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また、ショッキングな映像が記録されている暗殺事件でもあり、マスメディアやインターネットでも多数の映像が報道・配信されています。本記事を閲覧したことが原因で、事件の記憶が想起される可能性もあります。精神衛生上、辛いと感じたら本記事および事件に関する情報を絶ち、精神状態の安定に専念してください。

概要

2022年7月8日午前11時半ごろに奈良県奈良市近畿日本鉄道大和西大寺駅近くで発生した銃撃・殺人事件。

 

2日後に参院選を控え、街頭で自民党公認候補の佐藤啓氏の応援演説をしていた安倍晋三元総理大臣が、背後から男に自作銃で撃たれ負傷した。

当時現場では銃声のような音が2回聞こえ、2発目が2箇所に命中して安倍は血を流して倒れていたという。また、当時現場を映した動画では1発目が発射された直後、安倍は倒れず、振り向きざまに二発目が命中する状況が撮られている。

犯人はその場でSPに確保され、殺人未遂の疑いで逮捕された。

安倍は現場に駆けつけた近隣の内科医の応急手当てを受け救急車で搬送されたあとドクターヘリ橿原市にある奈良県立医科大学附属病院に移送。救急車で搬送される時点では意識があって受け答えもできていたとの事だがその後すぐ心肺停止に陥り、4時間に及ぶ治療の甲斐もなく、昭恵夫人や側近が病院に到着した直後の同日夕方17時3分、死亡が確認された。享年67。高市早苗が後に昭恵夫人の到着まではと奈良医大に生命維持を依頼していたことを明かしている。この依頼をしたことに高市も苦悩していたというが、昭恵夫人から安倍が最後に夫人の手を握り返したと聞いたという参照

死因は左上腕部から侵入した銃弾が鎖骨動脈を損傷したことによる失血死であった。

奈良医大は関西の救急医療施設の中でも教授の福島英賢を筆頭としてスタッフの技術レベルの高さで知られており、救急医療専門家をはじめとした医療職の間でも「奈良医大でダメなら仕方がなかった」という意見が多い。

その後、佐藤氏は参議院議員に当選した。

この事件を受けて、日本国政府は7月11日の閣議で、安倍を従一位に叙するとともに、日本国での最高勲章である、大勲位菊花大綬章大勲位菊花章頸飾を授与すると決定した。この勲章を受勲するのは吉田茂佐藤栄作中曽根康弘に次いで歴代4人目である。

また、この事件は戦後初の首相経験者の暗殺事件二・二六事件における高橋是清斎藤実の暗殺以来86年ぶり)であると共に、日本国内の東京都以外で首相経験者が暗殺されたのは初めてである(伊藤博文は国外で暗殺)。 現代の政治家への銃撃事件が起きたのは、記憶にやや新しい2007年(平成19年)の長崎市で発生した長崎市長射殺事件以来の日本全国を震撼させた事件であり、選挙期間かつ選挙活動中に起きた銃撃事件という点も同様である。

その後の犯人についての発表

犯人は奈良市に住む職業不詳の男(41歳)。

2005年ごろまで3年間、海上自衛隊で勤務していた経験のある元自衛官であった(ただし、正規の自衛官とは異なる「任期制自衛官」であり、一般の職種で例えるなら派遣社員やアルバイトに近い期限付きの自衛官だった)。

凶器となった銃は当初散弾銃と報道されたが、この銃は産経新聞の記事における警察OB曰く、水平二連式の二連発式と思われる自作銃で、発射音も通常の銃声とは違う轟音。 現代の銃よりは「電気着火式の火縄銃」に近い。

弾丸が散弾であったことは間違いなく、選挙カーの看板部分から弾痕が数カ所発見されている。 後に犯人は「銃は6発の弾丸を同時に発射できるもの」と供述した。

一方で散弾であるにも関わらず安倍以外の怪我人は確認されていない

爆発物所持の可能性があったことから、爆発物処理班が同行した自宅の家宅捜索の結果、数丁の自作銃と爆発物のようなものと試し撃ちをしたと思われる穴があいた木の板も発見されている。犯人は「当初は爆弾を使うつもりだったが、威力が不十分だったため自作銃を使用した」と警察に供述している。

 

また現時点の供述では明確な殺意をもって銃撃したこと(目撃者曰く「撃ったあとも冷静だった」とのこと)、安倍に対する不信感・不満を抱いていた事などを語っているが、政治信条についての恨みではなく、

特定の団体に恨みがあり、安倍元総理がこの団体と近しい関係にあると思い狙った」

「母親が団体にのめり込み、多額の寄付をするなどして家庭生活がめちゃくちゃになった」

からだとしている。

襲撃・殺害に及んだ事実から相当な悪感情を持っていた事は間違いないものの、この供述や候補者である佐藤氏にノータッチだったことを見る限りはテロリズムというより個人的な怨恨だった可能性が高い。

