概要
久宝寺駅(大阪府八尾市)から放出駅(大阪市鶴見区)を経由し、大阪駅(うめきた地下駅)までを結ぶ路線である。2008年3月15日に放出〜久宝寺間が開業し、残る放出〜新大阪駅間は2019年3月16日に開業している。営業キロ20.3km。
JR西日本の新規開業路線としては、1997年のJR東西線以来11年ぶり。JR西日本のアーバンネットワークの一環として位置付けされている。路線記号はF。
路線自体は戦前に開業した、片町線(現在の愛称は学研都市線)の貨物支線である城東貨物線で、これを旅客化した形であり、旅客化と同時に独立した線路名称が与えられる形となった。また、JR東西線同様の上下分離方式となり、第三セクターの「大阪外環状鉄道」が施設保有者となっている。旅客化後も百済貨物ターミナル駅への貨物列車や近畿車輛からの甲種輸送は継続して運転されている。
放出までの部分開業時は直通快速が学研都市線の北新地方面にJR東西線に入り尼崎駅まで乗り入れていたが、新大阪延伸以降は直通快速は新大阪行となり、両線の旅客運用は完全に分けられる形となった(ただし放出駅のホームの発着については完全には分けられていないので、現在もどちらかで遅れが出た場合は、お互いに影響を及ぼす可能性はある)。
ラインカラー
おおさか東線のラインカラーはブルーグレー。選定理由は、「先進都市をイメージさせる銀色とコーポレートカラー(青)を合わせた色」である。
駅一覧
関西本線(大和路線)を経由、奈良まで直通運転する直通快速と、線内を各駅に停車する普通列車が運行されている。
久宝寺駅を除く全駅が特定都区市内制度の『大阪市内』エリアの駅に指定されている。
★印は特定都区市内制度の『大阪市内』の駅。
◎は停車、レは通過。
駅番号 | 駅名 | 普通 | 直通快速 | 乗り換え路線 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
JR-F01 | ★大阪(うめきた地下駅、未開業) | - | - | JR西日本:東海道本線(JR京都線/JR神戸線/JR宝塚線) | 大阪駅の地下ホーム。将来はなにわ筋線(2030年代に開業)と接続予定 |
JR-F02 | ★新大阪 | ◎ | ◎ | ||
(JR-A45) | 東淀川 | レ | レ | - | おおさか東線のホームはなし |
JR-F03 | ★南吹田 | ◎ | レ | - | |
JR-F04 | ★JR淡路 | ◎ | レ | 阪急電鉄:京都本線/千里線 淡路駅 | |
JR-F05 | ★城北公園通 | ◎ | レ | - | |
JR-F06 | ★JR野江 | ◎ | レ | ||
JR-F07 | ★鴫野 | ◎ | レ | ||
JR-F08 | ★放出 | ◎ | ◎ | JR西日本:片町線(学研都市線) | |
JR-F09 | ★高井田中央 | ◎ | ◎ | OsakaMetro:中央線 高井田駅 | |
JR-F10 | ★JR河内永和 | ◎ | ◎ | 近畿日本鉄道:奈良線 河内永和駅 | |
JR-F11 | ★JR俊徳道 | ◎ | レ | 近畿日本鉄道:大阪線 俊徳道駅 | |
JR-F12 | ★JR長瀬 | ◎ | レ | - | |
JR-F13 | ★衣摺加美北 | ◎ | レ | - | 駅名は「きずりかみきた」。2018年春開業 |
JR-F14 | ★新加美 | ◎ | レ | - | |
JR-F15 | 久宝寺 | ◎ | ◎ | JR西日本:関西本線(大和路線) |
補足
- 新大阪駅から先、梅田北地区(うめきた地区)への1区間を2023年に開業させる予定。おおさか東線の終着駅は大阪駅の地下ホームとして開設される。2030年代開業を目指しているなにわ筋線との接続も視野に入れている。
