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略歴編集

1945年3月28日フィリピンレイテ島マアシン生まれ、ダバオ出身。

は法律家、中華系のは学校教師という家庭に育ち、大学卒業後は地元の検察官として約10年働いた後、政界に進出。

1988年から1997年2001年から2010年2013年から2016年までダバオ市長を歴任。

市長在任中はダバオ市の自警団である「ダバオ・デス・スクワッド」による犯罪者超法規的手法 殺害を黙認しており、「処刑人」と恐れられた。しかしこれによりフィリピンでも最悪の犯罪発生率を劇的に軽減させることに成功し「東南アジアで最も平和な都市」を標榜するに至った。

2016年の大統領選挙に出馬し、その過激発言から同時期にアメリカ大統領選に出馬した人物になぞらえて「フィリピンのトランプと渾名された。

2019年重症筋無力症を公表。

フィリピンの大統領は1期6年と定められており任期後に関して上院議員、副大統領への出馬表明を行ったが、後に撤回し大統領退任後は政界を引退した。


麻薬撲滅政策編集

大統領選にあたっては治安維持の実績を強く訴えるとともにフィリピン共産党(毛沢東派)の支持も取り付け、当選。さっそく麻薬をはじめとした凶悪犯罪者に対しては警察官に見つけ次第の射殺を命じるなど非常に強い態度で取り締まりを強化した。


就任の2ヶ月後には数々の麻薬王の逮捕に成功している。その中の1人であるレイテ島のカーウィン・エスピノサは父親であるローランドを町長に仕立て上げ、政治にも侵食していた。このような誰にも手を出せない麻薬王の撲滅に努めたことは地元では高く評価されている。


しかしドゥテルテ氏による取締から、警察官の誤認で殺害、口封じのために殺害など無実の者もかなり多いとみられており、法学者や法曹界からは猛反発を受けたが、「警察の指導下での一般市民による麻薬常用者の殺害許可」「それで作った死体を引き渡せば報奨金を与える」という斜め上の切り返しで既成事実化を図った。


また、麻薬取引などの汚職に関与したと疑われる警察官102人と麻薬王としての疑いのあるピーター・リムを呼び出し「お前を殺す (意訳)」と脅迫するなど、個人レベルでも積極的に活動した。


もっとも、これでフィリピンの麻薬問題が解決したとは言い難いのが現実である。


COVID-19対策編集

新型コロナウイルスによる肺炎は衛生状態が決していいとは言えないフィリピンにも早期に上陸。たちまち感染者が急増していった。2021年3月には、フィリピンからの日本入国希望者に感染者が出る。だがこの頃になると、ちょっと出遅れて日本のワクチン開発が治験の最終段階に入っており、5月にロシアの『スプートニクV』を皮切りに予防ワクチンが次々と承認されていった。


ワクチンには悪質なデマやメーカーによる選り好みなどもあり接種は進まなかった。苛立った彼はテレビの記者会見で、


「おとなしく予防接種するか、豚箱行きか、好きな方を選べ」


と、フィリピン国内でのCOVID-19封じ込めにも強権的な姿勢を前面に出した。


その一方で、自らと国会議員200名の1ヶ月分の報酬、計約1億円相当をCOVID19対策の為のプール金として国庫に返納している(時系列的にはワクチンよりこちらが先だが)。


WHOを介し中国企業のシノファームから1000万を超えるワクチンを調達、その後も日本、アメリカなどからファイザー、アストラゼネカのワクチンを調達した。

自身はシノファームをブースターを含め3回摂取を公表するなどワクチン政策を進めている。


経済政策編集

アキノ前政権の経済政策を受け継ぎ、海外企業の誘致やインフラへの投資など、普段のイメージとは違った手堅い政策を行っている。

農作物適地図作成、官僚主義の撤廃といった公約を概ね果たしてきたと言え、フィリピン経済を発展させつつ一部に富と権力が集中する格差社会を根元から変えようとしたことは間違いない。