また、「恨みがあった特定の宗教団体の関連施設で最近、銃の試し撃ちをした」という趣旨の供述をしているが、試し撃ちに関する通報などはこれまでに寄せられていないため、警察当局は事実確認を進めるとともに、詳しいいきさつを調べている。

 

しかし奈良市での演説は当初予定されておらず、奈良県に通達されたのは事件の前日の夕方であった。

また本来の演説日程にはない偶発的な状況下で事件が発生したとの報道もあり、応援演説の日程の急な変更に関与、対応できる立場にない犯人が偶発的に起こした殺人事件の可能性も存在する。

一方で、犯人は安倍の遊説スケジュールをインターネットでチェックし、安倍の本来の演説日程に入っていた銃撃事件前日の岡山県の会場には犯人も行っていたものの、手荷物検査などがあって近づけなかったことや兵庫県の遊説にも足を運んでいたが、こちらは街宣車の上に乗っていたため諦めたことが供述されており、犯人は強い計画性を持って殺害方法を用意し、その手段で確実に殺せる状況かどうかを逐次判断しながら常に機会を窺っていた可能性がある。

国内外要人の反応

国内要人

宮内庁の池田憲治宮内庁次長は「天皇皇后両陛下におかれては、安倍元総理の突然の訃報に接し、大変残念に思い、心を痛めておられ、ご遺族の皆様の悲しみを案じていらっしゃるのではないかというふうに拝察しております。」と述べた。

外国要人

ジョー・バイデン米大統領はTwitterで、「私は唖然とし、憤慨し、深く悲しんでいる。これは日本にとって、そして彼を知るすべての人々にとって悲劇だ。彼は日本国民を深く思いやり、生涯を日本国民への奉仕に捧げた。攻撃された瞬間も、彼は民主主義の仕事に従事していた。暴力的な攻撃は決して容認できるものではなく、銃による暴力は地域社会に深い傷跡を残すことを私たちは知っている」と述べた。

ドナルド・トランプ元米大統領は自身の立ち上げたSNSで「世界にとってとても悪いニュースだ。歴史は彼がどれだけすばらしい人物でリーダーであったかを教えてくれるだろう。彼は皆を一つにまとめられるまたとない人物であるが、なによりも偉大な日本という国を愛した人物だった。彼のような人は二度と現れないだろう。」と述べた。

・トランプ氏の娘であるイヴァンカ・トランプ女史はTwitterで、「安倍晋三元首相が亡くなられたことに悲しみを覚えます。本当に歴史的な人物であり、永遠に続くリーダーです。安倍総理の助言、知恵、そして温かさは、私が政府機関で勤務していた間に大きな影響を与えました。世界が彼の死を悼む中、私は彼の家族と日本国民とともにある。」と述べた。

バラク・オバマ元米大統領はTwitterで、「私の友人であり、長年のパートナーである安倍晋三氏が日本で暗殺されたことに、衝撃と悲しみを覚えます。安倍元首相は、自らが仕える国と日米の並外れた同盟関係の双方に尽くしていました。同盟強化のための活動、広島と真珠湾を一緒に旅した感動的な経験、そして安倍昭恵夫人が私とミシェルに見せてくれた優しさを、私はずっと覚えています。ミシェルと私は、この痛ましい瞬間にとても心を痛めている日本の方々に、心から哀悼の意を表します。」と述べた。

ヒラリー・クリントン元米国務長官はTwitterで、「安倍元首相は民主主義の擁護者であり、女性が取り残されたままでは、いかなる経済、社会、国もその潜在能力を十分に発揮することはできないと固く信じていました。彼の暗殺は日本にとっても、世界にとっても損失であり、私はショックを受けている。」と述べた。

ジョージ・W・ブッシュ元米統領は声明を発表し、「安倍元総理大臣が暗殺されたことを知り、深く悲しんでいる。安倍氏が2006年に初めて総理大臣を務めた際に私は彼を知る機会に恵まれ、思いやりのあるしっかりした人物だと感じていた。彼は国のために奉仕し続けたいと願う愛国者だった」と追悼した。

ラーム・エマニュエル米駐日大使はTwitterに、「安倍晋三元首相の銃撃事件を受け、悲しみを覚えるとともに大きな衝撃を受けています。安倍さんは日本の優れた指導者であり、米国にとって揺るぎない盟友でもあります。米国政府と米国民は、安倍さんのご無事を願うとともに、ご家族と日本国民のために祈っています。」と述べた。

ジャスティン・トルドーカナダ首相はTwitterで、「安倍晋三元首相の暗殺は信じられないほど衝撃的で私は深く悲しんでいます。世界は偉大なビジョンをもった人物を亡くしカナダは親友を失いました。昭恵夫人や日本の人々がこの喪失を悼んでいることと思います。あなたがいなくなると寂しいです。」と述べた。

