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プロフィール

真名バーゲスト
クラスセイバー
性別女性
身長190cm
体重120kg
出典イギリス妖精史、及び異聞帯ブリテン
地域妖精國オックスフォード
属性混沌・善・地
好きなもの結婚
嫌いなものメリュジーヌ
ILLUSTめろん22
CV井上麻里奈

真名

太陽の騎士の名など偽り。其は凶兆の妖犬、バーゲスト』。

汎人類史においては「ブラックドッグ」とも呼ばれるが、本作においては別個の妖精として扱われており、ブラックドッグはバーゲストの眷属、バーゲストは牙の氏族出身の一介の妖精ということになっている。

真夜中などの暗くなる時間帯に現れ、それを目撃した人間は近いうちに死を迎えるという伝承がある。

妖精國出身の妖精族サーヴァントに共通することだが、彼らの名は本来は種族そのものを指し、英霊に昇華される「個人」を現す名ではない。これはブリテン異聞帯における妖精種の在り方が関係している。

妖精も人間も関係なく食殺し、(容量限界はあるが)食べた妖精の異能を引き継いで自身を強化できる強大な能力を持つために、妖精國でも怪物と恐れられ、「黒犬公」の忌み名で呼ばれる。現在は、土の氏族の大妖精「ファウル・ウェーザー」を捕食した事で満腹状態にあるという。

本来、牙の氏族は獣人型の妖精なのだが、過去に「牙の氏族」が活躍した「モース戦争」で一族が呪われ、その呪いの一つとして人間型に生まれた過去を持つ。

ウッドワスらには「忌まわしい黒犬の娘」として迫害され、爪も牙もない自身を嘆いていたが、当時の氏族の有力者であったボガードの激励を受けて再起し、騎士道に生きることを決めた。

以降、芋虫型モースが大発生した「キャタピラー戦争」(主君の永遠のトラウマ)にて妖精騎士の着名(ギフト)を授かり、勝つために必要だった秘蹟を持つファウル・ウェーザーを一騎打ちの末に倒して捕食し、引き継いだ能力を駆使して女王軍を勝利に導く。

その後200年に渡り、妖精國とその民を守るために休み無く戦い抜いてきた。

それぞれの思惑のために戦う妖精騎士達の中で、ここまで公のために尽くしてきた人物は稀であり、普段は彼女に食ってかかる妖精騎士トリスタンも、内心では「バーゲストの代わりになる者などいない」と彼女の実力を認めて評している。

人物

一人称は普段は「私(わたし)」、素の状態では「私(わたくし)」

謹厳実直、質実剛健を体現した誇り高い武人。

幼少の頃より「黒犬の娘」と蔑まれ、迫害された過去を持つため、弱者の痛みに寄り添い強者であることに責任を求めるノブレス・オブリージュの精神に則り、モースから妖精たちを守る盾役を自ら買って出ていた。

敵味方問わず強者には最大限の礼を以て接し、弱者は何があろうと守り抜こうとする、まさに騎士の鑑だが、弱肉強食主義であるために弱者を守る一方で侮ってしまうクセがあり、特定の者以外の弱者は有象無象としか見ていない。

一見頑固で力任せに思われがちだが、実際は冷静に状況を分析してから動く慎重派。

左手に持つ鎖について「私が強者であり“支配する側”である証」と語る一方で、自分が絶対に正しいと思っているわけではなく、至らない部分は諫めて欲しいとマスターに伝えている。実際忠告や諫言も筋が通っていれば素直に聞き入れ、周りの意見も積極的に取り入れようとする。

堅物一辺倒かといえばそうでもなく、その実人情派で涙にもろく、自身の感情や想いをストレートに表現するタイプ。隠し事は苦手で、歯に衣着せぬ物言いが相手の気を悪くしてしまう事もある。

気を許した相手との距離感もかなり近く、(元が犬の妖精のためか)ニトクリスの耳っぽい飾りを見て牙の氏族の同胞と勘違いし、うなじを舐める等のスキンシップを試みたりしている。

汎人類史からの入れ替え(チェンジリング)で流れ着いた本に記された物語から、ガウェイン卿を始めとした円卓の騎士達の物語や人となりを大まかに知っており、彼らに憧れ、目標としている(そのため、第2部6章クリア前に召喚された際には「名前が変だ(=お前ガウェインじゃねーだろ)」と突っこまれ、「もしや本物のガウェイン卿がいるのか?」と心配する様子を見せた)。

