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贅沢三昧したいのです!

ぜいたくざんまいしたいのです

みわかずによる小説作品。「小説家になろう」連載、第一回アース・スターノベル大賞佳作受賞作。
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小説家になろうに連載された、みわかずによる長編小説作品。


概要編集

いわゆる「悪役令嬢もの」作品のひとつであり、同時に「チート(無双)もの」(魔法魔力チート・現代知識系内政チート)としても分類される作品。


友人から世間話で聞かされたゲームの悪役令嬢であるサレスティア・ドロードラング男爵令嬢に転生してしまった前世ド貧乏少女による、崖っぷち領地回復奮闘記。なお、そのために悪役令嬢ものとしては物語初期早々より(物語構造的には)破綻している。

2016年2月25日より連載開始、2018年9月18日本編完結


第一回アース・スターノベル大賞において佳作受賞。2020年4月よりアース・スターノベルより書籍化し、以降続刊。2021年12月に最終巻である5巻が発刊され書籍版完結(全5巻)。挿絵イラスト(キャラクターデザイン原案)は沖史慈宴が担当。

なお書籍版ではサブタイトルが設定されており、フルタイトルとしては『贅沢三昧したいのです! 転生したのに貧乏なんて許せないので、魔法で領地改革』となっている。


2022年2月よりアーススター社のウェブコミックサイト「コミックアース・スター」にて漫画版が連載開始。作画は木虎こんが担当している。漫画版のタイトルは『贅沢三昧したいのです! ~貧乏領地の魔法改革 悪役令嬢なんてなりません!~』となっておりサブタイトルが少し変化している。


あらすじ編集

魔法世界にあるアーライル国のドロードラング男爵家の令嬢であるサレスティア。王都の屋敷でワガママ放題、使用人は奴隷同然にこき使う。そんな彼女は、ある日、転んで頭をぶつけた挙句前世の記憶を覚醒させてしまい、自らが乙女ゲーム「魔法学園アーライル」の内在魔力だけはチートな、ザコ悪役令嬢である事に気付いてしまう。

しかしサレスティアはゲームの存在と自らが悪役令嬢である事には気づいても、前世の実家の極貧によってゲームなどはやったこともなく、全ては友人からのふわっとした又聞きのみ。ゲーム知識による破滅回避など望むべくも無かった。

その現実に愕然としたサレスティアは三日三晩うなされたあげく(自らの知識と現実をすり合わせるための確認作業という)奇行を繰り返し、ついにその行動を疎んじた両親から領地(ド辺境)へと送られてしまう。


前世はド貧乏だったけど、今世では曲がりなりにも貴族の娘。こうなれば前世で出来なかった贅沢三昧をして、乙女ゲームの本筋にも全力で背を向けて破滅回避して、人生を謳歌してやる―――


そう堅く誓って領地へと舞い戻ったサレスティアの目前に広がっていたのは、痩せた農地、崩壊した産業、疲弊した領民たち、廃墟寸前の各村と街地と領主屋敷、空っぽ同然の食糧庫と金庫という凄絶な光景であった。


ドロードラング男爵領はサレスティアの両親による現実を見ない贅沢三昧の浪費によって存亡の危機を迎えていたのである。さらに恐ろしい事にはサレスティアの両親は領民の頭数を補填するために国では禁じられているはずの奴隷貿易にまで手を出していた。男爵領の残った領民、王都屋敷の使用人、そのほとんどが奴隷あるいはスラム出身の行き場のない貧民たち。サレスティアがいた王都の屋敷の使用人たちも実はガチの奴隷だった。わずかに残っている奴隷ではない正規の領民たちも、ほとんどが疲弊して気力を失っていた。


この現実にサレスティアの「どーゆーことじゃこりゃあ!」の叫びが領地に木霊した……が、幸いなことに、その精神的ショックによってサレスティアの魔力チートがゲーム本編よりも早くに覚醒する。


破滅回避なんてやってるどころじゃねぇ! 領地を立て直さないと即詰む! 領地を立て直し、ここで苦しんでる皆と一緒に贅沢三昧してやるんだ!


