基礎データ
進化
マネネ → バリヤード(ものまねを覚えた状態でレベルアップ)
概要
初代から登場している、ピエロのような姿をしたパントマイマーのポケモンである。
パントマイムをしていると、指先が細かく震えて大気中の分子の動きが止まり、空気が固まって本当に透明な壁や物が出現する。そしてその壁は数多の強力な攻撃を跳ね返すバリアーとして使用できる。しかし、それではパントマイムにならないのではないだろうか?
本来のパントマイムは実際に上手く、まるでそこにあるかのような仕草が生まれつき出来る。大きな掌もそのために発達したと考える学者が多い。
空気を固めた見えない壁や物を形成する技術は、図鑑説明によると観客に実在を信じ込ませると出来るとも、更にパントマイムが上達するとやっと出来るようになるとも書かれている。
その分芸に対するプライドも相当に高く、パントマイムを邪魔したり、ちゃんと見たにも関わらず反応を返さないとビンタしてくるらしい。
ゲーム『赤・緑・青・ピカチュウ』『ファイアレッド・リーフグリーン』版では交換で1匹だけ貰える貴重なポケモンだった。
『金・銀・クリスタル』以降は、『ブラック・ホワイト』以外(※要PDWのため)の各ソフトでバリヤードまたはマネネが野生出現するようになっている。
バリヤードに「あやしいおこう」を持たせて育て屋に預けるとマネネのタマゴが手に入るようになる。
『ポケモンスタジアム 金銀』に『バリヤードのバリアーテニス』というミニゲームがあった。
交差点の中央を囲んだ4ヶ所に4匹のバリヤードがそれぞれ立ち、ブロック崩し型のテニスでモンスターボールを打ち合いゴールポイントを稼ぐというもの。
ゲーム上の特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
40 | 45 | 65 | 100 | 120 | 90 |
「とくぼう」がかなり高く、「とくこう」「すばやさ」の値もなかなか。
しかしHPが最終進化系及び無進化のなかでワースト4であり、「ぼうぎょ」も低いため物理技であっさり倒されかねないのが悩み所。
特性はいずれも優秀だが、「ぼうおん」か「フィルター」かで迷う所だろうか。
攻撃技を多く覚える他、補助では名前にぴったりな「バリアー」や代名詞「リフレクター」「ひかりのかべ」にとどまらず、「さいみんじゅつ」「ものまね」「トリック」「アンコール」「バトンタッチ」「ねこだまし」「ファストガード」「ワイドガード」「なりきり」「マジックルーム」などなど、多彩過ぎて選択に困るほど。
いわゆる小技で色々かき回して戦うタイプ。
とはいえ悲しいことに、耐久が耐久なのであんまり壁を張っていられる暇はない(「ファストガード」「ワイドガード」が壁の代わりと言えばその通りかもしれないが……)。
第6世代からしれっとフェアリータイプが追加された。
同じ複合であるサーナイト、カプ・テテフとの違いは、「火力」「すばやさ」「特性」「メガシンカしないこと」「ねこだましなどの補助技」等が挙げられる。
攻撃面ではあちらに軍配が上がるが、サーナイトではできないサポートを生かすことで持ち味を発揮できるだろう。攻撃面にしても「ねこだまし」や「テクニシャン」を上手く活用できればあるいはといったところか。
なお「バリヤーポケモン」という分類であるのだが、何と第8世代では「バリアー」という技自体がゲームから廃止される憂き目に遭う。
代わりに同効果の「てっぺき」を習得できる様になったが、バリア能力を捨てた下記の亜種といい、これでは「バリヤード」ではなくただの「ード」である。
「ひかりのかべ」や「リフレクター」、「まもる」が取られていないだけまだマシというべきなのだろうか(専用技が取られた後輩もいるし…)
リージョンフォーム
『ソード・シールド』から登場する、ガラル地方で独自の変化を遂げたバリヤードの姿。
詳細はガラルバリヤードを参照。
アニメ版
ゲームと同様、無印時は非常に珍しいポケモンの一体として扱われていた。
64話にて2体のバリヤードが初登場する事になり、内一体は野生で、もう一体はサーカスのパントマイマーとして活躍している。
しかし、サーカスのバリヤードは、トレーナーであるサーカス団長アツコから鞭による暴力的なシゴキを受け続けた事で完全に言う事を聞かなくなり、グータラ生活を送るようになってしまっていた。
これに関して、アツコはむしろ「バリヤードを甘やかしてしまった」と考えているのだが、代役でバリヤードの着ぐるみを着たサトシへの行いからも、彼女のポケモンへの指導は虐待そのものである事が容易に想像でき、ストーリーが第5世代であったら、あの集団からの制裁を受けかねないレベルであった。
その後、紆余曲折あって心を入れ替えたアツコはバリヤードに謝罪し、バリヤードの方も再び彼女を受け入れ新たにやり直す事となった。
サトシ宅のバリヤード
もう一体の野生のバリヤードは、サトシやアツコにゲットされそうになった所を逃亡。
そのままマサラタウンにあるサトシの実家に辿り着くが、上記の「バリヤードの着ぐるみに入ったサトシ」の行動を見ていたサトシの母・ハナコにサトシだと勘違いされて家に上げられた。
その後すっかり懐いてしまったため、以後、正式なサトシ宅の住人としてハナコの家事手伝いをする事になった。サトシの母には「バリちゃん」と呼ばれている。