第一霊基で愛用している白銀の鎧はエクターという妖精鍛冶師が鍛えた一品物。製作に4年もかけたため、エクターも出来映えには「村に来てから唯一やりがいのある仕事だった」と満足している。

彼女の霊基は強化されるに伴って巨大化していくため、受領当時は「着けてみておかしくなければそのまま着ていく」と事前に伝えており、結局そのまま着て行った事からジャストフィットしていたようだが、霊基再臨に伴い夜会用ドレスに着替える際には「とにかく窮屈だった」と述べている。

この時は「ガウェイン」の名を意識してか騎士らしく尊大な口調で話しかけることが特徴。ただし内心ではお嬢様らしい敬語口調であり、イベント『南溟弓張八犬伝』では犬達の愛らしさにときめいていた。

第二霊基では夜会用のドレス姿を披露。妖精の中でも上流階級出身であり、これでも一端の淑女である。戦闘時は猛々しい姿を見せる一方、平時は貴族令嬢として淑やかに振る舞う。

また、この時は鎧姿の時は隠していた女性的な敬語で話す貞淑な素の彼女となる。

「家のことを全てこなせるようになっておくのが、いずれ伴侶を迎える者として当然の義務」という考えを持ち、領主ながら料理が得意であるなど、家庭的な一面もある。概念礼装「胃袋で倒せ」のテキストによれば、休日の密かな趣味は得意なメニューや新しいメニューの料理(人間には多すぎる量)をすること。

センシティブな作品センシティブな作品

教育も行き届いており、ジョークを解するなど教養もあるが、口下手なためにジョークを言うのは苦手。

更に男女の関係には顔を赤らめるなど、結構ウブ。角がデリケートゾーンなのかじっくり見られるのを恥ずかしがったり、「貴族の生まれである以上、番となる者とは、しかるべき場所、しかるべき儀式で指輪を交わしたい」という願望があったりと、根っこは奥手な純情乙女である。

恵まれた肉体やよくできた人格から、アルトリア・キャスターのバレンタインシナリオでは、バーゲストに嫉妬しつつも憧れている様子が描かれた。

マスターに対しては主として、恩人として付き従い、「私のマスターは貴方だけ」と絶対の忠誠を誓っているが、元々惚れっぽいタチであるため、マスターにも自然と恋心を抱いてしまう。

ただし、惚れ症ゆえに誘惑には簡単に心がなびいてしまう。特に鍛え抜かれた肉体には目が無いようで、源氏名の元ネタである円卓の騎士ガウェインをはじめ、カルデアでは英霊たちの勇姿に常に心惑わされている様子。マスターも例外ではなく、数多の戦いを経て鍛えられた体を見て「鎖で試したい」と漏らしている。

それでも主人公に恋してからは操を守っているようで、「スペックだけで恋に落ちるのは卒業した」らしいが、それでも目移りしてしまうのは本能のようなものなので仕方ない。

万夫不当の騎士姫として華々しい姿を見せる彼女だが、悲しいかな、その抗い難い本能ゆえにバーサーカーの適性が根付いている。

凄まじい情動から、それまで保たれていた情緒や理性を失って本気で愛した恋人を食べてしまい、我に帰った後で自己嫌悪に陥るという呪われた性癖を有し、第三再臨以降は騎士道に篤い剛毅な人柄と魔犬としての狂暴な本能が混ざったまさしく狂戦士のごとき人格になる。

センシティブな作品センシティブな作品

頭のティアラのような形の角「亜鈴触角」は妖精としての本能を封じる理性そのものであり、角が砕ける事は彼女の愛(ほしょく)を受け入れた事で彼女によりマスターの命、あるいは彼女の捕食(あい)を拒絶したマスターにより彼女の命のどちらかが失われる事を意味する(仕様上仕方ない事だが、宝具演出では他のサーヴァントの肉体的苦痛精神的苦痛を齎すスキルや宝具、死亡覚悟奥の手といった例に漏れず、一バトル一本と言わず頻繁にポキポキへし折っている)。

しかし、カルデアでの彼女は理性的には一途ながらも本能的な目移り癖ができており、それは彼女の理性を揺さぶる強い情動の対象が分散すると言う事でもあるので、「本命は決めているがそれはそれとして」という今の環境はある意味最も理想的なのかもしれない。

