陽のいと聖なる主よ
あらゆる叡智、尊厳、力をあたえたもう輝きの主よ
我が心を、我が考えを、我が成しうることをご照覧あれ
さあ、月と星を創りしものよ
我が行い、我が最期、我が成しうる “聖なる献身(スプンタ・アールマティ)”を見よ
この渾身の一射を放ちし後に 我が強靭の五体、即座に砕け散るであろう!
概説
- ランク:B++ → A
- 種別:対軍宝具
- レンジ:1〜99
- 最大捕捉:900人
『Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』に登場するアーチャーのサーヴァント・アーラシュの宝具。
ステラ。究極射撃。あらゆる争いを終結させる。文字通り「大地を割る」極大射程遠距離攻撃。
純粋なエネルギー総量は対城宝具にも及び、その射程は2500km(千島列島から沖縄くらいまでの距離)。
ノッブ『それホントに弓なのかと!!!』
彼の宝具はその性質から、一点集中ではなく広域に効果を発揮するため対軍に分類される。
正確には“その範囲の広さから対国宝具”に相当し、“その威力は対城宝具”に匹敵するとされている。
だが、一度きりしか使えない。
宝具を発射すれば最後、伝承になぞらえて彼の肉体は瞬く間に四散五裂する。
一度の現界に、その一度だけを代償として放たれる宝具。
ある意味二重の壊れた幻想(ブロークンファンタズム)である。
具体的な威力は、一集落を消滅させ大地にクレーターを穿つほどの威力を持つ星光の槍の一撃を、地上から迎撃して完全に相殺させるほどの力を秘めている。
なお、アーラシュは後世の伝承では生還したという説もあるようだが、あくまで原典準拠の存在であるアーラシュは消滅してしまうようである。ちなみに、ちびちゅき!では「死」の概念が存在しない為、威力は原作ほどではないうえに、使用するとしばらく行動不能になる。
宝具を撃つ際の詠唱だが、原典でアーラシュがこれを唱えてはおらず、原典では同郷の英雄であるロスタムが弓を射るときに酷似したものを神への祈りとして唱えている。
「流星一条」という宝具名は、叙事詩『アーラシェ・カマーンギール』で彼の最期の一射を"流星"としていることからきている。
『Fate/Grand Order』における性能等
カードの種類はBusterで、宝具効果は【敵全体に超強力な攻撃<オーバーチャージで威力UP>+ 自身に即死効果(デメリット)】。
オーバーチャージで“純粋に”威力が上がるという、稀有な特性を持つ。他の場合は何かしらの特性を強化させるという形であるが、流星一条の場合はどんな相手にも等しく威力が増加する。
加えて全体宝具にもかかわらず単体宝具と同じ“超強力”倍率という希少な宝具となっている。
駄目押しに☆1ゆえにフレンド召喚でよくダブるので、宝具レベルもすぐMAXになってくれる。
Lv.5/OC.500%まで来た「流星一条」は、☆1宝具とは思えないほどの大爆発を起こし得るのだ。
ちなみに超強力倍率の全体宝具は、サービス開始から長らくアーラシュしか持っていなかったが、2019年8月に陳宮が加わり、唯一ではなくなった。(やはりと言うべきか、陳宮も陳宮でとんでもないデメリットを持っているが。)
また、即死効果は概念礼装やパラケルススのスキル「賢者の石」などでガッツ状態を付与すれば回避して生き延びる事が出来る。
あまり現実的ではない机上の空論に等しいが……自前とフレンドの諸葛孔明二騎に概念礼装「死霊魔術」を装備したアーラシュを用意して、令呪による「宝具解放」3画分をつぎ込むと、宝具五連発というトンデモ戦法が出来る。
天の衣の登場で、彼女の宝具による回復&ガッツ付与を利用した『流星一条』11連発という狂気の記録を樹立してしまったことも……。
