基礎データ
他言語版での名称
英語 | meltan |
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進化
メルタン → メルメタル (『ポケモンGO』において「メルタンのアメ」を400個使用)
概要
2018年9月22日、『ポケモンGO』にて開催されたコミュニティ・デイ終了直後に、何の告知もなく突如大量に現れたという、鮮烈な初登場を果たした存在。
詳細は後述するが、その数日後に情報が更新され、最新作『LPLE』に登場する新たな幻のポケモンであった事が判明した。
まず目に付くのは金色のナットそのものな頭部。完全な吹き抜けとなっているその中心には鋼球状の黒目が浮かんでおり、時折キョロキョロしたり、自在に形を変えることで色々な感情を表現している(また後側にはハイライトが入っていない)。
銀色のメタモンの様にも見える体の部分は液体金属で構成されており、その形状はとても流動的。また、お尻(?)からは赤い銅線に似た尻尾が突き出ている。
この見た目通り金属生命体的な性質を持つポケモンで、ココドラ系統のように金属が主食らしく、液状化した手足を使って他の金属を侵食し体内に取り込むことができる。
それを元に体内で電気エネルギーを発生させ、生命活動の源とする他、目から発射して攻撃技としても活用できる。
無機質な外見に反し、性格は好奇心旺盛であらゆるものに興味を示す。また子供のようにとても無邪気で、単眼を変化させて様々な表情を見せてくれる。
また、頭部のナット部分はなんと着脱可能であり、目と液体金属の部分だけでも生命活動に支障はないという、より不思議さの際立つ生態となっている。
ナット部分だけを高速回転させる事もでき、その際に発する共鳴音で仲間と交信をとっている描写も確認されている。
名前の由来は「メルト」「メタル」「目」「メルキューレ」等の複合であると思われる。
名称が判明するまでは、「謎のポケモン」「ナット君」「nutto(ナット<nut>とメタモンの英名dittoのかばん語。なぜメタモンなのかは後述)」などの呼び名・タグが使用されていた。
その生物離れした姿と生態から、異世界から迷い込んだウルトラビーストに定義されるポケモンではないかとの説が挙がっていたが、鳴き声にはUB特有の残響音が入っておらず、種族値も素数づくしという訳ではない。
そして、幻のポケモンでは初となる"進化"を遂げることも明らかとなった。
登場の経緯
2018年9月22日に行われた『コミュニティ・デイ』はチコリータが色違いを含めて大量発生するイベントだった。
だが、その終了後30分の間に突如として、一切の詳細が分からない異質な"何か"が大量に現れたのだ。
当初は「??????」という表示で、捕まえるとそれはメタモン(もしくは少数だがチコリータ)が変身していた姿であり、その簡素な姿や他のポケモンのデータに入り込んでいた事などから、プレイヤーの間では「単なるバグか、新手のけつばんか」と騒がれていた。
(一部地域ではこのポケモンでなく、未実装が続くカクレオンに化けたメタモン(チコリータ)が出現していたことと直前のコミュニティ・デイで不具合が発生していたこともバグ説に信憑性を与えていた。けつばんは非公式だが152番目のポケモンである)
一方で、表情などのモーションがきちんと作りこまれていた事や、その後日を跨いでも消されず(大量ではないが)普通に出現していた為、「今後本当に登場する新ポケモンであり、それを見たメタモン達が化けているのでは」との声も強かった。
そして2018年9月25日の夜、公式によって新たなる幻のポケモンであったことが発表され、PVの内容を見るに、ファンはまんまと公式側のドッキリにしてやられたのであった。
またこのメルタンが『LPLE』に登場し、その実装には『ポケモンGO』が大いに関わっていることも告知された。
このようにポケモンGOという媒体を通じて、新種のポケモンがサプライズ発表されたのは史上初であり、イベント参加者は元よりネット上でも大いに話題を呼んだ(「ときどき曇り」で天候ブーストが掛かっていたのは単なるミスか、変身元のメタモンのデータが使用されていた可能性がある)。
"誰も見たことがない謎のポケモンが目撃され、その正体を巡って古参も新参も関係なく皆が沸き立つ"という事例は、初代幻ポケモンのミュウが発見された当時の現象そのものであり、世界中のユーザーを大いにワクワクさせ、初代のリメイクゲームとしても最高のデモンストレーションとなったのである。
入手方法
このメルタンは『ポケモンGO』と『LPLE』の連動によって手に入れる事が可能。