何せライバルは掃いて捨てるほどいるし、うっかりマスターを殺してしまおうものなら憧れの円卓の騎士達による(精神的かつ物理的込の)顰蹙と制裁、さらには大神の宮殿メソポタミア・エジプトの冥界地獄の温泉宿最果ての楽園など、ありとあらゆる神秘勢力が(マスターの魂を賭けて)正妻戦争に本格参戦してくるのが目に見えているからだ。

他にも、マスターを気に入ってしまいそのうち本気で食べてしまおうと思っているサーヴァントには実はがいるので、少なくともマスターを衝動で食べてしまう前にどこかしらで邪魔が入るのは確実だろう。ただし妨害の方向性は十中八九「マスターを護る」ではなく「お前だけ抜け駆けは許さん」だが。

マテリアルでは、彼女の恋人には男女妖精人間問わず様々な種族がいたことが明かされており、バイセクシャルでもある模様。まあカルデアではよくあること

望むものは手前の力で手に入れる主義であるため、聖杯にかける望みは特に無い。ただし、恋の願掛けには少しだけ興味がある様子。

ちなみに、本気で彼女を堕としたいのであれば、魔術的底上げ抜き完全な素の膂力で、しかも微差ではなくある程度余裕を持って彼女より強くなくてはならない。

彼女より強くとも魔術的底上げがあると、魔力喰いで逆用され、彼女が天井知らずに強くなっていってしまう。

また、微差では多少調子が悪い時に、彼女の性癖が発動してしまった場合抑えきれないため。

最低限代行者や埋葬機関のような身体捌きを素で出来なければ末路は彼女の胃袋だろう。

ただし、一度暴走した彼女が捕食なしにバーサーカー状態から元に戻れるのか現時点では不明。

関連人物

妖精國

ボガード

その出生ゆえに忌み嫌われ、迫害されてきたバーゲストだったが、ボガードは彼女の生まれ持った強さを称え、「犬と呼ばれたくなければ爪と牙で戦わなければよい」「おまえは優れたその角(けん)で戦うのだ」と激励の言葉を贈った。

それ以来、バーゲストは剣を武器とするようになり、女王に見初められて妖精騎士となった。

ボガードは今でも、強者として生まれ落ち弱者から搾取し続けなければならない自分を憎む生まれたばかりの頃のバーゲストのことを覚えている。

しかし、モルガンへの復讐を考えるボガードに対し、モルガンの命令によりボガードを討伐すべく妖精騎士三騎が出陣することになり……

妖精騎士トリスタンバーヴァン・シー

地元で極悪の限りを尽くしていた同僚。

バーゲストがモルガンから謹慎を言い渡され、他の妖精士官達が出世のチャンスに浮き足立つ中、「バーゲストの代わりが務まる妖精なんてどこにもいねぇっつーの」「バーゲストをウッドワスの援軍に出さずに謹慎させていいのか」と懸念しており、彼女の戦力的な価値をよく理解していた。

カルデアでは(妖精たちがいないから)おとなしくしているのではと思った矢先、新しい友人と一緒に靴づくりをしていることを耳にして驚いている。

妖精騎士ランスロットメリュジーヌ

同僚。質実剛健なバーゲストと戦場以外では可憐で礼儀正しいメリュジーヌはよく周囲から比較されていた。それも合ってか、バーゲストはライバル意識を持っており、カルデアではどちらが最強なのか決着をつけたがる。

メリュジーヌ本人はバーゲストと仲良くしたいようだが、可愛い大型犬のような感覚で見ているため、当分気を許してはくれないだろう。

強者と弱者の関係についても認識が相違しており、メリュジーヌの場合は「僕が最強だからみんな僕に従うべき」という野性としての弱肉強食がデフォルトなのに対し、バーゲストの場合は「強者たるもの弱者を守護する責任がある」という“人としての”弱肉強食を旨としている。

そのため、バーゲストとしては最強生物のくせに気にいった者以外を積極的に守ろうとしないメリュジーヌの在り方が気に入らない模様。「信念の問題ではなく性格の問題で嫌い」ということらしい。