ボリス・ジョンソン英首相はTwitterにて、「安倍晋三元首相に関する非常に悲しいニュースです。未曽有の時代に彼が発揮したグローバルなリーダーシップは、多くの人々の記憶に残るでしょう。安倍晋三元首相のご家族、ご友人、そして日本国民の皆さまに思いを寄せています。英国はこの暗く悲しい時にあなた方と共にあります。」と述べた。

エマニュエル・マクロン仏大統領はTwitterで、「安倍晋三元総理が受けた凶悪な攻撃に大変ショックを受けています。偉大な総理の家族や愛する人たちに思いを寄せます。フランスは日本人に寄り添っています。」と述べた。

オラフ・ショルツ独首相はTwitterで、「安倍元総理大臣が暗殺されたことに衝撃を受け、深い悲しみをおぼえる。安倍元総理大臣の遺族、私の同僚の岸田総理大臣、そして日本の友人たちにお悔やみを申し上げる。このような困難なときにドイツは日本のそばに寄り添う」と述べた。

アンゲラ・メルケル元独首相は自身のホームページで、「かつての長年の同僚である安倍晋三氏に対する恐ろしい暗殺計画の知らせに接し、非常に驚愕しています。私たちは緊密にお互いに信頼を寄せて協力し合ってきました。私は安倍氏と一緒に仕事をするのが楽しみでした。私の気持ちは安倍氏、安倍夫人、そして彼の家族と共にあります。」と述べた。

マリオ・ドラギ伊首相は声明を発表し「安倍元総理大臣の死去に対し、政府として、そして個人として深い哀悼の意を表する。今回の事件にイタリアは大きな衝撃を受けている。安倍氏はその革新的な精神と改革的なビジョンにより、日本そして国際政治において偉大なリーダーだった」と述べた。

ウラジーミル・プーチン露大統領は昭恵夫人と母の洋子さんへの弔電にて、「安倍氏ご逝去の知らせを受け深くお悔みを申し上げる。日本政府を長く率いて両国の善隣関係の発展に尽くしてきた卓越した政治家が犯罪者の手によって命を奪われてしまった。我々はシンゾウと定期的に接触を続け彼の優れた人間性とプロフェッショナルな資質が十分に発揮されていると確認してきた。この素晴らしい人物の記憶は彼を知るすべての人々の心の中に永遠に残るだろう」と述べた。

セルゲイ・ラブロフ露外相は林外務大臣にお見舞いの言葉を伝え、インドネシアで行われていたG20の記者団に対し、「会合中にこのニュースを知った。私はまず日本の同僚にお見舞いの言葉を伝えてからスピーチを行った」と述べた。

ジャイル・ボルソナロブラジル大統領はTwitterで、「安倍総理が亡くなったという受け止めがたい非常に憤りを覚える報に接した。安倍元総理は、輝けるリーダーで、ブラジルの大切な友達です。家族、そして、私たち兄弟の日本人たちに対して、団結と神のもとに強く守られることを望む。日本国民に対して敬意、そして安倍元総理に対する友好関係を表すとともに残酷で不条理な出来事を前に団結をし、私はブラジル全国に対して、3日間の喪に服すことを宣言した。この犯人には、法律のもとで厳しい罰を受けるべきである。私たちは日本とともにいる。」と述べた。

レジェップ・エルドアントルコ大統領はTwitterで、「深い悲しみに暮れています。この凶悪な事件を実行した犯人を非難します。安倍元総理の家族、愛する人々日本のすべての人々、そして政府に哀悼の意を表します」と述べた。

アンソニー・アルバニージー豪首相はTwitterで、「安倍晋三元総理の死は悲劇的なニュースです。オーストラリア政府と市民を代表して、安倍夫人やご家族や友人、日本の方々に深い哀悼の意を表します」と述べた。

ヤイル・ラピドイスラエル首相はTwitterで、「彼は果敢で卓越したリーダーであり、現代のイスラエルと日本の関係において、重要な立役者でした。」と述べた。

ナレンドラ・モディ印首相はTwitterで、「親愛なる友人が悲惨な死を遂げ、言葉にできないほどショックを受け、悲しい。今日はインド全体が日本とともに彼の死を悼んでいる。世界の偉大な政治家で、傑出したリーダーであり、世界と日本をよりよい場所にするために人生をささげた。」と述べた。

また公式youtubeチャンネルでも沈痛な表情でコメントを述べている。

ティム・クックAppleCEOはTwitterで、「ショックを受けた。安倍氏はとても重要なリーダーであり、私は彼と一緒に時間を過ごすことができたことを光栄に思っています。安倍氏の愛した人々と、日本の友人たちすべてに、心よりお見舞い申し上げます。」と述べた。

趙立堅中国外務省副報道局長は事件当日8日の定例記者会見で、安倍氏の首相在任中の対中政策について「この突然起きた事件にショックを感じている。中日関係の改善と発展に貢献した。」と述べた。