初めて『ポケモンGO』から『LPLE』へポケモンを送った時に限り、『ポケモンGO』の方で特別な道具「ふしぎなはこ」を貰うことが出来る(どのROMに送っても入手できるが、1つのアカウントに2つ以上保有することは出来ない)。
そして『ポケモンGO』で「ふしぎなはこ」を使うと、一定時間使ったプレイヤーの周りにだけ本物のメルタンが出現するので、ボールを投げて捕獲する。
要するに『GO』内における「おこう」と同じような仕組みで、30分経つと出てこなくなる。30分間に出現するメルタンの数は大体19匹とみられる(実装当初は10匹程度だった)。
このメルタンを『LPLE』にも送ることが出来る……が(後述)。
「ふしぎなはこ」は一度使うとしばらく使用できなくなるが、3日(実装当初は1週間)間をおいた後にまた『LPLE』へポケモンを送ると再度使えるようになる。
その為『USUM』でのウルトラビースト同様、タマゴ未発見の伝説・幻枠でありながら何匹でも捕獲する事が可能で、他のユーザーとの交換も問題なく行える。
2019年2月以降諸事情から「おこう」の有効時間と出現ポケモン数が延長されたが、なんと「ふしぎなはこ」も対象になっており、有効時間が60分、総出現数約60体となり、一度に大量のメルタンを手に入れることができるようになった。
また『ポケモンGO』にてメルタンが出現するスペシャルリサーチの開催も2018年11月に開始されたが、時間と手間がかかるので『LPLE』をある程度進めて「ふしぎなはこ」を使った方が手っ取り早い。
2019年2月6日~3月5日、及び4月25日~5月6日では『ポケモンGO』にて色違いが実装された。
期間内に頑張って探したユーザーには入手できた者も多いはず。
注意点
メルタンの扱いについて注意する点がある。
まずメルタンの進化方法について、『ポケモンGO』にてメルタンのアメを400個集めないと進化できない。
これはコイキングやホエルコ、チルットなどと同様最も個数が多い進化で、「ポケモンゲットでアメを3個、逃がしてアメをもう1個」と考えると約100体分のメルタンが必要ということになる。
当初は「ふしぎなはこ」が使えるのが当初は1週間に1回、しかも1回につき僅かに10匹程度しか出現しなかったのだからトレーナーは相当に焦らされたのである(トレーナーによってはアメを無理矢理増やすアイテムを使って進化させることができなくはないが)。現在では3日に1回、3分に1匹程度になったのでこの点は改善された。
なおメルタンの進化方法は上記に挙げた方法しかない。それ以外の方法では進化することができない。つまり『LPLE』においても、『剣盾』においても進化できない。ランクバトルで使えない幻のポケモンかつGO連動前提なので事故が起きる事は少ないが、アメを400個も溜めるのが面倒だからと『LPLE』に送り進化させようと思ってレベルを上げてもアイテムを使っても進化できずに泣きを見ることになる。
こう見ると進化がかなり面倒くさそうだが、「本家と異なり狙ったポケモンが出にくい」というGOの仕様上、ピカブイ所持前提だが時間がかかるだけで自分でタイミングを狙って出せるため他の400飴進化や600族などのレアポケに比べるとハードルは低い部類に入り、それ故に時間がかかるがメルメタルの量産そのものも難易度は高いわけではない。メルメタルがジム防衛で割と見かけられるのもこれが理由である。
ちなみにに『幻のポケモン』扱いを受けているため『GO』内ではまとめて逃がすことができない。ただでさえ進化に大量捕獲が必要なのに逃がすのにいちいちポケモンのステータス画面を開いて「本当に逃がしますか?」の画面を見なければいけないのは手間もいいところである。
かといって『LPLE』に送っても今度は捕獲するまで逃がせない上に捕獲率がすこぶる低い。幸いゲットしさえすればまとめて逃がすことはできるが……
本編での扱い
上記のように本編ではメルメタルに進化できない。立ち位置は差し詰めこいつである。
当然「進化前と扱われない」のだから「しんかのきせき」も適用されない。かといってこのまま対戦で使えるかというと、種族値はご覧の通り。
H | A | B | C | D | S |
---|---|---|---|---|---|
46 | 65 | 65 | 55 | 35 | 34 |
……まず観賞用と言ってよいだろう。
『ポケモンHOME』が解禁され、進化形共々剣盾にも送れる。
さりげなく『ポケモン剣盾』においては現状唯一の「じりょく」持ちなので、はがねタイプが欲しいときには役に立つかもしれない。
アニメのメルタン
CV:三宅健太
サン&ムーン編109話の終盤で初登場。メレメレ島行きの定期船に複数体で忍び込み、倉庫で金属類を漁っていた。
鳴き声は「メルメル」ではなく、子猫のような「二ー二ー」という高音。UBの様な異世界のポケモンではないため、ロケット団のニャースを介した通訳も可能。
