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概要

刑事が主人公のテレビドラマ。

事件捜査での活躍を主としたもの、事件の推理を主としたもの、一人の主人公を中心にしたもの、数人の刑事が主人公のチーム物、シリアス、コメディ、人情物など色々なパターンの刑事ドラマが存在する。

日本の刑事ドラマの草創期はひとつの事件を軸にその捜査に挑む刑事たちの奮闘をメインとした作品が多く作られ、刑事たちの描写に重点が置かれていない点からそれらの作品は後年「事件ドラマ」とも呼ばれる。登場する刑事の面々も重要視されておらず、役者が同じ人なのに作品によって役名が異なるケースもままあった。

1970年代に入り「刑事くん」「太陽にほえろ!」がヒットすると、刑事に個性を持たせたり成長を促すドラマを見せたりといった要素が追加されていく。

その結果カーチェイス銃撃戦をメインとする過激でハードボイルドな刑事アクションドラマが数多く製作されていくことになる。

1980年代になると犯罪捜査以外での刑事の日常活動を描いた作品も登場するようになり、中には、刑事を職業が単なる飾りでしかない恋愛ドラマも登場した。

しかしながら平成に入りバブル崩壊後、刑事ドラマのネタはマンネリの一途を辿り、1990年代中期から製作予算の縮小や放送コンプライアンスなどの規制が非常に厳しくなったうえに、視聴者側の嗜好がリアリティを重視するようになったこともあり、下記の「相棒」・「踊る大捜査線」・「古畑任三郎」などの銃器類やアクション要素のない推理探偵をメインとするソフト路線や警察組織内の対立劇などへと移行するようになった。

出演者の降板についても「太陽にほえろ!」以降派手な殉職が恒例となっていたが、前述の路線変更及び降板後のゲスト出演の可能性を持たせるために退職や異動といった形が多くなっている。

過去にあった激しいアクションはあまり見られなくなったが、現在においても犯人との交戦による逮捕術や、爆弾処理などの緊迫したアクションシーンは健在である。ただノウハウが失われつつあるため、よく銃の持ち方が変とつっこまれる。

テレビ時代劇の後継としての要素を持ち、テレビ視聴者の高齢化が進む中で視聴率を獲得しやすいジャンルであるため、無いクールは存在しないと言われるくらいの定番と化している。ネタが無ければとりあえず刑事か医療にすれば良いとまで言われる。

1970年代に確立された基本プロットは二通りあり、ひとつは旧来の事件やそれに関わった者たちのドラマ中心の作劇で、もう一つはレギュラーの刑事の個性を前面に押し出した作劇である。前者は主に東映製作に多く、後者はアクション主体の作品に顕著である。

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