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作品編集

フランスの作家、モーリス・ルブランの推理・冒険小説。

また、それに登場する主役の怪盗紳士。犯罪者ではあるが、その才能とユーモアのセンス、また「強きをくじき弱きを助く」紳士的な態度から、多くの国で支持されている。

ルブランは彼を生み出した功績によりレジョン・ド・ヌール勲章を与えられている。


人物編集

父は平民の体育教師、母は貴族の娘。父はアメリカ合衆国で獄死し、母とも若い頃に死別している。大勢の部下と秘密の拠点複数を持つほか、新聞まで密かに所有している。作内では作者のルブランとも面識があるという設定。


変装の達人であり、「自分自身でも本当の顔がわからない」とジョークで言うほど。とはいっても、魔法のように姿を変えるわけでなく、大半は卓越した演技力によるリアリティーの追求の賜物である。


スペイン貴族ルイス・ぺレンナ、ロシア貴族ポール・セルニーヌ(ちなみにこの2つの名前はアルセーヌ・ルパンのアナグラム)、ラウール・ド・リメジー、ジャン・デンヌリ、イギリス探偵ジム・バーネット、オラース・ベルスモンなど、多くの偽名を持っている。

身体能力にかけては超人的といっても過言ではなく、父親から伝授されたサバット(当時最新の護身術)の他柔道空手などの(当時は)マイナーな格闘技をはじめ、種々のスポーツに精通しており、当時は最新・最速の乗り物である自動車も乗りこなす。しかし、最大の強さは、卓越した判断力と不屈の精神力。


犯罪をする側ではなく解明する側の探偵役を務めることも多く(探偵事務所を開いていた事もある)、特に短編集『八点鐘』ではきわめて独創的なトリックを解き明かしている。


愛国者(今ではやや引くレベルのナショナリストで、ドイツは嫌いだし、イギリスもあまり好いていない。19世紀生まれの人物であるためそれは当たり前なのだが、第一次世界大戦後はさすがに弱まる)かつ、フェミニスト

過去に本気で愛した女性に対しては、アルセーヌ・ルパンの名を捨て、堅気として生きる道を選んでいる。少なくとも3人に対しては先立たれており、悲嘆にくれたあと、ルパンとして復活する。


(ヨーロッパ人に対する)殺人を嫌い、部下にもその点は徹底させている(自分のせいで3人の人命を奪ってしまった『8・1・3』では自殺未遂を企てた)。従軍中はさすがに別モーリタニアでムーア人を大勢殺している。


この苦い経験は彼にとって一つのターニングポイントとなり、その後は怪盗としての彼よりも、窮地にいる人に手を差し伸べる「白馬の騎士」のような性格が強くなる。特に、陰謀に巻き込まれた恋人同士や女性を救う話が多くなる(『黄金三角』『三十棺桶島』『特捜班ビクトール』など。もちろん悪党からいただくものはいただくのだが)。


ライバルはガニマール/ゲルシャール警部、エベール刑事、エルロック・ショルメス(ハーロック・ショームズ)、イジドール少年など。長年の仇敵はカリオストロ夫人。

※ショルメスは、最初はシャーロック・ホームズの名前をそのまま用いていたが、コナン・ドイルに怒られたのでこの名前にした(なお、ホームズも初期から先輩刑事達にダメ出ししている)。日本版だと「ホームズ」のままのことが多く、相棒の「ウィルソン」も「ワトソン」のままである。


代表作は『8・1・3』『黄金三角』『奇巖城』『虎の牙』『ルパンの告白』『カリオストロ伯爵夫人』など多数。


なお、ポプラ社版は子供向けに翻訳されている(訳者が敬虔なカトリック信者だった事もあり、義賊色が過剰)ので、原典に忠実な作品を楽しみたい人は偕成社版を読んだ方がいい。


外部リンク編集

怪盗ルパンの館

ルパンシリーズ、それ以外のルブランの作品、その他関連作品を紹介。


関連イラスト編集

怪盗紳士【アバンチュリエ】4巻の表紙模写【森田崇】


関連タグ編集

海外小説 モーリス・ルブラン フランス

盗賊 怪盗 変装

推理小説 ミステリー 探偵

自動車 アール・ヌーヴォー 第一次世界大戦

サバット


アルセーヌ・ルパンをモデルとしたキャラクター編集

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