その後は一通りの冒険を終えて帰ってくるサトシを、エプロン姿で箒を持ちながらハナコと共に迎えるのが恒例。サトシのピカチュウとも仲がいい。掃き掃除のほか、買い物の荷物持ちも行っている。
『サン&ムーン』1話では商店街の福引でアローラ地方旅行を引き当てたため、アロハシャツとサングラスとカメラを携えた姿で、バリちゃん・ハナコ・サトシ・ピカチュウの2人&2匹でのメレメレ島の観光と買い物を楽しんだ。
この旅行が今作のサトシのスクールライフの切っ掛けとなる。
新無印2話でハナコと共にクチバシティへと赴き、サトシがリサーチフェローとしてサクラギ研究所へ残ることとなった際、バリヤードは彼らの家事手伝い兼サトシの2体目の手持ちとして留まる。リオルがタマゴから孵った後は、特訓にも付き合っている。
地味にレギュラー化したのは今作が初で、サトシがバリちゃん、ひいてはエスパー及びフェアリータイプを手持ちに加えたのも今回が初めて。
7話ではホウエンのバトルフロンティア・ビードロカップにピカチュウと共にエントリー登録される。ゴウにバトルできるのかを疑われた際には後述の『名探偵ピカチュウ』よろしくリアルな不敵顔を見せ、パントマイムで培った体幹を活かしハリテヤマを翻弄して完封勝利する実力を見せた。
しかし続くグラエナ相手には自ら棄権を訴えたため続投しなかった(気迫に億劫がったのか、技構成や相性で不利と見たのかは不明)。
使用技は「リフレクター」「きあいパンチ」「サイコキネシス」。
ポケモンGOでは
何とヨーロッパ限定での出現になっている。モチーフになったピエロやパントマイムの本場があっちだからか……
だが2017年8月9日~8月15日に横浜で行われた「ポケモンGOパーク」のイベントにて、遂に日本初上陸を果たす。また、同年11月24日~26日にかけて、鳥取砂丘で行われる予定のイベントにおいても出現した。
このような地域限定ポケモンをシャッフルする可能性が運営元から出されており、ゆくゆくは日本でも通常出現するかもしれない。
2018年9月14日~30日には、グローバルチャレンジ達成記念のウルトラボーナスの一環として、カモネギ、ケンタロス、ガルーラといった他の地域限定ポケモン共々、期間限定で7kmタマゴから孵化するよう調整が入ったため、上記のイベントに足を運べなかったユーザーでも入手が可能となった。
2019年9月10日~23日の期間中にはウルトラボーナスの一環として、再び7kmタマゴから孵化するように調整が入り、同時にケンタロス、ガルーラ、カモネギ共々色違いが初実装された。
こうした背景から、日本で手に入らない地域限定のポケモンの中では比較的所持者が多く、ジムなどでもその姿を見かけることが多い。
なお、地域限定ということもあってか、性能に関しては良くも悪くもなく平凡といったところ。典型的なコレクション専用のキャラクターとなっている。
映画『名探偵ピカチュウ』
同作の監督であるロブ・レターマン氏がバリヤードのファンだったこともあってか、チョイ役ながらも色んな意味で凄いインパクトのあるキャラクターに仕上げられている(ちなみに、ゲームフリーク側は当初バリヤードを出演させることに難色を示していたが、監督の熱意に押し切られる形で渋々承諾したという逸話がある)。
予告編に登場した時から、他のポケモンたちを完全に食うほどのインパクトを残してしまい、ある意味でしわしわピカチュウと並ぶ本作を象徴するネタの1つとなっている。
パントマイムの腕前は凄まじく、実際に効果音が聞こえてくるほどである(これが彼(?)の能力によるものなのか、あくまで観客に向けた演出なのかは不明)。
そして原作における設定通り非常にプライドが高く、ちゃんとパントマイムに付き合ってやらないとマトモにコミュニケーションが取れない……というより、パントマイムをコミュニケーションツールとして利用しているため、彼のパントマイムを理解できないと、意思の疎通ができないと言った方が正しいか。
そのせいでピカチュウを悩ませたが、ティムが取り調べの形で付き合ってやった為、ちゃんと情報を教えた。…もちろんパントマイムで。
上で少し書かれているように、後のアニポケで明らかに実写版バリヤードを意識したと思われる演出があることから、当初は散々出し渋っていた日本の関係者の間でもこのバリヤードは好評を持って迎えられた模様である。
ちなみに、撮影の際には、現役のパントマイマーを呼んでパントマイムの監修を行わせるなど、徹底した拘りがあったらしい。一方で、人間に近い容姿のポケモン故にデザインから実際の撮影に至るまでは多くの苦労があったとのこと。それでもここまでのものを作り上げたのだから、製作側のバリヤードへ込めた熱意と愛がどれだけのものだったのかということがよくわかるだろう。
余談
実はpixiv百科事典ですべてのポケモンの記事が完成しきってない頃、一番最後に記事が作られたポケモンはこいつだったりする。
『ブラック・ホワイト』発売時は新作だけあって第5世代の新種ポケモンはかなり早いスピードで記事が作られていった一方、第1〜4世代のポケモンはまだ余白記事になっている種族が数ヶ所あった。
その最後のページを埋めたのがバリヤードなのである。
現在は5本指になっているが、初期に描かれた公式イラストでは4本指であった。
主な使用トレーナー
ゲーム版
アニメ版
- ハナコの「バリちゃん」
関連イラスト
関連タグ
パントマイム バリアー(ポケモン) リフレクター ひかりのかべ
ズガドーン:同じく芸達者なピエロポケモン