モルガン

主君。異聞帯では最終的に刃を向けることとなるが、妖精の暴虐に絶望した果てに暴走するという主君と同じ行く末を辿ることになる。

カルデアに来て以降は忠臣として仕えている様子でモルガンからも意見を求められているが、マスターの存在もあってライバル意識を抱いている。

アルトリア・キャスター

実はかつてバーゲストが鎧作成のためにエクターに会いに行った際に初めて会っており、アルトリアの方はしっかり覚え(嫉妬し)ていたがバーゲストの方は忘れてしまっており、「小さすぎて見えなかっただけ」と内心思っている。

体格や令嬢の立場といった格差や敵に回すとおっかないことを分かっているからか、アルトリア側の卑屈な対応が目立ちがち。ついでに女子力も負けている。これは勝てない

他方、共にカルデア所属になってからは、アルトリア側から面と向かってバゲ子と呼んだり食事をタカったり、バーゲスト側も困惑しつつもタカリに応じたりバレンタイン相談をしたりしており、バーゲストから見れば困った妹分と言ったような関係。

実は第2部6章開幕以前から、アルトリアのバレンタインシナリオにて、ガウェイン関連の話題が出た際に「バゲ子の話なんてしたら、また一日ベッドでカタツムリになるの確実だし」と触れられており、「バゲ子」という愛称で存在に触れており、詳しい者なら「バゲ子=バーゲスト?」と推察することも可能となっていた。

カルデア

藤丸立香

契約したマスター。

惚れっぽい性格から、気を許すと好意を見せてくる

自身のバレンタインでは、山盛りのチョコをプレゼントするが、マスターの精神的イケメンぶりを見て鎖を外して襲いたい気持ちになっていた。

ガウェイン

彼の名を襲名したことに恐縮しており、彼の肉体美に思わず惚れかけた事もある。

当のガウェインはいい体をしてるとか自分のファンなのかなどと呑気な事を言っている。

ハベトロット

カルデアで召喚された、汎人類史ベースの花嫁のドレスを紡ぐ妖精であるハベトロットは、汎人類史のバーゲストしか知らないため、カルデアにいるバーゲストを見て「バーゲスト(の内に秘めたお嫁さん力)ってあんなだった?」と不思議がっている。

しかし、同時に「まぁ、負のお嫁さん力だから、高まれば高まるほど結婚できないんだけど…」と悲しい評価を下している。相手を激しく愛する=食い殺してしまうバーゲストはまさにということか。

そのためかハベトロットは、とある相談をしようとしてくるバーゲストを見ると「お前のためを思って逃げてるんだよー」と言いつつ避けており、バーゲストは不思議がっている。

伊吹童子

彼女の縦セーターと豊満な胸について何かしら勘違いしているようで、「まさしく汎人類史の予言の子」「すべてのセイバーの頂点に立つ存在」「貧相な騎士王を凌駕する縦セーターの救世主」と絶賛。慎ましいお胸をディスられた騎士王は怒って聖剣をぶっ放そうとした

成長後の彼女が二人に負けず劣らずのわがままボディをしている事は恐らく知らないと思われる(若しくは、セイバー以外だから除外なのか)。

ニトクリス

彼女の耳っぽい頭飾りを見て牙の氏族と勘違いする。挨拶がわりにうなじを舐めてぷんぷん怒らせてしまった。

イヴァン雷帝

その巨体と隆々とした筋肉の素晴らしさに思わずよだれを垂らしてしまいそうになる。

自分に◼️◼️◼️ることもなさそうな巨体も魅力的だったのだろうか。

さぞかし名のある妖精亡主なのだろうと思ったが、宝具がどう見てもマンモス大怪獣なのに獣人ではないと説明されて困惑してしまう。

ドブルイニャ・ニキチッチ

見どころのある戦士としてモルガンに紹介しようと考えているが、獣耳と尻尾を見て同族と勘違いしているのか妖精騎士と呼んでいる。

サロメブリュンヒルデ

愛情が深まれば深まるほど相手の命を奪ってしまう人たち。

ヘシアン・ロボ

かつて真名の候補にバーゲストが挙げられていた。

関連タグ

Fate/GrandOrder セイバー(Fate)

バーゲスト 肉食系女子 オッドアイ 魔犬

妖精騎士 妖精騎士トリスタン 妖精騎士ランスロット

ランルーくん:『Fateシリーズ』における「なんであれ愛したモノを食べてしまう」先達。ただしバーゲストと違って彼女は愛したモノしか食べられない。

ダイゼンガー:第3再臨の状態がそっくりと話題になっている。本人の気質にも、ダイナミック・ゼネラル・ガーディアン(力強き万物の守護者)という肩書きは割と合っている。

