概要
『ロマンシングサガ2』とは、スクウェア(現スクウェア・エニックス)が販売したゲームソフト。略称として「ロマサガ2」が良く使われている。
Sa・Gaシリーズの5作目として、1993年12月10日にスーパーファミコンソフトとして発売。
その後バーチャルコンソールや次世代機等、他のプラットフォームに移植版が発売された(後述)。
移植
- 2010年
- バーチャルコンソール(Wii)配信開始。2019年配信終了。
- iアプリ版配信開始。2019年配信終了。
- 2011年
- EZアプリ版配信開始。
- 2014年
- バーチャルコンソール(WiiU)配信開始。2019年配信終了。
- 2016年
- PlayStation Vita、iOS、Android各プッラットフォームに配信開始。
- 2017年
- PlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switch、Windows(Steam)配信開始。
- 2024年
- 2024年10月24日に、Switch、PS4/5、Windows(Steam)にて3Dフルリメイク『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』が発売予定。
派生作品
- 発売と前後して、漫画版が『ファミリーコンピュータ Magazine』に連載され、1994年に単行本が発売。全3巻。作画は面堂かずき。1巻の原作者は森本洋、2-3巻の原作者は葉月まゆみ。
- 2012年より派生作品としてGREEで『エンペラーズサガ』が配信されていた(2017年にサービス終了)。
- 2018年~2019年には舞台『SaGa THE STAGE 〜七英雄の帰還〜』が埼玉・東京・大阪で公演。
ストーリー
数多くの悪しき魔物達を倒して世界を救い
その後何処かへ消えていった「七英雄」達···
いつの日かこの世界に混乱が訪れるとき
彼らは再び現われ世界を救うであろう。
世界が平和の内に治められていたのも今は昔。
バレンヌ王国などの大国も次第に力を失い、
各地では魔物達が跳梁跋扈している。
加速度的に混乱していく世界———。
そして、人々が語る「伝説の七英雄」。
幾世代にも渡る壮大な歴史が、今、始まる。
世界
前作と同様南半球にあるらしいが、気候区分の位置関係が複雑なので単純に北が暑く南が寒いというわけではない。また前作と同様、世界地図は途中で途切れていてその先がどうなっているのかは明かされていない。
バレンヌ帝国
帝都「アバロン」を中心とする国家。裏設定的なものは『大全集』に掲載されている以下の程度のものしか確認できない。
- レオンが全土統一を志すまでの1000年間は一般的な国家の歴史を歩んでおり、ヴィクトール運河を築いた事以外は殆ど記録に残っていない。
- 最盛期は東方を除く世界のほぼ全土を領土におさめたが徐々に衰退した。
- 一方ゲーム中では南バレンヌを制圧すると「全盛期の領土を回復した」と表示される為、上記の設定とは矛盾する。
なお「バレンヌ帝国」という国名は1度もゲーム中では呼称されない。単に「帝国」とだけ呼ばれている。
それどころか「バレンヌ」という地名自体、ゲーム中では「南バレンヌ」という地方名の一部でしか登場しない。
その上取り扱い説明書では「バレンヌ王国」と表記されており、大全集に至っては「アバロン帝国」「ロアーヌ帝国(ロマサガ3。本当は侯国だが)」という誤表記まで登場する始末である。
- 北バレンヌ
- 南バレンヌ
- 南側には龍の穴という格闘家集団が本拠を置いているが、打撃に強いスライムに手を焼いている。湾の出口にはボクオーン配下の武装集団が根城にする運河要塞があり、地域の発展の妨げとなっている。
- ルドン
- ナゼール
- 氷海
- 雪と氷に覆われた地域。サイゴ族はこの地とナゼールを行き来している。厳しい環境のため定住者はいない。
- 北ロンギット
- 武装商船団(要するに海賊)が支配する内海。武装商船団の拠点ヌオノはその地形から、陸路にせよ海路にせよ攻めるに難く守るに易い天然の要塞となっている。
- 南ロンギット
- 漁業を中心とした生活が行われている内海。人魚伝説がある。
- カンバーランド
- 国家が存在しており後継者問題から内紛寸前まで揺れ動いている。介入か静観か、選択次第で展開が大きく変わるのでプレイは慎重に。
- ステップ
- 名前の通り草原が広がる地域。七英雄の一人ボクオーンが地上戦艦で徘徊し、麻薬の製造・流通を行っている。
- メルー
- 砂漠が広がる地域。このエリアで戦闘になると最大HPが半減するという強制デバフ地帯。七英雄のノエルが何かの調査をしている。
- アウストラス
- 古代の遺跡しかない無人地帯。
- サバンナ
- コムルーン島
- 巨大な火山がある島。熱に強いサラマンダー族が住んでいる。噴火を止められるか否かによって展開が変わる。
- サラマット
- ジャングルが広がる地域。鳥獣の鳴き声がBGMになっている。七英雄の一人ロックブーケが何らかの調査を行っている。
- ヤウダ
- トーレンス
- 北バレンヌから最も離れたところにある謎の地域。ここに来ると、七英雄と戦うことになった経緯など様々な謎の真相が明かされる。
システム
フリーシナリオ
今作では帝国の版図拡大が大きな目的の一つとなっている。
ストーリーラインを追う他のRPGとは異なり、ある程度の自由度が確保されている。プレイヤーは「皇帝」としてキャラクターを操作、領土内から行ける範囲で目的地を選ぶとイベントが発生する。それらをこなしていくことで領土・仲間・収入などを増やしていくことができる。ただし選択肢を1つ間違えただけで取り返しのつかないことになってしまうことも少なくないので、攻略情報を見ずにプレイする場合はセーブ枠を複数使うなど注意が必要。
