「戦闘において最も重要なこと。それはパーフェクトハーモニー、完全調和だ!」
演:徳山秀典
人物
ZECTの精鋭ゼクトルーパー部隊「シャドウ」の初代リーダー。年齢27歳。
作中における、マスクドライダーシステム第2号の仮面ライダーザビー最初の資格者である。
「パーフェクト・ハーモニー(完全調和)」の信念のもとに行動する完璧主義者で、調和を乱すスタンドプレーを極端に嫌っている。ワームとの戦いでは的確な指示によるチームプレーを展開し、部下たちからの信頼は厚かった。
ZECTへの協力を拒否し、シャドウをことごとく出し抜く天道総司を目の敵にするようになり、一騎討ちを挑み勝利(これは天道が近くにいた加賀美新を崩落した橋から庇った隙をついてライダースティングを叩き込んだものであり、正当な勝利とは言い難い)。ベルトごと止めを刺して意気揚々と去っていったが、天道は死んだふりをしており、破壊されたベルトも日下部ひよりの能力によって修復された。
そんなことは知る由もなく、現れたコレオプテラワームと戦っていたが、その最中に死んだはずの天道が現れ、さらにカブトに変身したのを見るや冷静さを欠いてしまい、ワームを無視してカブトとの戦闘を開始。助けを求める部下たちを見殺しにしてしまう。これによりザビーゼクターに見限られて変身資格を剥奪され、シャドウのリーダーも解任された。戦闘後には天道の元を訪れて「お前ではなく自分自身に負けた」と伝え、麻婆豆腐を振る舞い去っていった。
それでも自らの過ちを反省しシャドウを再結成させ、ザビーの資格を取り戻そうと一念発起を決意。同時期に発生していたワームがシャドウを付け狙う事件でZECTの内通者を炙り出すため、部下の影山瞬にシャドウのメンバーを集めるよう頼んだが、待ち受けていたのは残酷な現実だった。
この時すでに影山は新生シャドウのリーダーに就いており、さらにはザビーの新たな資格者となっていた。影山が矢車の話に乗ったのも彼の部下への過度な信頼を逆手に取り内通者を炙り出す囮として扱うための罠だった。
さらに内通者ではないと明白になったにもかかわらず影山に「組織を乱す不協和音」とみなされ、最終的にZECTから事実上追放される。
これが1クール終了時(第13話)の出来事となり、2クール目もまったく登場しなかったのだが…
闇落ち
「もう、パーフェクトもハーモニーもないんだよ…どうせ俺なんか…変身」
『HENSHIN』
「はー…」
『CHANGE KICK HOPPER』
「今、誰か俺を笑ったか?お前か?」
3クールに差し掛かった第33話、天道に対し感情的になる面以外は至って好青年だった性格から一転、己を卑下し「完全調和」の精神を喪失するほどにやさぐれた衝撃的な姿と、ZECTがネイティブに内密で開発した仮面ライダーキックホッパーの資格を引っさげて再登場。
キックホッパーのライダーキックによりワームを一掃した後、影山をも道連れにし強引にザビーの変身を解除させ資格を失わせた。
後に自分同様にZECTから追放された影山にもう1つのホッパーゼクターを授け「弟」とし、行動を共にするようになる。以降どのグループにも属さず、自らを「闇の住人」と称し、影山と2人で気の赴くまま、ライダー達やワームに戦いを挑む。
この影山とのコンビは、第35話のサブタイトルを取って「地獄兄弟」と呼ばれており、人気が高い。
ザビーゼクターが影山を見限った後に再び資格者として選ばれかけるが、過去の栄光に全く未練は無く、自ら睨んで拒絶した。
やさぐれてからは「どうせ俺なんか…」「お前はいいよなあ…」「今、俺を笑ったな?」など、ネガティブな台詞が目立つようになるが、神代剣を一時的に「弟」に加えたり、人間に戻った時の間宮麗奈に手を差し伸べるなど、「闇」に堕ちた人間には寛容な姿を見せている。
以前はプライベートな趣味として料理を嗜み、豆腐料理対決で天道に勝利(これは審査役のひよりの好みの差が大きかったが)するほどの腕前を誇るが、やさぐれてからはほとんどインスタント食で済ませている。
第39話では「兄貴塩」と「弟味噌」というカップ麺を、影山と2人でそれぞれ食べるシーンがあった。ちなみに一口で頬張る量がかなり多く、ジオウ客演時でも相変わらずの量であった。第44話では偶然出会した天道と再び豆腐料理対決をしようと意気込むも、豆腐が売り切れており実現せず、二人揃って盛大なため息をついた。
一度はZECTに協力してカッシスワームを攻撃したり、その後は自分を鎖で縛って自制しようとしたりと、本人なりに悩んでいたようであるが、最終的にはもう一度光を掴むべく、闇の中でも輝き続ける白夜の世界への旅行を計画。
