「謀ったなメーミィ!こんな物の身体に宿るぐらいなら、死んだ方がマシじゃ~っ!!」(Stage.31)
データ
身長:187cm(巨大化時:42.2m)
体重:71㎏(巨大化時:16.1t)
得意能力:哀れな無念を集める泡、シャボンバー、シャボン岩(がん)、忘れるためのしおり(芳香がかけられた記憶の巻き戻しとリセットの呪い)、引き際の潔さ
概要
とても器用で悪さが好きな小鬼の種族たるコボルトの1人であり、四底王のリーダー格の冥獣人。
外見はローブに身を包む老いたブルドッグの獣人で、右手にはトゲのあるブルドッグの首輪を思わせるリングの付いた杖を持つ。この杖はダイヤモンドの100倍の硬さを持つ彼の専用武器『ブルステッキ』である。
とても器用で武器や道具の扱いに長け、姿を見せずに暗躍する事を得意としている。
コボルトの中でも特殊な存在であるらしく、上記の「ブルステッキ」の力で本来のコボルトが持ち得ない不思議な技を使う事が可能。恐らくこれがブルラテスを冥獣人四底王たらしめる所以だと思われる。その能力は全てシャボン玉の様に見えるが、実はそれぞれが恐ろしい効力を秘めている。
活躍
Stage.29「くり返す「あれ?」~ジー・マジ・マジーロ~」
「娘が知っては困ることを知ったのでな、一つ二つ細工をさせてもらった」
他の四底王の残骸をシャボン玉で集めた後、冥獣人イエティのズィーと共に悪魔の氷山「イーブルアイス」による地上界の氷漬けを画策。
ズィーと共にイーブルアイスを育てている現場を芳香に目撃されたため、それを忘れさせるべく彼女の記憶をシャボン玉で記憶を1年前に巻き戻す(ちなみに記憶を失った芳香からは「犬マン」と呼ばれていた)。更にシャボン玉をもう1つとばしたところにマジシャインが駆け付けるが、2発目のシャボン玉で芳香に「忘れるためのしおり」という、1時間ごとに改めて記憶がリセットされる呪いを掛けて撤退。
再び地上界に出現した際には、某所の港で人間の生気をシャボン玉で奪い取っていくが、そこへピンク以外のマジレンジャーが駆け付け交戦。
ブルステッキからのシャボン玉爆弾「シャボンバー」を無数に飛ばして応戦するブルラテスに対し、芳香の記憶を取り戻すべくマジシャインはマジランプバスターの射撃でブルステッキを破壊しようとするも、そこへズィーが駆け付けて妨害。この状況を受けてブルラテスはズィーを5人と戦わせると同時に、彼にマジシャインとの交戦中にシチジューローとネリエスの力を授けた。
その後、妖幻密使バンキュリアのウーザフォンによって巨大化。
巨大戦ではダイヤモンドの10倍の硬さを持つシャボン岩を無数に飛ばしてマジキングを苦戦させるも、ピンクの勇気に応えた新魔法によって切れ味を増したキングカリバーにシャボン岩を切り裂かれ、キングカリバー魔法希望斬りでブルステッキを切られたため、等身大に戻って一時撤退し、それと同時に芳香の記憶も戻るのだった。
Stage.30「伝説の力~マージ・マジ・マジ・マジーロ~」
「コイツが成体に育つまであと半日か……そうすれば、地上は全て凍りつく!」
地上に出現したイーブルアイスが生体に育つのをズィーと共に見守るが、重傷を負いながらも駆け付けたマジシャインに成長を阻止される。
変身を解除されたヒカルはズィーに止めを刺されそうになるが、そこへ天空聖者スノウジェルの力によって原始魔法を開放した他の5人が駆け付け、超魔法変身したレジェンドマジレンジャーをズィーと共に迎え撃つが、マジボルトにズィーと共に怯んだために自身だけ勝手に撤退してしまう。
Stage.31「凄まじき魔神~マージ・ジルマ・ゴル・ジンガジン~」
