ビークイン
びーくいん
基礎データ
概要
ミツハニーの♀だけが進化する。その名のとおり女王蜂の姿をしたポケモン(巣の形からアシナガバチに近い)。
名前もそのものずばり女王蜂(queen bee)から取られていると思われる。
三つ子だったミツハニーが進化して一体化した。進化して頭の数が増えるポケモンは意外と多いが、逆に減るポケモンは珍しい。なお、元になったミツハニーの意識はどうなったのかは不明。
ドレスのような下半身は蜂の巣の形になっており、そこに子供たちが住んでいる。ミツハニーに子供たちの餌となるミツを集めさせる。
ビークインが危機的状況に陥った際、子供たちは巣穴から飛び出し、命がけで相手を撃退する。
様々なフェロモンを出して子供たちを自在に操り、敵への攻撃・自身の防御・回復を行わせる。
フェロモンを多く出すビークインほど、多数のミツハニーを従えられる模様。
なお、1つの群れにビークインは1匹だけだという。
群によって蜜の味が異なるようで、『LEGENDSアルセウス』の図鑑によれば、『配下らに命じ 巣を 築かせる。』と解説されており、体の巣とは別に巣を作ることもあるようだ。実際にアニメDP編第32話「琥珀の城のビークイン!」では琥珀の城という巨大な蜂の巣に住んでいた。
同図鑑では上記の解説に続き、『巣に 忍び込みし 不届き者は 討ち取り 自身の糧とする。』と解説されている。
同作で手に入る蜜が詰まった蜂の巣「きらきらミツ」もミツハニーが集めたものだと思われる。また、ヨロイ島周辺にあるハニカーム島の地下に住むダイマックスビークインの作る「ダイミツ」はウーラオスの好物であり、ダイスープの味を彼ら好みに調整してキョダイマックスさせることができる。
「子供たち」という存在が地味に謎めいている。
図鑑説明の記述を見るに、ビークイン自身の子供とミツハニーは別物扱いな可能性が高い(第4世代のモーションで見られる子供たちの造形もミツハニーとは異なる)。ところがビークインを親にして作ったタマゴからは当然ながらミツハニーしか生まれない。
もっとも、ポケモン界には他にも似たような事例が存在するが。
この『子供たち』もビークインの一部(いわゆる生きたファンネル)だと考えればミツハニーの存在に矛盾が生じる事は無くなる(あるいは子供達のうち、3匹の個体が結合した状態で生まれてきたものをミツハニーと解釈することもできる)。
蜂らしく「どくばり」、「ミサイルばり」、「ヘドロばくだん」、「クロスポイズン」、「ベノムショック」といった針や毒に関する技も習得できる。
厳選が面倒なポケモンとしてよく名前が挙がる。
メスしか進化しない上にミツハニーの性別比率は♂:87.5%/♀:12.5%と酷い偏りがあるのが原因。
初登場の『ダイヤモンド・パール』では野生のビークインが出現せず、ミツハニーも「あまいかおりのするき」限定であったため入手自体も手間がかかる部類だった。
『ソード・シールド』でシンボルアイコンで♀のミツハニーを見つけ出す事が容易になった他、ようやく野生のビークインが手軽に捕まえられるようになったが、ミツハニーの性別偏重は相変わらずの廃人泣かせと言える。
(メロメロボディ持ちの♂を先頭にすると目に見えて♀の出現率が上がるのでオススメ)
ゲームでの性能
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
70 | 80 | 102 | 80 | 102 | 40 |
防御・特坊が高く鈍足という、虫/飛行タイプとしては珍しいステータス配分をしている。
高耐久と特性「プレッシャー」で持久戦に向いている……が、タイプに大きな問題を抱えている。
虫/飛行は全タイプで見ても特に耐性が悲惨な複合で、いわタイプに4倍弱点を抱える他、ほのおやでんきなどメジャーどころの弱点も多い。
攻撃面ははがねタイプへの対抗手段に乏しく、これで岩複合の相手となると絶望的。
しかしタイプ以外は個性の塊でもある。
中でも最大の特徴は3つもの優秀な専用技を持つという点であろう。
- 「こうげきしれい」
威力90のむしタイプの物理攻撃で、急所に当たりやすい。
- 「ぼうぎょしれい」
「コスモパワー」と同じく、防御・特防を一段階上げる。
- 「かいふくしれい」
