概要
空想科学読本を出版している空想科学研究所の客員研究員・盛田栄一による、漫画やアニメ・特撮番組などで学ぶ法律指南書。
本作は「空想科学読本」とは違い、徹底して文系の目線で書かれているため、「こんなことできるわけないじゃん」などといった結論ではなく、「作中で行われている無謀な行為について法律的観点で見たらこんなことになります、だから皆さんマネしないでね」といった文体を取っている。
最近は空想科学図書館通信にて隔週配信されており、1.2巻は描き下ろし、3巻以降は読者からの質問に答えるパターンになっている。
本作における解釈
- ウルトラマンなどの高い知性を持った「異星出身の知的生物」に関しては、一律「人間(外国人)」と見なし、人権を保障する。ただし税関を通らなければ密入国者扱い。
- 機械はどれだけ進化しても機械=器物扱いであり、人権は保障されない。ロボットによる被害はそのロボットの所有者もしくは製造元が責任を負う。
- 脳改造を受けていても脳死になっていなければ、サイボーグは改造される前の人間と一切変わらない法的保障を受ける。脳さえ生きていれば人権は認められる。
- マインドコントロールを受けて罪を犯した者は、責任能力を持たないため刑法39条が適応される。ただし目的において自由な意志があった場合(例:自ら薬を服用する、自ら進んで悪の組織に入って改造されるなど)は含まない。
扱われた作品とその事件の例
- 『帰ってきたウルトラマン』メイツ星人惨殺事件
- 『仮面ライダー』ダブルライダー無免許改造手術事件
- 『ウルトラマン』竜が森ビートル撃墜事故裁判
- 『ウルトラマン』ジャミラ放水殺人事件
- 『ジャイアントロボ』ジャイアントロボ窃盗事件
- 『エイトマン』エイトマンスピード違反問題
- 『モスラ』小美人モスラ災害誘発事件
- 『マジンガーZ』光子力研究所スーパーロボット違法所有事件
- 『仮面ライダークウガ』長野県警民間人拳銃貸与事件
- 『ウルトラマンレオ』L77星戦争難民密入国事件
- 『人造人間キカイダー』光明寺ミツコ指名手配犯隠匿事件
- 『怪奇大作戦』狂鬼人間連続殺人事件
- 『名探偵コナン』少年探偵強制催眠成りすまし事件
- 『けいおん!』桜ヶ丘高校軽音部楽器強制値引き事件
- 『侵略!イカ娘』深海人無賃金強制労働問題
- 『ルパン三世』銭形警部拳銃乱射事件
- 『宇宙兄弟』ミラクルカー社就活妨害事件
- 『ハヤテのごとく!』綾崎ハヤテ借金返済問題
- 『MAJOR』海藤学園高校野球部過失傷害事件
- 『DEATHNOTE』デスノート連続殺人裁判