また、宝具を使ったら死ぬという点は彼の最大の特徴でもあり、「スタメンに据える→強敵が出てきたら宝具発動→対ボス用の強力なサーヴァントを呼び出す」という温存戦術に利用でき、一番の主力を消耗させずに戦わせたり、概念礼装と合わせて宝具連発で速攻をかけるといったことが可能。
魔術礼装関連では、「カルデア戦闘服」のスキル“オーダーチェンジ”による控えとの交代を併用すると、一度に2騎のサーヴァントを同時に入れ替え出来る。「アニバーサリー・ブロンド」とは“魔力放出(Buster性能UP)”と“騎士の誓い(ガッツ付与)”で噛み合わせが非常に良いため、生存しながら大出力で宝具が使える。
「五百年の盲執」などの戦闘不能時に発動する概念礼装を能動的に利用するコンボも使用される。特に装備者のBuster性能を15%UPさせ、消滅時に味方にNPをチャージする「慈悲無き者」とのコンボが強力。
一時期は、エミヤ(アサシン)のスキル「スケープゴート」でターゲット集中を付与した後に戦闘不能になる事で相手の攻撃をスキップさせる『ステラキャンセル』なるコンボも開発された……が、こちらは不具合として修正されてしまった。残念。
また、2021年8月には超強化と引き換えにターン終了時に永続的に行動不能となる“永久睡眠”状態になってしまうオベロンのスキル「夢のおわり(EX)」のデメリットを自滅によって踏み倒す「夢捨テラ」なる外道戦法が話題となっている
この様に、新しい能力を持ったサーヴァント・概念礼装が実装される度に新たな運用法が研究されており、レアリティが全てではないという本作のゲーム性を体現していると言える。
2016年6月末から始まった「サーヴァント強化クエスト」第3弾で、新スキル「弓矢作成(A)」【NP獲得(20〜30)&HP回復】を獲得。
毎ターン500ダメージを代償に宝具威力を80%UPさせ、レベル最大にすると攻撃力を2400底上げできる「黒の聖杯」との噛み合わせが向上した他、「カレイドスコープ」や「虚数魔術」(限凸)と合わせれば単独で開幕宝具も可能となった。
ところで、普通、宝具発動時にはサーヴァントの詠唱が付き物である。アーラシュもその例に漏れず、『蒼銀のフラグメンツ』本編では長い詠唱と共に宝具を発動している(記事冒頭参照)。
…が、『FGO』の戦闘では発動した途端「ステラァ———ッ!!!」と一言叫んで終わり…というシュールな仕様となっている(『蒼銀のフラグメンツ』本編で出すよりも先だったという事情もある)。
こうした仕様のため、「せっかくカッコいい詠唱があるのに実装しないなんてもったいない!」と惜しむファンも少なからずいる。(一応未使用の音声で放つ前に短めの詠唱がかかっている)
そんな声もあってなのか、第1部六章においてこの詠唱が登場するシーンがついに実現した。
ファンであるなら、彼の活躍と生き様ともども、しかとその目に焼き付けてほしい。
尤も、この簡潔極まる演出の短さがクエスト周回の時短に大きく寄与してるのも事実なのだが…
2020年12月のモーションリニューアルにて「ご照覧あれ、ってな──」と呟いてから放つ台詞パターンが追加された他、モーション自体も「莫大なエネルギーをチャージして発射(同時にアーラシュの姿が霧散する。)→流星のごとく放物線を描きながら飛翔→着弾と同時に大爆発」といったようなド派手な演出となった。
その関係で宝具演出自体は長くなってしまったのだが、代わりに「この宝具でアーラシュが戦闘不能となった場合、消滅演出がスキップされる」という仕様が追加されており、処理時間自体はリニューアル前と変わらないという周回勢にも配慮する絶技を見せている。
中の人である鶴岡聡氏は宝具発動時の長い詠唱を丸暗記しており、FGO関連の生放送やイベント出演の際に度々披露している。
