カロー
かろー
概要
宇宙幕府ジャークマターに所属する怪人であり、各星座系を掌握する極悪領主。
ショーグン・ドン・アルマゲの名の元に各星座系とダイカーンを統率しプラネジュームを集めさせている。担当星系内を自由に移動する拠点として専用の宇宙戦艦・ビッグモライマーズを与えられている様子。
その地位はとても高く、アルマゲの直属の部下である刺客達ですら敬意を表している他、有事の際は自らの居る現地のダイカーンやその手駒を自身の戦力として引き込んで使役出来る立場と権力を持つ(現地が管轄外であっても関係ない)。
ダイカーン同様、ジャークマターの構成員として一定以上の働きを認められる事によって与えられる役職であり、スコルピオはジャークマターの「殺し屋」として多くの反逆者を抹殺した功績からこの役職を与えられている。
総数は88名でキュウレンジャーを苦戦させる程の実力を持つ強敵ぞろい。
Space.2にて、ラッキー以外のキュウレンジャーはエリードロンと交戦し、その危険性を理解している。
ただし結局は上級管理職の為、役職の都合上本来は支配する星座系から離れる事が出来ない身分でもあり、本編前半でキュウレンジャーが戦ったカローは特例・特権を与えられた上でキュウレンジャーの抹殺を命じられた2名とごく僅かである。
ただし、権力層の横の繋がりが皆無になっているジャークマター内ではその権力以外の要素、要は魅力やカリスマ等といった他者を引き付け得る物を有したカローは“反乱分子候補”として粛清・淘汰されていた節がある。
実際、劇中のカロー達に個人的な魅力や人望等を感じられる者はおらず、統率下にあるはずのダイカーン達も上役のカローへ個人的な忠誠心等を見せる者は皆無、それどころか事務的な協力姿勢すらも見せず、逆にカロー側より接触されない限りはお互い不干渉で過ごすスタンスが主流となっている様子。しかもそれを逆手に取って、カローの方も現地で引き込んだダイカーンを自分の都合で見殺しにしたり使い捨てたりする事が多い。
そして、そんなスタンスでいるダイカーン達の中より昇格しただろうカロー同士も、上役の命令よりも個人的な欲望等を優先する者が大半らしく、お互いが持つ星系一つ分の人員等を動かし連携させて活かすのに必要なチームワーク力を失って結局その立場と権力を使いこなせていないのが窺え、結局はまんまとジャークマターに飼い殺されている実情が感じ取れる。
Space.32にてドン・アルマゲより全カローに対し、新たなフクショーグンへの昇進を条件としたキュウレンジャーの抹殺指令が通達された。しかし上述の様にカロー同士のチームワーク力をスポイルさせていたと思われるのが裏目に出て、指令通達から時間が経っても全星系規模のキュウレンジャー包囲網が形成されず、その隙に以下の一手をキュウレンジャーが打つ猶予を与えてしまった。
Space.35にてジャークマターの広告塔だったホシ★ミナトが洗脳を解かれ、反ジャークマターの旗振り役となった事で各地でジャークマターに対する抵抗運動が活発化。カロー達はその鎮圧に忙殺される事になり、キュウレンジャーへの対応も管轄する星座系に現れた際に迎撃するのがやっとと言う状況に追い込まれる事となった。
また、キュウレンジャーもフクショーグンとも渡り合える程に成長した為、逆に撃破されるカローが続出し物語初期からの力関係が完全に逆転。ジャークマター中枢部を護る防衛網の要も果たせないまま、キュウレンジャーが中枢部の潜伏するジャークマター本拠地へ突入するのを許してしまった。
末路と実態
Space.44では前話で明らかとなった「今の宇宙を破壊し、一から創り直す」というドン・アルマゲの真の目的が、ミナトを介する形でカロー全員に知らされる。
今ある宇宙を支配して充足していただろうカロー達は誰も宇宙の破壊を望んではいなかった様で、沢山いた残りのカローはキュウレンジャーとは戦わず(キュウレンジャーの方も余程の事が無い限りは追撃するつもりは無い様子)ジャークマターを離脱する事になり、組織としてのジャークマターその物は崩壊の一途を辿る事となった。