習近平中国国家主席は9日、安倍晋三元首相の死去について、岸田文雄首相に弔電を送った。「突然の死去を深く残念に思う。岸田首相と共に、中日の善隣友好協力関係を引き続き発展させていきたい。安倍元首相は在任中、中日関係改善のために努力し、有益な貢献をしてきた。私は彼と新時代の要求に合致する中日関係の構築について、重要な共通認識に達した。」と述べた。

尹錫悦韓国大統領は、安倍氏の妻昭恵氏に弔電を送り、「容認できない犯罪行為」と事件を批判。「日本の憲政史上、最長期間を務めた首相であり、尊敬される政治家を失った遺族と日本国民に、哀悼と慰労の意を伝える」と述べた。

崔英森韓国外交部報道官は、「遺族と日本国民に深い哀悼と慰労の意を表す」とし「わが政府は今回の銃撃事件について、いかなる場合にも許されない暴力的犯罪行為だと強く糾弾する」と述べた。

朴振韓国外交部長官はG20外相会議の途中、安倍元首相が銃撃された事件について聞いた。林外相のところに向かい「本当に衝撃的なことだ。安倍元首相の快癒を祈る」と慰労の言葉を伝えた。林外相は朴長官と安倍元首相の健康状態について短く話したという。

韓悳洙韓国首相はSNSで、安倍元首相の快癒を祈って慰労の意を伝え、Facebookに「韓日は最も近い隣国であり、自由民主主義と法治主義を共通の価値とする友邦」とし「隣国が大きな打撃にあった時、葛藤をしばらく置いて慰労できるのが大韓民国の品格だということに多くの国民が共感するはず」と述べた。

蔡英文台湾総統はTwitterで、「安倍晋三元首相のご逝去の報に接し、言葉にならないほどのショックを受けています。台湾国民も深い悲しみの中にいます。安倍先生とはまた台湾でお目にかかれると信じていました。しかし、許し難い暴挙によって尊い命が奪われてしまいました。安倍先生は生前、台湾に実に多くのご支援とご配慮をくださいました。私たちはこのことを決して忘れません。先生は天国でもきっと、インド太平洋地域の民主主義を見守ってくださると信じています。心からのご冥福をお祈りします。」と述べた。

エリザベス女王は天皇陛下に対してメッセージを送り、「私と私の家族は安倍晋三元総理の突然で、悲劇的な死去の知らせを聞き、深く悲しんでいます。2016年に安倍ご夫妻が訪英された際に、お会いした時のことを懐かしく思い出します。安倍元総理の日本への愛と、日英関係を一層強いものにしようとする思いは明確でした。」と述べた。彼女の孫息子であるウィリアム王子も「彼は真の政治家であり、献身的な指導者です。私が2015年に来日した際、彼が差し伸べてくれた温かさと寛容さを忘れることはないでしょう。」と声明を発表した。

バチカン市国のローマ教皇フランシスコは、バチカンの国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿を通して駐日教皇大使レオ・ボッカルディ大司教に宛て弔電を送り、その中で安倍元首相の死去に深い悲しみを表し、元首相の遺族、元首相と親しかった人々、そして日本の国民に、心からのお悔やみを述べると共に、「無分別なこの事件の後、日本の社会が平和と非暴力に対するその歴史的な取り組みをより強めることができるように」と祈りを捧げた。

アフガニスタン・イスラム共和国のタリバン暫定政権の外務省報道官はTwitterで、「安倍晋三元首相が暗殺されたことについて、日本政府および国民に深い哀悼の意を表します。日本はアフガニスタンと緊密な関係を保ち、これまでもアフガニスタンの人々に多大な人道支援を提供してくれました」「今回の事件について、アフガニスタン国民は、日本国民にとって大きな損失であると考え、同情しています。」と述べた。

ヴォロディミール・ゼレンスキーウクライナ大統領はTwitterで、「安倍晋三元総理への残酷な暗殺は恐ろしいニュースです。この困難な時期に、彼の家族と日本の人たちにお見舞い申し上げます。この忌まわしき暴力行為に言い訳は通用しません。」と述べた。

ドミトロ・クレバウクライナ外相はG20外相会合でオンライン演説を行った際、冒頭で安倍晋三元首相への銃撃に触れ、「全ての日本人との連帯を表明する」と述べた。

ルトノインドネシア外相は「安倍元総理大臣の早すぎる死去にあたり、この悲しみの時にインドネシア政府は、日本政府、日本の人たちに心から哀悼の意を表します。彼が国と人々に奉仕するため身をささげたことは、すべての人たちに記憶されるだろう」と述べた。

ボンボン・マルコスフィリピン大統領は声明を発表し、「安倍氏が亡くなったことに衝撃と深い悲しみを感じました。彼のリーダーシップのもとで両国の関係は真に繁栄しました。ご遺族と日本国民に深い哀悼の意を捧げます」と述べた。

ロドリゴ・ドゥテルテ前フィリピン大統領は声明を発表し、「安倍氏は誠実なよき友人であり、私の政権の強固な支援者だった。彼の思いやりに満ちた支援と卓越したリーダーシップを忘れない。世界で最も影響力のあるリーダーの一人だった」と述べた。