- 新大阪駅と放出駅、久宝寺駅除く全駅にそれぞれステーションカラーが設定されている。開業時から喫煙コーナーが設けられず終日全面禁煙となっている。また、ダイヤ乱れが生じた際に駅部での列車抑止を容易にするために、JR西日本で初めて抑止表示器が設置された。
- 新大阪駅と放出駅、久宝寺駅をのぞき全駅ともみどりの窓口はないが、代わりにみどりの券売機がこれらの各駅に設置されている(鴫野駅はみどりの券売機プラス)。新大阪駅・鴫野駅・放出駅・久宝寺駅を除き、駅業務は株式会社ジェイアール西日本交通サービスに委託され一部時間帯で無人となる。
- JR長瀬駅~新加美駅間は駅間距離が2.7kmと長いため、東大阪市が大阪市との市境付近に新駅設置を要望しており、2011年3月には両市とJR西日本が新駅設置に合意し、2018年3月17日に営業を開始。駅名は「衣摺加美北(きずりかみきた)」となり、難読駅名となった。
- 衣摺加美北駅~新加美駅間の正覚寺信号場から平野駅、JR淡路駅~南吹田駅間の神崎川信号場から吹田貨物ターミナルへの貨物支線があり、吹田貨物ターミナル~百済貨物ターミナル間の貨物列車のルートになっている。
- 南吹田駅は東海道本線の吹田駅と東淀川駅の中間からやや離れた位置となるが、東淀川駅におおさか東線の駅が作られないこともあって、東海道線の京都側からおおさか東線に乗り換える場合はいったん新大阪駅まで出て折り返さなければならない。
- 鴫野駅~放出駅間は片町線と別線扱い。片町線の駅として営業中の鴫野駅にも実質的には2008年3月15日の部分開業時から乗り入れ開始となっているが、この時点では停車する営業列車の設定は無かった。
使用車両
普通列車
大和路線と車両を共有している。新大阪延伸開業後は201系の運用が増えるが、大阪環状線からの転属で編成を補充した。2023年度までに221系への代替を予定している。
吹田総合車両所奈良支所所属。
直通快速
直通快速にも女性専用車両の表記はあるが、大和路線、おおさか東線区間内は対象外になる。(車両とホームで掲示位置がズレるため)なお、片町線(学研都市線)経由で朝夕ラッシュ時などに奈良駅に乗り入れる207系、321系とは奈良駅での編成の向きが逆になるので、気づかずに乗ると放出駅で降りる時など、いつもと真反対の位置になるので注意が必要。
網干総合車両所西明石支所所属。
その他
貨物列車はコンテナ車両のみ。
導入予定車両
201系完全撤退後の主力車両になる予定。(運用増加分は網干総合車両所からの転属で補充される)
ちなみに営業列車を除けば、貨物列車運休時の保安列車(いわゆる錆取り列車)として走行実績はある。
吹田総合車両所奈良支所所属。
過去の車両
開業時から普通列車で使用されていたが。経年・老朽化により2018年1月に運用撤退した。
直通快速(JR東西線経由時代)に使われていた。
だが、JR東西線に4ドア用のホーム柵を設置する事になり、3ドアの223系ではドア位置が合わなくなるため運用撤退。
新大阪延伸開業後、直通快速は新大阪発着になるためホーム柵の縛りは無くなるものの、223系に置き換えると207系・321系の運用が余ってしまうことから、延伸開業後も引き続き207系・321系が担当する。
臨時特急「まほろば」として新大阪ー奈良間をノンストップで結ぶ。2019年11月から12月の土・休日を中心に1日あたり1往復を運転。上下線ともに新大阪駅で山陽新幹線との接続を念頭に置いたダイヤが組まれた。使用されたのは「くろしお」色グリーン車なしの3両編成で、1,2号車が指定席、3号車が自由席。
百済貨物ターミナルの電化に伴いDE10使用の1往復を除き電気機関車にバトンタッチした。