アンパンマン:ご存知永遠のヒーロー。元から食べられる上に強いので、ある意味理想のお婿さん。難点としては、彼は“みんなが大好き”であるため、決して誰かの特別にはなれないことだろうか。

溶源性細胞:これによって発生したアマゾンも自身の大切な人を優先的に喰らうという特徴がある。

ネイト・ミトツダイラ:中の人ネタ。女騎士、獣系(彼女の場合はオオカミ)と共通する点もあり、現にバーゲストがピックアップされていたガチャではネイトが表紙である境界線上のホライゾン第3巻の上を触媒にしていた人がいる(これを追加した編者もそのうちのひとりである)。

ネタバレ注意!!

妖精を守らないモルガンの対応は、弱者の守護を使命と戴くバーゲストにとっては、正しいものとは思えなかった。

結果、バーゲストは遂にモルガンに「反乱軍を妨害しない」と言う形で反旗を翻し、最終的にモルガンは打倒された。

反乱軍にとってもモルガン支配下の上級妖精に睨みを利かせられるバーゲストの投降は非常に助かるものであり、ノクナレアへの政権委譲は彼女の助けもあってスムーズに進む…はずだった。

ところが、ソールズベリーにて行われていた戴冠式の最中、ノクナレアの死を発端に始まった大厄災により、モースがブリテン中に大発生。

戴冠式には出席せず、キャメロットにて戦後処理を担当していた彼女は決死の覚悟で戦うも、円卓軍もキャメロットの住民も守りきれず、自身もモースの毒に侵されてしまう。

それでも守るべき恋人と領民のため、主人公達との約束通り、皆をストームボーダーに乗せて脱出させるべく、ボロボロの身体に鞭打って自領マンチェスターに到達した彼女を出迎えた光景は、「古いオモチャはいらない」「汎人類史の地球に移住するのなら、わざわざ妖精國の人間を生かしておく必要も無い」「バーゲストが帰ってくる前に殺し尽くしてしまえ」と、人間たちを嬉々として嬲り殺す妖精達の姿だった。

実はマンチェスターの妖精達は、表向きはバーゲストの政策に従い人間達を隣人として扱っているように見せつつ、実際は納屋などの屋内で人間を拷問して弄び、殺戮の限りを尽くしていたのだ。

止めに入ろうとしたバーゲストだったが、妖精達の言葉から最愛の恋人をとっくの昔に食い殺していた事実を自覚してしまう。

愛した者を食べてしまう本能から、何度も恋人を作り、今度こそ添い遂げようと思っても、どれほど相手が強く強壮であっても、結局相手を食殺してしまう。そのおぞましい性に、彼女は長い間苦しめられていた(魔力喰いの性質上、どれだけ彼女より強い者でも歯が立たず、まして恋人となるとバーゲストを愛しているがゆえに彼女を殺せないので、早晩食い殺されてしまう。彼女の愛の捕食に抗うには自身の魔力込みのパワーが彼女の力を上回っている内に迅速に彼女を殺すか、魔力を伴わない完全な素の力だけで彼女の衝動を抑え切らねばならない。そして恋人を捕食する度に相手の強さを吸収して上乗せしていくので、後者はおろか前者すら青天井で難しくなっていき、結局は力及ばず食べられてしまう)。

遂には自害を決意した時、バーゲストは今までとは全く違う相手に恋をした。それは線が細いばかりか体が弱く、杖をつかねばろくに出歩くことさえできない、アドニスという心優しい人間の少年だった。

弱肉強食を掲げ、妖精國を守るべく、城塞公ファウル・ウェーザーを捕食しその力を取り込んだ事もある(これに関しては、妖精國を守る為の自分の意思での捕食であるため、惜しんではいたものの特に気に病んでいる様子はない)バーゲストにとって、弱く小さい彼は力を得るための捕食対象にはなり得ない存在だった。

彼を実家で保護して甲斐甲斐しく世話を焼き、彼もまた自分のために窓から見える庭を花で満たすバーゲストの心配りに感謝する──そんな「自分が獣ではない証明であり、癒やしでもあった」と喜んだ得難い日常は、愛おしさのあまりアドニスを捕食した事で唐突に終わりを迎えた。

