CV:浪川大輔(第73話の番組表及びエンディングクレジットで判明。ロトム図鑑と兼任)
「キー……」「ギギッ……」「クカッ……カカカッ……」(効果音)
概要
アニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』において、ロケット団のメンバー・ムサシの手持ちとなったミミッキュ。
何故かピカチュウという種に対して強い憎悪を抱いており、ニャースの通訳によれば「好きでこんな姿をしているわけではなく、むしろその姿こそ最大の憎しみ」とのこと。ゲームの図鑑説明と比べ随分殺伐としている。
後に登場したアセロラのミミッキュはピカチュウとも仲良くしていたため、この個体だけの事情である模様。
(ミミッキュという種はピカチュウが皆から親しまれる人気者だからその姿を模しているポケモンであり、ミミッキュ自身がピカチュウをどう思ってるかは個体によるのだろう。)
また、ゲームでの愛嬌のある鳴き声とは対照的に、アニメでの鳴き声はかなり特徴的で不気味。
金属音を思わせるようなものが混じった独特のものである。
作中では
ゲットまで
初登場は第3話。元々はハウオリシティ郊外の裏の森に野生として住んでおり、ポケモンゲットのため森を散策するロケット団の目の前に飛び出してきた。
ピカチュウそっくりだが首が折れ曲がるその姿に、ロケット団は一瞬戦慄。
しかしムサシは「よく見たらちょっと可愛くない?」と気に入り、ゲットしようとニャースをけしかけるが、布をめくり「何か」を目にしたニャースは突然倒れ、不安と幸せと恐怖を絶え間なく繰り返す悪夢を凄まじいやつれ顔で見続けた。
物音に気づきロケット団がミミッキュの前から去ったあと、フィールドワークで訪れたサトシと遭遇。今度は打って変わって彼のピカチュウに並々ならぬ敵意を向け、バトルすることに。
そのまま利害関係の一致からロケット団に手を貸すと自ら申し出るが、第4話にてムサシが普通のモンスターボールを投げると、片っ端から弾き返してしまう。
しかし、ムサシがコジロウ秘蔵のゴージャスボールを(半ば強奪して)使ったところ、あっさりゲットされる。(というよりゲットされに行った)
それ以来、出てくる度にサトシのピカチュウを付け狙うという因縁が生まれた。
ゲット以降
第12話ではピカチュウの布を脱衣した本体のまま海水浴を行い、目が合ったニャースが再び死にかけている。
この時ニャースが見たミミッキュの本体は、黒いもやのような姿をしていた。
また、ミミッキュの化けの皮に描かれている顔は水性のマジックで描いていたのか、海水で顔部分のインクがにじんだことで一層不気味な風貌になり、これにはさすがにムサシ達をも震え上がらせた。
事あるごとにミミッキュの中身がニャースの視界に入り、ニャースが悪夢に合うギャグが繰り返されている。現在ロケット団本部にいるアローラニャースは、わざと布をめくってニャースに見せる悪戯をした。
第38話では、サトシたちとの戦いで"ばけのかわ"が破れてしまう。
「この機会に別の物にしたら?」と、ムサシに様々なもの(バケツや帽子など)に着せ替えられたが、よほどピカチュウの布にこだわりがあるのか機嫌を損ねてしまう。見かねたムサシは布を縫い直し、ヤミカラスに盗まれそうになっても必死に取り返した。ミミッキュはやや涙目になって喜び、これをきっかけにムサシにも若干心を開くようになった。
性格・特徴
普段から怨嗟や恨み節めいた恐ろしいことを呟いている荒み切った性格で、ポケモンの言葉がわかるニャースとソーナンスを度々震え上がらせている。初対面時にも、ニャ-スが怯えて翻訳を拒否するほど恐ろしい文言を垂れまくっていた。
仲間になった後もピカチュウと戦うこと以外にはやや無関心で、普段は割と自由に行動しており、ピカチュウ以外との戦闘もそっぽを向く。ただムサシとの関係はそんなに悪くはないようで、ピカチュウとの戦闘の際は指示に背くことはなく、ボールから出ていることも多い割にムサシの元から去ることもない。
第38話の騒動をきっかけに、ピカチュウ以外が相手でもムサシのいうことを聞くようになったが、ピカチュウが視界に入ると優先的に攻撃してしまうことは変わっていない。
ニャースは初対面時に殺されかけた恐怖が尾を引いているのか、ミミッキュが視界に入っただけで怯えている。「ニャゴシエーター」と自称し、あらゆる凶暴なポケモンと関わったこともあるニャースにしては珍しい(が理解はできる)反応である。
一方のミミッキュがニャースをどう思っているかは言及されていないが、突然ニャースのすぐ傍に寄ることが度々あり、「近寄るな」と言われても寄ってくるなど、少なくともニャースに対する嫌悪意識はない模様。
ロケット団がバトル以外の娯楽イベントに参加する時には、ムサシたちのノリと勢いと悪巧みについて行きながらおとなしく行動している。キテルグマやロケット団との初対面時のように見境なく攻撃を仕掛けるわけでもないあたり、図鑑説明の通り本質的には寂しがり屋なのかもしれない。