サレスティアは覚醒した魔力と、ド貧乏少女だった前世で培った生活の知恵を武器にして、領地の復興に挑むのであった。


登場人物編集

  • サレスティア・ドロードラング
    • 本作主人公。アーライル国の貴族、ドロードラング男爵家の令嬢。莫大な魔力持ち。
    • もとはゲーム「魔法学園アーライル」の悪役令嬢。ゲーム内では同ゲームにおける攻略対象のただのファン(婚約者とか親戚や幼馴染とか、そんな関係性は無く本当にただのファン)で、産まれ持った莫大な魔力を用いてヒロイン(プレイヤーキャラクター)に、しょぼい嫌がらせをするザコ・オブ・ザ・ザコ。のちに実家のドロードラング家が不正を働き不祥事を起こしていた事をヒロインと攻略対象に暴かれ、彼らの前から姿を消す(おそらくは一族郎党連座死罪処刑コース)。
    • 本作では前世覚醒と魔力覚醒を起こし、領地の現実を知った事で、領地の立て直しに奮闘する事に。通称:お嬢。領民たちに頭を下げて手を取り合い、共に領地を盛り立てるため邁進。領民たちを引き連れて隣国・隣領にて身の上を隠して冒険者活動や旅芸人活動を行い地場産業復興のための外貨稼ぎや情報収集を行った。さらに領地崩壊の元凶となった両親および母方の祖父母を告発するに至る。
    • 前世では2男2女4人兄妹弟の第3子次女。前世の祖父による事業の失敗を原因とした極貧家庭で育ち、兄姉弟を食わすためタイムセールと野菜クズ0円料理からマタギ海女修行まで達成した「とったどー!」系の野猿お姉ちゃん。「体は幼女、中身は大人」の心意気で困難に立ち向かっていく。
    • のちアーライル国第3王子のアンドレイと友人になり、さらにのちには彼の婚約者へと推挙される。この時に領土立て直しの功績を認められ、国王より密かに「サレスティア個人として」(両親とは別の)男爵として任じられ、のちアンドレイとの婚約との兼ね合いと父母告発の功績から伯爵へと陞爵。ドロードラング伯爵家の初代として家を起てる事となった。
  • ルルー
    • ドロードラング領へと戻されたサレスティアにつけられたメイド(侍女)。元は奴隷出身でありドロードラング家に十把一絡げで買われた少女。奴隷出身であったからか、もの静かで主張は弱いが実はしっかり者のクールビューティー。事実上のサレスティアの側近であり、その人生を彼女と二人三脚で乗り越えていく。
    • 護身武器としてを持つようになる。サレスティアと共に活動していく中で主張も諫言も出来るようになる。そして何よりもサレスティアに対する諫言時のルルーは般若にも例えられ誰も逆らえない。
    • のちマークの妻になる。サレスティアの進学と共に側近として学園の侍女科に通い侍女としての教養も(まあ領内で仕込まれてはいたが)公式に得る事になった。
  • マーク
    • ドロードラング領へと戻されたサレスティアにつけられた護衛の剣士。とはいえ剣士の肩書は名目上だけのものであり、その実はスラム出身の「ちょっとケンカできる程度に剣が使える」少年。
    • スラムの生活から仲間たちと共に抜け出す事を考え「騎士になろう」と将来を見据えていた時にドロードラング家の使用人募集(待遇に「実力を示せば騎士団への推挙もありうる」と書かれていた。嘘だったが)を見かけ「貴族の使用人なら道も拓けるかもしれない」と志願したが、すぐにドロードラング家の実情と「実は使い捨ての人員を求めていただけ」という現実を知り、サレスティアのお付きにされた事で「領地に着いたら逃げてやる」とか考えていた。しかしサレスティアから騎士団への推挙を約束され、ルルーと並ぶ彼女の側近として活躍していく。
