※本記事は、現在放送中のテレビドラマ『ウルトラマンデッカー』の重大なネタバレを含むので、作品鑑賞後の閲覧をお勧めします。
概要
プロフィール
年齢: | 不明 |
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出身: | 未来の宇宙 |
家族構成: | アスミ・カナタ(遠い祖先) |
演: | 谷口賢志 |
主人公のアスミ・カナタにウルトラDフラッシャーを与えた張本人。
その正体は、数百年後の地球圏にてスフィアと戦うウルトラマンデッカー(カナタから見てウルトラマンとしての先輩)にして、カナタの遠い子孫である。
OPクレジットでは「謎の男」(第14話)、「未来人デッカー」(第15話)と表記され、上記フルネームはED間際に自ら明かしている。
バズド星人アガムスとは顔見知りらしく、第14話で登場した際には「レリア」の名を口にして彼を止めようとしていたが、アガムスからは「貴様がァ!!……その名を呼ぶなァ!」と激怒されていた。
外見
長めの金髪と不精髭、茶色のレザージャケットが特徴で、見た目の印象は中年の無頼漢といったところ。カナタからも終始「おっさん」と呼ばれている(この意趣返しも兼ねてか、彼は終盤のあるシーンまでカナタのことを「ガキ」呼ばわりしていた)。
どこか飄々とした態度を見せる人物で、登場した時には軽口を交えたりもしていたが、アガムスと上記のやり取りを交わした際にはどこか物悲しげな表情を見せたり、現在のデッカーの変身者であるカナタに対して今までの功を労う発言をしたりと、根は誠実で真面目な人物である模様。
好物は火星で売ってる宇宙煎餅とのことで、煎餅好きなのは先祖から受け継がれている。
経歴
未来の地球は宇宙に進出を果たしていたが、それを阻むかのようにスフィアが襲来し、デッカーはユザレやもう一人のウルトラマンと力を合わせてこれに立ち向かっていた。
しかし、知己であるバズド星人アガムスが故郷を滅亡へと追い込んだ地球への逆恨みから時間転移システムでスフィアを伴って過去に遡る事態となり、こちらに対処することになるが、システムはアガムスが転移時に破壊しており、修理は困難だった。
かろうじて音声と映像、そして生物以外の物体を送ることは可能だったため、第1話にてスフィアソルジャーに取り込まれたカナタから感知した光に向けてウルトラDフラッシャーとウルトラディメンションカードを転送して使うよう促し、彼にウルトラマンの力を与えた。
そしてシステムを不完全ながら修復し、生物の転送が限定的に可能になったことから、自らアガムスを追って過去の地球へとやってきた。
戦闘スタイル
転送によって現代に現れた時点では、カナタよりも前にデッカーとして活動していたこともあってか、変身した直後には右手を前に出して挑発する、相手の攻撃を見切った上できっちりと避けて反撃するなどかなり戦闘慣れしており、カナタよりも幾分か余裕を持ってテラフェイザーやスフィアザウルスを相手にしていた。その戦い振りをみたカナタも「すげぇ…」と驚嘆したほど。
他にも、ディメンションカード怪獣3体を一斉召喚してスフィアザウルスの相手を任せる、カラータイマーが鳴り始めると(両手を左右に広げてしらけた様子を見せつつも)すぐに光線を発射して決着へ踏み切ろうとするなど、判断力にも優れている。
タイプチェンジも、ミラクルタイプの瞬間移動能力を利用してテラフェイザーの背後を取る、分身してかく乱しながら相手を攻撃する、ストロングタイプの頑丈さを活かしてビームを弾き切って防御するといったように、敵の特性に対応して受動的に行っていたカナタとは異なり、その時々の局面に応じて臨機応変に使い分けている。
一方で、これが原因でリュウモンには自分達の知るデッカーとは別人である事を早々に見抜かれたが、「変身者」というものが存在する事自体を知らないが故に「どういうことだ?」と大いに困惑される事となった。
ちなみに最初にミラクルタイプにチェンジした際に少し驚くような様子を見せていたことから、彼がデッカーに変身していた時はまだミラクルタイプにはチェンジできなかった可能性がある(それでも即座にタイプの特性を理解して上述のように戦っているあたり、相当な経験を積んでいることが窺える)。
作中での動向
- 第14話
「今までよく頑張ってくれたな。……ただ、ここからは俺の仕事だ。ヤツとのケリは俺がつける」
アガムスがカナタを始末しようとした際、光に包まれて地球に降着。
アガムスと何やら因縁めいたやり取りを交わすが、激怒したアガムスがテラフェイザーに搭乗したことを受けて突如ウルトラDフラッシャーを出現させる。それと同時にカナタの腰にあるカードホルダーも転送され、その中のカードを用いて変身した。
上記のようにこれまでの豊富な戦闘経験も生かした立ち回りでテラフェイザーとスフィアザウルスの2体を相手に奮戦するが、最後はセルジェンド光線とTRメガバスターの撃ち合いの末、生じた爆発に巻き込まれてしまい…。
- 第15話
「大人にはな!責任ってモンがあんだよ……俺の命に代えても、この手でヤツを……」
爆発の衝撃でそのまま変身解除され、それでもアガムスを止めるために立ち向かおうとするが、身体に不調をきたして倒れこんでしまう。
その後意識を取り戻してカナタの名前を知ると、「アスミ」という名前から何かに気づいたかのようにハッとした表情を見せて笑みを浮かべていた。