当初は隕石のようなどでかい一撃を敵に発射する演出だったが、劇場版では巨大な聖槍の一撃にアーラシュの一筋の矢が立ち向かっていくかのような演出になっており、ぶつかり合いの際に爆発が起きるのではなく、編み込まれた聖槍が解けて朽ちていくかのように描写されている。その余波は空を覆っていた暗雲すら吹き飛ばすものであった。
これに合わせ、アプリ版の方でもまさに一筋の流星のような儚ささえ感じる演出に変更された。
そして、2017年9月12日
『ネロ祭再び 〜2017 Autumn〜』のエキシビションクエスト、【超高難易度】第三演技 流星、雨の如くに満を持して登場。
HP530万という耐久力に加え、宝具攻撃に無敵貫通状態付与・強化解除耐性アップ・行動不能無効の永続バフを初っ端から発動させてくる。
そして何より特筆すべきは、HPを210万も回復する強化解除不可なガッツを3回。更に追加で、ガッツ付与&チャージMAXスキルを1回使用してくる。
この間勿論アーラシュは宝具のステラを放ってくるため、その度にガッツで復活し、計5発の宝具を放ってくる……つまり、まさかの「ステラガッツチャレンジ」公式化である。
これにより、ガッツが切れた後に弱点クラスで一気に210万を削り切るか、5度目のステラを耐えて自爆を狙うかのどちらかを選ぶことになるのだが、挑戦したマスター達からは
「種火周回の腕の気持ちが解った」
「一発一発が宝具級ってそういう……」
「ラストのステラ以外はただの通常攻撃では?」
などと、大英雄を称え、畏怖する声が上がった。
2021年6月30日に復刻されたネロ祭でも勿論このクエストはあるが、当時は居なかった無敵貫通を無効化できる彼女の存在によりクエストの難易度は一気に下がった。
余談
伝説においては大地は引き裂いておらず、矢は大きな木の幹やハゲ鷹に刺さり終わる。恐らく、境界を作ったという話を昇華してFateのアーラシュは大地を割っている。
アーラシュの伝説は大地を割ってトゥーランの進軍を止めたのではなく、タバリスタンに籠城するくらい追い詰められたペルシャが、タバリスタンにある山から矢を飛ばし土地を取り返した物語。
しかし、大地を割ってはいないとはいえ目と鼻の先にいたトゥーランの無数の軍勢を、2500キロ近く押し戻したことになるので偉業的には十分ヤバい。
また、伝説上でも強力なものとしては認識されている。シャー・ナーメにおいて「アーラシュの矢」は「サームのメイス」と一緒にアルジャースプから言及されており、この2つは炎のように大軍を焼き払い、王国を焦土に出来る類いのものだとか。
また、東京オリンピック(2020年)アーチェリー男子団体で銀メダルを獲得した台湾選手の一人・鄧宇成氏が矢を撃つ際内心で「ステラー!!」と叫んでいることをfacebookのフォロワー質問から明かしており、全マスターがざわついた。実際にオリンピック会場でも使っている様子が日本のニュース番組にアーラシュの簡単な紹介付きで取り上げられた。
日本でも古くから南無八幡大菩薩に祈りを捧げたり、インド神話ではマントラを込めたりと弓矢をいる際にまじないの類を施したり、神への祈りを捧げる風習は他国でも見られる。かくいうこの宝具も神への祈りを込めて放たれる宝具であるので鄧選手なりの必勝祈願なのであろう。
関連イラスト
関連タグ
Fate/Prototype蒼銀のフラグメンツ Fate/GrandOrder アーチャー(フラグメンツ) 宝具
陳宮:彼の宝具「掎角一陣」はそのあまりにも酷い特性から『他人の命でやる流星一条』と評されている。誰が呼んだか「ゲステラ」。
マンドリカルド:HPが半分以下の時のみ、攻撃力超絶強化の代償として自身が即死する効果のスキルを持つ。
織田信勝:新たなる宝死茶。
静希草十郎:同じく、超強力な攻撃宝具発動の代償に即死する。
カルデア次元:上記のサーヴァントも含め、FGOで遊戯王ができるコンボパーツ扱いされるため。