ジョサイア・バイニマラマフィジー首相は、安倍元総理大臣の死去について「とても悲しいことだ。誰も日本でこんなことが起きるとは予想していなかった。日本の(林外務)大臣に哀悼の意を伝えた」と話し、バリ島で行われていたG20外相会合の会場で林外務大臣に哀悼の意を伝えた。

アントニオ・グテーレス国連事務総長はTwitterで、「恐ろしい殺害に深く悲しんでいます。多国間主義に対する安倍氏の協調性や貢献を今後も忘れることはないでしょう。ご家族や日本政府・市民に哀悼の意を表します。」と述べた。

・NATO=北大西洋条約機構のイェンス・ストルテンベルグ事務総長はTwitterに投稿し「安倍氏が殺害されるという凶悪な事件に、深く悲しんでいる。安倍氏は、民主主義の擁護者であるとともに、私の友人であり、長年の同僚でもあった。NATOのパートナーである日本の人々にお悔やみを申し上げたい」と述べた。

・EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン委員長は声明で「多国間の協調を擁護したすばらしい人物だった。彼の家族、友人、そして、すべての日本の人々とともに哀悼の意を表します。安倍氏に対する残忍で卑劣な犯罪は、全世界に衝撃を与えている」と述べた。

シャルル・ミシェル 欧州理事会議長はTwitterで、「彼は真の親友で、多国間の秩序と民主主義の価値観を強く守ろうとしました。EUはこの困難なときに、日本国民と岸田総理に寄り添っています。安倍元総理の家族への同情も表明します。」と述べた。

・WHO=世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長は自身のTwitterに「安倍氏の悲劇的な死を深く悲しんでいる。彼のご家族と日本の皆様に心からお悔やみを申し上げる」と述べた。

国内外の追悼対応

国内での追悼対応

通夜は同年の7月11日、葬儀は親族や政界関係者などに参加者を限って(と言っても2,500人に及んでいる)7月12日に東京の増上寺で行われ、棺は党本部などを霊柩車で回った後に同日荼毘に付された。

葬儀では麻生太郎が弔辞を読み、「あんたが私の弔辞を読むことになっていたんじゃないのか。大変つらい」と述べた。

今後お別れ会などの開催が検討されており、国外の首脳などからも葬儀の参加希望が相次いでいるため国葬になるのではとの見方も多い。

事件現場の大和西大寺駅近くでは市民の献花の列が絶えず、献花台が改めて期間を設けて設置された。

葬儀が行われた増上寺でも献花の受付を当日行ったが、あまりにも希望者が多すぎて早々に受付が打ち切られるほどであった。

各地でも要望を受け、自民党の県連本部や県庁、市役所などに献花台や記帳台が設けられた。

このために献花場所近くの花屋で売り切れが相次ぎ、コロナ禍の影響で生花の売り上げが低下していた時期もあり「最後のアベノミクス」という感想もtwitterなどでは聞かれた。

各自治体の庁舎でも半旗を掲げるなどの対応が行われた。

外国での追悼対応

・ロシアでは日本大使館に献花台が設けられた。

・韓国などでも日本大使館で記帳の受付が行われ、尹錫悦が訪問した。

・ブラジル・インド・カンボジアでは政府の指示のもと喪に服することとなった。

・ミクロネシア連邦でも地域イベントで大統領の追悼スピーチと黙祷が行われた。

国連安保理ではその時の議長国だったブラジル大使の呼びかけで、15か国の代表による黙祷が行われた。

SNS関連問題

(どの政治家にも言えるが)元々非常に評価の分かれる政治家であり、SNSでは生前から賛否を問わず過激な投稿をするユーザーが多かったが、今回の銃撃事件においてもその例に漏れず、死後でも生前の政策批判、個人への誹謗中傷が絶えず、収集のつかない事態になっている。

まず、まだ安倍の死亡発表がなされないうちに「弔い合戦」がトレンド入りし、とあるジャーナリストがFaceBookで安倍の死亡を発信、著名人がそれをRTして情報を拡散した。

まだ死んでおらず、誰に対して報復するのかも解らない状態でこれらの動きがあったことについて、一部で大変不謹慎であるとの声が上がった。

他に自民党・安倍支持派は

  • 批判派に責任転嫁しているともとれる発言
  • 犯人を外国籍(中国・韓国人)と決めつけ、ヘイトを煽る発言
  • お悔やみ等、追悼をしない人間を糾弾する(実際自民党員や支持者でなければ強制批判は的外れである)
  • 国葬にするべき等の発言がトレンド入りでまた論戦が巻き起こっている

死亡発表後も、続報が入る前の憶測での発言や、上述の犯人の動機が報道される前の憶測での発言、犯人を擁護し、あたかも安倍批判派に責任転嫁しているとも取れ、残念ながらそういった人たちに辟易しているユーザーからは一定の賛同を得ている状況。