    • サレスティアの護衛となった時にルルーと出会い、ドロードラング家から逃げる事を考えていた時には「ルルーも一緒に」とも考えていた。本人に長らく自覚は無かったがルルーにはベタ惚れ。そのザマはルルー以外にはモロバレであったため領内では「ルルーとマークを(興味本位におもしろおかしく)見守る会」が密かに結成されるなど、周囲からは生温く(生暖かく、ではない)見守られていた。
    • 最終的にはルルーと結婚。さらにサレスティアの進学によってルルーと共に夫婦で「サレスティアの従者」として学園に通う事に。学園では騎士科の所属。のち国の武術大会にて実力を示し、晴れて騎士として認められ夢を叶えた。
  • クラウス
    • アレすぎる領主(サレスティアの父)に代わり、ドロードラング領の執政実務を担当していた、ドロードラング家の執事。サレスティアにとっては最も頼りになる側近となる。
    • 元々は王国の内政筆頭を担うラトルジン侯爵の出自であり、自らも文官になることを望んでいたが、なまじっか剣術の才にあふれまくっていたがために自身の意思を無視同然に武の道を歩む羽目になった挙句剣聖ラトルジンという肩書まで(当時の王からの下賜によって)得てしまい、さらには戦争にて騎士として従軍させられる。その時に同じ部隊に配され、戦友かつ親友となった男こそサレスティアの祖父であるジャン・ドロードラングであった。
    • 戦後には戦時経験のPTSDに苦しめられた上で剣聖の名声が多くの挑戦者や暗殺者を引き寄せてしまい、また当時の王家もそれを利用して暗殺の盾としてクラウスを利用し、迫る敵を返り討ちにし続けた事で心のバランスを完全に崩してしまう。その様子を見抜いたジャンより真意を尋ねられて「もう人を殺したくない」と泣いて本音を吐露。それを聞いたジャンから木刀を渡され「不殺の剣」を諭される。さらにのちにはジャンによってドロードラング領に執事として招かれ(幼い頃から夢見ていた)領地の内政に携わる事で、ようやく平穏を得たという過去があり、その事を(ラトルジン家全体で)一生の恩として刻んでいる。(ジャンのこの気遣いが無ければクラウスは自殺するか殺人鬼に堕ちるかしていた可能性が高い)
    • なお実家の侯爵家とは「立場や権利を放棄した」事になっているため法律&書類的には縁が切れている。しかし侯爵家の現当主は実兄であり、現王の第三側妃は実の姪。さらに第三側妃の子であるアンドレイ王子レリィスア姫にとっては大叔父(祖父の弟)にあたる。また自身が立場を放棄し勘当同然になってしまっているが兄弟の絆と信頼は深くサレスティアに「告発にあたって信用できる人を」と問われ真っ先に兄を推した。
  • カシーナ
    • ドロードラング領、領地本邸の侍女長。領内の服飾制作を担当する服飾班の班長でもある。またサレスティアの淑女教育の担当者。優しい人だが礼儀には厳しい。サレスティアにとっては絶対に逆らえない(逆らいたくない)ひとり。
    • 領地崩壊寸前時の栄養失調などが原因で目を悪くし、暇を貰おうとしたが惜しんだサレスティアによって魔法により眼鏡を作られて遺留を望まれ、暇乞いは撤回された。が、その分、淑女教育にも熱が入りサレスティアは地獄を見ることになった。
  • ニック
    • ドロードラング領の領民のひとり。元・傭兵。現当主の悪政のせいで妻と子を喪い自らも死に瀕した中、帰郷したサレスティアに救われた。しかし家族を喪い生きる甲斐を失くした絶望は拭えず自暴自棄となり、領地回復を宣言するサレスティアに「こんな何もない場所で何ができる」と食ってかかるが、他ならぬサレスティアから「それでも今、わたしたちは生きている」と諭される。
