概要
アニメ『ポケットモンスター』第57話から登場したコジロウに過度になつく(?)ポケモンの元祖的存在。
元はウツドンだったが、ヤマトとコサブロウが任務のために営んでいた育て屋に預けたことでいつの間にか進化し、コジロウの手持ちに加わった。後述する第261話によると、コジロウはウツドンの可愛さを気に入ったらしく(特に目の部分)、マタドガスと戦わせてゲットしたとのこと。
過去に使用したことがあるわざは「つるのムチ」「はっぱカッター」「たいあたり」「とっしん」「まきつく」「ねむりごな」「しびれごな」「つるぎのまい」「すてみタックル」。「つるのムチ」は頭のツルで攻撃するのが主だが、172話のみ身体から2本のツルを出して攻撃していた。
鳴き声は「キャーーーーーー!!」という悲鳴のようなもので、ポケモンでは珍しく自分の名前を元にした鳴き声ではない。恐らくマンドラゴラが由来と思われる。
ボールから出た瞬間によくコジロウの頭やお尻を呑み込もうとするのがお決まりで、当初はコジロウのトレーナーとしてのレベルが低いが故に言う事を聞かないものと思われていた。しかし、バトルでは技の使用などの指示を一応は聞いており、後に今までの行動は全て愛情表現(?)だった事がコジロウ自身の口によって判明させられている。ただし、当初のコジロウの行動(出てきた直後に逃げ出したり姿を隠したりするなど)やムサシとニャースの発言を見る限りはこの設定は後付けと思われる(最もサトシ達との戦いをそっちのけで先に呑み込むため状況的にじゃれつかないように一旦隠れるのも致し方ないとも言えるが…)。
「行け!ウツボット!」→「違う、俺じゃない!」
食い意地も張っており、120話ではコジロウの命令を無視してムサシのベロリンガと共に木の樹液を夢中で舐め獲ったり、173話ではコジロウが非常食として隠し持っていたチョコレートを奪おうとムサシやニャースと共に襲い掛かったりしている。
水を掛けられることが嫌いだが、コジロウはその事に気付いていないのか、水やりの際には豪快に水をかけられており、その際もコジロウを呑み込んでいた(147話など)。
また、無印編100話と231話ではムサシ、173話ではニャース、104話ではムサシのアーボックをコジロウの代わりに吞み込んだこともある(ニャースは95話でも襲われそうになるがこの時は逆にウツボットを蹴り飛ばして回避した)。
カントー地方での出番は少なかったが、オレンジ諸島編からは、マタドガスに代わってバトルの主力として活躍することが多くなった。
他のロケット団のポケモン達同様に基本的にはやられ役だが決して劣勢ばかりだったわけではなく、128話では日ごろの仕返しも兼ねてアーボックとともに檻に捕まっているサトシに集中攻撃をしかけたり、「ねむりごな」でサワムラーやタケシのイワーク、サトシのベトベトンを眠らせて戦闘不能に追い込んだり、222話ではコサブロウのカポエラーと対等に戦ったりしていたため、本気で戦えばバトルの実力が低いわけでもない。
…が、マイペースで自由奔放な性格が仇となり、当時のロケット団のポケモンの中では一番黒星が多く、最終進化形にもかかわらず実際のバトルでは明らかにタイプ相性や体格差で有利なはずの進化前のポケモン(トサキント、ニョロモ、ナゾノクサ、ポポッコなど)にすら負けるなど、アーボックやソーナンスはおろか、ウツボットがコジロウの主力となった事でバトルでの出番が減ったマタドガスよりも勝率は悪い。
更には4倍弱点のはずの野生のイワークや190話で登場したミキオのゴローン(「まるくなる」を使ったとはいえ)に急所に当たりやすいはずの「はっぱカッター」がほとんど効いていないというゲーム常識では目を疑うようなシーンも見られた。
基本的に初登場回以外にバトルの経験が無いベロリンガとは甲乙つけがたいが、ベロリンガは初登場回でサトシのピカチュウやフシギダネ、タケシのロコンを攻撃技であるしたでなめるで戦闘不能に陥れているのに対し、ウツボットは前述のように補助技(ねむりごな)で戦闘不能に追い込んだ事はあっても攻撃技で相手を戦闘不能にした事がないという違いがある。
