせぶりな行動を繰り返し、後述の通り円城は麗華のヒーロー最有力候補である。
鏑木雅哉 親友。フォローに回ることが多く、普段は辛口だが「雅哉だけは僕を裏切らない」と絶対の信頼を寄せる。麗華には時々(ネタとして)ホモ扱いされている。
円城雪野 弟。歳が離れていることもあり、かなり可愛がっている。
高道若葉 鏑木関連で敵を増やした若葉をさりげなくフォロー。
桂木春希 旧知の人物。鏑木や麗華と遊びに行くのを度々邪魔されている。
古東璃々奈 鏑木に付きまとった時に冷たく忠告。それ以来苦手に思われている。
舞浜恵麻 良く思ってはいない様子。舞浜が麗華を断食のネタでバカにした時にカウンター攻撃を仕掛けた。鏑木失恋後、舞浜がまだ気力がない鏑木を車に乗せて行った後、車を怖い顔で見送っていた。
沖島瑤子 元ピヴォワーヌ会長。円城は瑤子を味方につけて雪野の安全を確保した。鏑木と瑤子が対立しかけた時は円城が割って入り、事なきを得た。
瓜生唯衣子 親戚かつ婚約者候補。
涼野優理絵、水無月愛羅 幼馴染。
吉祥院貴輝 何らかの繋がりがあることが示唆されている。
メインヒーロー?
上記のように、麗華に対し思わせぶりな行動を繰り返す唯一の人物であるため、今のところ麗華のヒーロー最有力候補である。
呼称
関連人物への呼称
関連人物 | 呼称 |
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吉祥院麗華 | 吉祥院さん |
鏑木雅哉 | 雅哉 |
高道若葉 | 高道さん |
水崎有馬 | 水崎 |
円城雪野 | 雪野 |
桂木春希 | 桂木、春希 |
大宮あやめ | 大宮さん |
委員長 | 円城君 |
佐富行成 | 円城君 |
瓜生唯衣子 | 唯衣子 |
沖島瑤子 | 沖島先輩 |
涼野優理絵 | 優理絵 |
水無月愛羅 | 愛羅 |
吉祥院貴輝 | 貴輝さん |
桃園伊万里 | 伊万里さん |
鏑木の母 | 雅哉のお母さん、おばさま |
円城の母 | 母 |
関連人物からの呼称
関連人物 | 呼称 |
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吉祥院麗華 | 円城様 |
鏑木雅哉 | 秀介 |
高道若葉 | 円城君 |
円城雪野 | 兄様 |
早蕨麻央 | 雪野君のお兄様 |
桂木春希 | 円城さん |
同級生女子生徒 | 円城様 |
舞浜恵麻 | 円城家の秀介様 |
瓜生唯衣子 | シュウ |
沖島瑤子 | 円城様 |
涼野優理絵 | 秀介 |
吉祥院貴輝 | 秀介君 |
桃園伊万里 | 秀介君 |
鏑木の母 | 秀介君 |
円城の母 | 秀介さん |