日本コロムビア
にっぽんころむびあ
概要
1910年に日本蓄音機として創業した。この社名からもわかるように、元々はレコードプレイヤー(蓄音機)を製造・販売していた一方、この頃からレコードの製造・販売も手掛けていた。
1926年に英国コロンビア、翌1927年には米国コロンビアと提携してコロムビアレーベルのレコードを売り出す様になる。
ただ1942年に(陸軍主導の)政府の方針により英語が使えなくなってしまったためレーベル名を「ニッチク」に改めるハメになった。社名も日蓄工業と改めている。
第二次世界大戦終戦翌年の1946年に日本コロムビアと改名した。
戦後の日本の音楽シーンをリードした音楽ソフトメーカーではあったが、1984年年末の都はるみの「一時」引退や1989年の美空ひばりの死去、さらには1990年代以降のJ-POPの不振(THE YELLOW MONKEYや観月ありさの離脱)などもあり、経営不振が続いており、正直美空ひばりの遺産でなんとか生き延びている状態であった。
2000年にデビューした氷川きよし(メインイラストの人物)が即大ブレイクしはしたが結局は焼け石に水であった。
2002年にコロムビアミュージックエンターテインメントに改名。改名後には一青窈と木村カエラが、氷川同様デビュー即ブレイクを果たし、氷川と並ぶ3本柱として支える、かに見えたが、2009年に一青が離脱してしまう。
2010年に京都市に本社を構えるフェイスという会社に買収され、日本コロムビアに社名を改めて(実質戻して)いる。
2013年には木村カエラが離脱してしまった(戦前からの競争相手であるビクターに移籍)。
このようにJ-POPに関しては人気アーティストがなかなか根付かなかったからか、この分野ではデビュー以来一貫して世話になってるダ・カーポと中村雅俊、1992年にアルファレコード(後に活動停止)から移籍してきた松山千春位しか割と知名度の高いアーティストがいない状況にあった。だが2018年以降は、いわゆる「歌い手」のウォルピスカーターや在日ミャンマー人俳優の森崎ウィンの歌手活動の際の音楽ソフトの製造・販売(および音楽配信)を引き受けたり、スターダストレビューやきゃりーぱみゅぱみゅの移籍先になるなど、J-POPに弱いと言うイメージの払拭にあたってはいる。
また、お家芸であった演歌についても石川さゆりの離脱(ポニーキャニオン→テイチクに移籍)や都はるみの事実上の2度目の引退などもあり、氷川きよし以外では細川たかし(生え抜き)や八代亜紀(テイチク→実質ポニーキャニオンを経てここに移籍)が有力アーティストと目されてはいるも、かつてほどの勢いはなく、他のアーティストも精彩に欠けている、と言うのが正直なところである。
アニメ・特撮・ゲーム音楽について
アニメに関しては、1970年代から1980年代にかけて、いわゆるアニソン四天王(ささきいさお、水木一郎、堀江美都子、大杉久美子)を中心に展開していたが、1990年代以降の、アニソンの変質にはほとんど対応出来なかった(J-POPの貧弱さ故にタイアップがとりにくい、声優の歌手活動本格化にどちらかというと消極的だった)結果、こちらも厳しい状況にある。ただし、TBS木曜深夜アニメ枠や、旧角川書店独立局作品のサントラを手掛けることはありはするし、2010年代半ば以降は本職が声優の歌手活動(例:村川梨衣)にも、2020年代に入ってからはTBS木曜深夜アニメ枠・旧角川書店独立局作品以外の作品(例:バトルアスリーテス大運動会ReSTART!)にも本腰を入れてはいる。ことに2021年にここからファーストシングルを出した高野麻里佳・大西亜玖璃・近藤玲奈をまとめて「コロムビア三姉妹」として売り込んでたりしている。さらに言えば、戦前からのライバルであったポリドールの流れをくむユニバーサルミュージック日本法人の子会社だったZERO-Aとも提携しており、ZERO-Aの活動停止後にリリースされた回顧アルバムのリリースも請け負った。
なお、アニソン四天王のうち、コロムビア一筋かつ元々アニソン歌手としてデビューしたのは堀江のみ(他の3人はよそに助っ人に行く事も少なくないうえ、元々はアニソン以外の分野の歌手であった)。
ところで、氷川きよしは「ドラゴンボール超」と「ゲゲゲの鬼太郎」第6シリーズの主題歌を歌ったことがあるが、他にも細川たかしがフジテレビ・スタジオぴえろ版「おそ松くん」の、八代亜紀が「とっても!ラッキーマン」の、いずれも主題歌とエンディングテーマを、それぞれ歌ったことがある。
スーパー戦隊といった東映特撮のサントラも手掛けているが、仮面ライダーシリーズに関しては昭和シリーズが中心で、平成シリーズは「仮面ライダー龍騎」以降エイベックスに移っている。ゆえに平成シリーズでサントラを手掛けたのは「仮面ライダークウガ」と「仮面ライダーアギト」のみである。
アイドルマスターシリーズでは、いわゆる無印(アイマス)と「アイドルマスターシンデレラガールズ(デレマス)」を抱えており、特に「デレマス」関連の音楽ソフトが高く安定した売れ行きを示している。ゆえに、既に述べた木村カエラ離脱後は氷川と「デレマス」に支えてもらっていた状況であった。「ミリオンライブ!」以降は(ランティス→)バンダイナムコアーツに移っているものの、その「アイマス」と「デレマス」で得た経験は「プリンセスコネクト」シリーズ(プリコネ)に生かされてはいる。
課題
既に述べたように、J-POPのテコ入れや、声優の歌手活動を中心としたサブカルチャー系アニメ、さらには「デレマス」や「プリコネ」に力を入れてきたのだが、2023年以降、「デレマス」と並ぶ大黒柱にして大看板であった氷川きよしが休養することになってしまった。
ゆえに氷川の穴をどう埋めていくかが今後の課題となっている。
キャラクター
企業のシンボルキャラクターとしてコロちゃんが存在する。かつて販売されていたアニメ関連グッズに「コロちゃんパック」という、絵本とカセットテープを組み合わせた物が存在したが、その名称の由来がこのコロちゃんである。
関連タグ
ビクター、キングレコード、テイチク、ユニバーサルミュージック日本法人:第二次世界大戦前からの競合相手。
SonyMusic:浅からぬ因縁がある競合相手であるほか、現在のコロムビア(コロンビア)の商標権の保持者である。