コジロウとの別れとその後
無印編261話でコイキング売りのオヤジにあまいかおりが使えるウツドンとの交換を持ち掛けられ、これに目を付けたムサシとニャースによって無理矢理交換させられる形でコジロウと別れる事になる(戦犯はムサシだが、ニャースも交換自体には乗り気であった上に、自身が真っ先に交換対象にされそうになった為に我が身可愛さから「おミャーら(ムサシとコジロウ)のポケモンで交換しろ」とムサシとコジロウを煽っており、ここで交換を取りやめる事も出来たはずなので話を最悪な結末に進めたという意味では当然咎められるべきである)。
当然ながら、苦楽を共にしてきた大切な相棒を突然無理矢理手放されたコジロウは、共に過ごした日々を語りながら大泣きしてしまっている。
「ウツボットォォォ!」
同時に泣き崩れながらウツボットと過ごした日々の思い出(前述の出会いとゲットだけでなく一緒に温泉に浸かったり添い寝や食事を共にした事など)と、「苦しい時も辛い時も、側にはいつもウツボットがいてくれた」と豪語する程大切に思い続けていた事を明かしている(一方でマタドガスは「今まで何度もマタドガスのえんまくで逃走が成功している」とマタドガス本人ではなくマタドガスが使用する技の利便性にしか目を向けていなかった事も言及している)。
交換して手に入れたウツドンは当初相性で有利であるサトシのゴマゾウに押されていたが、やけになったコジロウの巻き返しも重なってゴマゾウを「つるのムチ」で返り討ちにする活躍を見せる。しかし直後、リーフのいしも使っていないのに突然ウツボットに進化してしまう(自ら持っていたのか?)。ロケット団やサトシ達が呆然とする中、突如ムサシを呑み込んだ結果、激怒した彼女に命令されたアーボックのずつきで遥か彼方へと吹き飛ばされてしまった(その後、ロケット団もナナコのメガニウムのソーラービームで別方向へと星にされてしまう)。同時にコジロウのウツボットもオヤジを呑み込んだ為に、蹴り飛ばされる形で捨てられるのだが、空の上で見事にぶつかり合った2匹のウツボットはお互いに一目惚れしてしまい、そのまま森の中へと駆け落ちしてしまった。
自分の意思に関係無くあっさりウツボットを手放されてしまったコジロウは、その後もウツボットの事を引きずっており、続編の『ポケットモンスター アドバンスジェネレーション』第47話(ハルカのエネコ加入回)では別のウツドンをゲットしようとしていたり、『ポケットモンスター ダイヤモンド&パール』第17話でナタネに彼女のウツボットとコジロウのマスキッパを交換してほしいと言われた際、「またウツボットに呑まれたい」と言っている(同時にその場面を回想している)ことから、ウツボットの愛情表現はコジロウにとってかけがえのない思い出だったことが窺える。例によってサトシのピカチュウに吹っ飛ばされた時にも、コジロウはウツボットに思いを馳せていた。
最終章の『ポケットモンスター めざせポケモンマスター』第9話「逆襲のロケット団!」でも回想で登場。
余談
- コイキング売りの親父によってウツボットが離脱したわけだが、後に皮肉にも彼のおかげでコジロウはチリーンと再会する事となる。
- ファンの間で性別はメス(駆け落ち相手のウツボット(元ウツドン)はオス)であると認識されている傾向にあるが、AG編183話でサトシのエイパムがハルカの口から女の子(メス)だと指摘されたようにトレーナーから性別を言及された事も、DP編142話で登場したトゲピー(メス)のメロメロが効かなかった為にメスだと発覚したムサシのメガヤンマのようにメロメロを介して性別が発覚した事もない。恐らくは「コジロウを呑み込む=愛情表現=異性の恋愛感情」だと認識した一部のファンの見解が公式設定であるかのように広く浸透したものと思われる。
関連タグ
ロケット団のポケモン
- ロケット団のニャース:手持ちでなく団員扱い