無力な恋人を捕食したことで、己の本性を、戦士として強くなるためなどではなく「愛しているがゆえに食べてしまう卑しい獣でしか無い」と完全に自覚してしまい、今度こそ命を絶とうとするが、アドニスを殺した記憶を何者かに封じられ、更にアドニスの部屋を訪れるたびに、彼との幸せな時間の記憶で封印を補強する事で今日までやり過ごしてきたのだった。

(他の考察では、アドニスは身体は強くなくても懸命に生きようとする「心」が強かったために捕食された、あるいは自身の寿命が尽きかけている事を悟っており、ならばと最期は愛する彼女の糧になる道を選んだため、自ら捕食を受け入れたのではないか、という意見もある)。

その一連の行動を出歯亀していた妖精達は、あろうことかそれをバーゲストが考えた「新しいごっこ遊び」と捉えており、それを真似して凶行に及んでいた(バーゲストに隠していたのも、隠匿よりはせっかくの楽しみを横取りされたくないすぐに事を終わらせてしまうから楽しみが半減するという仲間はずれ感覚である) 。人間と妖精、どちらも領民として大事に思っていたバーゲストだったが、妖精は最悪の形で “バーゲストを真似ていた” のである。

そして妖精達は、脱出したら今度は汎人類史の人間達を弄び、飽きたら殺してしまえばいい、と嬉々として相談しあい、挙句の果てには自分達も領主を真似て人間を捕食しようとする。そんな妖精達を見て、もはや妖精國に正義も善も無く、すでに彼等が汎人類史から流れ着いた書物にあった存在と自分達を同一視し、その時自称していたように悪妖精(アンシリー・コート)よりもっとタチの悪い悪魔に堕ち、とっくの昔にこの異聞世界が破綻していたことを悟った彼女は決意する。

責任を取らなければ

決して外の世界に出してはならない

この邪悪な生き物を

一匹のこらず、殺さなくては

黒い厄災と化したバーゲストは、マンチェスターの妖精を斬り殺し、残っていた人間達も無自覚に喰い殺しながら全てを根絶やしにした後、大量のブラックドッグを引き連れて妖精國を蹂躙。火の粉と強烈な呪いを振り撒きながら魔力を喰らい続け、やがて人の姿すら失い、体長40メートルを超える一角の巨大な黒犬の姿をした怪獣のような──獣の災厄に堕ち果ててしまった。(実は妖精國を襲う厄災は、程度の差こそあれ、全てが「邪悪な妖精どもを野放しにしてはいけない、皆殺しにしなくてはならない」という使命感で動いている。)

カルデアとしては、この時点で時間制限がある上世界の破滅に直結するケルヌンノスとの戦いを控えている。

バーゲストは汎人類史に出てしまっても都市を破滅させる程度の存在であり、大事の前の小事として一旦放置するという作戦が最適解であった。

が、誇り高いバーゲストが狂い果てた末にノリッジを滅ぼし、壊すことしか許されない魔獣として扱われることに耐えられないマシュはバーゲストを止めるべく、僅かな余裕時間を割いてノリッジでバーゲストと対峙。

魔力喰いの特性によって大苦戦を強いられるが、自分と同じくブリテンの街と民を愛し愛された「誇り高き円卓の騎士」として戦い、バーゲストを“救いたい”というマシュの思いに主人公が応える形で、同じく真名をギフトとして利用された事で縁が生じていたランスロットガウェインが召喚された事で、辛くも討伐に成功した。

カルデアに召喚された後は、この出来事を覚えているらしく、自分を止めてくれたマシュに感謝している。

そしてクリア後の最終再臨ボイスでは、「妖精騎士バーゲスト」として、自身を倒した円卓の騎士に誓い、ブリテンの呪いを超える決意を見せた(ちなみにクリア前に最終再臨すると自分の業を抑えきれなくなりそうになっている)。

たとえ記憶の封印に助けられていたとしても、血まみれになって円卓軍達を守ろうとした姿、そして全てを知ってなお己の呪いを乗り越えようとする姿、そのあり方にはまさに、マシュの評した「厄災となる前のバーゲストの方が強そうだった」という言葉が相応しいだろう。

強さとは、災厄そのものとなった彼女のように、何もかもを傷つけるためではなく、在りし日の彼女が志したように、大切な何かを守るためにこそ──