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猫の王

ねこのおう

此処では、1.伝承・怪異における猫の高位存在、2.猫の類で王様へ関する事を解説する。なおサムネは2.の関連画。
目次 [非表示]

箇条書き解説

  1. 伝承怪異で登場するの高位存在。
  2. の類で王様に関する事柄、またネコ科動物王様風に描いた作品。
    1. もしかして、ジブリ映画猫の恩返し」に登場する「猫の国」を統治する者→猫王
    2. もしかして、小野敏洋の漫画作品→ネコの王

本稿では順に解説していく。


伝承・怪異「猫の王」編集

と暮らしていると―


  • 猫が集会している光景
  • ある日突然、家から姿を消したと思ったら帰ってくる
  • だけど、そのまま帰ってこない場合もある…。

など、なんとも気ままで可愛らしさもある生態を目の当たりにする事がある。古来より人社会へ溶け込んできた猫は、身近な動物として愛玩の動物(ペット)として知られる存在。それで不思議な生き方をする小動物とも解釈してか、古くから魔物精霊妖怪といった異存在の類に受け取られる文化もある。

家猫ペット性と人々の想念による観点で生まれた怪異性が混ざり、多彩な伝承怪異も世界各地で誕生してきた。


猫の王猫王

本稿で解説する「猫の王(King of Cats)」も、これら言い伝えの一端である。


日本の言い伝え編集

日本各地にある猫の伝承・怪談、ここで挙げる「猫の王」は幾つかの類型がある。

例として―

  • 熊本県阿蘇地方に位置する火山阿蘇山(あそさん)」での伝承。この山岳地帯にある【根子岳(ねこだけ)】は、同音異字で【猫岳】とも称され、この地に「猫の王」が住んでいるという伝説。これは突然に家から居なくなった猫が、修行のため猫岳へ登り、才覚ある猫は次代「猫の王」になって君臨しているのだという。そして、他の怪異猫・妖怪猫を従える程の影響力があるのだとか。
  • 上記の続き的な話。家に帰ってこない猫は猫屋敷猫の家、猫の王様屋敷、猫又屋敷とも-」へ働いている怪談。この御殿(ごてん)へ収集された猫は、お館様である「猫の王」に仕え、働らきながら修業をして立派な物の怪になるという。
    • また、この猫屋敷が出てくる話は細かな差異あって、迷い込んだ人間が禍福に遭うのもお決まり。

祟られ猫屋敷

総じて、いわゆる「化け猫」の類における親玉的な高位存在といえるだろう。


西洋の言い伝え編集

ユーラシア大陸ヨーロッパで、猫社会に因んだ伝承が語り継がれており、上記で触れた「猫の家」話型に属する話の他、独自の民話も存在する。

例として―


王の肖像画

  • アイルランドの伝承・その1。特別な特徴もない、どこにでもいそうな飼い猫が、実は「猫の王」である話。ごく普通の顔つきだから一見では分からず、その猫が高貴な地位を冠しているか識別するため、僅かにを切り落として無礼者ッ!」と宣言するか否かで判断する伝え話(※絶対に真似してはいけません)。なお、この識別法には続きがあり、実行した人間の家主-猫の王様であった家猫の飼い主-にとって幾つかの不愉快な真実を告げるという。

猫の王

  • アイルランドの伝承・その2。ある真夜中、行商人が偶々に猫が集会している場面と遭遇する。彼は気づかれぬよう息を潜めていると、なんと猫の言葉が分かり、猫の王が「なにか変わった情報を持って来た猫はいるか?」と集った猫たちに尋ねていた。それで次々と実しやかな有益話が報告され、最後には「どれも人間は知らないwww」と笑い合って、今宵の猫の集会 / 会議はお開きとなった。そして唯一、猫たちの話を盗み聞きした行商人の男は、試しに便利話の事を実践すると富を得た物語(※ここでの記述は、御話を編集・要約したあらすじである事に留意)

【童話】猫の王

  • アイルランドの伝承・その3。人語を話す猫に呼び止められ「○○が死んだ、●●へ伝えてくれ」と言われた怪奇を家で話すと、家猫が飛び起きて人語で罵倒を飼い主の人間へ浴びせ家を飛び出し、それっきり、その飼い猫は姿を見せなかった。これは暗意で「○○」は先代、その後継に「●●」が猫の王であったという寸話
    • この「○○が死んだ、●●へ伝えてくれ」の型式は、様々に類似した物語がある。

これらは生態「寄り合いをしている」「突然に家から居なくなる」といった、日本でも馴染みある生活模様から連想された奇譚と推測される。


猫の王様を描く編集

【PDH】私は猫の王【ドラゴンハート】猫王

上記で述べた伝承怪異へ因んだり、題材で動物擬人化した空想猫(キャラクター)を描く際に王様の肩書きで登場させる制作物・創作物と巡り会った方は少なからずおられるだろう。

以下に、実例を羅列していく。この他にもご存知な「猫の王」がいたら加筆募集中にゃ。


関連猫物編集


古今東西妖精魔術が登場する作品群。登場妖精の中には、初代猫の王・ティム(CV.三瓶雄樹)や当代猫の王・モリィ(CV.佐久間レイ)が描かれる。

その妖精猫像から、アイルランドの伝承「飼い猫が実は猫の王」へ因んだ猫たちと思われる。



スタジオジブリの作品。本稿の冒頭で触れたように、異界にある「猫の国」を治める猫王(CV.丹波哲郎)が登場する。薄紫体毛オッドアイという見た目で、我儘だがコミカルな一面もある敵役。



海洋冒険ロマンを描く少年漫画。多彩な国々・住民も自由に描写される本作にて、ミンク族(獣人)の国家「モコモ公国」が登場する。この地では2人の王が国を治め、その片割れに〝夜の王〟〝くじらの森の守護神〟とも称されるネコマムシ(CV.池田勝)が登場する。異名〝ネコマムシの旦那〟が冠されるように、見た目は強大な化け猫で少し怖いが面倒見は良く心身ともに器量ある

また物語の途中、もう一人の王・イヌアラシと共に新時代を担う若者へ王位を継承させ、次の世を託している。



情報社会現代の日本で遭遇する怪異を描く漫画。数々の真な怪奇が登場し、白い化猫娘の姿をした「猫の王(CV.斎藤千和)」も顕現する。

彼女の怪異像は、上記で記述した伝承・怪異を複合的に伴った存在(だいたい日本>西洋な感じ)。多数の猫たちを引き連れ、猫の王にとって縄張りを荒らす主人公達の前へ出現する。


関連タグ編集

/ ボス猫  / 王様 / 大王


伝承 伝説 民話 怪異 妖怪

化け猫 妖精 妖精一覧



ケット・シー

ケット・シー:アイルランド民話に伝わる猫の妖精。二本足で人間のように動き、言語と魔法を操る種族とされ、様々に派生した妖精像が生まれている。中には「猫の貴族」とも、そして「猫の王」とも称した伝承がある。


書物含む参考外部リンク編集

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