    • 領地回復においてはサレスティアの農地回復および開墾に添いつつ、元傭兵の前歴からマークを筆頭とする領の年少組に戦闘訓練を施すようになる。
  • サリオン・ドロードラング
    • サレスティアが領地回復に奮闘している間に生まれていた、サレスティアの実弟。一応、ドロードラング家の嫡男に当たるのだが、雇用や教育のために出る人件費を惜しんだ両親は乳母や侍従をつけるのを嫌がり、また両親共に育児をもてあまし、その結果として正真正銘のネグレクトに置かれ、生きる気力を失いかけていた。挙げ句、面倒くさくなった両親によって「死んでも構わん(≒面倒だから殺せ)」との言葉とともにサレスティアに押し付けられる。そして弟の置かれた惨状に、ついにキレたサレスティアは自家であるドロードラングを自らの手で滅ぼす事を誓った。サレスティアに保護されるまでは、家の侍従となっていた奴隷たち(もちろん子育て経験など無い)によって辛うじて生かされていた。(サリオンを生かすための予算や食糧など与えられていなかったため、奴隷たちは厳罰を覚悟で当主のたちの食糧であるミルクなどをくすねてサリオンに与えていた。もちろん微々たるもので赤子の養育には十分な量ではない)
    • サレスティアに保護されてからは領内の子どもたちと共に育てられ徐々に回復。のち魔物(とはいうが良くないものではない)の「白虎」に取り付かれており、そのために命を繋げる事が出来ていた事実が発覚。無事に意志を回復した後は、唯一の「家族」であるサレスティアに懐く。さらにはアンディから貴族としての心得と振舞いを学び、両者に心酔して懐きまくる(そして二人を害する者には徹底して容赦の無い)とても立派なシスコンブラコンへと成長した。
    • 原典ゲーム「魔法学園アーライル」では、実はシリーズ第2作のラスボス。ドロードラング没落の際、密かに奴隷たちによって家から連れ出され、奴隷としてではあるが生き延びていた。ドロードラング没落の一因となったヒロインと攻略対処に対して逆恨みをつのらせ姉譲りの莫大な魔力(と白虎の力)を用いて故国アーライルの滅亡を狙った。その実は家族の愛を知らずに育ち、それを求め続け「家族のための復讐」という幻の大義名分に寄りかかって生きていた哀しき悪役であった。
  • アンドレイ・アーライル(アンディ)
    • アーライル国の第三王子であり第三側妃の第1子。血筋としては文官筆頭(現当主は母方の祖父で財務卿)であるラトルジン家の出自。ある意味「中途半端に権力がある」微妙な立場であったりするため、幼い頃からなかなかによくできた、祖父をして「幼くしてなかなかにしっかり者」と評される気遣いの御仁。しかし自身の立場から人の顔色を見るように育った側面があり「子どもらしさ」という意味では難がある。これらを総じて「真面目で引っ込み思案」とも言う。妹思いの兄でもある。
    • お忍びで妹と共に王都城下の市井に出た際、迷子になったところを「劇団の旅芸人」として行動していたサレスティアと出会い、互いの本当の立場を隠したままで仲良くなる。が、体面を気にするバカな従者のせいで自身の立場は早々にバラされて辛い思いをする事に。これを見かねた「劇団」メンバーからサレスティアと話ができる通信機を渡され「話し友達」として交流が続いた。のちにサレスティアの正体に自ら思い至り、互いに正体をバラし合い、改めて「友人」としての付き合いが始まる。
    • のちドロードラング領に訪問した際に「王子アンドレイ」ではなく「友達のアンディ」として皆が接してくれること、またサレスティアの微妙な立場(膨大な魔力を持つ魔法使いであり、領地を発展させたやり手の運営者である一方、犯罪者の娘であると同時にその犯罪を真っ先に告発し解決させた立役者)に対して「友人として役に立ちたい」という思いから、彼女の婚約者となり政治的な防波堤役を一手に引き受ける。