警察の捜査が進むのを待って、真実だとわかったらそういう発言をするべきである。

一方で反対勢力側は

  • 「#投票は香典じゃない」と先の「弔い合戦」に異を唱える動き
  • 事件前と変わらず安倍政治の批判を続ける
  • 酷いものになると誹謗中傷じみたものも存在する

など、双方から一部とはいえ、モラルの無い過激な発言や現状詳しい公式発表もないままの憶測が相次いでいる。

この流れに合わせて、「批判にさらされる政治家とはいえ「死ね」などの言葉はやはり表現の自由を超えるのでは」との議論も巻き起こった。しかしながら反発する勢力の支持者でモラルの無い人間は互いに誹謗中傷しあうもので画像コラージュの被害に遭って「しね」とこき下ろすなど界隈は掘り進めるほど泥沼である。各党首や国会議員の幹部レベルだと被害に遭ってない人間はほぼ存在しない。

また安倍も公然で誹謗中傷や失言していたことも関係している。だからとって流れに乗らず「しね」とか使わずに冷静に批判するときは批判するのが大事である。

このように、現状、各所のタレント、インフルエンサー、政治家などが事件についての詳しい公式発表もないまま憶測や過激発言を発信しているばかりであり、生前から変わらず批判を言っている人に関しては発言の自粛を強要をするとこれも誘導と捉えられる。

デマにも警報が鳴らされており、まだ不可解な部分も多いせいか先述のように誘導や黒幕説、こじこけも多く無関係者に火の粉が飛びかねない。大手ニュースサイトでも有名人が言ってもいないことをあたかも言ったように配信している場合もあり、いわれのない批判や誹謗中傷を浴びらされる事件もすでにある。誤った情報や誹謗中傷を拡散しないように。

ほとぼりが冷めるまで今回の事件について精神衛生上、苦痛を感じたらこういった情報から離れるのも手である。

ピクシブ上でも安倍の死を祝う投稿(しかも無断転載)が犯人と同名のアカウントにより多数投稿されている。

検証

防ぐ事はできなかったのか?という疑問、検証を記載する。

上記の通り、3mという至近距離にまで犯人が迫れている、更には一発目と二発目の発砲の間に2秒ほどの間が空いているにも関わらず二発目の発砲を許してしまったという事から、警護担当者にも油断があったのではないかと言われている。安倍は現職の総理や閣僚ではなかったために帯同するSP(警護専門職)は一名のみだったが、他にも奈良県警の警察官たちが一定数警護に当たっていた。

オバマ元大統領や、バイデン次期大統領(当時)を護衛した事のあるアメリカの警備会社CEOは「容疑者が近付いてきて銃を構えるところ、恐らく1秒か2秒だと思うが、十分時間があったはずなのに誰も動いていない。誰もだ。銃口と安倍氏の間に入ることはできたはず。映画のように簡単ではないと思うかもしれないが、少なくとも攻撃の邪魔はできた」と、警護対応に不備があったと指摘した。「既に取り押さえている犯人に警官がほぼ全員駆け寄り安倍に駆け寄る人は少なかった。犯人が単独犯と分かっていないのに、第二撃を想定していない。」とも指摘した。

ちなみに、過去に公表された日本のSPの訓練映像では、襲撃と同時にSPたちがカバンに偽装できる折り畳みの防弾板を展開しながら警護者に覆いかぶさって守っており、銃による襲撃の対応としてはこれが理想だったと思われる(今回の現場でもカバン型防弾板を持った警護担当者の姿が写真に収められており、一部映像では警護担当者のうち2名が一発目の発砲直後に動き出し安倍の盾になって守ろうとしたが、間に合わなかった様子が記録されている)

ただ、前述のように今回の襲撃に使われた凶器は手製の銃だったため、発砲時に銃とは思えないほどの凄まじい轟音と白煙を発しており、銃による襲撃だと判断して動き出すまでに一瞬の間ができてしまった可能性も否定できない。

奈良県警本部長は「警察官人生最大の痛恨の極み」と警察の失態を認めた。

警察幹部は「たとえば「安倍!!」などと叫びながらナイフを持って襲いかかってくるという想定がメインであり、今回のように無言で銃撃してくるケースはあまり想定していなかった。」とのことであり、実際過去のケースでは、故・岸信介などもナイフで刺されている。しかし、2007年には長崎市長が拳銃で暗殺されており、想定が甘かったと言われている。

また、政治家は元々挨拶回りなどで有権者との距離を縮める機会が多い上、選挙中は「物々しい警備では有権者に敬遠される」という心理が働くため、警備担当者にとっては選挙中が一番警備しづらいと言われている。特に安倍は有権者と拳を突き合わせるくらいにまで近づく機会も多かった。

