白虎
びゃっこ
概要
四神の一柱であり、西を守護する。
姿はその名の通り白い虎であり、数百の獣虫(哺乳類)の王とされる。(キトラ古墳では東洋龍のような長い身体で描かれている。)
中国語ではパイフー(Baihu)、広東語ではバークフーもしくはバーッフー(Baak Fu, Bak Fu)、台湾ではペーホー(Peh-hoo)、韓国ではペクホもしくはペッコ(Baekho)、ベトナムではバィックホー(Bạch Hổ)と呼ぶ。
「西」という方角は、二十八宿(古代中国における星座)において西に位置する「奎・婁・胃・昴・畢・觜・参」を連ねたものを虎に見立てた事から来ており、五佐においては蓐収が同じ方角に当てられている。
「白」という色は、五行において西が金、金が白である事に関連しており、秋という季節もこれによる。
風水においては街道に棲まうとされる(日本独自の解釈ともされる)。
四神の中で、四神として定着するのが最後であったと言われており、それまでは麒麟や咸池(伝説上の池・海)が当てられる事もあったという。
中華圏ではライオンではなく、虎が百獣の王とされ、さらに白い虎はその中でも五百年を生きて霊力を得た誉れ高き獣の王とされていた。
ただし、儒教において最高の徳目は「仁」であり、同教が拡大するにつれて、獰猛とされた虎の立場、しいては白虎の格も下降していったとされる。(荒木正純(2012)『知っておきたい 天使・聖獣と悪魔・魔獣』(西東社)より)
相対する方角には青龍がおり、ちょうど龍虎が相対する形となっている。
女性の天然のパイパンを意味する語としても用いられており(それゆえか、Google検索上では2018/8/11現在、そういう扱いを受けている)、対して男性の場合は青龍と呼ばれる事もあるとの事。
四霊においては麒麟がこのポジションに置かれているが、麒麟とはだいぶ別物であり、麒麟は四神に加えられて五神とされる事もある。
なお、十二支において虎が当てられている寅は、東の少し北で、白虎とは殆ど逆の方角となっており、五行は木となっている。