TopGear
とっぷぎあ
日本ではBSフジの深夜枠で見ることが出来る。
また、現在ではインターネット小売業大手のAmazonが、ストリーミング配信を行っている。
特徴
- 怖いモノ知らずの酷評・批判・ネタ
- おバカなチャレンジ
- 車両破壊ネタ
- 下ネタ
…と、おおよそ日本で考えられるような自動車番組とは全く違う。
もっとも、これは元々イギリスの番組であり、バラエティ番組の一種であることを忘れてはならない。
怖いモノ知らず
その番組作りはとにかく怖いもの知らず。BBCが公共放送であるおかげで、良くも悪くもスポンサーへの配慮が一切見受けられない番組構成となっている。毒舌やネタには一定の定評がある。低価格車でも高級車でも良し悪しを伝え、特にひどいものは徹底的にこき下ろす。
勿論、そうした過激な表現が原因で抗議を受けることもあるが、歯に衣着せぬ物言いを売りにしたスタイルを貫いている。
抗議の例
- メキシコのスポーツカー・マストレッタをこき下ろしたときにメキシコ人を怠け者と例え、メキシコ大使館から抗議の書簡が来る。その後BBCがメキシコ大使に謝罪したが、番組ではジョークも交えるなど面白おかしく取り上げた。
- テスラの電気自動車・ロードスターをこき下ろした際、アメリカのテスラモーターズが「視聴者に誤った情報を与えた」としてBBCを提訴。
- 日産の電気自動車・リーフが路上でバッテリー切れになるシーンを放映し、日産自動車からクレームが来る。
- カローラハッチバック(100系)を白い冷蔵庫と並べて没個性的なスタイリングを酷評し、しばらくトヨタが車両の貸し出しを拒否。
- 視聴者から借りたジャガー・Cタイプを乗り回した結果車軸を曲げ、クラッチが破損したまま返したためオーナーを怒らせてしまう。
外国車を叩きまくる一方でイギリスの車も叩きまくっている。特にイギリスの自動車業界を壊滅に追いやったブリティッシュ・レイランドに対しては容赦がなく、その中でも特にモーリス・マリーナは何台も壊されている。Series12 Episode6でジェレミーとジェームズ・メイがマリーナを燃やしたためにモーリス・マリーナオーナーズクラブから抗議のメールが来たため、マリーナを保存目的で買ったものの、架空のピアノ運送会社・ケアレス航空が誤って落としたピアノで壊されてしまう。
激安チャレンジ
日本ではあり得ないような価格で売られている中古車を購入、3人の司会者がプロデューサーから与えられた課題をこなすというもの。
英国本土や、英国本土以外の場所でも行われ、周囲に尋常ならぬ迷惑を掛けたり、時に3人の司会者の生命が危ぶまれることもあるのもお約束。
また、逆に超高級車で、高級車に相応しくない場所に乗り付けるというチャレンジも。
下ネタ
企画でレーシングカーを製作することがあったが、BBCの規定のためにスポンサー名を出すことができず、架空のスポンサー名でエクステリアがそれっぽく仕上げられている。そこまではいいのだが、そのスポンサー名というのが下ネタ全開だったりする。
例えばバイオディーゼル仕様のBMWの場合、"ペニストン・オイル"と"ラーセンズ・ビスケット"と言う架空のメーカー名が貼られたが、これはドアを開けると"Penis"と"Arse"だけになると言うネタになっている。
また、ルノーが出していた振って発電する"エコ計算機"なるものを紹介したときはあからさまに自慰行為を連想させる動きでジェレミーが電卓を振っていた。そしてリチャード・ハモンドとジェームズも同様の動作をやっていた(その時にハモンドがソーラーバッテリー使え、と突っ込んでルノーの客はこの動きが得意な奴が多いんだろう、とジェレミーが返した)。
他方、GPSロガーがついた車や、路面にブラックマークが残るような乗り方をした場合に、ジェレミーが言うところの「Gentleman's sausage」を描いてしまうというお約束も。
注意点
上記の論評スタイル故、好きなメーカーや車種が徹底的にけなされることもあるだろう。殆どの場合は、司会者のうち誰が批評を担当していても、余程酷い車でもない限り肯定的と評価出来る点をキチンと紹介するという基本的なルールがあるようだが、100点満点完全無欠という評価はむしろ稀で、どれ程高額な(或いは上質な)車でもある程度は貶されるのがお約束である。(一応)消費者向けの番組という建前が(実態はともかく)あるからであろう。
何にせよ、トップギアは過激な物言いを売りにしている番組だと理解した上で視聴する必要がある。
たまに番組の企画で車vs○○といったものが行われる。
大体は、英国本土か、英国をスタートしてヨーロッパの何処かに行く(或いは帰ってくる)という大規模な企画である。