元大臣であり自身もSPに護衛された経験のある舛添要一は、「SPは身を挺して、自己犠牲も厭わない事が前提で、有事には覆い被さって守る事もある。今回は近くに誰もおらず1発目の時点で盾となる者がいなかった。」と、SPの対応を指摘した。

またネット上では2019年に安倍の演説に近づいた男を排除した警察の対応を表現の自由の侵害と判断した札幌地裁の判決が影響したともいわれ地裁や原告への批判が上がった。判決が2022年に出たこともあり、うかつに排除できない環境だったともいわれている。また警察が必要な時ですら発砲しづらい、あるいは警察の適切な発砲ですら非難する風潮(例を挙げると2018年に熊本県で刃物を持った男に対して発砲、後にその男は死亡、2019年の川崎市登度通り魔事件の数時間後に、埼玉県で刃物を持った男に警察官が発砲、後にその人物が死亡といった際にSNSで警察官の対応を批難する事があった)、またはそういった風潮を犯人を射殺した警察官が殺人罪で弁護士によって起訴され、無罪判決を勝ち取るも警察を辞職する結果となった瀬戸内シージャック事件を引き合いに出し問題視する意見も存在している。

その他影響

  • 参院選の応援演説で全国各地に散っていた岸田総理を始め、インドネシアに外遊中の林外相を除いた岸田政権全閣僚の東京への即時帰還。
  • 偶然にも犯人と同姓同名(しかも漢字が全て同じ)の大学教員がおり、その人と取り違えて容疑者扱いするSNS投稿が流れるといったデマが飛び交った。また、所属する大学の公式サイトがアクセス集中でサーバーがダウンする事態になった。
  • 事件当日の金曜ロードショーで地上波初放送予定だった『竜とそばかすの姫』他、多数のテレビ番組が放送休止、特番構成。
  • TVアニメの「てっぺんっ!!!」第2話が本事件を想起させる内容の為、放送中止。(ソース)
  • 防衛省が全面協力しているフジテレビドラマ、「テッパチ!」が殺人で逮捕された容疑者が過去に海上自衛隊に在籍していた事で〝自衛隊協力〟と打ち出しにくいムードになっており、視聴率の低下が懸念されている。
  • 漫画「チェンソーマン」の公式Twitterがフォロワー数69万人を記念して配布した壁紙に銃の魔人が写っていたため当該ツイートを削除した。当日の19時に投稿され、10分程度で削除された模様。奇しくも事件が起きた翌週から少年ジャンプ+で第2部の連載が始まる予定で、2巻分無料キャンペーンが行われている最中での出来事であった。ちなみに66~68万人記念時の壁紙にも銃の魔人が写っていたが、そちらは事件前のツイートなのでそのままになっている。
  • 一部の企業がCMの放映を自粛し、その差し替えとしてACジャパンのCMが放映されることが多くなった。
  • 多くの芸能人が生配信や動画・ブログの投稿を自粛。
  • 翌日の岸田総理の演説会場に金属探知機設置、数十人体制で付近の建物からの狙撃警戒など、超厳戒態勢となった。
  • 自民党は弔い合戦やお悔やみ票があったと思われるせいか参院選で過半数の議席を単独で獲得したが、この事件の影響で大々的に喜べないムードに陥っている。(実際岸田首相や立候補の演説に死を利用したと思われる内容が存在する。)

選挙ではお約束の、当選者に赤い花を貼っていく風習も、赤から淡いピンクになった。また自民党候補者は喪章を腕につけたり、黒スーツに暗い色のネクタイを着用した。

  • この事件の犯人として、某監督が名指しされるというデマが発生し、海外メディアが犯人として取り上げてしまう自体が発生した。
  • 風刺漫画テコンダー朴」では阿倍野晋二というキャラクターが作中で死亡する描写が収録された単行本8巻の発売が予定された矢先の出来事であったため、一時は発売禁止も危ぶまれたが、7月25日に発売することが発表。書店には追悼のポップが配られた。

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エイブラハム・リンカーン:アメリカ合衆国第16代大統領。安倍元総理と同様に犯人に後ろから隠し持った携帯用拳銃デリンジャーで銃撃され死亡した。米国初の暗殺された大統領となる。また、エイブラハムがAbe(エイブ)と略されることがあり、発音は違えどスペルは安倍のローマ字表記(Abe)と同じことから、「Shinzo Abe Lincoln シンゾー・アベ(エイブ)・リンカーン」など、SNSの一部で話題にされた。 また、安倍元総理の遺体を運ぶ霊柩車は最初はリンカーンだったが、渋谷の自宅に到着する際にはベンツEクラスになり、通夜の会場へ運ぶ際にはセンチュリーになっている。

ジョン・F・ケネディ:アメリカ合衆国第35代大統領。安倍元総理と同様に公衆の面前で銃撃された死亡した政府要人(こちらは在職中に暗殺された)。リンカーン社製のオープンカー(事件後も13年に渡って使用された)でパレード中に二発撃たれ、そのうち一発は首に直撃している、映像が残っている、犯人が海上兵出身など今回の事件と類似点が多い。