外交編集

麻薬対策など国内の超法規的措置を巡って欧米と対立関係にあり、人権を重視しない中国、ロシアとの関係を強化している。


プライドが高く激高しやすい性格と言われており、バラク・オバマ大統領には売春婦の息子潘基文国連事務総長にはバカ野郎」フランシスコ1世ローマ教皇には「二度と来るな」と言い放つなど、国際的な批判にも瞬時に中傷で「応戦」する


特にアメリカに対しては、かつて植民地支配を受け、現代でも国内に米軍駐留(前政権の置き土産)しているという事実が非常にプライドを傷つけられるらしく、何も言われずとも度々「反米」を公言している。


フィリピンの歴代大統領はコハンコ財閥を始めとする財閥の息がかかっており、エリート層による汚職の黙認が相次いでいた。その財閥はアメリカと密に繋がっており、対米従属の政治を続ける限り財閥の力が弱まることはない。このような背景もあり、ドゥトルテ政権は反米に拍車をかけた。


一方で、ドナルド・トランプが大統領に就任してからは、首脳会談の実施やアメリカ軍と共同してイスラム主義組織であるアブ・サヤフの撲滅 (マラウィの戦い) を行うなど、やや好転した。


対中関係編集

先にも述べた通り、概ね親中路線を取った。

南シナ海の領有権問題を巡り、フィリピン側に有利な判決が国際司法裁判所から出されたにもかかわらず「ただの紙切れだ、捨ててやる」と判決を自ら批判。問題を棚上げし、言わば媚を売る形で経済援助などを引き出そうとしたことは特筆される。

先述の治安対策で増強の必要が出た刑務所も中国の支援により建設している。


これにより、電力物流といった国内の重要インフラまでもが中国に握られるようになったとも指摘されている。


対日関係編集

反米・親中かつ法治国家としても相容れない立場でありながら、以下に挙げるようなエピソードから例外的に評価する日本人も一定数見受けられる。


まず、インフラ整備においては中国一辺倒でもなく、日本からの導入も積極的に進めた。

2016年にはトランプ米大統領に続いて来日し、安倍晋三首相と会談。政治的にも友好関係を示した。トランプ大統領がその辺りに興味を示さなかったこともあり、首相側も超法規的措置等について詳しく追及しない方針を取った。


そしてなにより、対中関係同様に歴史問題を棚上げしてくれたことが大きい。

2017年、この頃あちこちに出現して問題になっていた従軍慰安婦追悼像を中国系の団体が半ばマニラ市長を騙してマニラ湾臨海部の公園に設置。この像は有名な韓国のそれとは意匠が異なるが、既成事実化する中国の目論見が見え見えだったため、2018年4月に配管工事のどさくさに紛れて重機でぶっこ抜き、しばらく行方不明になっていたが、最終的には設置した中国系市民団体に、

「二度とこんな汚物を我が国に持ち込むな(超意訳)」

と突き返したという。


しかし設置する側も懲りずに、今度は2018年には郊外のラグナ州にあるサンペドロ市に、韓国・堤川市との友好の証とうそぶいて設置を目論むが、これは大統領ではなく、サンペドロ市長が知らん…何それ…怖…(超意訳)状態になったらしく、2日で撤去


2019年、再びマニラ市内に、今度はとうとう皆さんおなじみのあの像が出現。ただ、今回ばかりは設置された場所が私有地内だったため、流石の彼も、


憲法で保証された表現の自由の範囲内だ」


と強権的な撤去を断念。だが、合わせて、


「すでに議論された問題を不当に政治問題化することは控えるべきだ。いずれにせよ、日本は補償を含め過去の行為について心から償っている」


(要約:「だからフィリピンを巻き込もうとするんじゃねェ。次は無ェぞ )


と発言し、その後フィリピン国内でこの手の像が建てられることはなくなった。


マルコス政権の再評価編集

独裁者としてフィリピンに君臨し革命で倒されたフェルディナンド・マルコスを評価しており、また彼自身の父もマルコス政権で閣僚を務めたなどマルコス一族との関係が深い。

マルコスの遺体を英雄墓地に移設、娘のサラ・ドゥテルテがフェルディナンド・マルコスの息子、ボンボン・マルコスの副大統領となっている。


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