光の騎士
ひかりのないと
SDガンダム外伝の第4弾。
騎士と魔王・善悪ふたりのガンダムが現れてからの物語がここに決着を迎える。
続く第5弾以降は新主人公を起用した別の物語となるため、第1弾から第4弾までをジークジオン編と称し区別するのが一般的である。
前日譚
騎士の怨霊
巨人の襲撃により破壊されたラクロア王国の城下町も再建が進み、負傷したレビル王も回復、人々も活気を取り戻していく中、ジオンの騎士の亡霊が夜な夜な人を襲うという怪事件が発生。
調査に乗り出した騎士ガンダムの前に現れたのは、かつて魔王サタンガンダムの腹心であった騎士サザビーの怨霊・ファントムサザビーであった。
ジークジオンの魔力により強化されたサザビーのファンネル攻撃により、力の盾と霞の鎧が破壊され、ガンダムも重傷を負ってしまう。
そこに鍛冶屋テムと助手の少年アルがアルガス王国から帰国。
最高位の称号
アルに託されていた騎士の鎧とナイトシールドが破壊された二神器と鋳合わされ、テムの手により新たな白き鎧が造られる。
だが、鎧の完成間際にファントムサザビーが工房を襲い、鎧が奪われアルとテムはさらわれてしまう。
騎士ガンダムは神器に頼りすぎていた己自身を恥じ、フラウやガンタンクの制止を振り切りファントムサザビーとの再戦に赴く。
絶体絶命の状況下で、アルが掲げたランプの光にファントムサザビーが怯んだ隙をつき鎧を受け取ったガンダムは、光こそが怨霊の弱点であることを見抜き、鎧にあわせて強化された電磁ランスの一撃でファントムサザビーを撃破。
この功績に報いるべく、レビル王はラクロア家臣の証としてバーサルソードを恵賜。ここにバーサル騎士ガンダムが誕生した。
登場キャラクター
鍛冶屋テム/少年アル/妖精ジムスナイパーカスタム
スライムアッザム(群体)/キングアッザム/ウィルオーエルメス
バーサルシャドウ/アレックスシャドウ/アルガスシャドウ
闘士ケンプファー
騎士ゼノンマンサ
闇の皇帝ジークジオン
ストーリー
記憶も正体も不明ながら、2度にわたってラクロアを救った騎士ガンダムに、
最大の栄誉、バーサル騎士の称号が贈られた。4人のガンダムを招待し、アムロも帰国。
宴の中で、奏でられた導きのハープが突如ガンダムたちをジオンの本拠地、ムーア界へと転移させる。
ティターンの塔の最上を目指し、一人また一人とガンダムたちが倒れてゆく。
上階でバーサル騎士ガンダムを待っていたのはネオブラックドラゴン。
しかし彼もまたジーク・ジオンの駒にすぎなかった。騎士ガンダムもサタンガンダムも
もとは一人の竜の騎士だったのだ。すべてを思い出した彼ら二人は融合、
余談
第3弾までは存在していたアイテムカードが今回はない。
五人のガンダムが一堂に会した時点でお膳立ては整っており、探索や謎解きの要素は既に不要となっている。
そのため、ムーア界に転移した直後から即連戦。待ち受けるジオン族を蹴散らし、闇の皇帝まで一直線である。
数字なんて飾りです
バーサル騎士ガンダムの能力値はHP2,000とサイコゴーレムと互角の数値になっており、アレックス(HP1,900)と三隊長(HP3,000)が加われば、ティターンの塔の戦力(鋼鉄の間の戦士団、赤銅の間のモンスター群、白銀の間のシャドウ、黄金の間の魔道士・呪術士コンビ)ではまず相手にならないレベル。
ゼノンマンサ(HP1,800)と親衛隊(HP2,900)がアルガスの面々に匹敵する力量を持ち、黄金の間での戦いを彼らに任せ上階へ進むバーサル騎士ガンダムの前に、復活したネオブラックドラゴン(HP13,000)が立ちふさがる。
両者の宿命の対決に最上階のジークジオンが乱入した影響で塔が崩壊、アルガス騎士団は親衛隊もろとも落下。ネオブラックドラゴンを含むすべてのガンダムを亡き者とすべく攻撃を仕掛けてくるジークジオン(MP26,000)を前に、二人はもとはひとつの存在であったこと、戦うためではなく再融合を果たすために再会したことを認識、ここに黄金の竜・騎士スペリオルドラゴン(HP15,000)が顕現する。
数値上はジークジオンのほうが圧倒的に優位だが、ここに巨人の水晶を携えた黄金の騎士が登場。その正体はジークジオンの呪いによって半獣の姿に変えられていた騎士シャアであった。
サイコゴーレムの精神体がジークジオンを押さえつけ、その巨体を騎士スペリオルドラゴンが突き破る…
ちなみに、このやり取りがジークジオンの力を半減させる、あるいはスペリオルドラゴンの力を倍増させるといったことは明言されていない。ジオダンテの事例でもそうだが、能力値の比較はすでに演出効果と割り切られている。実際、OVAでは押さえつけられたジークジオンが暴れて床が崩れ、サイコゴーレムによる束縛が無効化されてしまうが、落下中に覚醒したスペリオルドラゴンが舞い戻り、問答無用で胴に風穴を開けてしまっている。
赤い彗星
なお、転移したガンダムたちを見送った直後に、行方不明だったガンキャノンが発見・保護されるが、巨人事件以来の記憶が失われていた。
さらにそのあと、深夜のラクロア城に再びハープの音が流れたのを兵士ジムが聞いている。横井版ではフラウの寝室にララァの精神体(生霊?)が現れ、その後黄金の鎧の破片が発見されていることから、シャアをムーア界に送り込むために何らかの方法でハープを弾かせたものと考えられる。
OVAでは巨人の水晶球がシャアをムーア界へ導いている。これは一度騎士ガンダムの手でサラサの元に返されているのだが、おそらく予知能力でサイコゴーレムの力が必要になることを知ったサラサが、自らの意思でシャアに水晶球を託したものと思われる。
そして呪いから開放されたシャアは地上へ還されるのだが、ジークジオンの悪意がスダ・ドアカワールドから消え去っていないことを察知、その後も独自に暗躍を続けることとなる。
ザクレロとジムヘンソンJr.
決戦の後に残った小さなモンスター、それがザクレロである。
本来は非力で脆弱な種族だが、人間のために絶滅寸前に追い込まれた怨念によって強大なる闇の化身・ジークジオンに変じた、と思われていた。
このザクレロはスペリオルドラゴン=サンタガンダムの手でジムヘンソンJr.のもとにプレゼントとして届けられる。
だが本来の無害な姿に戻ったとはいえ、ジークジオンとして多大な災厄をもたらした存在を一市民の、それもまだ幼い少年の手に委ねるべきなのかという疑念はあった。
しかしザクレロの中に人間への恨みはあっても、スダ・ドアカワールドの支配をもくろんだ邪悪な精神はザクレロとはまったく別の存在であり、ただ生き延びたいというザクレロの純粋な願いにつけいることで実体を得ていたことが後に判明する。
スペリオルドラゴンもそれを知っていたからこそ、モンスターと心を通わせる才能を秘めたジムヘンソンJr.にザクレロを託したのかもしれない…が、その直後にザクレロは分裂・巨大化・大脱走という騒動を引き起こし、ジムヘンソンの家は再び全壊してしまう。『迷惑神』はダテじゃない!