吹き飛んだ大統領の頭蓋骨を婦人が拾って医師に渡す姿は話題になった。

この事件の犯人は拘置所でとある実業家に銃殺されている。

この事件の影響で、大統領専用車にオープンカーが採用されることは無くなり、防弾仕様のセダンが用いられている。

伊藤博文濱口雄幸犬養毅高橋是清原敬斎藤実:こちらも襲撃され死亡した首相経験者(原のみ刺殺で、それ以外は銃撃された。伊藤、濱口、原は襲われた場所(厳密に言えば駅構内)が共通している)。

特に伊藤は山口出身、元内閣総理大臣、駅で銃撃されたことなど類似点が多いが、中国のハルビン駅で朝鮮人の安重根により暗殺された。犯人・安はその後処刑されているが現在も韓国で国民の英雄の一人とされ、韓国海軍の潜水艦の艦名にも採用されている。そのため上記のリンカーンやケネディと違い、殺された側ではなく殺した側が海軍兵器の名前になっている。

その他の首相は全員東京都内で襲撃されている。

濱口は首相在任中に東京駅で銃撃されたが、即死には至らず一時は回復したかに思えた。しかし襲撃時の傷が原因で銃撃から9ヶ月後に死亡したため、暗殺された1人に数えられる。

五・一五事件 二・二六事件:ともに上記の犬養毅(五・一五事件)、高橋是清・斎藤実(二・二六事件)が殺害された日から命名されており、この二つに準えてこの事件を「七・八事件(ななはちじけん)」もしくは「七・〇八事件(ななまるはちじけん)」と呼ぶ向きもある。 他の呼称として「奈良事変」、「(大和)西大寺の変」などがある。

岸信介:首相辞任後に暴漢に刃物で刺されて重傷を負った政府要人であり、安倍晋三の祖父に当たる人物。孫に安倍氏の弟の岸信夫防衛大臣がいる。

浅沼稲次郎:日本社会党中央執行委員会委員長。自民党・社会党・民社党3党首立会での演説中に刺殺された。殺害に使われた凶器こそ違うが演説中に襲撃され、死亡している点など似通った部分がある。

本島等伊藤一長:当時現職の長崎市長であり、前者は1990年に現職中において右翼団体の男から狙撃され重傷を負い、後者は2007年長崎市長選挙の期間中にその日の遊説を終え選挙事務所へ戻る途中に暴力団員から背後から拳銃で至近距離から二発銃撃され、搬送先での病院で死亡した。後者の犯人には無期懲役の判決が下されていたが、2020年に死亡している。

最後に

参議院選挙の選挙戦の最中に起こってしまった今回の事件、忘れてはいけないのは言論を暴力によって否定することは絶対に許されないということである。

犯行の動機は宗教団体による家庭の崩壊、そして思い込みによる安倍氏への一方的な逆恨みによるものとされている。確かに、宗教団体というのは本来あらゆる手段で信者を助けるために努力するべき組織であり、逆に信者を苦しめ、ましてや多額の献金をさせて破産させ、人生を破壊してしまうのはまさに本末転倒と言えるだろう。しかし、犯人の行動は明らかに身勝手なもので、当然だが一切の正当性はない。

現代では暴力に頼らずとも、SNSによる発信や署名運動、裁判など様々な対抗手段が用意されている。言論には言論で対抗すれば良いのであり、暴力が許容される道理はない。 過去には犯人の母親が信仰していたものと同じ宗教団体に「献金の強制は違法」という最高裁の判決も下されている。

(犯行の動機に政治思想は関わっていないが)民主主義の理念を体現した選挙での活動中に政治家の命が奪われるという平和を否定するような蛮行が起きてしまったことは強く受け止めていかなければならない。現在の普通選挙制度は、先人達が最初は「高額納税者の男性のみ」だった頃から現在は「18歳以上の男女全員」へと長い時間をかけ、制度の確立・拡大に尽力したことで成立した。決して一朝一夕で確立されたものではなく、先の蛮行は先人達の努力を踏み躙ったも同然と言える。

だが悲しいことに、良くも悪くも日本および世界に強い影響を与えた安倍氏の訃報ばかりが強調され、政治厨による過剰な政策論争や思想が異なる者同士による言葉の殴り合い、出典不明のデマや陰謀論の拡散など不毛なやり取りがネット上を中心に繰り広げられ、地獄の如き様相を呈している。

我々がやるべきことは、理不尽な形で命を奪われた安倍氏の死を悼むことと、暴力を否定し平和を守るために一人一人がその思いを抱いて、できることから行動に移すことである。それこそ、選挙に行き、自分の考えに近い候補者に貴重な一票を投じることも立派な意思表示の一つなのである。

平和が個人一人一人の良心の基に成り立っていることを再認識し、今回のような悲しい出来事が二度と起きないよう考えなければいけない。

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