また、シナリオは年代が進むことでも発生し、プレイヤーは操作キャラクターを次代へと進める(=皇位継承する)ことで全体の流れを体感していくこととなる。フリーシナリオではあるが大きな目的があるため自由度は前作より少し下がっている。
移動
移動システムは前作を踏襲しつつも変更があり、比較的自由に世界を移動できるようになった。世界地図が新たに登場し、世界地図から地域を選択してのファストトラベルが可能になった。
シンボルエンカウントも同様に踏襲されているが、前作のように敵が大量にひしめく状況は減った。また、ダッシュができるようになった。ダッシュ中にエンカウントすると陣形が崩れ、強制的にフリーファイトの陣形になってしまう。
成長
レベルの概念がない点は前作と同じだが、さらに今作は一般的なRPGとは大きく異なる点がある。
キャラクターごとに腕力・器用さ・魔力・素早さ・体力などの能力値が設定されているが、これらの値はいくら戦闘を重ねても成長しない。成長するのはHP・WP・JPと熟練度のみである。
戦闘
プレイヤーはパーティ全体の陣形・装備アイテム・習得した技/術を設定した上で戦闘に臨む。敵はHPを0にすることで倒せるが、味方はHPが0(戦闘不能)になっても通常の回復で復活できる。ただし、HP0と同時にパラメーターとして存在するLP(ライフポイント)が減り、戦闘不能時に攻撃を受けてもLPが減る。直接LPを削る攻撃もある。LPを0にされると完全に死亡(復活はできない)。LPを回復する手段は限られているため、減ると回復は困難。敵の全滅で勝利、味方の全滅・皇帝の死亡で敗北(=皇位継承)。全滅してもゲームオーバーにはならない。戦闘終了後はHPが全回復する。
また、『技』及び『見切り技』は戦闘中に『閃く(※)』ことで覚え、ある程度時間が経過すると、誰でも使用出来るようになる。特に一部の見切り技は、特定のボスを攻略するのに必須であるので、これがゲームの要所で獲得できるかが、ゲーム全体の攻略難易度を左右するといっても過言ではない。
技が閃く時に『裸電球が光る』という、昭和時代アニメの様なエフェクトがあり、これもこのゲーム、そして以降のサガシリーズの代名詞となっている。
陣形も新たに取り入れられた要素のひとつ。前作にも似たような概念はあるが、今作では陣形に名前がついていてそれぞれ特殊な効果を持っている。敵より早く行することを最優先した陣形、敵の攻撃が前衛の1人に集中する陣形などがある。標準の陣形はフリーファイト。
皇位継承
イベントをこなして自動的に年代が進む、あるいはパーティの全滅・皇帝の死亡で発生。皇帝の死亡の場合はその時のパーティキャラの中から、それ以外の場合は提示された中から選択した者を「皇帝」にしてシナリオを再開する。この時新しく皇帝になった者は、先代の皇帝がそれまで習得した・成長させた技能を引き継ぐ。
登場キャラクター
声はリベンジオブザセブンでのもの。
バレンヌ帝国皇帝
仲間になるクラス
各クラスに8人のキャラがいて同じグラフィックの色違い。キャラ名の傾向には全て何某かのモチーフがある。
- 帝国重装歩兵(CV:松田健一郎)
- 帝国軽装歩兵(CV:村田太志、川井田夏海)
- 帝国猟兵(CV:清水優譲、加隈亜衣)
- 宮廷魔術士(CV:鈴木崚太、白石晴香)
- フリーファイター(CV:八代拓、桑原由気)
- フリーメイジ(CV:内田修一、稲川英里)
- シティシーフ
- 軍師
- インペリアルガード
- 格闘家
- 武装商船団
- ホーリーオーダー
- ノーマッド
- デザートガード
- イーストガード
- サイゴ族
- アマゾネス
- ハンター
- 海女
- サラマンダー
- モール
- ネレイド
- イーリス
リメイク版の追加クラス
七英雄
その他
備考
- 『ロマサガ1』及び『ロマサガ3』、もしくは『サガフロンティア2』『アンリミテッド:サガ』などには、ゲームの開始以前の設定として詳細な年表が存在する。また没になったイベントや裏設定も無数に存在する。
- 『ロマサガ1』には『ロマンシングサガ大事典』、『ロマサガ3』には『練磨の書』、『サガフロ2』では『アルティマニア』『パーフェクトワークス』、『アンサガ』だと『解体真書』という攻略本もしくはファンブックが出版されており、それらで初めて明かされている設定も多い。またソフトの没データを覗く事で、それらを垣間見ることもできる。
- しかし本作『ロマサガ2』にはそういった裏設定はあまりなく、イベント関係の没データも殆ど存在しない。またファンブックも出版されていない。書籍『ロマンシングサガ大全集』にも大まかな年表程度しか載っていない。
- 近年のアプリ版やロードオブヴァーミリオンなどで新たに語られる設定も増えてきている為、今後の展開が期待される。ただし、河津氏のスタンスとしては「探りようのないほど歴史の闇に埋もれた事件などは、むやみやたらと明かさない」方針のため、今後も語られない設定が多いことも考えられるだろう。設定が存在しないのではなく、伝聞者や証言できる者がいないため作中の世界で誰も語りようがない、だから現実側のプレイヤーにもそれを語らないという事例はサガシリーズには多いのだ。
関連イラスト
関連タグ
表記ゆれ
リメイク
シリーズなど
- ロマンシングサガ(前作) / ミンストレルソング(前作のリメイク)
- ロマンシングサガ3(次作)
- Sa・Ga(シリーズ全般の記事)
- スクウェア・エニックス
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