こちらでは古い文献もない全くの新種として扱われており、ロトム図鑑が集めたデータを得たオーキド博士によって解析され、メルタンと命名された。
目からビーム技を放つため、ロケット団からは"メカラビ"とも呼ばれている。
上陸した先の倉庫で金属類を食い漁っていたが、マンホールを餌にしたことで全員下水道に落下してしまい、そこにいたコラッタに驚いて二手に分かれる派目に。
片方の群れはウルトラガーディアンズの指令室にたどり着き、機械類に食いついた結果、掃除中のピクシーに追われてサトシたちの教室へ迷い込み、工作中の彼らにナットと間違えられる形で発見される。
もう一方の群れは、コジロウたちが運んでいた部品に惹かれて、そのまま彼らのアジトに忍び込み、捕獲武器や通信機材、コジロウ秘蔵の王冠コレクションまで食い荒らしてしまう。
その後、スクール側の群れが上記の共鳴で、もう一方を呼び寄せることに成功。
指令室で合流しピクシーを困らせるも、金属に惹かれる事に気づいた彼女に(組体操まで覚える程)餌付けされ無害化。そのまま指令室のアシスタントとして落ち着いた。
しかし124話、126話ではいつの間にか数が倍々に増えており、居合わせた者達を驚かせている。
そしてポケモンリーグの最中、下記の個体に呼び寄せられ海底を泳いで決勝戦前夜にマナーロ・スタジアムへ集結。一斉に一体化してメルメタルへ進化した。
サトシのメルタン
スクール側の群れが逃げ出した際にはぐれ、サトシのモクローと邂逅した一体。
下記の経緯により、ナットの色が少し濃くなった半色違い的な存在である。
気持ちよさそうに眠るモクローにつられて寝入ってしまい、起床時に驚いて落としヤミカラスに盗られる寸前のナット部分を取り戻してくれた彼に感謝して大いに懐く事に。
翌日も同様の理由で再びナットを落とし、偶然ロケット団の車両修理に使われるトラブルに見舞われるも、涙目のメルタンを見かねたモクローの奮闘により無事に取り戻した。
その後モクローを探しにきたサトシに保護され、仲間たちとも再会するが、自らはモクローの元に居る事を選んで群れに別れを告げ、そのままサトシの手持ちとして正式にゲットされた。
サトシの手持ちとしては初のはがねタイプかつ幻のポケモンで、また、サン&ムーン及び平成のアニポケにおいて、彼が最後にゲットしたポケモンでもある。使用技は「ラスターカノン」「でんきショック」「ずつき」「かたくなる」。
バトル経験が未熟な為、強者であるムサシのミミッキュ等には不利に陥りやすい。
金属なら何でも捕食することができ、ロケット団が使用する超合金製の檻や、ポケモンハンターの潜水艇なども食い溶かしてしまう為、メカに関する脅威にとても強い。
特に油を敷いたフライパンはよほど美味だったのか、少なくとも116話の時点で3回自宅の物を捕食し、サトシ達を少し困らせている。121話でサトシがアイナ食堂にフライパンを返しに訪れていた事から4個目もお釈迦にした様だ。
ウルトラガーディアンズの活動中は、シンボルとしてナット部分にシールが貼り付けられる(メダルだと食べてしまう可能性が高い為)。
130話のリーグ本戦ではスリーパーの大事な振り子まで食べてしまい、インチキでメルタンを出させたザオボーに墓穴を掘らせる形で勝利している。
132、3話でのハウのジュナイパーとモクローのバトルに何かを感じたのか、2回戦終了後スタジアムの天辺で共鳴行動を取りはじめ、仲間達を呼び寄せる。
そして輪になったメルタン達の中心で踊りながら、電気のパスを繋いだ事で一体化し、メルメタルへと進化を果たした。
余談
色々金属づくしな為に間違えやすいが、「メタルン」ではない。
それは同社の先輩の作品に出てくるキャラクターである。
「151匹しかいない設定だったのに、古い文献に載っているのはおかしい」との声もあるが、それは初代赤緑の世界線のみの話であり、以降の作品では破却されているため問題はない。
上記のように初出が『ポケモンGO』であるため、メルタンおよび進化形のメルメタルは、「〇〇地方出身のポケモン」という括りに入らないポケモンである(本編登場を初出とするならカントー地方出身と受け取れなくはないが)。
このため地方ごとの分類で初めて「その他」で分類されることになった。
ONEPIECEの作者が熱心なポケモンGOプレイヤーであり、またポケモンGOとの正式コラボで麦わら帽子のピカチュウが出た事があった縁もあってか、ワノ国編以降ユースタス・キッドが能力発動で金属を集める際に数匹メルタンが紛れ込んでいる姿が度々確認されている。
関連イラスト
直接な関連性は無いが、同時期に偶然同じく話題になった同じ任天堂の(二次制作)キャラ、クッパ姫と共演したイラストも多少ある。