謁見の間に帰還後、魔導神官メーミィに肉体強化の呪文を掛けられた事でパワーアップし、切られたブルステッキも修復されて、「おお〜若さじゃ〜!ワシの青春ココに蘇れり〜!!」と歓喜する(よく見ると目が白くなっている)。
だがブルラテスは知らなかった。メーミィがかけた魔法にはある呪いも込められていた事に……。
その後、地上界に現れて破壊の限りを尽くすが、そこへマジレンジャーが駆けつけ交戦。レジェンドマジレンジャーに圧倒され、最期はレジェンドフィニッシュを受けあっさりと爆散した。
この後の状況を思えば、これで果てていた方がブルラテスとしても幸せだったであろう。
メーミィが肉体強化の呪文をかけたのは事実だが、これと同時に破滅の魔法も掛けられていた。それは「自身の肉体が滅ぶと同時に冥機ゴーレムに宿らされる魔法」だったのだ。
その呪力に従い、残った魂は赤い空の不気味なマルデヨーナ世界にたどり着く。
「どこじゃここは?ワシは…」
「やっぱりダメ子ちゃんだったわねぇ、ブルラテス……。ここは、我が創り出したマルデヨーナ世界よ。アンタがやられた時のための、ね…」
「何じゃと!?」
「そもそもアンタを戦わせたのは、この"冥機ゴーレム"ちゃんに300年以上生きた魂が必要だったからよ」
「とっととこの子に宿りなさいっ!!」
冥獣四底王の筆頭に待っていたのは、マルデヨーナ世界にメーミィによってゴーレムに宿らされるという、何とも哀れな末路であった。全てが分かった時には何もかもが手遅れ。
ブルラテスの魂は上記の悲鳴を挙げつつ、ゴーレムに取り込まれてしまった。
そんなブルラテスに対してメーミィは、「馬鹿ね…アンタはもう死んでるんだってば!」と酷薄に返すのであった…。
しかし、そんなメーミィ自身も後の作品で同じく命を操る力を持つ者によって、逆に自分の命を利用された挙句、ブルラテスと同じような悲惨な末路をたどっている。まさに因果応報である。
余談
モチーフはコボルト以外にもブルドッグやセントバーナードが含まれている。名前の由来もブルドッグ+ソクラテス。
犬のような外見になっているのは現代のRPGの影響だと思われる。
なお、上記の冥機ゴーレムを起動させるには300年以上生きた冥獣人の魂が必要とされるため、彼は少なくとも齢300歳を超える長い時を生きていたのは確かである。また声を演じたのが青野武氏であることやその口調から年老いた印象を感じさせるが、もっとも300歳(ないしその前後)と言うのが額面通りだとするなら彼より年上の存在が劇中ちらほら見られるわけだが…。
冥獣四底王のリーダー格ではあるものの、劇中では残りのメンバーが倒されて自分1人が残された時に意気消沈する場面を見せていた。
声を演じた青野氏は特撮界隈ではウルトラシリーズのザラブ星人で有名だが、スーパー戦隊シリーズでの出演は今作が初。しかしその後の縁はないまま2012年4月に亡くなったため、シチジューロー役だった中村秀利氏共々これが最初で最後の出演となってしまった。
Stage.29ではStage.15で登場した芳香の元カレであるテツヤ(演:五十嵐元)が再登場している。
Stage.29の出来事は2005年9月18日(放送日と同じ)に起こったとされる(彼女の記憶が巻き戻された時間軸は2004年9月18日となっており、この1日後にプコス星人ジャッキルの事件が起こっている)。
パワーレンジャー・ミスティックフォースでは、関西弁になっている。
関連タグ
ブクラテス:『星獣戦隊ギンガマン』に登場するソクラテス繋がりの先輩。
オラディン:『魔進戦隊キラメイジャー』に登場する死後、巨大戦力化した存在。ただしブルラテスは動力源・生贄というゾンビに近い扱いだったが、こちらは戦隊側の人物かつ転生したという扱いで一応復活したことになる。
シーザー・A・ツェペリ:同じくシャボン玉を武器に戦う波紋戦士。