    • 成長後にはドロードラング領の領民たちからは「ブチ切れたお嬢を止められる貴重な人材」のひとりとして頼りにされる。その一方で「お嬢を支え、また彼女に支えられるに足る者になりたい」という思いから、政治力を磨きまくったためにどっかの王子のような超・腹黒気質を湛えるようになった。あと、成長に従ってお嬢にベタ惚れしていき事ある毎に惚気るように。
    • 原典ゲーム「魔法学園アーライル」では攻略対象。のちに祖父の家を継ぎ宰相となる人物。なお本来、彼の攻略ルートシナリオではサレスティアは関わりを持たない。
  • レリィスア・アーライル(レシィ)
    • アーライル国の第二王女であり第三側妃の第2子。アンディの同母妹で三歳差。お兄ちゃん大好き。兄と共に迷子になっていた所をサレスティアと出会い、彼女のつけていたリボン(ドロードラング領での試作品で非売品)が気に入って欲しがったら、くれた(正しくはアンディがモニター名目で買って妹にあげた)ため、サレスティアにも懐くようになった。
    • 兄いわくワガママできかんぼうな妹であるが、サレスティアと出会いドロードラング領の人々と交流する事で内面が原典よりも大きく成長し改善される。のちにドロードラング領の農業班長となったタイトに思いを寄せる事になるが、自身が姫で相手が一介の農民であるため、その立場の違いに苦しむ事となり、一時は「独身を貫いて修道院に行こう」と本気で悩むハメに陥った。(まぁ、兄や姉が軒並み「政略結婚の名を借りた、事実上の恋愛結婚」をしているという王族としては非常に特殊な事情もあったが)
    • 原典ゲーム「魔法学園アーライル」ではアンドレイルートにおける悪役令嬢。ガチのブラコン姫となっている。明らかにサレスティアの前世覚醒で救われたひとり。
  • ミシル
    • 遠き東の島国の漁村からやってきた留学生(一応)の少女。桃色の髪の持ち主であり、村では神舞の巫女。
    • ゲーム「魔法学園アーライル」の主人公(プレイヤーキャラクター)。ゲーム内では「神に選ばれし姫御子」として攻略対象と共に四神の魔物と対峙・対決していく存在。
    • 村に嵐の災禍が訪れた折に母親共々、嵐を鎮めるための神楽舞を納める中、他ならぬ嵐に巻き込まれて母親を喪うという悲劇の中で莫大な魔力を覚醒させる。しかし、その魔力は自らに制御できるものではなく、生還後にその魔力が本人の意志とは関係なく周囲の人々へ無作為に害意を示した(あと母の魂を強引に現世に留め、その遺体を生前同様の姿に強引に保たせていた)ため、それを聞き付けた学園長によって魔力の制御を学ぶためにアーライルへと留学する事となった。
    • 留学後は自らを取り巻く謎の魔力のために「周囲を巻き込みたくない」として、あらゆる人を拒絶。食事もまともに取れない状態になっており「乙女ゲームのヒロイン」というのが信じられないほど痩せ細ってガリガリかつ眼窩も落ち窪んだ病的な容姿になっていた。その様は学園長からミシルの面倒を頼まれたサレスティアを驚愕させる。そしてサレスティアから「とにかく食え!」とごちそう攻撃をされ、結果胃袋をがっちりとお嬢に掴まれる羽目になった。
    • のちに嵐の時に四神の青龍に取り付かれていた事が発覚。周囲への無作為な害意の魔力は青龍がミシルを(人違いで)守るために行っていた事も判明。そして青龍は、その事にキレたサレスティアに「教育的指導」をされてしまい猛省する羽目になり、ミシルを取り巻く問題は解決。以降ミシル自身はサレスティアの親友として仲良くなっていく。

