「くっ、生意気な奴め!この場であの世へ送ってやる!」
CV:頭師孝雄
登場話数: 第35話「新奥義クモの舞」
概要
その名の通り頭頂部から上へと伸びる長大な砲身と、軍人風の出で立ちが特徴。砲塔は頭部のみならず両肩、それに腹部にも複数備わっており、見た目だけで言えば要塞の如き威容を誇る。
その両肩や腹部の砲塔から放つ光線を武器とする他、頭部には「大筒雷撃拳」と呼ばれる黄色い拳型の砲弾が装填されており、必殺級の威力を発揮する。一方でこの大筒雷撃拳には、一発だけしか発射できないという致命的なデメリットもあり、使いどころが極めて限られるのが難点でもある。
物語の展開上、その人となりについての描写は極めて限定的であるが、魔拳士ジンから共闘を拒まれた際に憤って背後から攻撃を加えようとしたり、そのジンから雑魚呼ばわりされたことに逆上して巨大化に及等、言葉の端々からは感情的にして怒りの沸点が低いところが窺える。
作中での動向
新たな奥義・「魔道妖拳蜘蛛の舞」を会得したジンと、これを喰らって戦闘不能に陥った亮を元に戻そうとする4人のダイレンジャーが戦闘に及ぶ中、ザイドスと共に加勢に入ったのが初出である。
が、当のジンからは誰の助けも借りんと共闘を拒まれたのみならず、「貴様は腐った臭いがする」とザイドスを侮辱されたことに憤り、その場を去ろうとするジンを冒頭の台詞を言いながら大筒雷撃拳で背後から仕留めようとするが、ザイドスに「今はその時ではない」と制止され、その場は一旦矛を収めている。
その後、「蜘蛛の舞」による恐怖心に打ち勝って再起した亮(リュウレンジャー)と、ジンとの間で一騎打ちが繰り広げられる中、その様子を窺っていた大筒軍曹は、ザイドスからどちらか生き残った方を大筒雷撃拳で仕留めるよう命じられる。果たして、勝負はリュウレンジャーに軍配が上がり、これを見計らって大筒軍曹もリュウレンジャーを狙って大筒雷撃拳を繰り出す。
・・・のだが、ここでジンが自ら盾となって大筒雷撃拳を喰らうという予想外の事態が発生。そしてその際にジンがリュウレンジャーに対して発した「貴様はあんな雑魚にやられてはならん」という言葉に逆上した大筒軍曹は、
「ダイレンジャー!俺が雑魚かどうかたっぷりと教えてやる!」
と啖呵を切って巨大化し、対するダイレンジャーも龍星王とウォンタイガーの連携攻撃や、ダイムゲンのムゲン砲で応戦。さらに合体した牙大王に対して放った自慢の砲撃もまるで通用せず、飛翔剣・木端微塵の前に呆気なく散った。
こうして見た目の割に特にいいところもなく、ジンの言葉通り雑魚同然な扱いに終わった大筒軍曹だが、一方で彼がジンを昏倒に追い込んだことにより、当初の目論見通り彼の身柄はザイドスの手中に収まることとなるのである・・・
備考
デザインはマイケル原腸が担当。彼自身もお気に入りの一体であるようで、手元にあった昔の戦艦の図鑑を参考にしつつ、楽しんでデザイン作業に当たったことを後に述懐している。一方でデザイン画稿でも強調されていた、太腿の太さが再現されていなかったことについては心残りであるとも語っている。その太腿周り、それに上半身はデザイン画稿では緑系でまとめられているが、実際のスーツでは黒系に変更され、より落ち着いた色味にアレンジされている。
人間態を演じる俳優が、(本職の声優でなくとも)そのまま怪人態のCVも兼ねる事が多い『ダイレンジャー』において、大筒軍曹を演じた頭師孝雄も基本的には顔出しでの出演を主としている俳優であるが、物語の展開上人間態としての出番はなく、あくまで怪人態のCVのみを担当するという、本作としては珍しい形での起用(同様のケースとしては吉田淳がCVのみを担当したサクラ子爵が挙げられる)となっている。
スーツは後に『超力戦隊オーレンジャー』において、ドローラ星の精鋭マシン獣軍団のうちの一体として、シルエットのみという形で再利用されている。
関連タグ
熊沢博士:演者が共通する、『電撃戦隊チェンジマン』の登場人物の一人
ギョライピラニア:『鳥人戦隊ジェットマン』に登場する敵怪人の一体。大筒軍曹と同様に砲撃を得意とし、また戦隊メンバーと敵幹部の一騎打ちに介入して漁夫の利を狙う役回りを演じた、といった共通項を有する