話が進むにつれ、ニャースたちもミミッキュをそれほど怖がらなくなってきており、一同で商売に励む際には自身も手伝ったり、ムサシたちにZワザのフェアリーポーズを指南して特訓を一緒に行うなど、絆は深まってきている。
バトルでの実力
習得技は「じゃれつく(→ぽかぼかフレンドタイム)」「シャドークロー」「シャドーボール」「ウッドハンマー」。
シャドーボール以外の技はゲームでも対人戦で使われる技でありここからもう強い。
- ムサシがほとんど指示しなくてもフィールドを最大限に生かしたテクニカルな戦い方ができる。
- 接近戦の強さはピカチュウ以上。
- シャドーボールの連射や同時生成もできるが、これは今までのロケット団の手持ちどころか他のポケモンにも中々見られない芸当。前例はカルネのメガサーナイトのみと言えばその凄さがわかるだろう。
- 特性も発揮されており、弱点であるはずのピカチュウの「アイアンテール」を無傷で受け流してしまった。尚、戦闘中隙あらばピカチュウの頭部位を立て直しているが、さすがに一度の戦闘で何度も受け流せないようだ。
- モクローの技「このは」で攻撃を妨害されこそすれ、それでダメージを受けた描写がない。
- 物理技が中距離に届く。「シャドークロー」はリーチが長くて軌道自在、「ウッドハンマー」は弾状攻撃を打ち返せる。
- ゲームでは習得レベルが46である「じゃれつく」を使える時点で相当な実力者であることがうかがえ、実際サトシたちのポケモンを例外なく苦戦させており、バトルで気絶まで追いやられたことは一度もない。
- ついにZワザ、しかも専用技「ぽかぼかフレンドタイム」(ロケット団にあるまじき威力)を取得。普段の絆のおかげで不発もない。
以上のように、噛ませ犬的な扱いを受けることが多い歴代のロケット団のポケモンとは明らかに一線を画すポケモンである。
第12話ではヒドイデとの連携でサトシのポケモンを敗北寸前まで追いやり、第24話ではぬしポケモンのアローララッタを倒している。
第76話ではサトシからも「やっぱりあのミミッキュは強い」と評されており、実際この時も終始ミミッキュはピカチュウを圧倒していた。ピカチュウが偶然新技を習得しなければ、確実に勝利していたであろう。
第129話ではピカーラの個体のピカチュウ(ボルト)にも容赦なくノックダウンさせており、モブの個体にも周りのポケモンを跳ね除けて襲いかかったが、そのせいでムサシ&コジロウのひたすら生き延びる作戦を失敗させている。サトシのピカチュウと鉢合わせになった際はそれまで以上に殺意を表しており(その際サトシにムサシのミミッキュの事を感づかれている)、試合終了になった後にも不意打ちをかけてきたが、間一髪のところでムサシによってボールに戻されている。
後にコジロウがゲットしたヒドイデも、特定のポケモンを殺傷する生態が知られているため、「ロケット団は歴代でも屈指の戦力を手に入れたのでは?」との声もある。
しかし、そんなミミッキュもキテルグマには逆らえないようだ。
タイプ相性的にミミッキュの方が相当有利なはずなのだが、それを黙らせるキテルグマの強さは底を知れない。
ただし、第76話で真剣勝負の最中に回収されかけた時は、キテルグマに誠意のこもった依頼を行い、バトルを継続させる許可を貰っている。決着がついて基地に帰らされる時には、ミミッキュだけが優しく抱えられてカートに乗せられた。(その後もミミッキュのみ丁寧に抱えられたりしている)
114話でキテルグマがブチギレた際にはミミッキュもロケット団同様に青ざめていた。
別れ
最終回でサカキからカントーへと帰還命令が出され、ムサシは状況を考えた末、ミミッキュへアローラに残るよう伝えるが、それに焦りを感じたのか単身でサトシとピカチュウを襲撃。
しかしその最中、海面に映った自分の醜い姿をハッキリと見てしまった事で己への絶望が蘇り、それ迄の凶暴性が失せ、サトシ達にも心配される程に憔悴してしまう。
その夜、心配し探しに来たニャースへ初めて弱音を打ち明け、それを聞いた彼は「憎しみからは何も生まれないニャ。おミャーもそろそろ前を向いて生きていい頃ニャ」と諭す。
その言葉を受けて涙を拭い、ムサシ達との別れを受け入れ、ヒドイデやヌイコグマといった仲間たちと生きていく事にしたのだった。
SM以降
新無印編37話ではキテルグマ・ヒドイデ・ヌイコグマと共に行動をとってるシーンがあったが、この時はロケット団はおろかサトシ達とも会っていなかった。しかし、76話でアローラ無人島レース中でサトシ達を妨害したものの吹っ飛ばされたムサシたちと久々の再会を果たした。
最終章「めざせポケモンマスター」9話では回想のみ登場。
関連イラスト
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ロケット団のポケモン
- ロケット団のニャース:手持ちでなく団員扱い