用語編集

ドロードラング領

ドロードラング男爵家の管理する自領。アーライル国の西の果てにある辺境中のド辺境。国境に接する領だが、その国境は自然の要害たる大山脈に阻まれているため、国境警備の必要は無く国家運営的にも放置状態となっている。

先代のジャン・ドロードラング(サレスティアの祖父)の時代は、ジャン自身がざっくばらんでガサツながらもそれなりの懐の深さと人望を持つ仕事人間だったのでなんとかなったが、当代のジャック・ドロードラングの代になるとジャンの教育の失敗(事実上、継承教育をしておらず、本人も父の堅実な仕事人間ぶりを嫌って派手好みとなってしまい、そうした継承を疎んじた)を因として一気に領運営が傾いた。

前述の通りサレスティアの帰領時には、すでに領そのものが存亡の危機にあり、ジャックの浪費の弊害で重税が課され多くの者が死に至っていた。そのためサレスティアは生き残った者たちをかき集め一時的に共同生活を送る事で急場をしのいだ。

結果、領再生初期のメンバーには疑似家族的な絆が生まれ、事実上どっかの教えな皆様どっかの推し王を推しまくる人たちみたいな「お嬢と愉快な仲間たち」へと変貌を遂げた。

実は、この「領残留組」の中には冒険者や暗殺者など裏業界の手練れが多く紛れ込んでいる。彼らのほとんどは、かつての戦争で活躍したジャンとクラウスの命を狙ってドロードラングまでやって来た者たちだったが、他ならぬジャンにアッサリとノされてしまい「そんなバカな事をするくらいならウチで働け!」と職と居場所を与えられた過去がある。そのため、多くの行き場の無くなった者を受け入れるサレスティアの姿にジャンの姿を映し見る時もあるとか。

サレスティアによる旅芸人活動からステップアップし、最終的にはテーマリゾート業を主軸とする観光地領および日用品や装身具の総合製作(ブランド)業を主軸とする工業生産領として経営を成り立たせるようになる。


黒魔法

サレスティアが書物から取り組んだ魔法。血液を媒介に魔力を注いで効果を発現させる。基本的に禁術とされている

この世界の魔法は属性に合わせた宝石を媒介とし、これに魔力を注ぎ発動させる方式を取るが黒魔法はこれを血液で代替する。貧乏なドロードラング領では宝石など望むべくもないため、サレスティアはやむなく、この魔法に頼らざるを得なかった。

小規模かつ適正な利用法なら、さして問題ではないが血液を媒介にする都合上、大規模な魔術を使おうと思うなら相応数の生贄を必要とする。これが黒魔法が禁術とされる所以。


四神

この世界を幾度となく崩壊に導いたと言われる「国潰し」の伝説に語られる四体の魔物。玄武白虎青龍朱雀の四体。その脅威から人間たちからは「神」と通称されるが実際は魔物の一種。

人間たちが呼称する名は基本的には通称であり真の名はそれぞれ別にある。しかし、それを名乗ることは基本的に何者かに禁止されている模様。(サレスティアは、それにキナ臭いものを感じ、あえて聞かない事にしている)


四神の巫女四神の愛し子

「巫女」は四神を生じさせた「何者か」によって、四神を託されて育てた者。いわば四神の育ての親。おおむね既に亡くなっている。(転生している可能性はあるが)

「愛し子」は四神と絆を結び友人や義家族になった者。

当代の「玄武の愛し子」はサレスティアを筆頭としたドロードラング領の人々。アンドレイとレリィスアも範疇に入る。

当代の「白虎の愛し子」はサリオンだが、サリオンの姉であるサレスティアも「姉上」と慕っている。

当代の「青龍の愛し子」はミシル。

当代の「朱雀の愛し子」はシュウ(ミシルの出身である漁村の村長)。


外部リンク編集


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小説家になろう 悪役令嬢

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