そこに影山も連れて行こうとしたが、最終話直前に首飾りの影響でネイティブと化そうとしていた影山の懇願を汲み、彼をライダーキックで打ち倒した後、一人何処かへと旅立っていった。
スーパーヒーロータイムのEDでは闇落ち後の矢車が登場したのだが、剣と一緒に「ダイボイジャーの〜アタック!」(満面の笑みでサムズアップ)と言ってみたり、「羨ましい俺も是非笑って貰いたい…」といういつものセリフを言ったかと思えば突然「笑うなァァァァァァ!!!」と絶叫する、影山を相手に連続蹴りの特訓をするなど本編以上のネタキャラっぷりを発揮した。
劇場版『GOD_SPEED_LOVE』
劇場版でもZECTの一員として登場。
「完全作戦(パーフェクトミッション)」を掲げ、知略に長ける策略家。ゼクトルーパー部隊を牽引する。
テレビ版序盤と同様仮面ライダーザビーに変身する。
NEO ZECTを罠に嵌めて迎撃するが、NEO ZECTのリーダー・織田秀成の変身する仮面ライダーヘラクスと交戦し敗北、戦死。
その後
仮面ライダーディケイド
鳴滝によって召喚され、パンチホッパーと共に登場。声は本人だが変身後のみの登場である。
しかもその場所は一部のファンから矢車寺と呼ばれている、やさぐれた矢車が再登場した時の打ち捨てられた廃寺だった(また、クウガ本編でもバッタの兄弟が登場している為、その繋がりもあると思われる)。
ディケイドと戦うが、パンチホッパーとの戦いの最中にクウガが「ふっ」と息をついただけの声に過敏に反応し、「貴様…今、相棒を笑ったな?」とディケイドそっちのけでクウガに襲い掛かった為、業を煮やした鳴滝によって呼び戻された。
その後は、オーロラカーテンを通して、ライダーたちの戦いが繰り広げられていることを察し、「更なる地獄が俺たちを待っている」という捨て台詞を吐いて、カーテンの中に飛び込んでいった。
その後、「カブトの世界」にダブルホッパーは登場していないがおそらくドレイク、サソードのゼクターと共に二台のホッパーゼクターもクロックダウンシステムに利用されていたと思われる。
その後、ライダー大戦でザビーやドレイク、サソードと共に登場していた事から、一応ディケイドが廻ったカブトの世界でもホッパーの資格者が見つかりはしたようである。
「劇場版仮面ライダ-ディケイド オールライダー対大ショッカー」にも登場。こちらも声は本人だが変身後のみ。
劇中では王蛇と一緒にどこかの施設に潜伏しており、光夏海と海東大樹から大ショッカー打倒の協力を頼まれるも、「大ショッカーの地獄を味わってみたい」という理由から王蛇共々大ショッカー側に付いてしまう。その後は二人に襲い掛かり、ディエンドの召喚したパンチホッパーと交戦した。
仮面ライダージオウ
「どうせ俺なんか、ワームしか相手にしてくれない……!」
EP37~38にゲスト出演。
顔出し出演は本編終了以来であり、実に13年ぶりとなる。
カブト本編の放送から10年以上経過しているにもかかわらず容姿が当時とほとんど変わっていなかったため、自嘲するレベルで容姿が変わってしまった弟からもツッコまれており、発表の際に視聴者からも「一人だけタイムスリップしたの?」「ワームなのでは?」と言われたほど。
ちなみに原典と違い、着ているコートは右腕にもちゃんと袖が付いている。
劇中ではタイムジャッカーのウールにより、登場時には既にアナザーカブトに変貌していた。その後はワームが擬態した影山と行動を共にしており、影山がワームである事も承知の上で、弟の影山を守ろうとしている。
なお、キックホッパーの変身能力もそのまま残っており、ウォズギンガワクセイフォームとの戦いで変身している。
詳しい活躍はアナザーカブトを参照。
関連タグ
栗原天音、檀黎斗王:アナザーライダーに変身したレジェンドキャスト。
襟立健吾:失意の底に叩き落されて一時退場した後、原型の性格がなくなるくらいにやさぐれて再登場した人物。ただし、彼は後に再び元の性格に戻っている。
氷室幻徳:組織のリーダーの座を失い、後に変わり果てた姿で別の戦士として再登場を果たした人物。彼も「地獄を見てきた」という発言をしている(スピンオフ作品では彼が経験した「地獄」を直に見る事が出来るが、本当に地獄のようであるので要注意)。
須塔大翔:2年後のスーパー戦隊に登場するそっくりさん。Vシネマでは失敗を仲間に笑われて「笑えよ…」と拗ねるシーンもあった。