概要
東京23区の一つ。
名前の由来は荒川にちなむ……が、現在の本流である荒川放水路と面している部分は区内に存在しない。これは、1965年の新河川法制定以前は荒川の岩淵水門以南の本流が現在の隅田川のうち千住大橋以北とされていたからである。荒川区成立は1932年であり、すなわちこの頃には名実ともに荒川に面した区であった事になるのである。
23区内でも面積は狭い部類で、すぐ隣は足立区・北区・台東区・墨田区に面している他、わずかながら文京区にも面している。
JR山手線、京成本線、日暮里・舎人ライナー、千代田線、荒川線など様々な線路が開通しており、道路交通量もまさに荒川のごとく激しい。
交通量の激しさに反して高齢者の在住率が非常に高い。また、成田空港に直通したスカイライナーが通っているためか在日外国人もかなり居住している。
また、足立区・大田区・江戸川区と並んで喫煙者も非常に多い区で知られる。
路線数の多さに反して日暮里駅周辺の再開発失敗や町屋駅周辺の喘息持ちお断りな空調など様々な要因が重なって全体的に大規模な商業施設に乏しく、常磐沿線で猛威を振るうイトーヨーカドーですら食品館止まりなのが難題となっている。
後述するように全国規模の大手飲食チェーンすらもなかなか出店したがらず、フランチャイズの展開においては23区内では最弱とも言えるが、その分個人商店勢が強く、足立区や江戸川区すら再開発に圧倒されている中ある意味未だにぶれることがない23区最強の下町とも言えるだろう。
「唯一〇〇がない」区
荒川区は「唯一〇〇がない」というものが多く、皮肉にも不名誉ながらそれが唯一無二の個性にもなっている。
- 23区で唯一スターバックスがない。(2021年現在5年以上)
- 23区で唯一サーティワンアイスクリームがない。
- 23区で唯一無印良品がない。
- 23区で唯一高速道路が通っていない。
- 23区内の京浜東北線が通る区で唯一快速停車駅が一つもない。つまり日中乗れる駅が一つもない。(2021年現在1988年の快速運転開始から33年連続)
- 23区内の高崎線・宇都宮線が通る区で唯一駅が一つもない。つまり大宮方面に向かう路線が三本も通っているのに日中全部使えない。もちろん上野東京ライン(高崎線・宇都宮線)なんか使えるわけがない。
- 23区内の山手線が通る区で唯一日中横浜市内に一本で行ける路線が一つもない。横浜駅やみなとみらいの話ではなく市内にかすることすらである。なおこの事象は、
- 23区内の山手線が通る区で唯一JRの駅ビル(atre、LUMINEなど)がない
- 最大規模は日暮里駅のecute。
その他、
とリーチが掛かってるものすら存在する。あらゆる「ない」があるのが荒川区である。
とにかく区外に出ないと何も出来ないことが多く、そのためなのか昼間の人口23区ぶっちぎりのワーストを記録している。
23区で唯一スタバがない区
かつては江戸川区と23区でスタバがない区のドベを争っていたが、2015年に小岩シャポー(JRの駅ビル)に出来たことで23区で唯一スタバがない区の名をほしいままにした。
上述通り23区で唯一ないチェーン店は他にも複数あるのだが、何故かスタバがないことに関してだけはマスコミからしつこくイジられ続け、
- あぱたいに「23区で唯一スタバがないのに人口増加の不思議」という日本人はスタバのために引っ越しするのが当然という偏見の押し付けも甚だしい暴言記事を書かれる。
- 江戸川区小岩にスタバが出来たニュースでわざわざ「23区で最後じゃなくて良かった」という周辺住民の声を取り上げる。
- 鳥取県に念願のスタバが出来たニュースでイロリオ公式Twitterがわざわざ「荒川区が鳥取以下になった瞬間である」というツイートをRTし拡散する。
- テレビ東京の池上彰の選挙特番で荒川区の特徴を23区で唯一スタバがない区として紹介する。
…と、もはや人権侵害やいじめを通り越したレベルのひどい報道のされ方をしている。
ちなみにスタバがない原因としては、一つはスタバは板橋区の東武練馬イオンや葛飾区のアリオ亀有といった大型ショッピングセンターに出店する傾向が強い。しかし荒川区にはそういった類のものがないのが挙げられる。
大型ショッピングセンターを建てられるスペースと機会自体は日暮里と南千住の再開発時にあったのだが…日暮里はあろうことかスペース全てを三本のタワーマンションにするという暴挙に走り、南千住も中途半端な結果に終わりチャンスを潰してしまった。
また、同じ葛飾区内でもイトーヨーカドーが目立つ京成本線沿いの青砥や高砂沿いには1店も出店していないため、ただショッピングセンターがあるだけでは出店はしないものと思われる。
もう一つが基本店舗が出来にくい東側はJR東日本の駅ビル内に出店することが多い(江戸川区や葛飾区など)のだが、荒川区はそもそもJR駅にすら駅ビルが一つもない。
日暮里駅のリニューアル工事中JR東日本はライバルの京成電鉄との乗換駅というのもあって改装にそこまで乗り気でなく、竣工ギリギリまでホームにエスカレーターやエレベーターを設置せず、老朽化した京成とJRとの乗換通路は一切手を付けず放置すると杜撰で投げやりな工事しか行わなかった。そのため日暮里駅には構内店舗のecuteしか設けず、atreを建てることすら許されなかった。崖の上にある田端にすら建てられてるというのに…
そして上述通り23区で唯一スタバがない区になってから5年経過した2021年現在もスタバがない状態が続いている。
一方、江戸川区は葛西臨海公園に2店舗目がオープンした。
荒川区の駅
乗換駅
鉄道会社主導の駅ビルは一つもなく、どの駅も雑居ビルと個人商店ばかりが目立つ。
北区は隣だが田端以外は繋がりが非常に薄くほぼ断絶された状態にあり、逆に足立区との結びつきがかなり強い。
北区同様埼玉は距離的に近いものの、インフラを見れば分かる通り交通はむしろアンチ埼玉でチバラキへの交通ばかりが一方的に発達しており、埼玉よりもよっぽど茨城の交通のほうが豊富という奇妙な特徴を持っている。そういう意味では古河市よりもはるかに茨城っぽい。
単独駅のほとんどが都電荒川線である。ちなみに尾久駅はここではなく北区にある。
- 日暮里駅(JR線(常磐線、山手線、京浜東北線(日中の快速は通過))、京成本線、東京都交通局・日暮里・舎人ライナー)
- 南千住駅(JR線(常磐線)、東京メトロ・日比谷線、つくばエクスプレス)
- 西日暮里駅(JR線(JR線(山手線、京浜東北線(日中の快速は通過))、東京メトロ千代田線、東京都交通局・日暮里・舎人ライナー)
- 町屋駅/町屋駅前停留所(東京メトロ・千代田線、京成本線/東京都交通局・都電荒川線)
- 熊野前駅(東京都交通局・日暮里・舎人ライナー、都電荒川線)
単独駅
三ノ輪橋停留所、荒川一中前停留所、荒川区役所前停留所、荒川二丁目停留所、荒川七丁目停留所、町屋二丁目停留所、東尾久三丁目停留所、宮ノ前停留所、小台停留所、荒川遊園地前停留所、荒川車庫前停留所(東京都交通局・都電荒川線)