Top Gearは、単純に自動車だけを対象とした番組ではなく、自動車を取り巻く周囲の環境に対しても積極的に取り上げている。
趣味性が強い番組にもかかわらず、自動車業界のみならずその周囲の業界や環境に目を向けることは大変有意義であると言える。このため、各分野の専門家を招聘したり、協力を依頼することもある。
陸軍、海軍、空軍、海兵隊に協力を要請したことがある。
陸軍はジェレミーが陸軍の兵器から逃げ回るチャレンジ(複数の車で複数回行われた)。
空軍は、ブガッティ・ヴェイロンとユーロファイター・タイフーンとの往復レース。
海兵隊は、コンパクトカーのレビューで「この車は海兵隊の上陸作戦に参加できるか?」という消費者にとって非常に関心が高いレビューの為に上陸演習に参加した。
- 警察
英国の警察のみならず、英国以外の国の警察の世話にもなっている。
中にはお巡りさんが、司会者がレビューしている車に目を付けて「何処から来たの?? この車イイね!!」なんて世話話してくれることもあるが大体そうじゃない事が殆ど。
英国の警察は陸上の警察は勿論、海上警察(ドーヴァー海峡横断回)、航空警察(ジェームズ・メイが飛ばした飛行船が航路を逸脱)で、陸海空フルコンプ。
- BTCCドライバー
レース向きでない車をレースという名のテストで検証する時に呼び出される英国ツーリングカー選手権のドライバー達。
激しいボディコンタクトが日常茶飯事のハコ車レースのドライバーを呼び出すあたり「スタントマンか何か」だと考えてる節がある。
- マン・ラブ研究所
同性愛に理解があるジェレミーをもってしても妙な顔をせざるを得ない妙な名前の調査機関。
名前とは裏腹に、激安チャレンジで購入した中古車に遺された僅かなサンプルから前の持ち主の生活や職業を突き止めるシャーロック・ホームズのような凄腕集団である。
時に司会者らにとって絶望的な調査結果を突き付けることも少なくない。
元飛行場であったというTop Gearのテストトラックでは、輸送機がウロチョロしているのは何ら不自然ではない。
ケアレス航空はピアノを空輸する会社だそうである。
ただし、名前が祟ったのか、度々輸送中の荷物を車の上に落としてしまうらしい。
主に古い英国製大衆車が被害に遭うらしいが、係争関係の詳細は明らかにされない。
2015年入り、ジェレミーがプロデューサーのオイソン・タイモンに暴力を振るった事件が表面化、それ以前からのジェレミーの失言・暴言も重なったこともあり、3月10日に残り3回分の放映中止ととジェレミーの一時降板が発表された。25日にはジェレミーの降板が発表され、さらにはジェームズ、リチャードもBBCから契約を解除された形で降板した。
なお、ジェレミーの謹慎処分に反発した、熱心なファンを名乗るバカが、BBC本部前に自走砲(戦車の一種、ただし民間に払い下げられてはいる)で乗り付け、騒動を起こしたことがあった。
名物司会者であったジェレミー、ジェームズ、リチャードは、Amazonが制作する自動車番組「The Grand Tour」に活動の場を移した。
2015年6月、BBCは新しい司会者にクリス・エヴァンスを迎えて2016年に番組を再開することを明らかにした。その後、F1ドライバーやレーシングチームオーナーを務めた事もあるエディ・ジョーダン、アメリカの俳優のマット・ルブランクなど5人のレギュラー出演者を加えた上で、2016年5月20日に「新生」Top Gearはスタートしたが、初回はかなり酷評され、イギリスのブックメーカーで「クリス・エヴァンスの降板」「Top Gearそのものの打ち切り」が賭けに出るほどになった。クリス・エヴァンスとマット・ルブランクの不仲もイギリスの新聞・Guardianで報じられた。7月3日、クリス・エヴァンスは1シーズンで番組を降板することを発表した。
2017年3月から司会をマット・ルブランクに代えたうえで、レギュラー陣の一員であるイギリスの自動車評論家のクリス・ハリスとイギリスのジャーナリストのロリー・リードとの3人がトリオを組んで活躍した。2019年3月をもってマット・ルブランクが降板、ロリー・リードも準レギュラーに降格した。同年後半に放送される新シリーズではクリス・ハリスとともに、コメディアンのパディ・マクギネス、クリケット選手のフレディ・フリントフが司会を務める。しかし2022年、そのフレディ・フリントフが撮影中にクラッシュ。BBCと訴訟沙汰になってしまうという事態が発生。訴訟そのものは和解という形で解決したものの、BBCは2023年11月に再度番組の制作休止を決定。過去の放送そのものは配信されているものの、新作が作られることは「当面の間」ないとされ、2024年現在、新作の放映および配信は行われていない。