「じこさいせい」と同じく、自分の体力の半分の値だけ回復する。第8世代では削除され、BDSPでも復活はならず。
他にも「みちづれ」などの虫タイプとしては珍しい技を結構覚える。
岩タイプの「パワージェム」を覚えるのも特徴。対炎・飛行タイプのサブウェポンとして使える。
隠れ特性は「きんちょうかん」。
きのみを封殺するのでダブルバトルでなら有効活用できるだろうか。
ただダブルでは「いわなだれ」「ねっぷう」など全体攻撃への弱さが最大の難点。
ちなみに「プレッシャー」も「きんちょうかん」も、威厳ある女王をイメージした特性と思われる。
いつか「じょおうのいげん」が追加される日が来る……かもしれない。
総じてキャラ被りが著しい同複合の中では稀有な特徴を多く備えているのだが、やはり虫/飛行というタイプが足を引っ張ってしまっている様子。
同タイプが数多く不参戦となった第8世代にも続投したが、上述の通り「かいふくしれい」が削除されてしまった上に「はねやすめ」まで没収され、回復技が「ねむる」だけになるという憂き目に遭う。
これによりただでさえ不安定だった耐久型は致命的な弱体化を受けた他、「おいかぜ」や「がむしゃら」までもが没収されたことでサポート型も大きな打撃を食らった。
多くの耐久型ポケモンから没収された「どくどく」とむしポケモンでは珍しい「みちづれ」はどうにか守りきったが、いずれにせよかつてない苦境に立たされていると言える。
なおソード・シールドでは性能面で酷い仕打ちを受けたビークインだが、同作の追加DLC『鎧の孤島』においては思わぬところでクローズアップされた。
というのも、ダクマ及びウーラオスの好物である「ダイミツ」をドロップするのがダイマックスしたビークインだけなのである。つまり、ウーラオスをキョダイマックスさせたい場合はヨロイ島に生息するビークインとのレイドバトルが必須となっている。
また、シナリオ中のイベントでレイドバトルする個体はレベル80という中々の強敵であり、所詮はビークインだとナメてかかると痛い目に合う。そしてタイミング的に「レベル70前後のウーラオス単騎状態でいきなりダイマックスビークインの目の前に放り込まれる」という状況が十分起こり得る。まごまごしてるうちに容赦なきダイジェットに吹き飛ばされたクマさんも少なくないだろう…。
後のダイパリメイクでは「はねやすめ」を再習得して耐久型が復活。(「かいふくしれい」は完全に消滅したが。)
作中ではウルガモスが不参戦でリザードンが環境の一戦から退いたため、他ポケモンの岩技の搭載率が減った事で相対的に生き残りやすくなっている。
『LEGENDSアルセウス』のメイン任務「神話の探究者」ではがんせきプレートを持ったオヤブンビークインが出現。
彼女を倒すか捕獲することでがんせきプレートが手に入る。おそらくは黒曜の原野が黒曜石に由来することと、ビークインがパワージェムを覚えるが故の人選だと思われるが、ならばたまむしプレートをくれるバサギリと立場を逆転させれば良かったのでは?と突っ込むのは多分、野暮なのだろう。
ゲーム中での性能はというと習得技にぎんいろのかぜとつばめがえし、あやしいかぜが復帰した他、覚える技は本編と比べて特殊に寄っている。
剣盾でアイデンティティの一つであったかいふくしれいを奪われた彼女だが、本作では「しれい」系の技を覚えないというアイデンティティそのものを奪われてしまう憂き目に遭う。代替手段のはねやすめすらないので自己回復したいならば、デバフ付きのねむるを使う他ない。
ポケモンGOでは
2019年2月1日に実装。
進化前ミツハニーがレアで、当然♀しか進化できず、入手は困難を極める。
肝心のスペックはというと、原作通り耐久が高いが火力が今一つなのでCPは低め。
ただ耐久が高いのでトレーナーバトルでは活躍が見込めるだろうか。
発生の早い「むしくい」に少ないチャージで発動できる「シザークロス」、ひこう・ほのお対策の「パワージェム」辺りを揃えられればそれなりに活躍できるだろう。
余談
ちなみにミツバチの天敵はスズメバチだが、タイプ相性や耐久力の関係でスピアーはビークインに勝てない(とはいえ、覚えられる技のタイプの数ではスピアーが上)。
よってミツハニー共々下僕にされているイラストが多々ある。
……しかし、そのスピアーも第六世代でついにメガシンカを得て大出世した。
彼女も後々の可能性に期待しよう。