この顛末は結局、ジャークマターとはアルマゲが『宇宙を支配する』と言う目先の欲望を煽る事で数多くの人々をプラネジューム採取に駆り立てるシステムに過ぎなかった事を端的に示している。アルマゲ自身への忠誠心は無くとも、その威光の元で星座系一つの頂点に立てる魅力的な立場であるこの役職を目指す様、構成員を全宇宙に対する侵略行動へ駆り立てていたのが組織の実情だったと言う訳である。
またアルマゲの視点から見返すと、カロー達はエリートと言う名目でアルマゲの監視下に置かれる役職でもあったといえる。実力を高め実績を積んで昇格した経歴というのは、裏返せば力を付けて反抗勢力に転じる危険性も抱えているとも言えるので、それを監視して反抗の兆しがあったら処分を下すのも端から前提にされていたと思われる。
この推測の裏付けとの一つとして、カローに準じる立場で支配星系を与えられず、アルマゲの命令の元宇宙中を飛び回って反抗勢力を駆逐する刺客と独立部隊の存在が挙げられる。反抗勢力の駆逐を成せる彼らの武力は下手なカロー達よりも高く、切っ掛けさえあれば容易に反逆を翻せるので更なる力の保有に繋がり兼ねない支配星系の管理権を持たされず、アルマゲのコントロール下に置かれ汚れ役に従事させられた身分ではないかという考えが導ける。
そして、この刺客や独立部隊が駆逐した反抗勢力の中には、反逆や下剋上を密かに企んだカロー達もいた可能性があり、結局はアルマゲの裁量で同格同士が合法的に潰し合うシステムが成立していたとも考えられる(※前述した、他者からの人望等が無さそうな者達がカローに就いていたのはこうした組織内粛清の副産物とも言えよう)。やはりジャークマターの支配する宇宙はどこへ行っても自由に振る舞えるのはアルマゲただ1人だけであり、その庇護を得ようとしてジャークマターの軍門に下った者らも階級が上になる程アルマゲの支配に絡め捕られ自由を失ってしまっていたのだった。
そう考えるなら、ジャークマターの本拠地を攻め落としアルマゲを敗走に追い込んだキュウレンジャーが齎した結果は、ある意味カローやその下に居たダイカーン達に自由を与え開放する事へもなった。勿論、悪事を好む彼らが解放されればまた誰かを脅かす可能性が低くは無い物の、以前とは違い大規模な統制は取れないのが予見されるので脅威度は相対的に大きく下がる物と思われる。
しかもアルマゲが完全に滅んだ以降、リベリオンが解放組織から宇宙の平和を守る組織に変わったので、この先しばらくは残党である元カロー及びダイカーンが全宇宙を脅かす勢力へ変わる可能性はほぼ無くなったと言えよう。
カロー一覧
Space. | 名前 | 装備 | 特有 | 分類 | キョダインロウ | 統率星座系 | 出身惑星 | モチーフ | CV |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1~5、25 | エリードロン | エレクトロングボウ | 帯電性の金属ボディ | 合金宇宙人 | 右肩 | イテ座系 | イテ座系オジカゾ | エレクトロン合金の牡鹿像&弓矢&狩人 | 黒田崇矢 |
12~21、25 | スコルピオ | ジャークジャベリン | 猛毒の尾 | 毒針宇宙人 | 左腰 | サソリ座系 | サソリ座系ニードル | ミステリーサークル&新撰組&ウミサソリ | 久保田悠来 |
33 | マゲラー | マゲランチャー | マゲマゲパワー | 合金宇宙人 | 左腰 | オヒツジ座系 | オヒツジ座系スプン | スプーン曲げ&超能力者&羊 | こねり翔 |
36 | ウンジェット | 空陸両用プレコンジ機 | ソージュー肢 | クリーチャーエイリアン | プレコンジ機の胸装甲内 | コジシ座系 | コジシ座系オーゴ | 黄金ジェット&戦闘機パイロット | 高城元気 |