そして自分がスフィアと戦っている未来から来たこと、スフィアの目的は惑星を自分の一部とすること、アサカゲの正体がアガムスであること、上述のように不完全な時空移動システムを用いてDフラッシャーをカナタの元へ送り込み、それを託したことを語る。
未来を変えようとするアガムスに対しても「人類とバズド星人が出会わなかったもう一つの未来が生まれるだけだ」と説得を試みるが思いは通じず、カナタを庇う形で銃弾をその身に受けてしまう。
その状態でなおもテラフェイザーを止めるために変身しようとするが、カナタの「 巻き込まれたからじゃない、俺は今、俺の世界を守りたいんだ!! 」という
言葉を受け、「ガキが……でけぇ口叩きやがって……」と言いながらも再びDフラッシャーを手渡す。
再び変身したカナタであったが、テラフェイザーの圧倒的な戦闘力を前に苦戦を強いられ、遂にはTRメガバスターを撃ち込まれ、絶体絶命の状況に追い込まれてしまう。
その様子を見るや、自身に残された僅かな力でインナースペースへ介入し、精神体の状態でカナタの元に駆け付けると、「 今できることを全力でやれ 」「 仲間が欲しかったら腹を割って話せ 」「 負けた理由を探すより勝てなかった自分を超える努力をしろ 」と自身の家の家訓を語り、
「負けるな!!ウルトラマンなら……立ち上がれーーーッ!!!」
と喝を入れ、2人でTRメガバスターを押し返した。
そして、その直後、光り輝く盾がカナタの前に現れ、それを掴み取ったデッカーは新たなる姿に覚醒。
それを見て「それがお前の……この時代の地球を護る、ウルトラマンの姿か」と呟いた。
デッカーはそのダイナミックな戦いぶりでテラフェイザーとスフィアを圧倒し、遂にこれを撃破することに成功する。
そしてアガムスを退けたカナタに、まだアガムスが生きており、戦いが終わっていないことを告げるるが、カナタから「 こっちの時代は俺と、俺の仲間たちで守ってみせる。だからアンタは、アンタの時代を守ってくれ 」と言われたことで、カナタにウルトラマンの力とこの時代の平和を託すことを決意。
分かれの間際に、自分の本名が“デッカー・アスミ”であることを告げるとともに、
「任せたぞご先祖様! アイツを……アガムスを、救ってやってくれ。」
と言い残し、どこか物悲し気な笑顔を浮かべながら元の時代へと去っていった。
余談
- 本編への登場は放送当日まで一切伏せられており(雑誌媒体も同様)、視聴者にとって強烈なサプライズとなった。また、玩具情報等からテラフェイザーおよびアサカゲの裏切りまでは予想していたものの、先代デッカーの登場には面くらったファンも多く、その衝撃度の高さから「先代デッカー」のワードがTwitterの検索ワードでトレンド入りを果たしたほど。
- 雑誌媒体での情報遮断を含めた本編放送当日での完全サプライズという意味では、こちらの系譜を受け継いでいると言える。
- 「主人公よりも前の変身者」という彼の立場は、『ダイナ』に例えると小説版『未来へのゼロドライブ』で判明したダイナの正体であるアスカ・カズマに相当すると思われる。
- 他にも、余裕を持った戦闘スタイルや姿は同じでも自分たちの知るウルトラマンとは違うことに気付かれる点から『ダイナ』に登場したグレゴール人が変身する「ニセウルトラマンダイナ」にも近いと言える(もっとも、こっちは正真正銘の本物なのだが)。実際、Twitterなどではニセダイナを連想した視聴者も少なくなかった模様。
- そして、カズマと彼を比較すると、「息子(未来)に光を授けた」カズマと、「先祖(過去)に光を授けた」デッカーとで、対になっている。
- 演者の谷口氏は、『救急戦隊ゴーゴーファイブ』で巽流水/ゴーブルー役、『仮面ライダーアマゾンズ』で鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ役、劇場短編『仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本』及び『セイバー』本編でバハト/仮面ライダーファルシオン役を務めており、本作で三大特撮のヒーロー変身者制覇となった。これはケイン・コスギ氏に続く特撮史上二人目の快挙であると同時に、テレビ本編への登場に限れば史上初にあたる(ケイン・コスギ氏が演じたアヅマ/仮面ライダーダイモンが劇場版限定キャラクターであるため)。また、昭和生まれの俳優がテレビシリーズの主役ウルトラマンに変身するのはウルトラマンメビウス/ヒビノ・ミライ役の五十嵐隼士氏以来で、令和ウルトラマンシリーズでは初めてである。
- 谷口氏がデッカーに変身したのを見たカナタ役の松本大輝氏は自身のSNSやYouTubeのインタビュー動画で、「ものすごい嫉妬しましたね…」とコメントしており、インタビューに同席していたアガムス役の小柳友氏もその思いに共感し、「自分が変身したウルトラマンゼロに他の人が変身してるのを見ると、なんかもやもやして、元カノの結婚式を見てるかのような気持ちになる」と表現していた。
関連タグ
ウルトラマンデッカー デッカー(ウルトラマン) 令和ウルトラマン
湊カツミ、湊イサミ:本編未登場だが、自分達よりも前にウルトラマンになった人物がいる主人公繋がり。
孤門一輝、早田進次郎、リリ・アーカイヴ:同じく、自分よりも前にウルトラマンになった人物達からウルトラマンの光を受け継いだ主人公。
仮面ライダー龍騎/榊原耕一:外伝ではあるが、主人公の前任の変身者だった人物繋がり(本編でも主人公より先に変身アイテムを所持していたが、物語開始時点で既に死亡していた)。
不動銃四郎:おっさん呼びされる