37 | ジューモッツ | スナデツクランチャー、スナスナイパー | スキャン能力 | 傀儡宇宙人 | 左腰ベルト | シシ座系 | シシ座系トウラ | トゥーラ遺跡の戦士像&ガンマン | 辻親八 |
38 | デスゴン | ケンポーケン | デスディスク | 合金宇宙人 | 右腰 | ケフェウス座系 | ケフェウス座系ネビュラ | ネブラ・ディスク&サモ・ハン・キンポー | 松尾まつお |
38~43 | メカマーダッコ | タコ足配線電磁バラバラムチ、タコメーター付きテンタクレイモア、タコマンドバルカン、オクトバストショット | 無敵のメカニカルボディ | サイボーグ宇宙人 | 右腰 | ペルセウス座系 | ハチブンギ座系クリスタコスカル | 水晶ドクロ&蛸&サイボーグ | 喜多村英梨 |
40 | グローブン | 魔球デッドキラー1号~3号、スーパー魔球カジキ殺し | ヘビーユビー | 魔球宇宙人 | 右腰 | カシオペア座系 | カシオペア座系小トクタ | 聖徳太子の地球儀&メジャーリーガー | 落合福嗣 |
41 | サザンキング | サザンクラッシャー | マボロジュウジ | 幻覚宇宙人 | 右腰 | ミナミジュウジ座系 | ミナミジュウジ座系ミナーミ | 十字 | 浜田賢二 |
Vシネマ | ザンダバルド | ザンダーバー刀 | ボルトンボイス | 甘言宇宙人 | 左腰前 | ジョウギ座系 | ワシ座系トテム | サンダーバード&ウォーリアー | 磯部勉 |
ショーグンの刺客・他
ドン・アルマゲ直属の配下で、ジャークマターに反抗する勢力を抹殺する役割を与えられた宇宙人。カローと同等以上の実力、出身星由来の特殊能力を有しており、キョダインロウも所有している。
カロー同様、現地のダイカーン等を使役して自らの戦力と出来る立場と権力を与えられているが、役割の都合上支配する惑星等は持たず、アルマゲの命令で各惑星を渡り歩いている模様。ただ一方で、反抗勢力と潰し合う鉄火場を潜り抜ける経歴上、ある種のカリスマを持った存在として別勢力に担がれる可能性も高く、ジャークマター内では出世の道より遠ざけられ暗に戦死するのを望まれた役職であるとも言えよう。
昇進前の略歴を見る限り、スコルピオもこの立場に身を置いていた様だが、詳細は不明。
Space. | 名前 | 装備 | 特有 | 分類 | キョダインロウ | 出身惑星 | モチーフ | CV |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
6~12 | イカーゲン | ゲソードライフル | 高度な視覚器官(目) | 軟体宇宙人 | 左腰 | ミナミジュウジ座系クリスタルイカル | 水晶ドクロ&烏賊(クラーケン)&暗殺者 | 塩屋翼 |
6~25 | マーダッコ | タコヤキラー、ショックシューター、タコスミスト、タコメーター付きテンタクレイモア | 強力な再生能力 | 軟体宇宙人 | 右腰 | ハチブンギ座系クリスタコスカル | 水晶ドクロ&蛸&女軍人 | 喜多村英梨 |
独立部隊・隊長
ショーグンの刺客と同様に反抗勢力を抹殺する役割を与えられているが、こちらは場合によって反抗勢力を惑星ごと滅ぼす強行策を行使出来る権限と戦力規模を持ち、個人レベルでは最大級の武力を有している。
しかし惑星からプラネジュームを搾取する基本方針を持つジャークマターでは異端の存在で、敵は勿論味方からも恐れられる“汚れ役”の立場でもある様子。
その在り方から、ジャークマターが有する反抗勢力の抹殺方法としては最後の手段と言える他、その恐怖支配を喧伝するデモンストレーション役も担っている模様。逆を言えばジャークマターの身内に現れた“反乱分子の芽”その物で、露骨に戦死する事を期待された立場とも評せるだろう。